最強無敵・碇ユイ様、または、EVAの真実
「動いてよ、動いてよ!!」
ダン、ダン!!
シンジが、叫び、プラグ内で拳を叩きつけ続ける。
「今動かないと!!」
ネルフ本部への使徒侵入。
既に、弐号機、零号機ともに、使徒に破壊されている。
最後に残ったのは、この初号機。だが、初号機も、使徒を後一歩と言うところまで追い
詰めた所で、停止してしまった。
「動いてよぉ!!!!」
もし、いま初号機が動かなければ、使徒はアダムとの接触を果たすだろう。そして、そ
の後にあるのは、人類の滅亡である、サードインパクト。
だが、シンジの頭にあるのは、人類の滅亡と言うよりも、目の前の、友人や知り合い達
の死だった。
今、僕がなんとかしなくちゃ、皆、死んでしまう!
その思いが、シンジを動かしていた。もう、トウジを傷つけてしまった、わだかまりも、
父に対する憎しみもなかった。
あるのは恐怖感。大切な人々が死んでしまうと言う、絶対的な恐怖。
だからこそ、無意味だと判って居ても、シンジは、初号機に『動いてくれ!』と言い続
けるのだ。
「動け、このポンコツ!!!」
ドカ!!
ついに切れたのか、シンジの蹴りが、プラグ内の一部にさくれつした
「動けポンコツ、ヘッポコ、でべそ、ブス、年増、ばばぁ!!!」
シンジ、自分が何を言っているのか、判っていないと思われる。その他にも、日頃たま
った鬱憤を晴らすような、『女性向け』の罵詈雑言を言いまくる。(誰に対するものかは、
あえて言わない)
だが、初号機の方は、これに反応した。(中味が、中味だから・・・)
後は、TVの通りである。
余談ではあるが、やっぱり、シンジが初号機に取り込まれたのって・・・