最強無敵・碇ユイ様

または、隠された真実

 

作・カノンさま

 


タイトル:最強無敵・碇ユイ様

 

 

「あの人は、とてもカワイイ人なんですよ。みんな、知らないだけです」

 その女性、碇ユイは、そう言ってクスリと笑った。

 行楽日よりの、とある秋の日。

 冬月、碇ユイの師弟は、秋の生体系の研究及び気晴しとして、秋の山の散策にきていた。

 もっとも、この散策が、恐怖のものとなるとは、冬月はこの時点では、まるで思ってい

なかったのだが。

「冬月先生、本当にあの人、カワイイ人なんですよ」

 碇ユイ、くどい。

 しかし、これが恐怖の始まりだった。

「知ってますか、あの人、出会いの手段として、『廊下でぶつかる』なんて、超古典的な

方法を使ったんですよ。しかも、あわよくば、キスまでいっちゃおうっていう。でも、生

憎、『膝』が入っちゃいましたけどね」

「ひ・・・膝?」

「そうです」

 思わずのけ反る冬月。

 その彼に、ユイは何処からとり出したのか、一枚の写真を出して見せた。

「こんな感じです」

 写真には、ユイの膝が入ったあとなのか、顔を押さえて悶えているゲンドウと、彼の手

配した隠しカメラに向かって、何故かピースしているユイが映っていた。

「・・・これは・・・」

 思わず凍り付いてしまう冬月。だが、こんなもの、まだまだ序の口だった。

「先生、それに、まだあるんですよ」

 コロコロと笑って見せるユイ。

「あの人の一番カワイイ所と言ったら、やっぱり、私が『あ、このクマかわいい』と言っ

た次ぎの日に、クマの着ぐるみを着て現われたことですよね」

 そう言って、ユイ、二枚目の写真を冬月に見せる。

 これで、完全に凍り付いた冬月。

 そこには、茶色のクマの着ぐるみをきて、はにかんでいるゲンドウと、なんか、やたら

と嬉しそうなユイのツーショットが映っていたのだ。

 はっきり言って、ゲンドウ、クマの着ぐるみが、似合っていない。

 しかも、ユイ、今の冬月の状態にまるで気がついていない。

「それに、先生、あの人、三日あとには、クマ柄のパンツ履いてきたんですよ。カワイイ

でしょう?」

 クマ柄パンツのゲンドウ。

 冬月の精神汚染、さらに進む。

「先生?」

 さすがに、ここまできて、ユイも冬月の異変に気がついたらしい。

 が、間違った取り方をした。

「あら、先生も、あの人のこと、カワイイと思います?」

 まるで、同士を見つけたとばかりに、手放しで喜ぶユイ。

 が、冬月は完全に凍り付いているため、それを否定できない。

 冬月先生、ピンチ!

「じゃぁ、先生にとっておきの秘密、教えてあげますね」

 そう言って、リュックの中をゴソゴソとあさるユイ。

「先生、見てください」

 ニッコリと、天使のような笑みをうかべて、悪魔のようなブツをとり出したユイ。

 それは、猫耳スーツを着こんだ、ゲンドウの1/60のフィギュアだった。

「・・・ぐは!」

 冬月、吐血。

 が、ユイ、それに気がつかず、頬をほんのり赤くして、フィギュアを見つめたりしてい

た。

「先生、これ、赤木さんと惣流さんに手伝ってもらって、作ったんですよ。惣流さん、何

を思ったのか、途中で抜けちゃいましたけど、赤木さんは、最後まで、ここの尻尾の部分

で討論してくれたんです。完成品は3つだけで、私と赤木さんと惣流さんだけが持ってる

んです」

 コロコロと笑って、説明し続けるユイ。

 凍り付いた冬月の背後で、夕日がゆっくりと落ちていった。

 

 

後日談。

 ゲンドウが南極から日本に戻ると入れ替わりに、ユイからゲンドウに、小包が届いたと

か、届かないとか。それを、葛城ミサトが、開けてみたとかみないとか。

 惣流キョーコの実験の前日、それまで、宛先不明で彷徨っていた碇ユイからの小包が、

彼女のもとに届けられたという。

 惣流アスカがシンクロ率を0まで落とす前日、父親のもとから、『母の形見』として、

その小包の中味が届けられたらしい。

 零号機が自爆する直前、レイがその小包の中味を見てしまったらしい。

 レイが見たゲンドウの幻影には、猫耳が生えていたという。

 リツコが、レイのパーツを破壊する前に、母の遺品の中から、とあるフィギュアを見つ

けたとか、見つけないとか。

 サードインパクとの直前、碇シンジがアスカの部屋に頃がされていた、小包の中味を見

たとか、見ないとか。

 

 

 

 

作者のたわごと

 

@『いやぁ、こうやって出るのは久しぶりですねぇ』

#『・・・』

@『あり、カヲル様??』

#『なんだい、これは!!!』

@『うひぃ・・・(((((((^^;』

#『シンジ君は出てないし、僕も出て居ないし!!なんだい、これは、ジーさんバーさん

  ばっかりじゃないかい!!!』

@『しょ、しょうがないじゃないですかぁ!それとも、貴方が猫耳で・・・って(^^;』

#『なるほど、それもいいねぇ。猫耳は、リリンの生み出した文化の極みだよ』

@『あう・・・』

 

 

 

碇ユイ1→GO