偽・GUESS WHAT!?
〜第T話、第U話〜
作 Koujiさま
第一話 リクという名の祝福された存在
「今日という日が喜劇、あるいは悲劇であろうと
朝と夜。始まりと終わりは必ずやってくる
一日の始まりである朝を望ましく思える者は
幸せな人生を送っている証拠である」
「リクちゃん、朝だよ!」
ドアの向こうから目一杯に張り上げられた可愛らしい声。
その声に、ベッドでまるまっていたその人物は、わずかに身動きする。
可愛い声の持ち主は部屋の扉を開けた。もちろん部屋の主に断わってもいない。問答無用である。
「リクちゃん、リクちゃん、リクちゃん!」
佐伯マコトはやかましく『兄』の名前を呼んで、 身体を覆うタオルケットを引き剥がしにかかった。
だが、彼女の力では身体の下にまで巻き込まれたタオルケットは そうは簡単には剥がせなかった。 なにしろ、相手は熟睡しているからもろにその重みが乗っているのだ。
「リクちゃぁん!」
諦めたマコトは、兄の名前を呼びながらカーテンを開けた。朝日がベッドに降り注ぐ。
はっきり言ってリクの部屋は本当に片づけられている。埃一つ見あたらないし、 床には本すら落ちていない。
「リ・ク・ちゃ・ん!」
大体、起こす準備を整えたマコトは、リクを揺さぶり始めた。
ユラユラと揺れながらリクが眠たそうな声を出した。
「起きてぇ!」
「うぅ・・・」
「もう、7時だよ!」
「だから、あと5分・・・」
「リクちゃん部活の朝練があるんだから!!遅刻しちゃうよ!!」
声を張り上げて、抗議しているマコト。
それに対し、やっと、ベッドの中の人物は瞳を開いた。
「おはよう、リクちゃん」
まだ、半分眠っているような様子だが、身体を包んだ布団から顔だけ出す。
その顔は『ど』のつくほどの美人であった。美人という形容詞だけでは足りない。
「これほど人は美しく生まれるのか!!」
そう思わせるほどの美形だった。女なら嫉妬に狂いかねない。
もし起こしているのが男であったら間違いなく襲っていただろう。
「おはよう、マコト」
自分を起こしてくれた少女に向かって、彼は思わず見ほれるような笑みを見せた。 彼の笑顔に少女の頬は紅く染まる。もう何年も起こしている少女でも、 毎朝見る度に彼の美しさに紅くなるのだ。
「もう。リクちゃんたらぁ!」
「ごめんね」
少し低めの声。そんな声で謝ってから、彼はゆっくりと布団から手を出した。 白く、そして細い手。だが、決して細すぎると言うこともない。
「・・・マコト、親は?」
「パパとママは、まだ、寝てるんじゃない?」
彼は少女の声に一度目を閉じると、外に出していた手で少女の腕を掴んだ。 その拍子にタオルケットから素肌が覗く。白く、そして以外と厚い胸。
マコトは慌てて眼を逸らした。
「だ、だめ!」
「代わりに私が起こすよ。だから・・・」
マコトは、腕を引かれるままに、ベッドに倒れ込んだ。
彼はすぐに上になって、少女の身体を押さえつける。
「イヤ!あ、朝から・・・そんな・・」
「好きだよ・・・マコト・・・」
早くなる動悸の音を聞きながら近づいてくるあまりに美しい顔にマコトは眼を閉じる。 そして気配と共に少女の唇に何かが重なった。
「・・・・・朝、か」
男は寝たまま窓のカーテンを開け、朝日に目をやる。 眠っていたばかりの瞳に朝日は射すような痛みをもたらした。
そして相当低いしわがれ声。 朝だと言うのに、その声はまるでこれから不幸なことが起きるのを知っているかのように暗く、憂鬱だった。
ベッドでまるまっていた男は、寝たままわずかに身動きする。
「今日もまた始まる・・・せめてあと5分だけ、寝るか?・・・いや、身体をほぐさなきゃ」
彼の部屋は真っ暗で乱雑だ。床には砂と埃が我が物顔でのさばっている。 彼には掃除をする気も、ましてや掃除をしてくれる人もいないのだ。
彼は、寝ているかけ布団代わりの汚れた布をどけた。その布団も・・いや、布団と呼ぶのもおこがましいほど汚れた布は少し動くだけでも 宙に埃を舞わせた。
「ふぅ・・・」
やっと、ベッド(いくつかスプリングがはみ出ているマット)
から身を起こす。
「はぁ〜・・・・」
彼はゆっくりとベッドから立ちあがった。ゆっくりと身体をほぐすためにラジオ体操のように身体を動かす。
暗い部屋と朝日に彼の身体が浮かび上がった。
身長は160程度。顔は・・・醜い。醜悪と言っても差し支えなかった。
身体をほぐしながら、身体のあちこちをなで回す。
「大丈夫かな・・・よし」
撫で終わった彼は薄汚れたシャツを脱ぐとシャワー室へと向かった。
はっと息をのむほど、全裸になった彼の身体を大量の青痣や裂傷が覆っていた。 下手をすればまともな肌の方が少ないくらいだ。
どれほどの打撃が彼の身体を襲い、そして襲い続けていたのだろうか・・・
作者と出演者の対談
マコ『わ〜、今回はHぃ』
獣『げへへへ(ニヤリ)』
ケイ『・・・・・・オイ』
リク『俺ってすっごい美形なんだって!』
ケイ『・・・・・・オイ』
ドグワシ!
リク『・・・・なんだよ、ケイ?』
ケイ『なぜ殴る!?しかもふむなぁ!!!』
リク『今回お前はこういう役なんだよ!はっはっはっはっは!』
グリグリグリグリ
マコ『あー、ケイちゃんがリクちゃんに踏まれてるぅ・・・私も踏むぅ!!』
獣『(オイオイ)彼には最も辛い道を歩いて貰います。覚悟しておいて下さい』
マコ『やっぱり、Hあるの?』
獣『・・・・さてね』
マコ『う〜!!次いこぉ!』
獣『はっ!(脳無しが・・・)』
第U話 それぞれの高校生活(早朝編)
朝日は美しく、空気もすがすがしい。 まだ人通りもすくないなか、リクは早歩きで高校への道を急いでいた。
(・・・・しすごすなんて、ミスったぁ)
結局あの後、しちゃったリクは部の朝練があるのだが、 自業自得的に遅刻寸前なのである。
「あ〜あ、遅刻するくらいなら行くのやめようかな?」
そういって、ちょっと笑うリク。
ついこの間、マコトに想いを打ち明けて以来、彼女とは親の目を盗んでは肌を重ね合っていた。
ずっと好きだった人を抱きしめられる。まったく幸わせ者である。
「・・・さっきのマコトは、可愛かったな」
クスクス笑っているリク。
その機嫌のいい笑みも、学校の正門が近くなったとたんに凍り付いた。 文字どおり、『ピキ』っと。
「あ・・・女子生徒・・の群」
正門近くに群衆が固まっていた。 それを見て、リクの笑みが引きつったのだ。
「うぅ・・回れ右、かな?」
リクは、それでもあまりに美しい表情でそういうと、グルリと、方向転換した。
おお回りをして、学校の裏へといく。そちらにある裏門から、学校内に入ろうという魂胆だ。
が、彼女達のほうが、一枚上手だったようだ。
「おはよう!!、佐伯くん!!」
リクが、何とかバレないように裏門から入ろうとしたとたん、 聞きたくなかった声がかかってきた。しかも大量に、なおかつハモって。
「や・・・や・・・やぁ皆さん」
先ほど正門に固まっていたはずの女子生徒の塊が壁となって彼を囲むようにそびえ立っていた。
リクがひきつっているのに比べて、彼女達は顔を真っ赤にして、あるいは潤んだ目でリクを見つめている。
「キャー!!(佐伯くんよ!佐伯く〜ん!!)」
「き、きみたち・・・正門にいたんじゃ?」
「キャー!!(佐伯さんが喋ったぁ)マネキンで〜す!!」
「マ、マネキンって、どこから!?」
「キャー!!(佐伯君がビックリしてる!!)『愛』です!愛があればマネキンの100体くらい!!」
平然と、恥ずかしい台詞を集団で見事にハモってくれる女子生徒達。うらやましいなぁ。 他校の生徒すら混ざった集団にリクは頭を抱えるしかなかった。
「はうぅ・・・悪夢だこれはぁ・・・」
リクは女子生徒が『苦手』なのである。もちろん男である以上女性が嫌いなのではないが、
リクの使った物は持っていく。
(中学時代のリコーダーなど以前取り合いで殺人に発展しそうになった)
二人っきりになれば襲ってくる。(笑)
群の中にはリクが小学生の頃からの追っかけ(かなりいい年の方) もいるのだ。
リクがグルーピーの存在に出会ったのは、この高校に入学したときである。 圏内でも有数の進学校、ただし公立で共学。そこに、一切の勉強もせずにトップで入学したリク。
彼が入学式の代表を務めた際にギャグで、
「ファンクラブは僕の了解を取って下さいね」
と言った途端一週間で4つのファンクラブが、さらに一ヶ月までに他校のを含めた24ものファンクラブが結成されてしまったのだ。 もちろん了解を取ったものだけで、未公認のものとなるとその数は・・・・・。
本人の了解も、断られれば自殺するとまで言ってくるのだ。
ふざけて言った言葉がグルーピーの存在を公認してしまう羽目になり、 それ以来どれほど時間をずらしても校門で待たれている。
そうそう、リクの部活は空手部だ。しかも主将である。彼に言わせれば、
「文武両道を目指します」
という事だがその一言で、顧問から場所まで一気に決まってしまったのは彼の美貌と成績故だが。
部長がリクで、指導しているのもリクである以上入部の制限も行える。
だから入部できるのは男子か男子以上の実力のある女子だけなのだ。
内容のハードさと、厳しい審査のため、入学式の後、 授業が始まった日から、300人近い入部希望者がいたのにもかかわらず、 現在の部員は12名そこそこである。
高校レベルとは思えない実力者達。そしてその部で最強とされているリク。
校内でトップの成績と運動能力を誇っている彼はさぞ妬まれているだろう・・・・と思われるがそんなことはない。 なぜなら彼はヒーローであり。全校生徒の誇りであるからだ。
『付き合って下さい!』
話は戻るが、その波とも言うべき衝撃は、入学式終了後10分も立たずに襲ってきた。
まだ教師や親がいる体育館の中でその第一声が響いた途端。 周囲にそれとなく、あるいは堂々と近づいてくる女子生徒達から 同様のコールがおこったのは言うまでもない。
『あのぉ、ちょ、ちょっと待ってね?』
熱い視線と想いに囲まれたリクは、何とか告白コールを鎮めようと声を上げる。
『キャー!!(返事よ!もちろん私に!!)』
『君達は凄く素敵な女性です』
『キャー!!(素敵ですって!!私によきっと!!)』
『で、ですから!きっと僕より素敵な人が・・・』
『ギャー!!(イヤァ!そんなこと言わないでぇ!!)』
ドカーン!
『だ、だれかヘルプ・・・・』
リクの『集団ごめんなさい』発言に切れた女子生徒達は なんと我先にとリクに襲いかかったのだ。
もちろん戦えば倒しきれるリクだが、フェミニストである彼にそんなことは出来なかった。 押しつけられる唇や胸、奪われるボタン、果ては制服を脱がそうとする者までいた。
なんとか周りにいた男子生徒、教師、親達が総動員で押さえ込んだのだが、 それ以来リクは女子生徒の群を見ると恐怖を抱いてしまうトラウマを負ってしまった。
どんなに断っても(毎回優しく、丁寧に断っているため)告白する女子は後を絶たず、 登校下校を問わずつけまわす、電柱の影からはみ出まくって車が通れないほどの群。
いくらフェミニストのリクでも、さすがに切れかけたとき 数あるファンクラブで最大の勢力を誇る 『佐伯リク公式ファンクラブ』が警備(仕切)に乗り出した。 いくつもの組織を巻き込み、警察介入寸前までの抗争の後。学内での告白行為の禁止。学外での追跡行動の禁止が締結された。
もちろんその法に従わない追っかけは・・・・・
さて、『いつも』のごとく、群を引く連れて部室にやってきたリク。
とっくのとうに3年になっているので、部室にいるのは後輩か、級友ばっかりである。
「リク・・・またひきつれてんのか?」
部室にはいるなりのこの発言。
空手部でも数少ない女子部員の一人柏木加奈子である。 (代々空手道場を経営していて父親はリクの師匠であり、 リクとは幼なじみで心の許せる数少ない女性の一人であった)
「リク・・・どうすんだよ?」
練習を続ける空手部員に檄を飛ばしながら、入ってきたリクに近づいてくる加奈子。 女子生徒の群は物欲しげに体育館の入り口からリクを見つめている。
さすがに部活だけはリクもファンの立ち入りを認めていない。
「前から言おうと思ってたんだけど・・・」
「なに、加奈子?」
「お前、彼女作ったら?」
「へ?」
嫉妬と憎しみを込めて(その実力はリクに継ぐものだし、リクの友人なので実際手出しはしない)加奈子を見ていた群がシーンとなる。
「な、なに言ってるんだよ、加奈子!?」
「・・・きっぱり振ってやれよ、アタシん時みたいに」
「あ・・・」
リク唖然、群絶句。話しの判っていない部員達はキョトンとしている。
数秒の間を置いて、なんとか、リクが我に返った。
「・・・そう・・・だな」
「うん!」
無理に作った笑顔。明るく振る舞おうと強いている加奈子を リクはまともに見れなかった。
加奈子の提案に始めは言葉に詰まっていたリクだったが、不意に笑った。
「加奈子・・・・・」
リクはそう言うなり、加奈子を抱き寄せると熱烈なキスをした。
そのあまりと言えばあまりの出来事に群は呆然となり、次の瞬間には悲鳴と怒声、そして呪詛に溢れていた
「んん!!・・・・・ん・・・・」
同じく呆然とした加奈子。すぐに暴れる。が、リクは離さない。 ・・・いつしか加奈子も抵抗を止め、うっとりと瞳を閉じるのであった。
群から泣いて走り出すもの、うずくまるもの、そして状況から取り残され呆然とした部員達。
オロオロとしている周りを無視して二人の唇は名残惜しげに、ゆっくりと離れたのであった。
「ん・・・リク・・・・」
「ごめん、加奈子」
「えっ!?」
群はエコーのかかった嗚咽と共にどこかに消え去っていた。 状況に残されていた部員の一人が、恐る恐るリクに話しかけてくる。
「あ、あ、あの・・・」
「・・・放っておこう。あぁ、すっきりした」
加奈子から唇を離したリク。どうやら日頃の鬱憤を晴らしちゃったようである。
スガスガしい表情で笑っている。
「さぁて、練習始めようか!」
そう言ってさっさと更衣室に向かう。その背後では当て馬として利用された加奈子が仁王立ちになっていた。(顔も) さらに青くなる部員。
「・・・・の野郎!」
大声で叫ぶと加奈子はリクの背中に飛びかかっていったのである。
作者の出演者の対談2
獣『ふふふ、羨ましいねぇ』
ケイ『なぁ、にぃ、がぁ、羨ましいだぁ!』
グワシ!
獣『おっとっと・・危ないなぁ・・・』
ケイ『ぐ・・・カウンターか!』
獣『・・解った、解った。すぐにお前を活躍させてやるよ!』
ケイ『当初の予定では、俺がメインだったろうが!!!』
獣『・・・あ〜ん?止めても良いんだぜ?』
ケイ『・・・おのれ!外道!』
ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ
獣『弱いなぁ・・・・・ホントにオレをモデルに作られたのか?』
リク『いやぁ、ははは、モテモテも良いけど加奈子とキスなんて・・・』
獣『・・イヤか?』
リク『イヤじゃないけど・・・・どっちかって言われれば好きだけど・・ねぇ?』
加奈子『酷い!!ファーストキスだったのに!!・・うぅ(;;)』
リク『か、加奈子!?いや、そんなこと無いよ!!好きだって!』
加奈子『うう・・・私もう・・・傷物なのね!』(ニヤリ)
獣『・・・・・加奈子って元は演劇部部長だったよね?』
リク『・・・あっ!?』
第U話 それぞれの高校生活(夕暮れ編)
リク達にとって悲喜こもごもの時間が終わり、ほぼ生徒全員が家路についている頃、 男は壁にもたれて座り込んでいた。それもぐったりと。
黒い制服の所々に靴跡が付き、ワイシャツの胸元は引きちぎられていた。
顔には殴られた跡がくっきりと残っており、唇の端からは血が顎に向かって一筋伝っていた。 が、誰も構ってはくれない。彼を囲んで殴り倒した連中もすでにいない。
いつからこうだったのだろう・・・・・気が付いたときには、
信じられる者はいなかった。
優しくしてくれる者はいなかった。
助けてくれる者はいなかった。
好意を持ってくれる者はいなかった。
「ちっ!むかつくんだよ!!その薄ら笑いが!!・・・」
ケイを壁に叩きつけた男は言った。 リクに女を取られた(勝手に熱を上げているだけなのだが)
腹いせにケイを殴っているのだ。もちろんこの中にリクとケイが兄弟であることを知る者はいない。
木冬ケイ。
血縁から言えばリクの兄に当たる。その真実を知る者はリクの父親以外にいない。もちろん父親の浮気で出来たのだが・・・
そしてリクの父親が彼をこの学校に招いたのだ。
彼は生来の容姿と、虚弱な肉体。そして 捨てられたという生まれから孤児院の中でも常に虐められて育ってきた。 そんな彼がいつしか自分の身を守るために卑屈に従う事を学んだのも仕方がないことだった。
口元に貼り付いた薄ら笑い。いつも人の機嫌を伺う卑屈なまなざし。そして身体全体から漂う卑しさ。
その全てが人の不快感を抱かせた。彼は全校で最も嫌われていた。 公平であるべき教師にさえ。
そんな彼が辛いはずの高校生活をヤメもせずいるのも、 生まれて以来ずっと虐待されてきたおかげである。傷つきすぎた心には日常とかした虐待に、もはや傷つく事はなかった。
そしてもう一つ。成績も運動も駄目である彼がこの学校にいられるのは、入学時に与えられた 「役割」のせいだった。
彼の役割は他の生徒達の憂さ晴らしに虐められる事でる。
進学校であったこの学校には昔からいじめがあった。 どれほど努力しても無くならない虐めを教師は、コントロールすることにしたのだ。
最も虐められやすい人間。 そしてスケープゴートとして彼は孤児院から、 住居と月々の手当の保証と引き替えにこの学園に来たのだった。
ケイはゆっくりと立ちあがると、 破れかけた袖で口元を拭った。 もう、乾燥している血の筋はそれくらいでは取れなかったが、 それも構わなかった。
傷自体に対したことはないし、殴られることに慣れている。 もちろん急所は全て避けている。自然に覚えたのだ。出来るだけ痛くないところで受け止めることを。
彼にとって朝は苦痛の始まりであり、学校生活とは拷問であった。
作者と出演者の対談
獣『ふぅ。これで、ケイは終わった』
ケイ『・・・・酷いあつかいだな・・・』
獣『だねぇ・・・まぁいずれ良い目を見るさ』
ケイ『ぷち・・・・』
獣『へ?』
バキ!
獣『っっってぇ!!』
ケイ『あぁ、すっきりした』
マコ『あれ、ケイちゃん、獣さん、殴っちゃったの?』
ケイ『あ、あ、あ、マ、マコト!?』
マコ『あ〜ぁ、ご愁傷様』
グチャッ!(破滅の音)
マコ『ネェ、リクちゃん、反応ないよぉ!?』
リク『おや、本当だ。じゃぁ、生ごみにでも、出しておかないとねぇ』
ケイ『・・・・・・・ぐぇぇぇぇぇぇ』
リク『じゃぁ、俺が出してこようかねぇ。あーはははははは!』
髪の毛を鷲掴みにされ、引きずられていくケイ。股間を押さえている。
背後でヴェルディの『レクイエム』がなりつつ
幕が降りていく。
獣『ちっ!!○○○蹴り潰しただけで白目向きやがって!殴り足りねぇ!』
ケイ『・・・ぐぐぐぐぐ・・・二度と使えないかも・・・』
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本小説と作者の人柄は全く無縁です。三月さんには既に許可を取ってありますのであしからず。
みゃあの感想らしきもの
偽・GUESS〜1、2