『夏祭の夜』

第1話

作・めざしさま

 


 

近代化した世界の中でただひたすら独自の文化を生かし続けている国、ウータイ。

 

 

強国と呼ばれていたこの国は神羅との戦争に負けてからめっきり弱くなってしまった。

 

変わった建造物が多く東洋独特の朱の混じった柱や瓦の屋根などが多く使われている。

家々に夕日が差し掛かるのはとても綺麗な様子だったそれが受けて今は観光地として人気

があるのだが、昔の強者が集う国と言われた面影はないに等しかった。

 

残されたのは過去の栄光を語る五強の塔、人々の信仰の対象であるダチャオ像

かっての栄誉も今はただの石の固まりと化して形を残すだけであった。

 

この国は服装も他の国々とは大分、異っている・・・・・例外の人間もいたが・・。

 

この国の実力者であるゴドーの娘、名前はユフィ。マテリアと呼ばれる宝石に似た石を心から愛するとんだじゃじゃ馬娘である。

 

由緒正しい忍者の家系でありながらいつも彼女は、タートルネックのセーター、短パン、ルーズソックス、おまけに臍が出ている、といういでたちである。

それだけだったら他の国の格好をしているというだけだろう。

 

だが彼女は体の各部分に、忍者の防具を付けていた、それはその服装とまったくマッチしておらず・・・・・はっきり言うと変な格好なのである。

 

しかし、本人にすれば流行を取り入れながらウータイの愛すべき伝統を取り入れたナイスな格好だそうである。

 

父親になにを言われても「これはアタシのポリシー!」と言い通し

てしまう。

 

堅苦しい気風の国で自由を愛し、気ままに生きている様は一種の清涼感さえ感じる。

 

大分、行き過ぎてとんでもないことを引き起こしてしまうこともしばしばなのであるが・・・・。

 

彼女は今、ウータイを一気に見下ろせるダチャオ像のてっぺんにいた。

夕日が朱の建物に映えて美しい・・・今は夏祭りの真っ盛りで町は色とりどりの提灯が並び、人でにぎわっていた。

 

彼女は友達に誘われればいくこともあったが大抵は行かなかった。

 

 

ごく幼い頃死んだ母親に連れて行ってもらったきりである。

ほんの2.3歳で物心付くか着かないという頃であろうか。

 

母の暖かな胸に抱かれていた感触はかすみ薄れかかってはいるが記憶の底にわずかに残っている。

 

母親の記憶は他にはまったくなかった。顔さえ覚えていない

 

だからかどうか・・ここはユフィにとって大切な場所だった。

 

疲れた時、辛い時、悲しい時、彼女はいつもここに来た。

優しく町を照らす夕日を見ていると亡くなった母親に見守られているような安心した気持ちになれるのだった。

 

クラウド達と別れて数ヶ月過ぎた。ユフィはうんざりしていた。

父親のゴドーが毎日、、自分の跡をつげつげと非常に五月蝿い。

 

リヴァイサンのマテリア目当てで父親と戦い勝ってしまったのが原因であった。

 

実力者であり、忍の長であもある父親として自分より優れた後継者に跡を譲りたいのは当然である。

 

「やだね、こんな若いうちに将来決まっちゃうなんてサ・・・」

 

父親の跡をつぐ。それは、ウータイを治めることになるまだ遊びたいざかりの16のユフィにはあまりに重過ぎる荷だ。

 

「あ〜あ〜また、メテオでもぶつかりそうにならないかなぁ・・・そうすれば、跡をつぐとかそういうところの話しじゃなくなるのに。」と物騒なことさえ願ってしまう彼女であった。

 

ついこの前までユフィは「星」を救うために戦っている者達の一員であった。

 

 

初めは、そんな馬鹿げた肩書きもって格好つけちゃってなにやってんだかーとか思ってた。

 

 

アタシはマテリアを狙ってアイツらの仲間になったから。

神羅嫌いだったし、ちょっと協力してやれって気持ちもほんの少しだけあったケド

 

アタシはマテリアを集めて国を前みたいに強くしたかったんだ

 

 

・・マテリア・・それは失われた古代の魔法を呼び出す不思議な石

これがたくさんあればみんな強くなって昔の姿を取り戻してくれると思ってた。

 

その頃は強くて誇りに思ってた親父はただのふぬけになっちゃったし・・・アタシがしっかりしないとこの国は滅んじゃうって、うら若くいたいけなアタシはそんな単純なことしか思い付かない程無力だった。

 

 

ホントは力だけ集めたって・・・・いくら強いマテリアを集めても人々の心から失われた誇りは戻ってこないってこと知ってたけど、それしか出来なかった

 

そんな時、アイツらに会った。

みんな自分の守りたいものを一生懸命守ろうって頑張ってて・・・そりゃ最初はそれを馬鹿にしてたけど・・・

アタシが国を大事に思う気持ちと同じだと気が付いた時アタシは変わっていった・・・

 

アタシもこの星を・・ウータイをメテオから守りたいと思った。

 

だからセフィロスと戦った。

 

 

恐くて足が震えてがちがちして絶対死ぬかと思った。今でも思い出すだけで腰が抜けそうになる。

 

 

そしてアタシは恋をした。深夜の遊園地でデートまがいのこともした。

こっちから一方的だったけどキスまでした・・・

でも、それについてはなんも言ってくんない・・・アタシがからかったとでも思ってるんだろうな・・・・多分・・・

 

「アイツにはあの子がいるのわかってるヨ。アタシもすごくお似合いだとかって思ったし・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・でも・・・」

 

彼女はそう言うとはぁっと深い溜め息を付いた。

 

マテリア以外に初めて抱いた興味それは、あまりに遅い初恋・・・・

実らないことは分かりきっている。

 

「でも・・・好きなんだ・・・・・・」

 

「・・何がだ?」

 

「何がって・・決まってるじゃんもう!って・・・・・・・・んっ?」

 

 

 

彼女が振り返るとそこには、若い男が立っていた。

 

ちょこぼのようにつんつんとした髪型、魔こうを浴びた証しの青い光を放っている瞳。見覚えのある姿である。

 

半年前まで、一緒に行動を共にした仲間のリーダーのクラウド、ユフィの片思いの相手でもある。

 

「は、はううう!!!クラウド・・な、なんでここにいんのサ!?」

 

「なぜっておまえが呼んだからに決まってるだろ。」

 

「え?」

 

「おまえ、この前手紙でのマテリアを渡しにウータイへ来いって書いただろうが、前に約束してたしな。一応守らないといけないと思ったんだよ」

 

「あっ・・・そういえば手紙書いたような・・・」

 

クラウドはあきれた顔をしていたが胸元から布袋を取り出すと、ユフィにぽんっと投げた。

 

「・・なにこれ?」

袋を開けて見ると中にはマテリアがぎっしりと詰まっていた。

 

「えーーーーっ!?マジっ!半分、冗談で書いたのに〜本当にくれるなんて。」ユフィは突然降ってわいた幸運に感謝した。

 

マテリアが欲しいと言うのももちろんあったのだが何よりも、クラウドが来てくれたことが嬉しかった。

 

「冗談なのか?じゃ、返してもらおうかな」

クラウドがわざと意地悪げにそう言ってユフィをからかった。ユフィは慌てて布袋を後ろに隠した。

 

「だ、だめダヨっ!もうこれはアタシんだからねっ!返さないもん。」

 

「・・・冗談だよ、どうせ俺にはもう必要のないものだからな。」

 

「わーいわーい!!ありがとう、クラウド!」

ユフィは喜びのあまりお得意のシュシュシュの手裏剣なげポーズを辺り一面かましていた。

無邪気に喜ぶユフィをクラウドは苦笑しながら見ている。

 

気が付くと夕日はとうに山の向こうへと沈んでわずかに顔を覗かせているだけだった。

うっすらな橙色と薄暗い夜の闇が交じり合って、夕日とはまた別の美しさをかもしだしていた。

 

「ここは眺めがいいな、本当に綺麗だ。」クラウドは景色に思わず見とれてた。

 

「そうだろ!ここはユフィちゃんのとっておきの場所なんだぁふっふっふ。」

ユフィは得意そうに胸をはる。

 

「・・・とっておきの場所か、俺にもある・・・。」

クラウドは故郷の給水塔のてっぺんの満点の星空を思い出した。

 

 

「そっか・・・クラウドにもあるんだね、アタシさ・・ここにいると死んだ母さんが見

守っていてくれるような気持ちになるんだヨ!みんな、一個はもってるんだよねとっておきの場所。誰にも内緒の一人だけの大切な場所をさ」

 

 

「・・・秘密の場所、俺に知られちゃまずかったんじゃないか?」

クラウドはユフィに尋ねた。

 

「いいんだクラウドには、だってさアタシ・・はね」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・どうした?」クラウドが不思議そうにこちらを見ている。

 

クラウドのこと好きだから・・・・・・思わずそう言いそうになってユフィは口をつぐむ。

 

慌ててなにか他のことを言おうとするが何も思い付かない。

 

「・・マ、マテリアをいっぱいくれたからお礼なんだ。」やっとこう言うだけで精いっぱいだった。

 

嘘を付いたり誤魔化すのが下手なユフィである

敏感な人間ならばここまでのやりとりで好意をもってることがなんとなくわかるだろう。

 

だが、相手は「ドンカン!」のクラウドである、まったく気が付いた様子は無かった。

 

 

「・・・そうか。」とくにさほど気にするほどでもないという感じで納得している。

 

ほっと胸をなで下ろすユフィだった。

 

 

第一話終わり。                             

 

 

 

                    


 

後書き

・・・初投稿させていただきました。ユフィらぶ〜♪なめざしです。

なんか全然小説になってないって感じです。

構成もめちゃくちゃだし(^^;)

ちゃんとこういうの書くのはじめてなんで・・・変なとこあってもお許しを・・・・・・・ただ、ユフィの小説って(えっちくない奴も含めて他のところでも)少ないから書いて見たかったんです。なんか初恋だとか少女漫画っぽいって感じだし・・・・みなさん、プロ並みに上手くって凄いです。力量の差がぁぁぁぁ(^^;)


 

みゃあの感想らしきもの。

 

みゃあ「やったーっ!」

ティファ「…どしたの?」

みゃあ「久しぶりにFF7の投稿が来たから嬉しくて……(T^T)」

ユフィ「おっ、あたしの小説じゃん」

エアリス「ユフィ、人気あるわよね。GMのアラシさんのも確かユフィが主役じゃなかったかしら?」

ユフィ「へへっ……まあ、当然かな」

みゃあ「こらこら、有頂天になるんじゃない。……何が良くてこんなペチャパイ娘を」

ユフィ「な、な、なんだとっ!?」

みゃあ「…めざしさま!本当にどうもありがとうございます。みゃあは幸せですぅっ!」

ユフィ「おい、無視すんなっ!」

みゃあ「ではまた次回お会いいたしましょう、さよ〜なら〜」

ユフィ「おいっ!待てって言ってんだろ……」(フェードアウト)(笑)

夏祭の夜1