私がその変化に気付いたのは、小さな時の事だった。
他人と接触する機会がほとんどなく他人は親だけだったのだ。
その親との比較では母も私も同じなのだ。
しかし・・・それも過去のこと。私はヒトではない・・・ヒトじゃない。
作:木野神まこと(From 紅蒼月下)
しかし人間というモノはヒトとのつながりを捨てきれない。
だから母は寂しさのあまり私に愛情を注いでくれるのだろう。
しかし気付いてしまったのだ。それは私を愛してくれてるんじゃなくて自分を愛して欲しかったと言うことに。
ある時を境に母は私を見なくなってしまった。それだけじゃない、私を遠ざけるようになってしまった。
理由はわかっている、それは報われない愛だから・・・。
見返りを期待した愛など愛ではないから。
そして、母は最後に私に一言だけ教えてくれた。
「さよなら、私の人形」
と。
私はその後孤児院に入れられ「他人」と接触する事になった。
孤児院の先生が言うには私には「壁」があるそうだ。
それはそうだろう、母は私を避けたのだ。それでどうして他人に接することに恐怖を感じないのだろうか。
愛してくれた母に裏切られたのだ。
それだけではない。私の髪の色、眼の色、肌の色・・・どれを取ってみても他人と違うのだ。
いや・・・ヒトとはちがうのだ。
そのことによって私は子供の無邪気で残酷な攻撃の対象になった。
ヒトは私を攻撃する・・・・・・ヒトは敵だ
心が私にこう告げる。そして私は攻撃されない方法を探し出そうとした。
結果、孤児院で私は自分の「心」を守る術を覚えた。
「人形」
そう、母は教えてくれたのだ、「人形」になりなさいと。
その後一定の学習能力がついて、社会に適応できると判断したらしく私は体よく放り出された。
社会に出た私は自分の特性を掴んだ仕事をこなしていった。
「モデル」
話題にはなったらしいが、人前に出ることを極端に嫌った私は最後まで謎の存在のままでこの業界からきえた。
探してくれるヒトもいなかった、探して欲しいとも思わなかった。
そろそろ生きていくことにも飽きたし、疲れた。
私は生きていく事に執着するつもりはなかった、だから死んでもかまわなかった。
ただ、母の死にざまがどうしても浮かぶのだ。まるで汚いモノを見るような目つきで私を見おろしている。
「愛」などいらない、「心」などいらない、「他人」などいらない。
欲しいモノは私が存在していたと言う「事実」のみ。
だからこの話はここまでにしよう。
どうしてかって?
私は生きているのよ、貴方が見ているこのデータと言う世界で。
まさに理想の世界、ヒトに脅かされるでもなく、ヒトに存在を否定されるわけでもなく。
さあ、あなたは私を殺せるかしら?
私は肉体と言う「殻」を捨て去ったのだ、だからこそこうやって生きている。
これを見ている貴方が証人よ、美しいでしょ?私の「存在」って。
この電子の世界ならどこにでも存在できるんだもの。
私は「人形」だもの。ヒトの形を捨て去ったけど、ヒトに見られたいと望む「人形」だもの。
私は母が手に入れられなかったモノを手に入れたのよ。
私は貴方をミテいるわ、だから・・・・さあ「私をミテ」
約束は果たしました。
別にそのこと事態はいいのですが、いかんせん不本意です。
だって私の意見無視するんだもの。
そんな状態で書いたのでよくわからないものができあがりました。
いや、私自身は知ってるんですけどね。
久々に言いたいこと書いたって気がします(^^
弟子の出来も期待しておりますので、弟子よがんばれ(^^
<後書きの後書き>
妙な誤解をさせたくないので書いておきますね。
きっかけをくださったヒト・・・・人達には本当に感謝しております。
ありがとうございます、でも変なモノになってごめんなさいね。