【英雄復活!!
スーパーマンよ永遠に】

 

作・GM−Xさま


遙かな大宇宙の深淵。

一つの星が、今まさに崩壊しようとしていた。前代未聞の大災害にあってジョー−エルは意外なほどに平静だった。

「ラーラ、地球だけが唯一の希望なのだよ。滅び行くこのクリプトンに代わって、息子を暖かく育ててくれるだろう。

静かな自信とともに、彼は生まれたばかりのわが子を乗せた救命艇を発射した。

滅びの運命を逃れゆく船を見送って、若い夫婦は互いに寄り添った。そして、その世界が終わるまで、

互いの愛を確かめ合ったのであった。

 

・・・数十年後、スモールビル。

ジョナサンとマーサの夫妻は、田舎道の夜をドライブしながら息子のことを考えていた。

いまは二人に分裂してしまったはずの息子のことを。

心配してもきりがないのは解っていても、息子達の背負った運命のことを考えると、自らのことのように胸が痛くなってくる。

「でもねぇあの子達は、あの巨人達と・・・何かしらあれ。」

妻の叫びに目をやると自分の庭に何か火の玉のようなものが墜ちていくのが見えた。

「い・隕石だろうか。」

夫の疑問に、一足早くクレーターに近寄った妻が応えた。

「違うようよ。」

すぐにジョナサンもかけより、同じものを見た。

「なんてこった。クラーク。」

そこにいたのは、夫妻の愛しい息子であった。

 

クラークは、物音で目が覚めた。瞬間的に、自分がどこにいるのか解らなくなる。

そこは、彼が少年時代を過ごした、スモールビルの自室であった。

「・・あの子は、もう24時間も眠り続けているのだぞ。」

「ええ、でもロイスと連絡が付くまで待ってみようじゃないですか。」

懐かしい両親の自分を気遣う声であった。クラークはすぐに飛び起きると階下へと駆け下りた。

「心配しないでくだ、、」

しかし、クラークの声はそこで途切れてしまった。両親はそこではなく、外で話をしていたのだ。

(これは、もしかすると。)クラークはある予感を抱きながら戸外へと出た。

両親は、大きなクレーターの前で頭を悩ましていた。息子が落ちてきた穴と、そこにはまったトラクターを

どうやって近隣の人の目から隠そうかと。

「簡単なことだよ。」

「クラーク。寝てなくちゃ駄目じゃないの。」

「大丈夫だよ母さん。僕はもうなんともない。それより、トラクターだけど。」

言ってクラークはしゃがみ込む。」

「僕が引っぱり出すよ。」

「おまえのエナジーパワーを磁気的に使ってかい。」

穏やかな父親の問いに首を振り、クラークは一気にトラクターを引き上げた。

「ふむ、X線視力で見ると、少し割れ目があるな、ヒートビジョンで直しておこう。

驚く両親の前でトラクターを置くと、クラークは説明を始めた。

「わかってるよ父さん。確かに何日か前まで、僕はこの手の力を失っていた。

 でも僕は元に戻ったんだ。」

クラーク−ケント、ことスーパーマンは少し前の戦いにおいて、一旦はその力を失った。

しかしその後、力を取り戻そうとしてエネルギー体になってしまった。さらに悪い事に

エネルギー体は2体に分裂、互いに”スーパーマン:ブルー”、”スーパーマン:レッド”

と名乗るようになってしまったのだ。

そして、つい数日前、ミレニアム巨人族と、他のヒーロー達と共に戦った際、地球を救うために、

二人のスーパーマンは力を合わせた。どうやらその過程で彼は元通り一つに戻ることが出来たらしい。

「正直言って、ワシには理解できん話だ。」

一通り説明を聞き終えたジョナサンが唸った。

「僕も完全に理解しているわけではないよ。」

そこに、マーサがかごになにやら服を入れてやってきた。

「さあさあ、難しい話はそこまでにして、私はここのところこの青い服の心配を

していなかったのだけれども、それはなんて言うか、その。」

「わかってるよ、母さん。さあその服を僕に見せて。」

 

そして、クラークは再びスーパーマンの服を身に纏い、飛び立った。

最初のそして唯一のスーパーマンが今帰ってきたのだ。

 

どうも、万年遅筆状態から抜け出しつつあるGM−Xです。

いきなり何を書き出したかと思われたでしょうが。何のことはない、

今日本屋でスーパーマン復活第一号を買ったのです。

良いですねー、表紙ホログラムだし。で、その勢いで冒頭数ページをざっと訳して小説化してみました。

向こうのマンガはセリフがむちゃくちゃ多いので、かなりを割愛してしまいましたが。

メインのストーリーは、スーパーマンの宿敵ルーサーの娘が誘拐された事件を、

復活なったスーパーマンが解決するというもので、ゲストキャラとして

スーパーガールやら、スーパーボーイやらが出演します。

なかなかにぎやかなので、英語の分かる方にはおすすめできます。

皆様、こういう話は邪道でしょうか。