キーン コーン カーン コーン
校舎に共済後の授業終了を告げる鐘が響いた。
「起立、礼」
いつものように号令をかけると、洞木ヒカリは席に腰を下ろした。
アスカは……いない。昼休みに緊急招集がかかって、綾波さんと碇くんとネルフ本部に行ってしまった。
トウジ……鈴原は、妹の具合が気になるからと病院に行くらしい。なんでも昨日の夜に医者から電話があったそうだ。
「今日の週番は、私ひとりか……」
本当はトウジとふたりだったのだが、妹の見舞いという理由があるためさすがに押し付けられなかった。
「いいんちょ、すまんな。わし、急ぐからよろしくな」
「ううん、いいわ。妹さん、よくなるといいわね」
花瓶の水を取り替えて、簡単に掃除をして、日誌をつけている時、ふいに声がかけられた。
「委員長、ちょっと、いいかな?」
「相田くん? 何か用?」
「悩んでることががあるんだ。ちょっと相談に乗ってくれないかな?」
相田ケンスケは、手を合わせて頼むようなしぐさを見せた。
「ええ、いいわよ。でも、今日誌かいてるところだから、ちょっと待ってて」
ヒカリはそういうと日誌に目を落とした。
「えぇと、記録者洞木ヒカリ……と。おしまい」
ヒカリは日誌を閉じると、教卓の上に乗せた。これで週番の仕事はおしまいである。
「ごめんね、相田くん、待たせちゃって。それで、なぁに悩みって、わたしに解決できるようなことかしら?」
「え? 多分委員長なら大丈夫だよ。それで……」
ケンスケは辺りを見回した。
「実は、ちょっと人には聞かれたくないんだ。込み入った話でね。視聴覚室かなんか行かない?」
「……わかったわ。じゃあ、行きましょうか」
ヒカリは荷物を持って立ち上がった。
教室をくるりと見回すと、慎重にドアを閉めた。
廊下を歩きながら、ケンスケが話を切り出す。
「実は、相談したい話って言うのはトウジのことなんだ」
「え? 鈴原の?」
トウジの名前がでたため、急に真剣になるヒカリ。
「うん、最近あいつさ……、おっと、着いたね」
「うんうん……あ、そうね。誰もいないかな……」
慎重にドアを開けるヒカリ。中には誰もいないようである。
「相田くん、誰もいないわ。早く」
ケンスケを手招きするヒカリ。その様子に、ケンスケは口元をつりあげた。
「ほんと?、よかった。」
しらじらしい返事を返すケンスケ。実はさっきの授業中に、コンピューターでこの時間の視聴覚室を使えるようにしていたのだ。
中に入ると、すばやく鍵をしめる。その下に持参した南京錠をくくりつける。
「相田くん、鈴原がどうしたの?」
ヒカリは明るい声で話し掛けてくる。ケンスケは振り返るふりをしてヒカリに向かって倒れ込んだ。
「ちょっと、相田くん? 大丈夫?」
何も気付いてない。それどころか心配までしてくれている。
ケンスケはわたがし並みの罪悪感を覚えながらも、計画通りに進めていく。
ヒカリの両腕を強引につかむと、頭の上へ持っていき、持参したハンカチでしばりあげた。
「ちょっと、相田く…ん? 何の冗だ……? やめて……」
ヒカリが抗議の声を上げるが、無視する。
闇の中、白く浮かび上がった顔にすいよせられるように、ケンスケはくちびるを重ねていった。
(つづきます)
ぽんたのあとがき\(^▽^)/
どうでもいいおはなしを書いてしまいました。
実はあんまし詳しくないエヴァのおはなしです。キャラとかセリフ回しとか、違うところがあるかと思いますが……
ま、そこらへんはOH−MENI−MITE−YO!!
それでは、ぽんたでした。続編はそのうち書きたいと思います。