答えanothercase

 

作・木野神まことさま

 


 

 

とうとうこの時が来た

 

私が待ちこがれていたこの「刻」

 

碇君が私と・・・・アスカに道を告げるこの「刻」が

 

「アスカ・・・・・綾波・・・・たぶん、僕はいままで逃げてただけかも

 

しれない。だけど、もう決めたんだ。このままじゃダメだって気付いたから」

 

碇君の声が聞こえる

 

私は碇君の次の言葉を知っている

 

胸が張り裂けそう・・・・・・イタイ・・・・心がイタイ

 

「アスカ・・・・僕は君じゃないとダメなんだ」

 

私の願いは碇君が道を選ぶこと

 

ワタシノネガイハ碇君ノネガイ

 

「綾波・・・・・・ごめん、でもアスカを愛してるんだ。

 

それに気付いたから・・・嘘は言えないから」

 

私はたぶん笑ってる・・・・・碇君に心配掛けないように笑ってる

 

私はふらふらと歩きながらこの場から離れる

 

後ろに心配そうな視線を送る碇君が居る

 

アスカの嬉しさと複雑な気持ちが私の心に突き刺さる

 

 

 

 

 

これで終わったのね

 

「ほんとうにこれでいいの」

 

ええ、あの後この世界にまだ私が居ると言うことは

 

碇君の望んだ世界がまだ来ていないから、まだ願いが叶ってなかったから

 

「だとしたら、碇君って残酷ね」

 

碇君は優しくて残酷な私の天使。だからこれでイイの

 

「嘘を付くのがうまくなったのね」

 

ウソ・・・・でも私を望まない碇君とはいっしょに居られない

 

この世界には「私」は居ないのだから

 

「それこそ、嘘ね。本当はいっしょに居たいくせに」

 

やめて・・・・・やめて・・・・・・ヤメテ!!!!

 

「せっかくヒトになれると思ったのにね。無駄だと解っていても

 

期待したからここにいたんでしょ」

 

オネガイ・・・・・モウ、ヤメテ・・・・・・・・・

 

「まだ、未練があるからこの世界にいたんでしょ」

 

モウ・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「このままじゃ心が壊れるわ・・・・体が・・・ATフィールドが保てなくなるわよ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「でも本当にあなたの願いが無への回帰ならこれが事実だわ」

 

あなた・・・ダレ?

 

「私はあなた、あなたと違って現実を見つめ続けてるれけどね」

 

も・・・・・う・・・・いいの

 

「ほんとうにいいのね?」

 

え・・・・・え・・・・これで・・・・・いいの

 

ヒトには・・・・・なれなかったのだから

 

「私はあなたがちゃんとヒトとして生きていたと思ったんだけどね」

 

碇・・・・く・・・・ん・・・・・

 

「いいわ・・・・・じゃあ、私たちの願う世界へ行きましょ。

 

ここは私たちには辛すぎるから」

 

さようなら碇君・・・・・・・・・・

 

「さようなら碇君・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

愛を確かめあっていた少年と少女の心に天使の羽が小さく触れる

 

「あ・・・・・や・・・・なみ?」

 

無意識に呟く少年に少女は怪訝な顔をする

 

少年は心に浮かんだこの「言葉」に涙した

 

しかし「言葉」の意味は少年には「永久に失われた鍵」のように消え失せてしまった

 

 

 

 

 

これもまた一つの「答え」

 

哀しみに彩られた「答え」

 

 

 

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あとがき

 

世に言うLASな小説を読んだときにふと心に浮かんだこのこれです。

 

私はアヤナミストなのでこころが痛かったんですが逆の立場だったとき・・・・

 

それを考えるとなんだかブルーな気分になってしまいました。

 

どうせならレイを追いかけてみよう。

 

「恋」や「愛」がいつも結ばれるとは限らないからこそ、こーゆーのを書いて

 

みたくなりました。

 

私の感じた心の痛み以上にレイが傷つくた心の痛みをどれだけ書けるかと言う

 

のに挑戦してみたつもりです。

 

うううううう、悲しすぎます。だれかレイちゃん救ってやって下さい。

 

 

 

木野神まこと


 

みゃあレイちゃんの感想らしきもの。