愛・おぼれていますか

 
 

第4話「デート」

by きちくん

「みゃあのお家」用改訂版

WARNING!

    1.飯島真理さん及びマクロス関係者の方々ゴメンナサイ。
    2.ストーリーは「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の丸写しです。
    3.みゃあ先生をバカにしているわけではありません。断じて。
    4.死人が出ます。
    5.【 】はゼントラーディー(巨人達)の言葉です。
    6.「アスカの穴」へ投稿した話を「みゃあのお家」用にしたものです。


しゅたたたたたたたたた・・・・・・

アスカ様は思わずスキップしていた。三つ編みにした髪を振り回しながら。
彼女はシンジ君と外出できたことがとにかく嬉しかった。
しかも、今は夜。宇宙船で夜というのも変だが、とにかく夜。
期待に胸を膨らませ、予定を早く実現させたくて、ついはしゃいでしまった。

その予定とはこうだった。
軽くお食事してぇ、カクテルなんかを傾けながら二人の将来について話し合ったりしてぇ、
「あ、私ちょっと酔っちゃったみたい・・・」なんて言って送らせるように仕向けてぇ、
「酔いが回ってちゃんと歩けないのぉ。シンジぃ、少しだけ休んでいかない?」って
甘えてみたりして・・・休んでるはずが疲れちゃったりなんかしちゃったりして・・・
そして決め台詞。
「お願い・・・今日は帰りたくないの・・・一緒に・・・いてくれる・・・?」
そしてシンジはこう言うの。
「僕なんかで良ければ、朝まで一緒にいてあげるよ。君さえ良ければこれからずっと・・・」
そして二人は誓いの口づけをして、再びお互いを激しく愛し合うの・・・

完璧・・・くわんっぺきなこの計画!これでシンジはアタシにメロメロ(死語)。
 

「ぐふ・・・ぐふふふふ・・・ぬふふふふふ・・・」

すでに繁華街の中。
すれ違う人たちは、猛スピードでスキップ(というよりダッシュ)しながら
不気味に笑う少女の正体に気付かなかった。
結果的におっけぇだった。

「ねぇ、シンジ。どこに連れていって・・・くれ・・・る・・・の?」
振り返って話しかけるアスカ様だが、相手の姿が無い。

ニゲラレタ・・・

「ふっ、このアタシから逃げよーたぁ、いい度胸してるわねぇ。」
 逃げたのはオノレじゃ。
 

もちろんそのころ、その逃亡者と思われている人物は律義にも
全力で後を追っていたのは言うまでもない。
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

「はあっ。どこ行ったんだろ。ア〜スカ〜様〜!」

あと数時間でレギュラー出演の生放送の歌番組が始まってしまう。
マネージャーMIYAは溜息を吐きながらも必死にアスカ様を捜していた。

「衣装にあれこれ文句ばっかり言うから早めに楽屋入りしなくちゃいけないのに・・・」

早く見つけ出さなければ自分の首が危ない。
何しろ、ついこの前まで行方不明だった為、何本もの番組出演をキャンセルしていた。
発見された今、休んでいた分の仕事を取り返さなくてはならない。

「そうだ!また行方不明になりましたって言えば・・・言えれば苦労しないよな。」
    ごくろうさま。

「ま、こうしてても仕方ない。探しに行こうっと。」
 結構ポジティブだったりする。
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

ざっざっざっざっざっざっ・・・・・・・・

さっきまで彼女ヅラしていた女に逃げられた男が、彼なりに必死に後を追っている。
一応、前線で戦う戦士のはしくれとして、それなりの訓練を受けてきたシンジだったが、
その彼が息を切らして走っているのに一向に追いつく気配がない。
アスカ様がいきなりダッシュで走り出すとは思ってもみなかったし、そのスピードは
とても人間のモノとは思えなかった。
「あ!アスカ!急にどうしたの?」
と声を掛けてみても聞いてないようだった。
慌てて追いかけ始めた頃にはすでに見失う直前だった。

「も〜。アスカ、どこまで行ったんだよ・・・」

息を整えながらそうつぶやいた瞬間、人混みをかき分けて何かがぶつかってきた。

がすっ!

「きゃっ!ごめんなさい!急いでるの!それじゃ!・・・って、あーーーー!シンジ!」

「がはっ!・・・ゴホッゴホッ・・・あ、アス・・・」

「も〜〜〜!何も逃げること無いじゃない!か弱い女の子一人にするなんて最っ低!」

「あの、僕はずっと・・・」

「アタシがどれだけアンタを探したと思ってんの?だいたいアンタは・・・」

「僕は一生懸命・・・」

「いーい?アンタの役目はアタシを守る事でしょう?わかる?わかってんの?バカシンジ!」
結構恥ずかしいことを言っていることに気付いていない。

「あの、追いかけて・・・」

「あー!もう!!言い訳するなんて男らしくないわよっ!!」

「・・・あの・・・」

「なによ。まだ言い訳する気?」

「・・・僕にもしゃべらせて。」

「ほぉら、やっぱり言い訳する気なんじゃない!」

「言い訳じゃないんだけど・・・」

「なによ、言ってみなさいよ。どーせろくな事言わないんでしょうけど。」

さすがのシンジもいい加減頭に来たらしい。

「さっきから何なんだよ!アスカが勝手に走っていなくなったんじゃないか!それを・・・」

「あ、馬鹿!!」

「ほら、またすぐ人を馬鹿って・・・え?」
 

さんざんアスカ様がわめき散らして注目を集めたところに、シンジの台詞がキーワードとなり、
周りの通行人達がざわめき出す。

「おい、そう言えばあの娘、メガネ取ったらアスカ様に似てないか?」
「似てる似てる。声もそっくりだぜ!!」
「でも、テレビではあんなに性格悪くないわよねぇ」
「バーカ。演技だよ、演技。よく芸能人は歯が・・・いや、性格悪いって言うだろ?」
「私、そこの彼の顔、週刊誌で見たことあるぅ!」
「そう言えば、さっき『シンジ』って呼ばれてたな・・・ってことは・・・!?」
ざわざわざわざわ・・・・・

「逃げるわよっ!!」

「う・・・うん!」

シンジ君の手を取って走り出すアスカ様。
(なるほど・・・追いつけないわけだ・・・)
引きずられるようにして走っている自分の状態に気付いた現役軍人だった。
 
 

そろそろ野次馬を振り切った頃。

「シンジ!こっち!」

「おわっ!」

かくんっと直角コーナーを決められて、肩の関節が抜けそうになった。
連れ込まれたところは真っ暗なドーム。
(なにをされるんだろう・・・)
期待と不安が入り交じっているシンジ。
実は貞操の危機かもしれない。いや、でも、据え膳食わぬは男の恥って言うしな・・・
そんなことを何となく考えながらついていくと、
それほど大きくない円筒状の台がずらりと並んでいる。

「・・・? なに?ここ。」

「アタシも来たのは初めてなんだけど・・・本当に知らないの?おっくれてる〜!」

「・・・ごめん。」

「なに謝ってんのよ。いい?見てて!」

ぴょん、と台に飛び乗るアスカ様。
すると、「アルプスの少女ハイジ」のクララのような姿になってしまった。
そう。ここはホログラムで着せ替えが楽しめるアトラクション。
なぜ繁華街にこのような施設があるのかは誰も知らない。

「へっへ〜。可愛いでしょ?シンジもやってみなさいよ!」

(僕もクララになれるのか・・・?)
何か別のことを期待しているシンジだった。

とりあえず目の前にある台に乗ってみると、ぱぁっと服装が替わり、
アンドロメダの聖衣(クロス)を身に纏った勇姿が。

「わぁ、シンジ!格好良いわよ!」

「そ・・・そうかな・・・」
ちょっと照れている。

(そう言えば、こんなにスゴイ施設なのに僕達以外に人が居ないのはなぜだろう)
そんな考えを全く持たないアスカ様は次々と台に飛び乗っている。

綺麗な和服姿、チャイナドレス、セーラー服、看護婦、婦人警官、スチュワーデス・・・
どれもこれもアスカ様の美しさを際立たせる物ばかり。
服が替わる度に可愛らしいポーズを決めると、ちゃんと女の子に見える(爆)

「もう!シンジもボーッとしてないで別なお立ち台に移ったら?」

「(お立ち台・・・?)あ、うん。やってみるよ。」

あたりを見回して、手近な台に飛び移る。
足の方が金属で覆われてきた。もちろんホログラムなので重さは感じないのだが。
(また、鎧か・・・?)
全身が金属で覆われたとき、彼はロボコップになっていた。

(クララじゃない・・・次に行こう)
ジャンプ、着地。ロビンマスク。
次。・・・バットマン。
その他、ガイバーやシャリバンなどマニアな物ばかり。(ファンの方すみません)

(どうしてクララがないんだろう? ハイジでもいいのに・・・)

「シンジ、さっきからそんなのばっかりね。」

「あ、うん。アスカのも良く考えると、その手のマニア多そうだね。」

「でも、可愛いでしょ?・・・さ〜て。つ・ぎ・は・な・に・か・な?」

ぴょん

ホログラムが現れると、それはそれは見事な純白のウエディングドレス。
おまけでブーケも持っている。

「わぁ・・・!」

歓喜の声を上げながらその場でクルリと回ってみるアスカ様と、それを優しく見守るシンジ。
その視線に気付いたアスカ様は潤んだ瞳を返す。
無言で見つめ合う二人。
・・・と思っているのはシンジだけだったようだ。

「あ〜!もう!気が利かないわね!隣に来てって言うのがわからないの?!
こういうのは大抵、隣はタキシードって決まってるのよ!」

「あ、ごめん。」

とりあえず謝ってからぴょんぴょん跳んで近づいていく。
その間も服装はどんどん変化していく。ちなみに結構な距離がある。
剣道、柔道、レスリング、ボクシング・・・。
突然方向性が変わって、だんだん肌の露出度が上がっている。

「さ、シンジ。あと一つよ。」
ウエディングドレスのまま優しく微笑むアスカ様。とても綺麗だ。

「・・・本当に、タキシードになると思う、アスカ?」

「もっちろん!」

「じゃ、いくよ。」

「うん!」

ぴょん

・・・・・・・・スラックスが現れない・・・・・・・・・

・・・・・・・・スーツが出る訳じゃない・・・・・・・・

・・・・・・・・なぜ・・・・・腰ミノが・・・・・・・・
 
 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「出ようか、アスカ」

「そうね・・・でもその前に『キタキタ踊り』やって♪」

「はぁ・・・・・・・・」
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

ざわざわざわざわ・・・・・

「逃げるわよっ!!」

「う・・・うん!」

二人が逃げ出す場面。
これを遠くから見ていた人物がいた。

「ふっ。アスカ様、こんな所にいたのか。しかもあのシンジとか言う男と一緒に・・・」

連れて帰って仕事させなくては。スタイリストさん達が待っている。
そんな思いを胸に抱いて、MIYAは走った。 みゃあに変身しかかりながら!(笑)

「今日の仕事が終わったらお疲れさまとねぎらってシャワーを浴びてもらって、
上がった後はこの黒光りするマイクを隅々まで『歌って』もらって・・・
最後はベッドで発声練習・・・最低三回は練習しなくちゃいけないな。
それ以上したいって言ったらどうしよう?体保つかなぁ・・・ぐふぐふ・・・」

建前を内に秘め、本音を口に出してアスカ様を追いかける彼に話しかける男がいた。

「本音と建前は等価値なんだ。君にとってはね。」

「ぐふぐふぐふ・・・って、どちら様ですか?勝手に人の妄想を邪魔しないで
ほしいんですけど。」

「君の考えはオセロの駒のように裏表がハッキリしているね。
僕はカヲル。渚カヲル。碇シンジ君の恋・・・いや、同僚さ。」

二人とも走りながら会話を交わしている。

「その同僚さんが、何か御用ですか?」

「ああ。君はあの少女に用があるようだね。そして僕はシンジ君に大事な話がある。
そして僕も君も彼等を離れさせたいと思っている。違うかい?」

「はぁ、確かに・・・まぁ、とりあえずは次の生放送に間に合うように連れていき
たいんですけどね。」

「そう。ここでお互いの利害が一致するわけだよ。そこで物は相談なんだが、
僕と協力しないかい?シンジ君かあの少女、どちらかを捕まえることが出来れば
もう一人捕まえることも、そう苦労しなくて済むと思うんだが・・・」

「なるほど・・・一人を押さえれば、もう一人が助けに来る可能性が高いって
事ですね。で、助けに来たところを返り討ちにするわけですか・・・
わかりました。協力しましょう。」

「そう。君に理解してもらえて嬉しいよ。
僕はもしかすると、君と協力するために生まれてきたのかもしれない・・・」

「あははは。そんな大げさな・・・」

「さぁ、とにかく追跡しよう。」
 

目標はすでに遥か彼方に。
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

「ねぇ、シンジ。次はどこに行く?」

「ん・・・アスカの好きな所でいいよ。」
 

歩きながらの会話。シンジの意見など聞かなくとも、行き先は決まっていた。
その証拠にアスカ様が前を歩いてシンジを引っ張っている。

「あ〜あ。なんか今日は走り回って疲れちゃった。ねぇ、少し休んでいかない?」

「そうだね。少し座ろうか。ちょうどそこにベンチがあるし・・・」

シンジは道端のベンチの方へ。一方のアスカ様は派手派手なネオンサインがある
ビルへと体が向いている。

ぐいぐいぐいぐい

「あ・・・アスカ?休むんじゃないの?」

「そ、休むの。ゆっくりとね。」

シンジが目の前の建物を見上げると大きな文字が目に飛び込んできた。

『HOTEL Mr.Cherry Boy』

(そ・・・そうか!加持隊長、そういうことだったんですね!)
新品のパンツをはいてくれば良かったと小さな後悔しながら付いていこうとしたその時、
少し離れたところから声が掛かった。

「シンジく〜ん!!!」
「アスカ様〜!!!」

「ゲェッ!!MIYA!?」
「あれ?カヲル君だ。」
「チィッ、あと一歩なのに・・・とにかく入るわよ、シンジ!!」

ず〜るず〜るず〜るず〜る
「い・・・いや、カヲル君、違うんだ!これには深い訳が・・・」
なぜか言い訳をしながら連れ込まれるシンジ。

「よし、建物に入ってしまえば逃げ場はないぞ!アスカ様、今すぐシテあげるからね〜」
「シンジ君、今助けてあげるからね!!」
 

ホテルに駆け込んだアスカ様は、エレベーターの3階行きのボタンを押し、それには
乗らず、すぐ脇にある階段を使って2階へ行った。
その後、それを知らないMIYAとカヲルが1階エレベーター前に到着した時には、
エレベーターは3階から降りて来たばかり。すぐにでも乗り込めるだろう。
「ふっふっふ。わざわざ居場所を教えてくれたようなものだね、渚さん。」

「ああ、もうすぐシンジ君は僕の物になる。」
 
 
 

アスカ様は階下に注意を払いながら、2階のエレベーターを見ていた。
二人組は階段を使って追ってくる気配はない。

「ねぇ、アスカ。もう一人は誰?アスカのこと知ってるみたいだったけど。」

「しっ!静かに。アレはマネージャー。捕まったら連れ戻されちゃうのよ。」

「ふぅん。逃げないの?」

「今やってるわ。階段では来ないようね。」

そのとき、エレベーターが3階に着いたことを知らせるランプが点灯した。

「ふっ。掛かったわね(にやり)。さ、シンジ。急いでここから出るわよ!」

言うが早いか、シンジ君の襟首をひっ掴んで階段を駆け下りるアスカ様。
ホテルに追跡者を残し、脱出することができた。

「まさかこんな単純な方法でまけるとは思ってもみなかったわ。」
アスカ様は本当に楽しそうに笑っている。

「でも、戻らなくていいの?何か用事があるのかもしれないよ?」

「何もないわよ。今日はオフだもん。」
完璧に今日の番組を忘れている。

「それとも何?シンジはアタシと一緒にいるのが嫌だっていうの?」

「いや、そんなことないよ。そうだ、アスカ。これから行くところ決まってないなら
ちょっと付き合ってもらえるかな?」

「・・・ま、いいけど。(真っ赤)つまんなかったらショーチしないわよ!」
相変わらず素直に喜びを表現できないアスカ様だった。
 

「ところでアスカ?もしも階段で追ってきたらどうするつもりだったの?」

「どうするって・・・張り倒すに決まってるじゃない。」

(・・・そのあとは僕を押し倒すって訳か・・・)
 
 
 

「渚さん、そっちの部屋はどうです?」

「いや、別の人がお楽しみのようだよ。そっちはどうだい?」

「こっちは空き部屋です。おかしいなぁ、この部屋で最後なんだけど・・・」

3階の部屋をすべて調べて回ったMIYAとカヲル。
最後の一部屋も空室だった。
が、部屋に入って調べていたMIYAの背後にカヲルが立ち、後ろ手にドアをロックした。

「あ・・・渚さん?ここにはいないですよ。早く別の場所を探しに・・・」

「・・・君はなぜ、一人の女性の為にそんなに一生懸命になれるんだい?」

「なぜって・・・仕事ですからね。クビも掛かってますし。とにかく捕まえなくちゃ。」

「そうか・・・働く男の背中って、とても魅力的だね。その姿、好意に値するよ。」

「好意・・・ですか?」

「ああ、好きって事さ」

「ちょっ・・・ちょっと、渚さん!?好意を持ってくれるのは嬉しいんですけど
なんで服を脱がすんですかっ!?」

「男同士、何を恥ずかしがっているんだい?あ、そうか。僕がまだ着たままだからだね。」

あっという間に一糸纏わぬ姿となったカヲル。その直後、神業的早さでMIYAをムイた。
後ずさりするMIYA。下がれば下がるほどベッドに近づいていく。

「君は人との一時的接触を極端に避けるね。何を怖がっているんだい?
え〜と、ワセリンはっと・・・」

「そっ・・・そんなもの何に使うんですかっ? お・・・大声を出しますよ!?」

「その前に君の唇を塞ぐよ・・・・」

「んっ・・・くっ・・・・!」

手首を取って自由を奪ってから少しきつめに唇を吸うカヲルに対し、口腔内に分け入ってきた
舌を噛むMIYA。

「うっ!・・・ふっ、そんなに強く拒まれるのは久しぶりだよ。僕は拒まれれば拒まれるほど
燃えてくるタチでね。 その態度、行為に値するよ。」
     ↑二通りの意味が(^^;
「こ・・・行為?」

「ああ、スルって事さ」

「い・・・嫌だぁ〜〜〜!!!助けてぇ〜〜〜!アスカ様〜〜〜〜!!!」

「そのアスカという人を追っていたんだろう? さ、後ろを向いて・・・」

「はうっ!?お願いですぅ止めて下さいぃ(泣)シンジって人を狙ってたんじゃないんですかぁ?」
  ↑ワセリンを塗られたらしい(^_^;

「シンジ君よりも君の方が魅力的だってことに気付いただけさ。 さ、力を抜いて・・・」

要するに、何も無理矢理シンジでなくても、手近にいる誰でも良いと言うことである。
さすがに手慣れているのか、すでにターゲットは四つん這いにされている。

「怖がらなくても大丈夫。痛いのは最初だけだと思うから。じゃ、行くよ・・・」

「く・・・来るなぁぁぁぁぁぁ!!」
 
「いっただっきま〜す。」

ぷすっ
 

「みゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
 

心の悲鳴はマクロス中に響き渡ったという。南無阿弥陀仏。
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

展望台のベンチに二人寄り添うように座っているアスカ様とシンジ君。
アスカ様はちょっと甘えてシンジ君の肩に頭を預けている。
後ろから見ると、彼の手が何度も彼女の肩に手を回そうとしているのだが、
そのたびに躊躇して結局止めている様が確認できる。

「ねぇ、アスカ。今何か聞こえなかった?」

「気のせいじゃない?何も聞こえないわよ。もうアタシにはあんたの声以外は・・・」

「アスカ・・・」

「シンジ・・・」

「歌手がそんなこと言ったら伴奏が聞こえないじゃないか!」

「言葉のあやをいちいち全部真に受けるんじゃないわよ!」(^_^;

「ゴメン・・・」
 

「歌手、か・・・もう、嫌になっちゃった・・・」

「でも、小さい頃からの夢だったんだろ? 少しくらいのことは我慢しなくちゃ。それに・・・」

「それに?」

「弱音吐くなんてアスカらしくないよ。アスカはやっぱり元気でなくちゃ!」

「アタシらしくない、か。そうかもね。ありがと、シンジ。アタシもう少し頑張ってみる!」
 
 

アスカ様の表情にシンクロするように辺りが光に満ちあふれてきたかと思うと、
太陽を受けて光り輝く、とても神秘的な土星の月がすぐそばに見えてきた。
大きさは巨大化した白い綾波の頭くらい。(笑)

「わあぁ・・・・綺麗・・・・」

「そうだね・・・」

「行ってみたいなぁ、あんな所。」

「そうだね・・・」

「・・・行ってみたいなぁ。」

「うん。行ってみたいね。」

「さぁ、行くわよ!」

「へ?どうやって?」

「あ〜、もう!!全部言わせる気?」

「な・・・何が言いたいのかわかんないよ。」

「アンタがッ!飛ぶのよッ!」

腰に手を当て、ずびしぃっと指を突き付ける。しかもご丁寧にセリフの途中で指し直して。
パイロットに逃げ場は無かった。
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

ヴァルキリー格納庫に忍び込む二人組。
一人はフネル小隊の軍服を着用している。

「何で僕がこんなことしなくちゃならないんだろう・・・」

「なんか言った?シンジ。」

「いや、別に・・・それよりも、静かにしてよ。ここのヌシに見つかると厄介だから。」

「ヌシ?」

「そ。兵器開発・生産・調整・管理・監督主任で、生物学から化学・物理学まで精通した
スーパーウルトラグレートジーニアスワンダフリャマッドサイエンティスト赤木リツコ博士。」

「ず・・・ずいぶん長いわね。」

「うん。全部正確に言わないと人体実験の実験台にされるらしいんだ。」
 

噂をすれば何とやら。背後からにじり寄る人影が。

「あら、シンジ君。君はなかなか間違えないわね。」

「あ・・・いらっしゃったんですか。兵器開発・生産・調整・管理・監督(中略)
マッドサイエンティスト赤木リツコ博士!!」(見つかったか・・・)

「あ、そうそう。シンジ君、今度から『マッド』の代わりに『ビューティフル』に
変更になったから覚えておいて。」

「はぁ、また変更ですか・・・最近多くないですか?兵器開発(中略)赤木リツコ博士。」

「シンジ君に早くこの薬を飲ませたいからよ。」
          ↑惚れ薬兼媚薬兼精力増強剤(笑)
「僕が間違うのを待ってるんですか・・・」

「そうだわ。さっき私をヌシ呼ばわりした罰として飲ませれば待つ必要は無いわ!」

「ちょっとアンタ!シンジが嫌がってるじゃない!!やめなさいよ!」

「あら、部外者ね? シンジ君、これはどういうことかしら?」

「あの、その、えっと・・・兵器(中略)リツコ博士の素晴らしい発明品を見学したい、
と言う申し出があったものですから・・・」

「あら、そう言うことは早く言って頂戴。ふふ、見せてあげるわ。付いてらっしゃい。」

(た・・・助かった・・・)
(シンジぃ、飛べないの?)
(分かんない。一通り発明品の説明を聞いてから頼んでみるよ。)
(うん・・・それよりこの人、アタシのこと知らないのかしら。ちょっとショック・・・)
知名度No.1の芸能人としてのプライドが少し傷ついた。

「何をこそこそ話してるの?」

「な・・・何でもありません!」

「そう、ならいいわ。・・・着いたわ。ここよ。」

先程とは別の格納庫。4機の機体が並んでいる。
 

「どうかしら?」

「す・・・凄い!!新型機だ!いつの間に・・・」

「ねぇ、シンジ。この機体、コックピットから前が二つに別れてるのね。面白〜い!」

「この『ディックパイパン』によるレーザーバインドを受けて存在し続けることは不可能に近いわ。」

「は?はぁ・・・ディッ・・・機体の名前ですか・・・」

「シンジ、どういう意味?」

「知らない方が、いいと思うよ・・・」
 

「次の機体を説明するわ。この機体はリップルレーザーというかなり特殊な
レーザーを装備していて、広がって広範囲の敵を攻撃できるけどその反面、
ピンポイントで当てにくいと言う欠点があるわ。そのためか使い続けると、
どうしても至近距離からの連射が癖になるわ。
あとは『2−WAY MISSILE』ね。日本語に訳すと『強えぇ味噌』
だから気を付けてね。」

「何に気を付けるんですか?で、この機体の名前は・・・?」

『モーホコケティッシュ』よ。」

「・・・次、お願いします・・・」
 

「いいわ。この機体は『ゲイジャナイト』といってスプレッドボムが強力ね。
これを使えば下方の敵をほぼ無意識のうちに殲滅できるわ。」

「じゃないと・・・何なんですか?」

「アタシ、聞かない方がいいような気がする。」
アスカ様、正解。
 

「じゃ、次ね。これのウリは何と言ってもグラビティバレットね。
もうほとんど対モアイ兵器!! 見事に瞬殺出来るわ。」

「モアイ? 何ですか、それ?」

「今はまだ知る必要はないわ。ただ、この『フェラチオン ヘータ』の敵では無いわね。」

「・・・そのネーミングセンス、何とかならないんですか。(略)博士?」

「あら、このセンスが理解できないとは・・・まだまだ子供ね。それと、(略)は
やめてもらえないかしら? シンジ君には特別に『リツコさん(はぁと)』と
呼ばせてあげるから。」

「わ・・・分かりました、リツコさん。あ、あとマクロスを外から見せてあげようと思うので
ヴァルキリーを1機貸して欲しいんですが・・・」

「ダメね。(はぁと)が付いてないもの」

「リ・・・リツコさん(はぁと)」

「じゃ、隣の格納庫の訓練機なら使っていいわよ。それなら二人乗れるでしょ?」

「あ、ありがとうございます! では、行ってきます!」

「私の最高傑作をしっかり説明してくるのよ〜〜〜!!」
 

やっと飛び立つことができた。
おそらく、マクロスの説明をする、と言う理由がなければ飛行許可は下りなかっただろう。

「ねぇ、シンジ。マクロスって、あの金髪黒眉ヒネクレ女が造ったの?」

「いや、造った訳じゃないだろうけど、ここまでの改良を重ねることが出来たのは
リツコさん(はぁと)のおかげだよ。ほとんど原型を留めていないっていう話だし。」

改造前には少なくとも変形機能は無かったはずである。恐るべしリツコさん(はぁと)!
 
 
 

***   ***   ***   ***   ***   ***

 
 

キィィィィィィィィィィン・・・・・・

コックピットにはもちろんシンジ。その後ろにアスカ様。
同乗者にマクロスの説明をしなければ後でリツコさん(はぁと)に怒られるとは思ったが、
シンジはそれができるほど詳しくなかった。(笑)
そんなわけで発進後すぐに当初の目的地、土星の月へと向かった。

「ねぇ、マクロスの周りを飛んでなくてもいいの?」

「アスカ、いい物見せてあげようか?」

「え?なになに?」

「行くよっ!」

突然バーナーを全開にしてガスの霧の中に突っ込んでいくヴァルキリー。

「キャ〜〜〜〜〜〜!!!!」

アスカ様を驚かそうと思っていたシンジも、強烈なGに耐えるために歯を食いしばっている。

「おもしろ〜〜〜〜〜〜い!!!!」

さっきのは『悲鳴』ではなく、『歓声』だったことが分かったシンジは
驚いてくれなかった悲しみに打ちひしがれていた。自分でも結構怖かったのに。
霧を突き抜けてしばらく飛び、逆噴射で停止。180度方向転換して今来た方向に機首を向ける。

「ほら。外を見てごらん。」

「うわぁぁぁ・・・綺麗・・・・」

今通ってきた霧と光によって創り出された七色のリングが二人を優しく包み込んでいた。

「土星の虹だよ、アスカ。」

「すっごぉぉぉい!もう最っ高!!」

後ろからシンジの首に腕を回して抱き付くアスカ様。
ありったけの愛情を込めてシンジ君を抱きしめるのはいいけど、
首はやめた方がいい。頸動脈が締まってパイロットが落ちかけている。
 

つづく


作者と黒アスカ様(笑)の

あとがきという名の言い訳のような謝罪のつもり

アスカ:くぉんの激バカがぁぁぁっ!! 喰らえっ!ペガサス流星券〜!!←拳

バキッベキッゴキッボキッ

きちくん:いてて…なにものっけからどつき回すことないじゃないですか!
アスカ:前にも言ったと思うけど、恩人に対してなんて事するのよっ!?
    あんた、明日から「みゃあのお家」出入り禁止よ!
きちくん:えぇ?だったら今日中に出来るだけ汚しておかなくてはっ!
アスカ:今日中に謝りに行くのよっ! あとコ○ミにもねっ!
きちくん:あぁ、コナ○の『グラディ○ス外伝』ネタですか。
    あれは『ビックバイパー』『ロードブリティッシュ』
    『ジェイドナイト』『ファルシオン ベータ』をチョしたものです。
アスカ:あんたバカぁ?パロディは元ネタを説明しちゃいけないのよ!
きちくん:いや、だって、プレイしてなきゃ分かんないだろうと思って………
アスカ:プレイって単語、アンタが言うとイヤラしく聞こえるのはどうしてかしら?
きちくん:ほっとけ!
アスカ:それにしても、何だって硬派なSTGまでも汚す訳ぇ?
きちくん:だって、『宇宙で飛行機』っていう共通項を見つけたもんで、つい………
    思いついたこと書かなきゃ精神衛生上良くないし。
アスカ:心配しなくても、アンタはもうこれ以上汚れないわよ!汚れきってるからね!
きちくん:ほっとけ!
アスカ:あっれー?何日前だっけー?初めてノーコンティニューで一周したのは?
きちくん:いち…にい…さん…三日くらい前かな?(^^;
アスカ:下手の横好きとはよく言ったもんよねー
きちくん:えーえー。どーせオイラは横スクロールシューティング好きですよ!
アスカ:そう言う意味ぢゃないんだけど………と、とにかく!みゃあと小波に謝りなさい!
きちくん:え〜。もう書いちゃったし………許してくれないと思うしぃ………
アスカ:あ・や・ま・り・な・さ・い!
きちくん:みゃあ先生、『グラ外』スタッフの皆様、ゴメンナサイ。もうしません。
    特にみゃあ先生、出入り禁止にしないで(T_T) お願いしますぅぅm(_ _)m
アスカ:謝るくらいなら最初っからするんじゃないわよ!!
きちくん:謝れって言ったのアスカ様でしょ………


愛・おぼれて〜4