マヤの休日・偽典
〜ますらおぶりコウジ(オリジナルバージョン)(2)〜
作 Koujiさま
驚いている俺に、バッと女が突っ込んできて間合いを詰める。
慌てはするが、まだ構えない。俺は打撃系もこなせるが、俺は寝技系が主だ。一発受けて捕まえる。女の体重や体格から見て、致命的な急所に受けなければ耐え切れると踏んだのだ。
「ふっ」
女のローキック。俺は膝をあげ、脛で受ける。女の足がスニーカーだから受けることにしたのだが(革靴や安全靴などではこっちの脛がヤバイ)
この後受けた足でそのまま踏み込みタックルに行こうとしたのだが、
「くっ!?」
脛と脛のぶつかり合いに俺の足には激痛が走った。俺の脛は毎晩砂の入ったビールビンでたたいて鍛えているのだがこの痛みは半端なかった。女はそのローキックを踏み込みに、パンチを・・・放つ振りして再びその下ろした足で金的を狙ってきた。
「うぉっ!」
鳥肌が立ち、背筋にが痺れるような危険。間一髪内股になって防いだが、それでも内股に鋭い痛みが襲った。もし今の一撃があたっていれば、性転換手術するはめになっていただろう。
「しゃっ!」
必死で顔をそらす。女が二本指で目を付いてきたのだ。俺はその一撃を避けると、そのまま逃げた。思いっきり後ろに下がって間合いを取る。
女の爪を避けきれなかった一撃できれた頬から、血が伝うのがわかる。どっと冷や汗が出た。
「てめぇ・・・」
後ろに下がった俺を嘲笑うかのように女の頬が歪む。この女・・・プロだ。体育館の入り口でわざと背を見せて、クリーンファィター気取っておきながら、スニーカーの爪先と足首に鉄板仕込んでおき、なおかつ平気で目潰しをする。
汚いとは思わない。どんな手を使おうとも勝てばそいつが勝者だし、負ければそれは負けた奴が悪いのだから。
「へぇ・・全部かわされたのは初めてだ」
女は構えたままゆっくりと近づいてくる。
「面白いよ・・・おまえ」
俺は頬を伝う血を指でぬぐい、舐めた。これだけの喧嘩を仕掛けてきた以上、それなりの覚悟はしているのだろう。俺も”俺”らしく戦える。目付きが変わるのが自分でも分かった。
「行くぜ・・・」
さすがに女が緊張する。俺は大股で近づくと、大きく足を振り上げた。軌道は頭部をねらう回し蹴り。俺の足の軌道を見切った女は、肘と肩で頭部をがっちりとガードする。
だが俺の足は相手の身長はもちろん、俺の身長さえ超えて蹴りあがった。そして踵から落とす。
「なにぃ!!!?」
女が慌てて後ろに下がる。俺の体格で身長以上足が上がるとは誰も思わないからだ。その踵はよけられたが、踏み込んでのパンチは決まった。俺は女の顔だろうと容赦なく殴る。
「がっ!」
女の頭部が大きく後方に流れる。無防備になった下腹部に爪先を叩き込む。これは子宮が破れかねない危険なわざだが、無視ぶっちぎりだ。
「・・・・・・!!」
無言でうずくまる女の頭(側頭部からこめかみ)を足の甲で蹴った。思いっきり。女の頭が大きく揺れ、横倒しになる。
「へっ!・・・っっ」
俺は女が気絶したのを確かめるとさっさと逃げ出した。気分としてはそのまま犯したかったが、白目を剥かれてはさすがに気が削がれる。それに足元に女が倒れていたら、誰だって俺がやったと思うし、いつの世も「悪いのは男」という思想が蔓延しているからこれ以上ここにいては暴行犯にされてしまう。
俺は痛む脛を庇いながら体育館を後にした。途中どうしてもにやつくのを止められなかった。まだ足に残っている、人の頭部を蹴り飛ばした感触が笑みを浮かばせるのだ。
まぁ端から見たらさぞ危ないやつだったことだろう。
それから一ヶ月後、再び女が俺の前に現れた。もっとも俺は女の顔なんてとっくに忘れていたから、最初は気づかなかったが、近づくにつれてその女の格好に思い当たった。
あの時と同じ姿だったのだ。
「・・・あ〜!!あの時の!!」
俺はまるで旧友にあったかのような馴れ馴れしさで近づいた。殺気立っていた女の気が削がれた。女は帽子を少し上に上げて俺を見た。白い肌。すでに打撲傷は消えた後だった。顔も以外と童顔だった。女というよりはまだ少女というべきだろう。
「なに?今日も?」
俺はまるでナンパのように声をかけた。だが、間合いははずしてあるし、目は常に全体を捉えている。もはや俺に隙きはない。
「・・・約束だから、好きにしていいって」
少女が目を伏せながら言った。俺は驚きながらも警戒した。また不意をついてくる気かもと思ったからだ。今は完全に街の中。ここで戦えば俺は圧倒的に悪者だ。
俺は何も言わず一歩下がった。走るのにはあまり自信がないが、間合いははずしてあるから人目のないところにまでは逃げられるかも・・・・
「だから・・・その・・・」
俺を見上げたその目は真剣で、少女は本気だった。
ここで使ってある技は私が実現可能なものばかりで
有効であると思っている物です。(身長180でそれ以上足が上がります)
一般人に使いやすいようにしましたが、私と同じ正道会館柔術クラスの練習生なら、
上段前蹴りフェイントからタックル、馬乗りから相手が気絶するまで殴り続ける。
と言う行動をとるでしょうね。
でも、私は寝技はもちろん打撃もやれるし、打撃で決着が付くならそれで良いと思
います。
まぁ、顔面殴るよりかは腕取って脇固めで肩を外すか、バックから馬乗りになって
後頭部に肘をおとし続けるでしょう。
真似しても良いですが、仕留めたらさっさと逃げましょう。
警官には注意しないとね!
みゃあの感想らしきもの。
あぁぁぁぁぁりがとうございます、Koujiさま!!
またもや送っていただきました!
いやはや……凄いですね。
この格闘の描写、やってる人でなきゃできません。
勉強になるなぁ……。
しかし、身長180cmオーバーで無敵……かっこ良すぎます、Koujiさま。
やっぱ、何やるにしても身体の柔軟性は大切ですよね…柔軟体操でも始めようかな(笑)。
次回も楽しみにしております!
リクエストは、もう少し、もう少しだけ待ってください〜〜〜(あせあせ)。
ではまた。
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