GUESS WHAT!?

5「レイカのお料理教室(後編)」

作・三月さま

 


 

 2 家庭科室の惨劇

 

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 その日、改めて家庭科教師が二日後の『調理実習』の事をクラスに知らせた。

 そのとたんに響き渡る、山南の悲鳴。教師の30歳未婚の女教師は、やはり来たかとい

う表情で、達観している。

「嫌だ、嫌だ、嫌だぁ。調理実習だけは、嫌だぁ!!!!!」

 隣が調理実習室の家庭科室で、悲鳴を上げ捲る山南。

 しかし、今回ばかりは、誰も山南を奇異な目で見ようとはしなかった。

 何故なら、皆、同じ気持ちだからである。

 『調理実習』を知らせた教師は勿論、クラスメート全員が、表情を暗くしている。

 ある者は、真っ青になり、神に祈りだし、またとある者は、悪魔を呼び出すための魔法

陣を書き出したりしている。とある女子は、『調理実習』の名を聞いただけで泣き出し、

一番前の席にいた男子などは、そのまま卒倒する。そんな具合だった。

 そんな様を、おかしげに見ているのはリクただ一人だ。

「あははは、おもしろなぁ」

「リクちゃん・・・」

 笑っているリクに対し、加奈子は頭を抱える。本当は、加奈子も泣いて叫びたいほどな

のだ。

 が、可愛いレイカがキョトンと、無邪気にいるので泣くに泣けない。

「あれぇ、皆、どうしたの??」

「なんでもないのよ(;;)」

 ギューッとレイカを抱きしめる加奈子。が、リクの視線が痛いので、すぐに離す。

 山南。まだ叫んでいた。

 しかし、いい加減やかましいので、苛立ち紛れの加奈子にどつかれ失神。哀れ山南。

 

 さて調理実習の内容だが、『中華』という事に決まった。

 チャーハンと中華風スープ(内容は自由)である。

 さて、ここで各班が集まり、スープの内容を検討せねばならない。これも、宿題の一貫

である。(受験生にこんな手間をとらせるとは、とんでもない教師&学校である)

 で、ここでもヒマ人4人組みが、放課後に部活を放り出して集まっていた。今日言い渡

された課題を、さっそくやっつけようという魂胆である。

 何故か知らないが、図書室にある調理の本を引っぱり出して、あーだ、こーだと、色々

言っている。仕切っているのは加奈子。まとめはリクである。

「だぁかぁらぁ、レイカも作らないと、家庭科の点数が悪くなっちゃうでしょ!」

「レイカが作ったら、また、ゴキが巨大かするだろうがぁ!!」

 こんな言い合いをやっている加奈子と山南。

 リクは、ちょっと怒っているが、さすがに前回のことを反省しているレイカがおとなし

いので、我慢して黙っている。

「別に、レイカの料理は、あの教師だって箸つけないから、見ためさえ良くすれば、それ

でオーケーなのよ!」

「そりゃそうだろが、一年のとき、見ための良かったの食って、俺が死にかけたんだから

な!」

 バン!と、机を叩く山南。

 その音の激しさに、思わずレイカが首をすくめる。

 そこですかさず、リクと加奈子のパンチ。制裁である。

『ドバキィ!!』

「うがぁ!」

 二人のダブルパンチで伸びてしまった山南。一時退却である。

「あぁ、山南ぃ(;;)」

 こんな山南に、一人同情してやるのは、レイカくらいな者である。レイカは倒れた山南

に駆けよると、変な格好で倒れてしまった山南を、何とか普通に寝かそうと悪戦苦闘を始

めた。

 その間、リクと加奈子は巨頭対談である。

「で、どうする、リクちゃん」

「やっぱり、俺がスープで、加奈子がレイカつきでチャーハンだろうな。俺とレイカじゃ

仕事にならんだろうから」

「そりゃ、ね。それが理由で、席も一番離しているわけだしねぇ。クス」

 冷やかしの視線をリクに向ける加奈子。

 そうなのである。リク、暇さえあればレイカに目が行ってしまうので、席が余り近すぎ

ると、授業にならないのである。で、そこは鉄の根性で、席を離したのである。何とも懸

命というか、哀れ。

 これで、もし三日後の調理実習でリクとレイカが組もうものなら、リクは微笑んでレイ

カを見るだけで、料理全般、レイカが作ってしまうものだろう。その時の結果は、火を見

るよりも明らかだ。最も点数が稼げるリクの料理が、作られないばかりか、それがレイカ

の物ととって変わるのである。

 以上の理由で、リクの案には、加奈子も一も二もなく同意する。

「しょうがないわね。ちょっとカッちゃんが、うるさいだろうけど、がんばってね」

「わかった」

 この案の場合、山南がリクに見とれ、何もやらないであろう事は、これまた、火を見る

よりも明らかである。

「で、チャーハンだけど、レイカに何もやらせないままだと、レイカの点数が0になっち

ゃうから、やらせるわよ。いい?」

「わかってる。飾り付けと、ごまかし、まかせたからな」

「まかせなさい!」

 レイカが山南の世話に忙しいので、二人とも、言いたい放題である。

 が、悲しいかな、事実に裏付けられたものなので、どうしようもない。二人とも、本当

はこんなこと、言いたくもないのである。

 で、巨頭対談が終わったところで、山南復活。

 ちょっとフラフラして、レイカを心配させているが、何とか復活である。

「いって・・・二人同時に殴るかよぉ!!」

「うっさいわねぇ、カッちゃん。早く部活に行っちゃいなさいよ!」

「へ、部活?」

「もう、終わったわよん、相談」

 ニッコリと作り笑いをする加奈子。しかし、その笑みには有無を言わせぬ恐ろしいもの

がある。

 卒倒していて、その間に何が起こったのかまるで判らない山南。ポカーンとしている。

レイカもつられてポカーンとしている。

「な、何だぁ?」

「なに、なに??」

「何でもないよ。レイカも、部活、行ってこいよ」

 レイカに対し、滅茶苦茶甘いリク。これまたニッコリ笑って、レイカにそう言う。もっ

とも、こっちの笑みは、ものすごーく愛情が篭っている。

「う〜んと・・・なんか判らないけど、じゃぁ、レイカ行くよ?」

 リクと加奈子の両方を見て、そう聞くレイカ。はっきり言ってカワイイ。

 少し赤くなったリクと、それに白けた加奈子にブンブンと手を振って、部活へと向かう

レイカ。しかし、まるで3年に見えないな、この子は。一年か、もしくは、中学生でも十

分通じるかもしれない。行動が、なんとも幼い。

 で、レイカ退場。

 山南も、レイカがいなくなったことで危険が増したことを感じ、部活に逃げる。部活と

いっても、三年なので、もう、行かなくてもいいのだが。

 で、後はリクと加奈子である。

「部活行こっか、リクちゃん・・・」

「あー、うん」

「気のない返事ねぇ」

「ないもん」

「私もない」

「今日2年のシゴキだっけ?」

「うん。でもカッちゃん以外イヂメても、おもしろくないのよねぇ」

 ホウッとため息を付く加奈子。もうすぐ3年が引退するので、引き継ぎやらで、三年が

二年をいびる時期なのである。今日も、その作業のため、演劇の練習がたまにつぶれる。

そして、今日はその日なのである。

 結構演劇命のこの二人には、とってもつまらない作業である。

 で、部長なのにやる気のない加奈子。同じようにやる気のない花形女優。

 この二人の出す結論といったら、決まったようなものである。

「器楽部に襲撃かけて、レイカかまって、それからバスケ部に襲撃をかけましょうかぁ」

「バスケ?」

「カッちゃんの部。イヂメがいのありそうな二年やら一年がいっぱいいるの」

「山南いるなら、俺はパス」

 今だ、山南に追かけられていた頃のトラウマのあるリク。バスケ部訪問だけは遠慮する。

 で、のそのそと動き出した二人。しかし、二人の元気が何となくないのは、何も、演劇

の練習がないからだけではないだろう。

 レイカを交えての調理実習。このことについては、やっぱり、この二人にも気は重くな

るのである。

 

 さて、調理実習当日である。

 ちなみにこの日、クラスの半数以上が欠席した。皆、前回のガス事件で怯え捲っている

のである。本当は教師も休みたい所なのだろうが、何と言っても彼女は責任感があるよう

である。今日もしっかり、実習室に現われた。

 わきゃわきゃと、エプロンをつけ、三角巾を被る生徒達。

 問題のレイカも、加奈子にエプロンをしばってもらったり、三角巾を付けてもらったり

している。(リクも、山南に『やってやろうか?』と聞かれたが、『丁重』に断わった)

 で、調理実習スタート。

 ところで、リク達だが、何故か同じ班になっている。家庭科は、本来はアイウエオ順で

班分けしているのである。が、何故か彼等だけはメチャクチャである。佐伯リク、山南一

則、柏木加奈子に三浦レイカ。ほんとうなら、よくても2班に判れそうなところである。

 この連中が同じ班な理由は唯一つ。レイカが避けられたからである。

 レイカが一緒では、死んでしまうと、クラス全員が思っているなか、加奈子が無理やり、

レイカと組むと言い出した。さらに、うるさい山南が、他班のリクにチョッカイを出すの

がうるさいので、山南とリクも組まされる。で、こんな連中と班を組むのが他の連中は嫌

なので、この2組が一班になる。理由としては、こんなところである。

 で、実習室の一番隅のテーブルで、料理を始めた4人組み。

 リクが慣れた手つきで材料を捌いていくのを、レイカが感心した様子で見守っている。

「リクちゃん、すごーい」

 感心しているレイカに、感動している山南。ちなみに、山南のほうは、涙を流しながら、

リクの包丁捌きに見入っている。

「うぅ、さすがは佐伯(;;)」

「ちょっと、カッちゃん、バカ言ってないで、こっちも手伝いなさいよ!!」

 おバカな山南に、怒鳴り付ける加奈子。こっちは、食器やら鍋やらを洗っている。家庭

科の道具など、使う前に洗わなければ、危険きまわりない。いったい何処のクラスの、何

処の班がいいかげんな洗い方をしているのか、わかったものではないからである。さらに、

雑巾で間違って食器を拭く馬鹿もいる。現に山南がこの間それをやって、加奈子にしばか

れた。

「うっさいなぁ。レイカだって、何もやってないだろ!」

「レイカは、ちゃんと、お皿とか持ってきてくれたわよ。何もしてないのは、カッちゃん

だけよ!」

 ギャイのギャイのと、言い合っている加奈子と山南。

 リクは、それに笑っている。

「あははは、毎度だなぁ、加奈子?」

「ほっといて!」

 本当は、自分が包丁を握りたかった加奈子である。中華鍋をブンブン振り回して、そっ

ぽを向いてしまう。

 リクも加奈子に包丁は持たせたくないので、この役だけは譲っていない。(ちょっと前

に、包丁を持った加奈子が、山南を裂きにかかったのである。これはさすがに、リクでも

いただけなかった)

 快調にというか、どの班よりも早く下準備が終わってしまうリク達の班。続いて、調理

である。

 予定通り、リクと山南がスープにかかっている。山南は、リクと組めたので、感動し捲

りである。

 でチャーハン。加奈子とレイカである。しかし、レイカにやらせれば、失敗するのは目

に見えているのだが、加奈子、それでもレイカにやらせている。

 別に、サボりたいから、やらせている分けではない。少しでも、改善させたいから、や

らせているのである。レイカに少しでも成長してもらいたい、お母さんの心境なのである。

「レイカ、ほら、こげてる。そこ、かえさなくちゃ!」

 必死といってもいい様子で、レイカを監視する加奈子。

 山南のさりげない愛情表現をガンとして無視しながら、スープの味付けをするリク。

 が、そこで事件は起こった。

『パン!!』

 突然、実習室に響いた、爆発音。

 だが、その音自体に皆驚いても、その音がなったことには誰も驚かなかった。

 音の出所など、判ってしまっているのである。

 リク達の班だ。正確にいえば、レイカの手元である。

「ありゃ?」

 レイカが握っていた中華鍋。それには、まるで異常はない。異常があったのは、中味で

ある。

 今の今まで、チャーハンを作って居たはずの鍋の中味。

 だが、今そこには、何故か『おこし』がいっぱいになっていた。あの、お米がもとのお

菓子である。(『にんじん』などという名前で、だがし屋で売っていたりするやつである)

「加奈ちゃぁん・・・」

 申し訳なさそうに加奈子を見るレイカ。

 事の次第が、信じられない加奈子。

「ど・・・どうやったら、この状況で、これができるの??」

 本当は、圧力でもかけなければ出来ないお菓子である。が、それがレイカの手にかかる

と、たかが中華鍋で出来てしまう。もう、未知の世界に突入である。

 もちろん、クラスメートも、この事態にかなり驚いていた。

 冷めているとすれば、山南くらいである。

「いつもよりは、マシだろ?」

 そう言って、加奈子にフライパンでどつかれる山南。進歩がまるでない。

 ともあれ、リクたちの班のチャーハンは、なぜか、『おこし』と化してしまったのだっ

た。

 

 さて、今回これだけでは、全然『家庭科室の惨劇』にはならない。

 そこで、過去のレイカの戦歴をならべて見よう。

 まず、料理を焦がす。基本である。中学生の頃の家庭科で、これをやったのである。ち

なみに、この時も、加奈子がスーパーバイザーをやって、レイカを監視していた。

 次に、塩と砂糖を間違える。またまた、基本である。この時は、山南が味見をして、一

時間ほど気を失ったという。(中学3年間、この3人は同じクラスである)

 さて、これからが、レイカの本領発揮である。

 ご飯にお味噌汁という簡単な調理実習。そこで、レイカ、茶色のご飯を炊いたのである。

まぁ、これも、炭やダイヤにくらべれば、はるかに増しである。こっちのご飯は、味だけ

はまともだったのだから。(ちなみに、毒味・・・もとい、味見をさせられたのは山南で

ある)

 その次の回の実習では、魚の煮物。が、ここでとても奇怪なことが起こったのである。

何かというと、

「魚の煮物が喋ったんだよ」

と、山南談。その通りなのである。

 レイカが加奈子に言われて、鍋の蓋を開けて見ると、生姜と一緒に煮られてしまったは

ずの魚が『ハロー、お嬢ちゃん』と、言ったそうなのである。ちなみに、この時のレイカ

の反応。おお喜びである。山南などは、余りの奇怪な出来事に、思わず鍋事、魚を外に放

り投げてしまったというのに。(ちなみに、魚を捨ててしまったので、山南、バツゲーム

と称して加奈子にしばかれた)

 で、こんな中で、山南が一番嫌な思いでとする事件がある。

 一回、レイカが作ったと言うのに、料理が酷くまともだったときがあるのだ。栗ご飯の

ときだっただろうか。で、不注意な山南、それに何の警戒も抱かないまま、パクリといっ

てしまったのである。

 で、山南、どうなったのか。

 その場で卒倒、意識不明、一週間生死の境を彷徨うと言う目にあった。

 それ以来、山南、レイカの料理だけは、食べていない。

 

 

 3 こんくるーじょん

 

 さて、その日の放課後である。

 パクパクと、その日の実習でできた『おこし』に砂糖をまぶしたものを食べているリク。

女装(ドレス)の格好で、廊下をテクテクと歩いていた。

 加奈子を探しているのだが、彼女がみつからないのだ。

「まったく、乱闘だなんていやね・・・」

 女装をしている所為か、喋り方が女の子のリク。この点については、放っておこう。

(たった今まで演劇のセリフ暗記をしていたせいだと思いたい)

 2年と3年の女子が乱闘してしまったので、部長である加奈子を探しているのである。

いつもなら、この時間、部室にいるはずなのに、今日に限って、加奈子、何処にも見えな

いのである。

 で、他の部員と同じように、リクも加奈子を探している訳だ。

「加奈子ぉ?」

 ガラリと、自分の教室の戸を開けて、加奈子の名前を呼ぶリク。

 が、あいにく、ここにも加奈子はいなかった。

 居たのは、同じように部活中であるはずのレイカだった。

「・・・レイカ?」

 教室の窓際の机にチョコンと座っているレイカ。

 ボーっと、天井など眺めている。

 ぼけているのはレイカらしいのだが、何か様子がおかしい。リクが名前を呼んでも、無

反応である。

「レイカ!?」

 もう一回、名前を呼んで見る。さっきより大きい声でだ。

 そこでやっと、レイカが気が付いた。ハッとした様子で、リクを見る。

「リクちゃん!?」

「どうしたんだよ、レイカ?」

 器用にドレスの裾を持ち上げて、レイカの傍まで歩いていくリク。

 いつもならば、そのリクのドレス姿にレイカが感激の声を上げそうなものだ。が、今日

はレイカ、自棄におとなしい。薄く笑って、下を向いてしまう。

 元気のないレイカの姿。

 バリバリにレイカに甘いリクは当然、胸にグサグサと槍を突き立てられたようになって

しまう。

「レ・・・レイカ?」

 リクが、レイカの表情を覗き込む。

 が、レイカはそっぽを向いてしまう。

 その態度に、モロにショックを受けるリク。たまにはそう言う気分もいいものである。

しかし、リクのほうとしては、そうは言っていられないであろう。もろにショックを受け

ている。

 しかも、レイカ、リクのそう言う反応に、当然気が付いていない。ただ、しばらくした

後、やっと口をきいてくれた。

「ねぇ、リクちゃん」

「な、なんだよ、レイカ!?」

「レイカ、お料理へたっぴだよねぇ・・・」

 よく見れば、レイカの手元には、今日使った三角巾が握られている。これを仕舞うとこ

ろで、今日の実習の結果を思い出したというところだろうか。

「これじゃ、レイカ、なれないよね・・・・」

「何に?」

「こんなんじゃ、レイカ、お嫁さんに、なれないよねぇ・・・」

 ポツリと、漏れた言葉。

 意識したものではないだろう。

 が、重大な言葉である。

「あ・・・それは・・・」

 ふと、とある返答を思い付いたリクだが、さすがに、口に出せず、戸惑った。

 が、リクがそうやって戸惑って居るのをどうとったのであろうか、レイカの目が、ウル

ウルとうるみだした。泣く前兆である。

 それに当然、慌てるリク。言うのを躊躇していた言葉を、思わず口走ってしまっていた。

「大丈夫だよ、俺が作るから!」

「・・・ほえ?」

 思わず泣くのをやめ、リクの顔をマジマジと見つめるレイカ。

 言っておくが、この子、リクの言葉の意味が、まるで判って居ない。

 ただ、ジーっじと、リクを見つめている。

「リクちゃん?」

 何か、言ってくれたらしいことだけは判って居る。が、その意味が判らない。

 で、その意味を考えるレイカ。

 その間、沈黙が10分間。さすがにリクも少し赤くなっている。

 で、さらに沈黙5分。

 そこでやっと、レイカの顔が真っ赤になった。

「リ・・・クちゃん」

「まぁ、そう言う訳だから・・・泣くなよ?」

 赤くなりながら、横目でレイカの反応を見るリク。

 こういう場合は、もろに『キス』のチャンスである。

 リクもそれが判って居る。から、当然、レイカに手を伸ばした。いや、伸ばしかけた。

 が、その手がレイカの肩に触れるか、触れないかと言うところで、

『グワシャーン!!!!』

と、邪魔が入った。

 思わず、音がしたほうを見るリクとレイカ。

 そこには、掃除用具から転げ出た加奈子と山南(大泣き)がいた。二人とも、床にベチ

ャリと転がっている。

「何をしてるんだ?」

 いいところを邪魔されて、何となく機嫌の悪いリク。

 それに、気が付いた加奈子が、『あ、あは、は、は、ははは』と、笑いを引きつらせた。

「あらぁ、リクちゃん?」

「何をしてたんだ、加奈子?」

「何って、ほら、レイカが、ああだったでしょう。だから、心配で、心配で・・・ちょっ

と、隣のクラスから侵入をねぇ(^^;;」

 そう言って、掃除用具の中を示す加奈子。

 そこには、蹴破られたらしく、大きな穴が開いていた。クラスの間の壁を、蹴破ったの

か、加奈子。

「おい、おい(^^;」

 さすがの加奈子の行動に呆れるリク。

 その足元では、山南がまだ大泣きしていた。そりゃぁ、もう、水堪りが出来るほどに。

 んでレイカ、まだキョトンとしていたりする。

 

 

 4 後書きでぇす

 

登場人物(?):ネコ(人間バージョン)

        主人公であって主人公でないケイ

 

ネコ『ひゅぅ。ここに、GUESS WHAT!?の5番目、前後編になってしまったも

   のを全てお届けいたしましたぁ』

ケイ『なんか、グテグテだな、お前』

ネコ『さすがに、これは疲れましたぁ・・・プシュゥ』

ケイ『あー、空気抜けとる、抜けとる』

 

     そのままシュルシュルと縮んでしまうネコ。

     しょうがないので、そのネコに熱湯を駆けるケイ(^^;

 

ケイ『はい、ジョバジョバジョバと・・・』

ネコ『あつい、あつい、あついぃぃぃ!!!』

ケイ『おい、まだ3分経ってないぞ!!』

ネコ『オイラはラーメンですか!?』

ケイ『違ったのか?』

ネコ『シクシクシクシク(;;)ケイのイヂワルぅ』

ケイ『今回はまた、主人公のはずなのに、影も形もなかったからな。イビルぞ』

ネコ『ぎくぅ!!(^^;』

ケイ『俺って本当に主人公?』

ネコ『は、はいぃ(^^;』

ケイ『で、なんでこんなに出番がない?』

ネコ『そ、それは・・・』

ケイ『それは?』

 

     詰めよるケイに、後ろに下がるネコ。

 

ネコ『それは、それは・・・ナイショですぅ!!』

 

     ネコ、やおら懐から煙玉をとり出し、それを床に叩き付ける!!

 

煙玉『ぼむ!!』

 

     黙々と上がる、白い煙!!

     それに乗じて、逃げ出すネコ!!

 

ケイ『ゲホ、ゲホ、ゲホ・・・こ、これは、泉のお手製!!』

 

     なんで判るんだよ、ケイ・・・

 

ネコ『おーっほっほっほ、その通りぃ!!』

ケイ『えぇい、その女王様笑いはやめんかい!!』

ネコ『人間バージョンだから、いいんだもぉん』

ケイ『くおらぁ!!!!』

ネコ『ふわははははは!!』

 

     煙に溶け込んで、大笑いするネコ。

     当然、むせている。

 

ネコ『ぐえほ、げほ、げほ、げほげほげほ!!!』

ケイ『お前は馬鹿かぁ!!』

 

     すかさず飛ぶケイの飛び蹴り。

 

ネコ『あぁ、何故煙の中で場所が判るぅ!?』

ケイ『あんだけ大声でどなっとれば、わかるわぁ!!』

ネコ『しまったぁ!!』

 

     人間になろうが、なるまいが、やっていること、あんまり変わらないネコ。

     やっぱり、どつかれまくっていた。

     チャンチャン。


 

みゃあの感想らしきもの。

 

はいっ!毎度お馴染みのみゃあでごじゃりまするぅ〜。

今回も前回同様いってみたいと思います。

 

 

ううっ……ヤバイなぁ。レイカにもはまりそう(←気が多いみゃあ(^^ゞ)

だって…天然ボケがかーいいんだもの(笑)。料理の腕はともかく性格はいいんだよねぇ。

リク…女にでも嫉妬するのか、あんたは?

>変な格好で倒れてしまった山南を、何とか普通に寝かそうと悪戦苦闘

ああ…やっぱり優しいなぁ、レイカちん。

>リクと加奈子の両方を見て、そう聞くレイカ。はっきり言ってカワイイ。

確かに可愛い。

>少し赤くなったリクと

こっちも可愛い(爆)

>山南一則

おおっ!これがフルネームかっ!確かはぢめてですよね?

>中華鍋をブンブン振り回して

何気なく書かれているが、想像すると結構凄いことをしている(笑)

>今そこには、何故か『おこし』がいっぱいになっていた。

な、なにゆえにっ!?(笑)凄いぞレイカ!大笑いしたぞ!

>『ハロー、お嬢ちゃん』

うぷっ…く……ぶっ、ぶはははははははははっっっ!!なんでやねん!

>喋り方が女の子のリク。

まっっっっっっったく違和感なし(笑)

>「こんなんじゃ、レイカ、お嫁さんに、なれないよねぇ・・・」

どがーーーーーーーーんっっ!!(ハマリ決定!)

>「大丈夫だよ、俺が作るから!」

いや〜〜〜〜〜ん、らぶらぶぅっ!

>クラスの間の壁を、蹴破った

あ、あの〜〜、あなたホントに人間?(^^ゞ

 

で。

>煙に溶け込んで、大笑いするネコ。当然、むせている。

ネコさん、お茶目すぎ(^o^)。かーいい(笑)

 

ふぅ。いつ読んでもいいなぁ、これ。最高。

これからみゃあは余韻にひたります。ではまた次回。(^o^)/~~~~

GUESS〜5_2