白い闇

(1)

作・ぽんたさま


 キーン コーン カーン コーン

 校舎に共済後の授業終了を告げる鐘が響いた。

「起立、礼」

 いつものように号令をかけると、洞木ヒカリは席に腰を下ろした。

 アスカは……いない。昼休みに緊急招集がかかって、綾波さんと碇くんとネルフ本部に行ってしまった。

 トウジ……鈴原は、妹の具合が気になるからと病院に行くらしい。なんでも昨日の夜に医者から電話があったそうだ。

「今日の週番は、私ひとりか……」

 本当はトウジとふたりだったのだが、妹の見舞いという理由があるためさすがに押し付けられなかった。

「いいんちょ、すまんな。わし、急ぐからよろしくな」

「ううん、いいわ。妹さん、よくなるといいわね」

 

 花瓶の水を取り替えて、簡単に掃除をして、日誌をつけている時、ふいに声がかけられた。

「委員長、ちょっと、いいかな?」

「相田くん? 何か用?」

「悩んでることががあるんだ。ちょっと相談に乗ってくれないかな?」

 相田ケンスケは、手を合わせて頼むようなしぐさを見せた。

「ええ、いいわよ。でも、今日誌かいてるところだから、ちょっと待ってて」

 ヒカリはそういうと日誌に目を落とした。

 

「えぇと、記録者洞木ヒカリ……と。おしまい」

 ヒカリは日誌を閉じると、教卓の上に乗せた。これで週番の仕事はおしまいである。

「ごめんね、相田くん、待たせちゃって。それで、なぁに悩みって、わたしに解決できるようなことかしら?」

「え? 多分委員長なら大丈夫だよ。それで……」

 ケンスケは辺りを見回した。

「実は、ちょっと人には聞かれたくないんだ。込み入った話でね。視聴覚室かなんか行かない?」

「……わかったわ。じゃあ、行きましょうか」

 ヒカリは荷物を持って立ち上がった。

 教室をくるりと見回すと、慎重にドアを閉めた。

 

 廊下を歩きながら、ケンスケが話を切り出す。

「実は、相談したい話って言うのはトウジのことなんだ」

「え? 鈴原の?」

 トウジの名前がでたため、急に真剣になるヒカリ。

「うん、最近あいつさ……、おっと、着いたね」

「うんうん……あ、そうね。誰もいないかな……」

 慎重にドアを開けるヒカリ。中には誰もいないようである。

「相田くん、誰もいないわ。早く」

 ケンスケを手招きするヒカリ。その様子に、ケンスケは口元をつりあげた。

「ほんと?、よかった。」

 しらじらしい返事を返すケンスケ。実はさっきの授業中に、コンピューターでこの時間の視聴覚室を使えるようにしていたのだ。

 中に入ると、すばやく鍵をしめる。その下に持参した南京錠をくくりつける。

 

「相田くん、鈴原がどうしたの?」

 ヒカリは明るい声で話し掛けてくる。ケンスケは振り返るふりをしてヒカリに向かって倒れ込んだ。

「ちょっと、相田くん? 大丈夫?」

 何も気付いてない。それどころか心配までしてくれている。

 ケンスケはわたがし並みの罪悪感を覚えながらも、計画通りに進めていく。

 ヒカリの両腕を強引につかむと、頭の上へ持っていき、持参したハンカチでしばりあげた。

「ちょっと、相田く…ん? 何の冗だ……? やめて……」

 ヒカリが抗議の声を上げるが、無視する。

 闇の中、白く浮かび上がった顔にすいよせられるように、ケンスケはくちびるを重ねていった。

 

(つづきます)

 

 

 ぽんたのあとがき\(^▽^)/

 

 どうでもいいおはなしを書いてしまいました。

 実はあんまし詳しくないエヴァのおはなしです。キャラとかセリフ回しとか、違うところがあるかと思いますが……

 ま、そこらへんはOH−MENI−MITE−YO!!

 

 それでは、ぽんたでした。続編はそのうち書きたいと思います。