「ねぇねぇ、好きなカード引いて★」
「なになに、手品か?」
「早く早くぅ」
「じゃあ、これかな?」
さっ
「では、そのカードを見て、数字と絵柄を覚えてください♪」
ぴら
「(◇の7か…)覚えたよ」
「じゃあ、わたしにみえないように、戻してください♪」
「えーと、はい」
「では、よくきります」
さっさっさっさっ
「あ、ちょっと待って」
「な、なに?」
「俺にもきらせて」
「い、いいわよ……」
とん とん
ぱらぱらぱらぱら しゃしゃしゃしゃ
「はい、ありがと」
「わかりました。では、今からあなたの選んだカードを当てます♪」
「あたるかなぁ?」
「えーと、においであてま〜す」
くんくん
「ドキドキ」
「あ、これですね。『◇の7』!」
「おーーー!」
ぱちぱちぱちぱち
「すごいねー。よくわかったなー」
「えっへん。超能力よん」
「ねータネ教えて」
「だーめ★ 魔法にはタネなど存在しないのだぁ」
「ねー、雑誌見せてー」
「いいよ。はい」
「さんきゅー★ あ、今月は表紙がTMRの西川くんだぁ」
「あれ? TMすきなんだっけ?」
「んー、まぁまぁ。あ、ラルクに新ドラマーだって★」
「元DIE IN CRIESのyukihiroでしょ?」
「おっ、詳しいね★」
「まぁね」
「相川……SHAZNA……ラクリマ……GLAY……と」
ぱらぱら
「さてと、“今週の運勢”は」
「あ、やっぱり占いとかって気にするんだ」
「そりゃあ、ね。あっ、今週は結構よさげだぁ★」
「俺は……げ、最悪……」
「そいつは御愁傷様★」
「うう……見なきゃよかったかも」
ぽんぽん
「へーき、占いなんて気にしなきゃいいじゃん」
「さっき、すごく気にしてたじゃないかぁ」
「占いなんて、ただの気休めよぉ。“いー事が書いてあればラッキー”ぐらいにしか思ってないしさ」
「ふーん」
「ま、気にしない気にしない」
「ねーねー、知ってるぅ?」
「この時点で、何を言うかわかってたら、ある意味やばいよな……」
「ねー、聞いてる?」
「き、聞いてるよ。なになに?」
「満ち潮になった海、それと満ちた月。この二つが合わさったとき、奇跡が起こるんだって★」
「へー」
「それで、明後日が満月なのよ」
「ふーん」
「ねぇ、奇跡、起こしてみない?」
「え?」
「奇跡よぉ」
「奇跡かぁ。そんなことがあるのかなぁ……」
「ある・ないじゃなくてさぁ、奇跡を信じてみるってことがいいのよ♪」
「……」
「ほら、これからいろいろ大変じゃない。心に余裕がなくなっちゃうぐらい」
「来年の今ごろは、もう受験生だしなぁ」
「だから、せめて奇跡を信じれるような心を大事にし続けたいの」
「そうだ……ね」
・・・・・・
「じゃあ、明後日の夜、海で」
「OK! 海ね」
「晴れるといいね」
「晴れるよ。きっと、奇跡はきっとあるんだから」
(おしまひ)
ぽんたのあとがき\(^▽^)/
ラジオトークタイプ((c) 1998 ふみさま)第4弾です。
“魔法”として、「手品」「占い」「奇跡」の3つをテーマに書いてみました。
まぁ、いつまでも魔法を信じ続けられるような心を大事にしたい! というのがありまして、これを思いついたわけです。
ちなみに、このおはなしに出てくるふたりは、うーん、同じかなぁ。
だいたい、同じくらいの年齢のつもり(17歳前後)で書いています。
もともとプロットなんかは考えてなかったんで……ね★
気にせず、だらだら読んでみていただければいいんじゃないでしょうか?
でわでわ ぽんたでした♪
あなたは、魔法を信じ続けていますか?