策士アスカ、華麗に舞う!?
作・k−tarowさま
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祝10000HIT記念SS
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14歳にして、既に大学卒業という輝かしい経歴を持つ少女。
その華麗な少女の頭脳は、今日も鋭く回転する。
自分の欲望を満たす為に・・・・・・
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策士アスカ、華麗に舞う!?
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雲一つ無い晴れた空。
雀のさえずりが人々の朝を知らせる。
その人々の中の一人が目を覚ます。
「ふあぁ〜眠い。寝不足は美容の敵なのに・・・・・
・・・・・これも全っ部バカシンジのせいよ。全く」
実際は、彼女が彼といちゃつく為の計画を夜遅くまで練っていた為である。
そんな事で怒りをぶつけられる少年はたまったものではない。
だが、少女にとっては至極当前の事のようだ。矛盾しているがね。
「おっと、そんな事言ってる場合じゃなかった。まずは『作戦T』ね。
手を怪我したって言ってシンジにご飯を食べさせてもらって・・・」
・・・・・・・
・・・・
・・
・
「シンジぃ。あのね、アタシ手を怪我しちゃって箸が上手く持てないの。
だからね、シンジに食べさせて欲しいの。だめ?ねえ、シンジぃ♪」
アタシはとびっきり甘い声でシンジにおねだりする。
アタシのシンジ(?)は優しいからきっと我侭を聞いてくれる。
「アスカ怪我したの?僕のアスカの可愛い手に傷でもついたら・・・・・」
「大丈夫。寝ぼけて壁に手をぶつけただけ。傷はついてないから・・・」
「そう、安心したよ。でも、箸を持てないくらい痛いの?」
「うん。ゴメンねシンジ。迷惑だよね、こんな事・・・」よよよよよ
しなを作って、さり気無く落ち込むフリをするアタシ。
「そんな・・・迷惑な事ないよ。僕にできる事なら何でもするから」
くっくっく、かかったぁ!!←アスカの心の中の心の叫び
「・・・ありがとう、シンジ。じゃ、じゃあ、あーん」
少し照れたフリをして完成よ。目標は完全にアタシの手に落ちるわ。
「あ、えーと。いいかな?」
アタシは口を開けたまま頷いてみせる。
シンジは顔を赤くしながら箸をアタシの口に運んでくれる。
ぱくっ。もぐもぐもぐ・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・
・
「はぁ、美味しかった。ありがと、シンジ」
アタシはシンジにだけに送る、いつもの笑顔を見せる。
「いいよ、これくらい。アスカの為だから・・・・・」
よっしゃぁ〜!仕上げにかかるわよ!←心の中の心の雄叫び
「シンジ、お礼にアタシもシンジに食べさせてあげるね」
「え?いいよ、僕は自分で食べられるから・・・・・」
「ち〜が〜う〜のぉ。食べさせてあげるのは、ア・タ・シよ♪
初めてだから、優しく食べてね♪シ・ン・ジぃ♪」
ぷちっ(シンジの回路が壊れた音)
「ア、あぁすくわぁぁぁぁぁ!!!!」
「ああん!♪シンジぃぃ♪」
・・・・・・・
・・・・
・・
・
ぐふっ、ぐふっ、ぐふふふふぅぅぅぅ。
「はっ!いけない、いけない。妄想に浸ってる場合じゃないわ」
アスカはチラッと時計を見る。
「ふぅ、まだこんな時間か。まだシンジも起きてない時間・・・・・」
の筈だが、キッチンから物音がする。
「あれ?シンジも早く起きたのかな?・・・・・もしかして・・・・・」
・・・・・・・
・・・・
・・
・
「あらシンジ、いつもより早いわね。どうしたの?」
「ん、アスカこそ珍しく早いじゃないか。どうしたの?」
「ぶうぅ。アタシだってたまには早く起きるもん!ぷんぷん!」
アタシはわざと大袈裟に怒って見せる。
「ははははは、ごめんごめん。ちょっと言ってみただけだよ、アスカ。
それと、僕が早起きしたのはアスカの為に豪勢な朝食にしようと思ってね」
「・・・シンジ・・・ありがとう。アタシの為だなんて・・・
ねえシンジ、まだ時間はあるわ。朝食の前にアタシを食べて欲しいな。
初めてだから、優しく食べてね♪シ・ン・ジぃ♪」
ぷちぷちっ(シンジの機能が狂う音)
「ア、あぁすくわぁぁぁぁぁ!!!!」
「あはんっ!♪シンジぃぃ♪」
・・・・・・・
・・・・
・・
・
むふっ、むふっ、むふふふふぅぅぅぅ。
「はっ!いけない、いけない。また妄想に浸ってしまったわ」
そんな事をしていたら、リビングのテーブルに何かを置く音が聞こえてきた。
朝食が出来て皿を並ベているのだろう。
「よし、今度こそ妄想ではなく、現実のモノにしてみせるわ。
待ってなさいよ、シンジぃぃぃ♪」
アスカは襖の前で深く深呼吸をする。
そして、襖に手を伸ばし、目を閉じる。
(大丈夫、アタシは惣流・アスカ・ラングレー。
天才・・・・・そう、天才なのよ。
恐れる事は何も無い。
計画は性交・・・・・もとい成功するわ。《←あながち間違いではないが》
シンジをアタシの恋の捕虜にするのよ。なーんてね、うふっ♪)
そんな天才なら考えそうも無い事を胸に秘めるアスカであった。
「・・・アスカ、イクわよ!!」
シュイィィィッ(襖を開ける音だと思ってくれ)
「お、おはようシンジ・・・・」
なんだかんだと言いつつも、少し緊張した様子のアスカ。
しかし、アスカの目には誰も映っていない。
「あれ?いない。・・・トイレかな?シンジ・・・・」
取り敢えずテレビのスイッチを入れるアスカ。
毎朝欠かさず見ているポン※ッキーズ2015にチャンネルを合わせる。
(ん?これはチャンスだわ。シンジがいない間に少しご飯を食べて・・・)
・・・・・・・
・・・・
・・
・
痛む手を健気に動かし、必死にご飯を食べようとする少女。
そして戻ってきた少年はこう言うの。
「あれ?アスカ、手、痛むんじゃないの?不自然だよ」
そしてアタシは、そんなシンジに何も言わずに微笑みを返すの。
「・・・アスカ。なんて健気で儚くて可憐で優しくて美しいんだ。
僕は、僕は君を食べたくなってしまったよ。アスカ」
「・・・アタシも・・・シンジに食べて欲しいの。
初めてだから、優しく食べてね♪シ・ン・ジぃ♪」
ぷちぷちぷちっ(シンジの脳味噌がスパーキングする音)
「ア、あぁすくわぁぁぁぁぁ!!!!」
「あふん!♪シンジぃぃ♪」
・・・・・・・
・・・・
・・
・
えへっ、えへっ、えへへへへぇぇぇぇ
「はっ!いけない、いけない。またまた妄想に取り憑かれてしまったわ。
そうと決まったら早速実行ね。まずは、大好きなシンジの目玉焼きを」
ごっつ嬉しそうに目玉焼きを難なく口に運ぶアスカ。
「ん〜、ぱくっ」
もぐもぐもぐもぐ・・・・・
「うぐっ!?!?!?!?」
アスカの顔面が一瞬にして青ざめる。
その一瞬を例えるなら、射出される時のエヴァのような早さであった。
「$%#!@刀I§?∬!&$%?@!&%$#?%!&@#?!?!?」
声にならない悲鳴を上げようとするが声が出ないアスカ。(なんじゃそら)
「あらぁ、アスカ。今日は珍しく早いじゃないの。
ま、私も人の事言えないけどね♪かっかっかっかっか♪」
そこに現れたのは、自称保護者のミサトさんであった。
朦朧とする意識の中でミサトを指差し、何かを訴えようとするアスカ。
「ん?何?アスカ。ああ、朝御飯美味しいでしょぉ?
いつもシンちゃんばっかに作って貰っちゃ、わ〜るいからねぇん。
私が作ったのよ。それ」
『私が作ったのよ。それ』
『私が作ったのよ。それ』
『私が作ったのよ。それ』
『私が作ったのよ。それ』
アスカの脳裏にリフレインされる呪文。
即ち、背後に迫る絶対の死を意味する言葉であった。
「もう、涙流す程に美味しかったの?嬉しいじゃない」
そう、アスカの食べたモノはミサトの作り出したモノだった。
一時期、ネルフ本部はミサトの料理を解析した。いや、マジで。
『あの料理の謎さえ解ければ、エヴァが無くても使徒を殲滅できる』
ネルフスタッフ一同は本気でそう考えていた。
しかし、結果は散々なものだった。
同じ材料で同じ作り方をしても同じモノが出来ないのだ。
しかも、見た目は普通だというからタチが悪い。
あの御高名な赤木リツコ博士に言わせると、
『あの料理の謎を解明したら、ノーベル賞を全部門受賞できるわ』
と、何の迷いも無く断言させた程のモノである。
「∬#%&!@!$∬&%!!??%@&’$#’&%∬@$煤I!」
訳(こぉんのババア、猛毒食わせんじゃないわよ。てめえが死ね!!)
アスカはまだ怒っていた。
アスカの体は既に持ち主の言う事を聞かなくなっていた。
他の人間なら、とっくに危篤状態だろう。
シンジへの想いが今のアスカを動かしていた。(動機は不純だが)
「もう、心配しなくてもまだ沢山残ってるから安心しなさい。
アスカはホントに食い意地張ってるんだから」
自分の料理の破壊力に気付いてないミサトはケタケタ笑ってる。
そんなミサトに呆れ果て、意識を失っていくアスカ。
(シンジ、ゴメンね。アタシを食べさせてあげ・・た・・・かっ・・・た)
華々しく散っていく、策士アスカであったとさ。
べんべん
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と、これで終わってしまうと一万HIT記念なのにアスカが憐れである。
少し続きを見てみよう。
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「・・・ん・・・んん・・・・・あ、あれ?・・・ここは・・・・・」
見慣れた天井がアスカの視界に映る。
「・・・アタシは・・・確かミサトの猛毒を食べて・・・それから・・・?」
ふと顔を横に向けると、少女の大好きな少年がそこに居た。
「アスカ、大丈夫?ミサトさんの作ったモノを食べちゃうなんて・・・
どこか痛い所は無い?気持ち悪くなったりしない?」
シンジが心底心配そうにアスカに問い掛ける。
「・・・シンジ・・・アタシどれくらい危篤状態だったの?」
「うん、大体2時間くらいかな。ずっと苦しそうにしてたよ。
良かった、もう目を覚まさないんじゃないかって思ったから・・・」
目に涙を少し浮かべてシンジが言う。(そんなに凄いのか?あの料理)
「・・・2時間?・・・シンジ、学校は?・・・」
「アスカを放って学校なんて行けないよ。ミサトさんはネルフだし・・・」
そこでアスカは気付いた。
シンジが自分の手を握っている事に。
「・・・ずっと側に居てくれたの?シンジ・・・」
そう言うと、アスカの手を握っていたシンジの手に、少し力が加わる。
そして、シンジがゆっくりと口を開く。
「・・・うん。アスカの側に居たかったんだ・・・僕が」
その言葉だけで充分だった。
「・・・シンジ・・・」
自然に涙が溢れてくる。ただ嬉しかった。
自分の側に居たいと言ってくれた事が嬉しかった。
「・・・アスカ?・・・ゴメン。迷惑だったみたいだね・・・」
シンジはアスカが泣き出した理由を勘違いしていた。
「そうだよね、僕なんかが側に居るより、加持さんの方が良いよね・・・」
アスカの胸が痛む。
いつもシンジを加持と比較していた。
勿論本気では無く、照れ隠しのつもりだった。
でも、それがシンジを深く傷つけていたとアスカは気付いた。
だから胸が痛んだ。
「違うの、シンジ。違うの。ゴメンね、ゴメンねシンジ。
いつも加持さんの名前ばっかり出してゴメンね。
でも違うの。あれはアタシが素直になれなくて・・・・ぐすっ」
言葉が出てこない。伝えたい事がまだ沢山ある筈なのに、声にならない。
「ぐすっ、シンジじゃ無くちゃ嫌なの、ひっく、シンジ、ぐすっ、しんじぃ」
アスカは自分でも何を言ってるのか分からなかった。
もう駄目だった。
「ふえぇぇぇん、しんじぃぃごめんなさいぃぃ、ふえぇぇぇぇぇん」
シンジを傷つけていた事が悲しくてたまらなかった。
「ふえぇぇぇん、許してしんじぃ、嫌いにならないで、ふえぇぇぇぇん」
泣きながら横にいたシンジに飛びつき、しがみついた。
ずっと側に居て欲しい、どこにも行かないで欲しいと思ったから。
そして、その勢いでシンジは床に背中から倒れこむ。
しかし、しっかりとアスカを支えている。
「ア、アスカ?・・・・・・・・僕でいいの?」
アスカは泣きながら頷き、口を開く。
「ふえぇっ、シンジじゃなくちゃ嫌だよぉぉ、ふえぇぇぇぇん」
その言葉を聞いて、シンジがアスカを抱きしめる。
「・・・ありがとう・・・アスカ・・・」
「ふえぇっ、ぐすっ、しんじぃ、ひっく、しんじぃ、ぐすっ」
シンジの胸に顔を埋めて泣きじゃくるアスカ。
そのアスカの背中をポンポンと叩くシンジ。
「アスカ、もう泣かないで。僕に出来る事なら何でもするから」
「ぐすっ、ほんと?ひっく、じゃあ一緒に寝て。ひっく」
「えっ?で、でも・・・そんな事・・・」
シンジが真っ赤になって狼狽する。
「ひっく、隣に居てくれるだけで良いの、ぐすっ・・・お願い・・・ぐすっ」
アスカの想いをしっかりとシンジは受け取った。
「・・・アスカ・・・うん、分かった・・・」
そして二人はベットに横たわる。
アスカは幸せそうにシンジの腕にしがみつき目を閉じる。
シンジもそんなアスカを優しい眼差しで見守っている。
「・・・シンジ・・・大好き・・・」
最後の最後で策士アスカの計画は成功したとさ。
おしまい
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作者の戯言
ふいぃ〜、何とか間に合った。
まずは10000万HITおめでとう御座います。
自分で勝手に10000HITに書く!と言ってしまったら、
凄い勢いでカウンターが回ってるので焦ってしまいました。(マジで(^^)
しかしこのSSはありがちな話ですな(自爆)
すいません、今こんなのしか書けないんです(T。T)
ま、まあ、これからも宜しくねん、みゃあさん♪(←迷惑だと気付いてない)
「それでわ!」だっだっだっだっだ(←走り逃げる音)
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みゃあと
偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。
みゃあ「あ〜はっはっはっはっは!!ひーひー!もう今日は笑ってばっかりですよアスカ様」
アスカ様「う、う、う、うるさいわね!だからこれはあたしじゃないっていつも言ってるでしょ!?」
みゃあ「とか言いつつアスカ様、なにどもってるんですか?もしかしてこれと同じこと考えてたとか?」
アスカ様「ばっ、ばか言うんじゃないわよ!なんであたしが……
シンジに体を食べさせなきゃならないのよ……」みゃあ「え?な、なんて言いました、アスカ様?いま何かすごいことおっしゃったような」
アスカ様「うるさいっ!あたしは今機嫌が悪いのよっ!」
みゃあ「えっ!?アスカさまあの日……?」
バキャッ!!!
アスカ様「……そのギャグはアスカの穴で聞き飽きてるわよ」
みゃあ「はうっ!そうでした……教祖kouさまごめんなさい」
アスカ様「あたしには謝罪なしなわけ?」
みゃあ「いやあ、k−tarowさま。お忙しいのにホントにありがとうございました。とっても嬉しいです。とくに『アスカ、
イクわよ』ってトコがお気に入りです(笑)」みゃあ「それにしても、『リフレイン』には笑いました。『
即ち、背後に迫る絶対の死を意味する言葉であった』…もう最高。さらに、最後にふたりのらぶらぶなトコがおがめて良かったです。泣きじゃくるアスカさまってかーいい(笑)みゃあ「それと、まことに申し訳ありませんが、ネスケで見れない、という声が多かったため、その問題を解決できるようになるまで、背景を変えさせていただきました。本当に申し訳ありません」