新妻レイちゃんの憂鬱

(前編)

作・FISH BLUEさま

 


「じゃ、行ってくるからね。ちゃんとご飯は三食食べるんだよ?僕が居ないとレイは直ぐに偏食に戻っちゃうんだから・・・」

 

雀達がさわぐ朝。白く柔らかな日差しの中、珍しくネクタイを締めたシンジが微笑む。そう、レイの大好きな何時もの笑顔。

早く、戻ってきて・・・ううん、本当は出張なんか行って欲しくない。シンジ君のいない家・・・わたしは、嫌い。二人で一緒に

いることが出来なければ、なんの意味もないもの。でも、そんな事を言えば優しい彼を困らせてしまう・・・それは、もっと嫌。

だから・・・

 

「いってらっしゃい・・・わたしは、大丈夫だから・・・」

 

そう言って、彼を送り出す。彼が教えてくれた、精一杯の笑顔で。

 

そっと、暖かい何かがレイの華奢で繊細な身体を包む・・・空色の髪を撫でる、優しい掌。

 

「いってきます。」

 

そういって、静かに重ねる唇・・・シンジ君の、匂い。このままずっと、こうしていられたら・・・

 

やがて、シンジ君は手を振って、リニアの駅の方へ消えていった・・・

 

 

−新妻レイちゃんの憂鬱 外ン道夫妻の危ない罠の巻−

 

時に西暦20XX年(それはもおええ・・・)第三新東京市。

時代背景等は定かではないがそんな事やあんな事があって碇家も取りあえず安泰・・・らしい。シンジも無事フリーの物書きなどと

言う定職を得て、念願かなって愛しいレイと所帯をもってもう半年になろうか。(そーりゅー?誰だそれは。どっかで聞いたような

・・・ま、いっか。)正に二人にとって幸福一杯の人生は始まったばかり・・・と言いたい所だが・・・一つここに重大な問題が存在する。

 

皆様ご存知のとおり、碇シンジは一人っ子である。結果的に戸籍上の長男・・・碇家の跡取り息子であり、その結果何故か某汎用人型決

戦兵器に頭を齧られたとか、金髪ねーちゃんに無理心中を迫られたとか噂されていたわりには、しっかり生きている某ヒゲオヤジと、

これまたメルトダウンして、行方不明だった筈の非常に若造りな御母堂様(殆どレイの姉にしか見えない)との同居を迫られる事とな

ったのだった・・・

 

今時、亭主の両親と同居などしようと言う奇特な女性がどれほどいようか・・・ましてや、長年夢見つづけた二人っきりの蜜の生活・・・

もう、どこかの赤色したお猿さんにわずらわされる事もなく(あんた、そんな事だけ憶えてんじゃないわよっ!!)、しかし。

綾波レイ(旧姓)は優しい娘だった。天涯孤独な自分にとって、ゲンドウとユイは実の両親と同じなのだと彼女は嫌がる(そりゃ

そうだろう・・・)シンジを説き伏せ、結果二世帯同居に踏み切る事になったのだったが・・・

 

それを知ったゲンドウの色眼鏡が怪しく光った事を見逃したのは、碇シンジ一生の不覚(何回、一生の不覚を取れば気が済むのか、

この男は?)であろう。自分にも親と言う者が出来たと大喜びのレイは、そんな事など全く気付かず、毎日せっせと親孝行に励むの

だったが・・・(君ならこうは行くまい、ねえ、アOカ君?)

 

筋金入りに鈍いシンジもようやく、父の妻を見る目がかなり(もの凄く)怪しい事に気付き始めた(前からそうやって・・・)矢先の

この出張(出版社企画の取材旅行)であった・・・あの、父さんがレイの後ろ姿を見る時のニヤリ笑いと言ったら・・・風呂上がりなん

かはちゃんと隔離して、見せない様にしてきたけど・・・心配だな・・・まぁ、母さんも居る事だし、大丈夫かな・・・

北へ向かうリニアの中、胸中に不安の渦巻くシンジ。変質者を身内にもつのは大変なのだ。

 

「レイ・・・僕が帰ってくるまで、無事で居てね・・・」

 

思わず、外道オヤジに後ろから襲われているレイのあられもない姿を想像(妄想)するシンジ。

 

『・・・司令、いえ、御父様・・・だめ。わたしには、シンジ君が・・・』

 

『フッ。良いではないか・・・レイ。以前はあれほど喜んで、自分からねだっていたろう。シンジは知っているのか?お前を仕込んだ

のは私だと言う事を。』

 

『・・・御願いです、御父様・・・その事だけは、シンジ君には、言わないで・・・』

 

エプロンドレスのスカートに直接手を入れて、レイの可愛らしいお尻を撫で回すヒゲオヤジ・・・抵抗できないレイ。左手で胸元を

はだけさせて、小ぶりに整った白い乳房を弄ぶ・・・尻を撫でていた手があの、柔らかな空色の茂みの中へ・・・

 

『しばらく見んうちに、随分と厭らしい身体になったものだ。シンジの奴め、たっぷりと可愛がってくれている様だな・・・』

 

レイの小さな突起を指先で弄んでいたヒゲオヤジ・・・滑らかに潤った合わせ目を伝って、指を小ぶりな菊の蕾の方へ・・・

 

『ああ、そこは・・・そこだけは、許して。御父様・・・』

 

『ほお・・・こんな所まで可愛がってもらっているのか。後ろだけでもシンジに操を立てようとは、たいしたものだな。奴は、こんな風に

触れるのか?いつも・・・』

 

つぷつぷと、第一関節までレイの蕾にめり込むゲンドウの指・・・のけぞるレイ・・・

 

『あああ・・・ゆるして、シンジ君・・・』

 

「レイいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?・・・って、あれ?」

 

弁当のワゴンを押した女の子が驚いている・・・

 

「すいません、釜飯とビール一つ・・・エビチュ、あります?」

 

妄想は、時と場所を選ぶべきだろう、シンジ君・・・リニア新幹線は既に仙台に着こうとしていた。

 

 

 

窓から差し込む日差しは明るく、優しい。季節の戻ったこの島は、今は、春。屋根の上の猫達も恋の季節・・・

 

なんだか、うきうきして、たのしい・・・シンジ君に会うまで知らなかった、この気持ち。

 

レイの目の前、咲いている、プランターの中の花達。じょうろで水をあげる。

 

花・・・同じ物がいっぱい、いらないものも、いっばい・・・わたしと、同じ・・・ずっと、そう思っていたわたしに、シンジ君はおし

えてくれた・・・

 

『ちょっと見ただけじゃ、みんな同じに見えるかもしれないね・・・でも、良くみてごらんよ。似てるけど、一つ一つ、少しづつ

違うんだ。同じ物なんて一つも無いんだよ。だから、かわりもいない。どの花も生きて、子孫を残す為に一生懸命咲いてるん

だよ。だから、いらない花なんて一つも無いんだ・・・君が、僕にとってかけがえの無い『綾波レイ』なのと、同じなんだ・・・」

 

・・・わたしは、人形?赤い土から作られた・・・偽りの魂を持つ・・・

 

『何から生まれたかなんて、関係ないよ、そんな事。それに、ほら・・・みてごらん?』

 

あれは?・・・女の子・・・小さい。母親に手を引かれて、街を歩いている。手に何かを大事そうに抱えて・・・ぬいぐるみ?

 

『仮に・・・誰かが君の事を、人形だと言ったとしても、忘れないで欲しいんだ・・・人形は、人に愛される為に生まれてくるって事・・・』

 

愛される為に、生まれてきた?・・・わたしも?

 

『そうだよ。きっと・・・僕が、君を愛する為に、僕達は出会ったんだ。そう、信じてる。』

 

シンジ君・・・縁側、ハンガーにぶら下っている乾きかけのセーターを、抱きしめた。目の前を、ひらひらレモン色のものが飛んでいる・・・

モンシロチョウ・・・二匹。たのしそうに一緒に踊っている・・・あなた達も、夫婦なの?そう、わたし達と、おなじ・・・

 

不意に、洗濯機の角に留まるつがいの蝶・・・一羽の上に留まる、もう一羽・・・ゆっくりと羽を動かしながら・・・

 

彼等がなにをしているのか理解し、少しだけほほを染めるレイ。・・・生を謳歌する彼等をうっとりと眺めながら、つい、昨夜の

秘め事を反芻する・・・何時の間にか胸の先端が天を向いて尖っている事にも、気付かないまま。

 

・・・シンジ君・・・胸がきゅっと音をたてたような気がする。身体の奥の方が、甘く、切ない感じ。彼のセーターをぎゅっと抱きしめる。

 

今夜、シンジ君は帰ってこない・・・そう思うと、たまらなく淋しくなってしまうレイだった。

 

 

 

「おっ、お前・・・ペンペン!?生きてたのか!」

 

此処は仙台近郊、とある水族館。エッセイの取材先でシンジは思わぬ再会を果たしていた。洞木家に預けられて以来

音信不通だった古馴染み・・・

「驚くのはまだ早いで、センセ。」

 

わざわざ「見せたいものが在る」と電話をよこしながら、トウジは来れば解る、とだけ言って肝心の用件に着いては

教えてくれなかった。東北への取材旅行の話は既に決まっていたので、丁度その足で尋ねれば良い、と軽く考えて此

処まで来たのだが・・・ただ事ではなさそうだ、これは・・・その時、後ろからかかる声。

 

「ちょっち遅くなっちゃったけど・・・約束、守るわね。」

 

え!?・・・振り返り、驚く暇も無く塞がれる視界、口・・・

 

「!?・・・・・・・・・ミサトさん!?」

 

二度と会う事はないと思っていた女(ひと)・・・そんな、生きてたのなら何で今まで・・・にしても、いきなりこれは・・・

御免ね、御免ねレイ、浮気とかそー言うんじゃないんだよ、これは・・・今更「大人のキス」の続きとは・・・

 

もう、喜んで良いのか、困るべきなのか・・・どう対処していいのか解らなかった・・・

 

 

 

時計の針も10時を過ぎた・・・そろそろ、電話がかかってくるころ。レイは二人の寝室、ダブルベッドの上に腰掛けて

シンジからの電話をまっている。手元にコードレスの電話機をおいて。

 

・・・シンジ君・・・声がききたい。一人なのが普通だと思っていた頃とは、全然違う。もう、知ってしまったから。

必要なの。彼の匂い、温もり・・・シンジ君の腕の中でなければ、もう、不安で眠れない・・・

 

ぷるるるるるるるる

 

シンジ君!・・・飛びつくように受話器を取るレイ。

 

「もしもし?」

 

「レイ?僕だよ・・・ごめんね、遅くなって・・・」

 

「・・・わたしは、かまわない・・・声が、ききたかったの。とても・・・シンジ君・・・」

 

「レイ・・・」

 

大丈夫?父さんに、変な事されなかった?何も変わった事はなかった?いろいろ聞こうと思っていた事も、全て忘れてしまう。

いつも静かに感情を押さえた、透き通るような小さな声が、微かに震えている・・・今すぐ側に行って抱きしめられたら・・・

そんな想いが胸を締め付ける。

 

「逢いたいよ・・・レイ・・・」

 

淋しいの?切なくて、震えてるの?可哀相に、僕の大切なレイ・・・

 

「シンジ君・・・わたし・・・」

 

「うん・・・どうしたの?・・・」

 

あの後、再会を祝して、と言う事で、ミサトとトウジに仙台の繁華街を散々引きずり回され・・・電話を入れる事すら侭ならなかった。

家庭を離れると気が大きくなるのは恐妻家の常でありトウジもまたその例に漏れなかったため、家に電話を入れたいなどと言おうも

のなら・・・トウジは僕を「同類」だと思ってるみたいだけど・・・愛妻家と恐妻家は違うと、切に主張したいシンジだった。

無論ミサトはそれに輪をかけて凄かった・・・あの後いかにして生き延びたか、今まで日本を離れて何をやっていたか・・・想像を絶する

過激な体験談はアルコール消費の増大と共に加持を失った穴を如何に埋めるか、と言う命題をもった更に壮絶な男性遍歴の話へと移

行し(非常に濃厚且つリアリティ溢れる形容を伴って・・・)やがては・・・

 

『何であたしが日本に帰ってきたか、わかるぅ?シンちゃん・・・』

 

・・・まっ、まさか・・・って言うんじゃないだろうな・・・

 

『えへへへへへぇ・・・きーたわよぉ、レイの事、随分可愛がってるみたいじゃないのぉ・・・』

 

『それは・・・当り前でしょ。レイは僕の奥さんなんだから・・・』

 

『ふーん、ナマ言うようになったわよねぇ・・・毎晩あたしの下着を持ち出してはお猿になってたあのシンちゃんがねぇ・・・』

 

・・・あのな・・・

 

『言っちゃおーか、その事、レイに・・・あと、鍵かかってないレイのアパートで、留守中シンちゃんがナニやってたかぁ・・・』

 

あの親父にしてこの息子あり・・・

 

『なっ、何を根拠にいってるんですかっ!?』

 

『あらら・・・図星の様ねぇ・・・愛する旦那が中学生の頃、自分ちを荒らしてた下着ドロだと知ったら、レイなんて言うかしらねぇぇ、

シンちゃん(はぁと)』

 

『脅迫する気ですか・・・一体何を・・・』

 

『あらん、シンちゃんの心がけ次第よぉ?そ・れ・は』

 

・・・ショタコン、直ってないんですね。ミサトさん・・・でももう、僕も二十歳過ぎてるんですけど・・・

事後、ミサトが一時的接触を含む激しい物理的攻勢に出た事は言うまでもない。既に40間近のミサトではあったが、その熟女の色香の

破壊力は想像を遥かに超えるものであった・・・

 

・・・取材旅行の間、ずっと同行する気らしいし・・・此の侭じゃ、理性が・・・ごめんね、レイ。結局僕は君に縋る事しか出来ない男なんだ・・・

 

「レイ・・・いいかな・・・」

 

「!・・・ええ・・・」

 

ベッドの上、少し驚くレイ。前に数回だけ、まだ一緒に暮らす前にした事がある、あれ。あの時も、淋しくて、逢いたくてたまらなかった・・・

・・・なんだか、うれしい。身体の芯をシンジ君に暖めてもらえるみたいで・・・

 

「すこし、まって・・・」

 

少しだけ、うきうきしながらスカートを脱ぐ・・・ショーツも、脱いでしまう。ブラも、邪魔だから・・・

素肌の上、薄い春物の・・・真っ白なカシミアのセーター一枚になるレイ。下半身には・・・何も付けていない。

 

「いいわ・・・全部、脱いだわ。今はセーターだけ、着ているの・・・」

 

「見たいな・・・可愛いよ、凄く・・・レイ。」

 

シンジ君の、息遣い・・・少し荒い・・・切なくなる。側に居れば、慰めることができるのに・・・

 

「シンジ君・・・わたしにも、触って・・・」

 

「うん・・・じゃ、いつもみたいに、胸と、そこ、触ってごらん・・・レイの好きな、皮の中の小さな粒・・・」

 

んっ・・・ふぅん・・・白いセーターをかきあげたレイの胸元、小ぶりな白い乳房・・・淡い褐色の乳頭はもう、

つん、と上を向いて、電話の向こうの愛撫を待ちわびている。左手で掬い上げるように乳房を撫で、

指先、親指と人差し指で小さな乳輪の付け根をそっと挟んだ。いつもシンジがそうしてくれる様に・・・

右手の指先で空色の茂みをかき分けて、柔らかな薔薇色の襞、その合わせ目の先端に在る小さな突起を

中指で撫でた。

 

「ふぅぅん・・・シンジ君・・・気持ちが良いの。もっと、触ってほしい・・・」

 

セーターの肩に挟んだ電話に囁く、甘声のおねだり。余りに可愛いそれを聞いて、堪らず激しくなった熱膨張を扱き立て

ながら、つい、少しいじわるを言ってみたくなる。

 

「レイは、そこをいじられるのが大好きなんだね。僕が居ない時も、いつもそうやって一人でいじっているのかな?」

 

「えっ?・・・わたしは・・・ごめんなさい・・・淋しかったの。シンジ君が、側にいてくれなかった頃・・・だから、今でも、つい・・・」

 

一人で暮らしていた頃・・・シンジの体温を知れば知るほど、夜の冷たさが耐えられなくなっていったあの頃・・・枕に顔を埋めて

夜毎その白い指先でその部分を慰めていた・・・彼の名前を呼びながら、触れて欲しくて。何時の間にかそれが習慣になってしまった

レイのそこは、わずかの間でも、シンジの匂いが離れてしまうと淋しがって指先を求める様になってしまっていた・・・

 

「・・・泣かないで、レイ・・・ごめんね、いじわるを言って・・・でも、可愛いんだろうね、レイのオナニー・・・帰ったら、僕に見せてくれる?」

 

受話器の向こう、少し涙声になったレイ・・・なんだか、胸が締め付けられるようで、後悔する。レイのオナニー癖のことは前から知っている。

可愛くて、ついからかってみたくなっただけなのだが・・・ごめんね、悲しませちゃったのかな・・・

 

こく、とレイが肯いたのが、気配で解る。

 

「僕だって、随分想像の中で君を汚していたんだ・・・あのころ。君のプラグスーツの可愛いお尻が、頭から離れなくて、毎晩・・・」

 

「えっ・・・シンジ君・・・」

 

柔らかな、襞の感触が生暖かい滑りを増していく・・・シンジの言葉に合わせて、そっと潜り込んだ指先でなかを優しくなぞる。

硬さを増した突起が存在を主張する・・・親指の腹でそこをなぞった・・・腰の奥に、とろけそうな甘い痺れが走る。

 

「ふぅぅぅん・・・シンジ君、切ないの・・・早く、早く帰ってきて・・・わたし・・・」

 

のけぞったレイの肩から、ベッドに受話器が落ちる・・・片手を、肩口まで捲り上げた白いセーターの下、愛らしく尖った乳房に当て、

もう一つの手を股間に伸ばして、柔らかな合わせ目、小さな突起をそっと指でなぞりながら、ベッドに膝を突いて尻を掲げるように

して、受話器に顔を近づけた・・・淋しさを、訴える。

 

「直ぐに、帰るから・・・逢いたいよ・・・レイ。そろそろ、あそこにも触れてごらん・・・いつもレイがおねだりするところ。」

 

「・・・恥ずかしい、シンジ君・・・」

 

頬を朱に染めながらも、襞に触れていた指先をもっと後ろの方へ・・・人差し指の腹でそっと撫でてみる。最近、シンジに

愛されることを憶えて、すっかり甘えん坊になった、レイの小さな雛菊の蕾。指先で円を描く様になぞる・・・襞の部分とは

また違う、甘い疼き・・・襞から溢れる蜜をそこに移して、準備を整えた。

 

「・・・いいわ・・・来て、シンジ君・・・」

 

「行くよ・・・僕の愛しいレイ・・・レイの、小さな可愛い薄茶色の、菊の花・・・」

 

「ああ・・・シンジ君っっ・・・」

 

右手の人差し指が、つぷ、つぷ、と蕾に侵入していく・・・直腸の筋肉を押し広げる感覚・・・

入り口付近、いつもシンジがするように、内側から指で撫でる。やがて、ゆっくりと

ほぐれるのに合わせて、指先の抽挿を始める・・・ぴくん、と背筋を反らすレイ・・・

 

「はぁ、はぁ・・・あくぅぅぅぅぅぅん・・・シンジ君、シンジ君・・・」

 

「はぁ、はぁ・・・可愛いよ、僕のレイ・・・その侭、お尻でいってみせて・・・」

 

受話器に向かい、こく、と小さく肯くレイ・・・頬を上気させたまま、たまらずに、リズミカルに

お尻をふりながら・・・指のピストン運動が、にわかに速さを増す。

 

「ああ・・・シンジ君、わたし、わたし・・・お尻で・・・」

 

「良いよ、レイ・・・さあ、いってごらん?」

 

その言葉と共に、激しくのけぞる白い背中・・・汗ばんだ頬に、短めの空色の髪を揺らして・・・

 

「くうぅぅぅぅぅぅぅん!・・・あっ・・・ぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・シンジ君・・・」

 

「はぁ、はぁ・・・っ!・・・はぁ・・・最高だよ。レイ・・・抱きしめたいよ、すぐに・・・」

 

「シンジ君・・・逢いたい。はやく、帰ってきて・・・」

 

いつもは二人一緒に眠るベッドに顔を埋めたレイの、紅く澄んだ瞳は、きっと潤んでいるのだろう・・・

 

「おやすみ・・・可愛い、僕の奥さん。」

 

受話器の向こう、軽い・・・キスの音。汗で頬に空色のシャギーを張り付かせたレイは、とても幸福そうな、柔らかな微笑みを浮かべていた・・・

 

 

 

 

「ふーん、やるじゃないの、レイ・・・もうお子様ってわけにはいかないってことね(ニヤリ)」

 

旅館の一室・・・さっきから布団部屋に隠れてなにやらやっていたシンジの様子を伺っていたミサトは、不敵な笑みを浮かべるのだった・・・

 

あやうしシンジ!

 

 

一方・・・

 

 

「ふっ・・・しばらく見ない内に、随分と大人になったものだな、レイ。」

 

若い夫婦の寝室を密かに(一部始終を)覗いていた色眼鏡が、怪しく光る・・・

 

迫るヒゲオヤジの魔の手、レイちゃん、危機一髪!

 

そんな事とは知らぬげに、レイはさっきのままの姿でダブルベッドの上、すやすやと小さな寝息を立てていた。大好きな旦那様の夢を見ながら・・・

 

 

はたして、この夫婦の明日は、どっちだ!?

 

 

後編に続く・・・

 

 

 

あとがき

 

なんでしょうね・・・これは?「ぷろねる」の続きも書かずに・・・

テンプラさんが、「煩悩の赴くままに壊れてみろっっ!」とおっしゃったので、つい・・・

(この期に及んで人様に振るか?)

いわゆる「新婚さんLAS」に比して、「新婚さんLRS」の数が少ないっっ!てのもありますが・・・

あたしゃ、はっきりいってこのざまです(涙)あとはもう、皆様の綾波パワーにおすがりするしか・・・

 

力尽きた所で、今回はこの辺で。

 

FISH BLUE 

 

新妻レイ1→GO