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僕は車をはしらせる。
車は自動運転なので勝手に目的地にはこんでくれる。
アスカはすやすやと夢の世界にいっている。
僕はアスカの寝顔に見入っていた。
愛らしい寝顔。
やすらかに寝ていたアスカが、突然、がくんと揺れて僕にもたれかかってきた。
「へ?」
突然もたれかかってきたことに僕はおどろいた。
慌ててアスカを抱きとめる。
アスカの華奢な身体。
抱きとめた手はアスカの豊満なふくらみに・・・。
僕は体が固まってしまった。
顏はアスカの長い髪にうずめるかんじになった。
僕の鼻を芳しいなんともいえない香りがくすぐる。
果物が熟したときのような、形容しがたい甘い香り。
アスカを意識してしまう。
僕は視線をアスカにむけた。
僕の胸にもたれかかり、幸せそうに眠っている。
「人の気もしらないで・・。」
ため息を1つはく。
アスカとふれている肌から体温がつたわってくる。
僕の胸のなかに、あたたかいものが広がっていく。
とても、深い感情、愛情。
眠っているアスカをみつめる。
こんなに深く、誰かを愛したことが、焦がれたこがあっただろうか。
アスカ・・・。
「しんちゃ〜ん?」
突然、女性の声がひびく。
「うわっ!」
僕はおどろいて、大声をあげてしまった。
「もしも〜し?」
どこから声がするんだろう。
「やっぱり、シンちゃん忘れてる。ペンダントよ。」
「もしかして・・、ミサトさん?」
僕は首からさげている銀の十字架のペンダントをみる。
これは、僕がでかけるときにミサトさんがくれたものだった。
「これって、通信機だったのか・・・。」
おそらく、また、リツコさんが機械の廃材から作ったんだろうな。
アスカのほうをみる。
よかった。目を覚ましてない。
僕はペンダントにはなしかけた。
「ミサトさん、驚かさないでくださいよ。」
「もしかして・・、おとりこみちゅうだった?
何やってたのかな〜、シンちゃん。」
また、僕をからかって遊んでる・・・。
「おとりこみって・・・。ミサトさん、なに言ってるんですか!」
僕は顔が赤くなっていくのがわかった。
「その慌てぶりは・・。あやしいな〜シンちゃん。」
僕があわてていると、ペンダントごしに争うような声が聞こえてきた。
またか・・・。
「なにすんのよ、リツコ!」
「かしなさいよ。誰が作ったと思ってるの・・。」
どうやら僕と話しをしようと、ミサトさんとリツコさんが争っているようだった。
ミサトさんとリツコさんのいざこざはいつものこと。
「なにやってるんですか?」
少し心配になって僕はミサトさんに話し掛けた。
「なんでもないのよ。シンジくん。」
かえってきた声はリツコさんの声。
どうやら、リツコさんがミサトさんに勝ったようだ。
「それよりも、このペンダントの性能はどうかしら?」
「リツコーーーーーーー、覚えときなさいよ。」
ミサトさんのうめく様子が想像できてしまう。
「これですか?
すごいですね。離れていても会話ができるって。今は電報で交信するのがやっとの
世の中なのに。雑音もないですし。」
ほめすぎたかもしれない。
あんまりほめると・・・・。
「あら、正直ね。ふふふふふっ。わたしがつくったんだから当然だわ。
まあ、この天才人形師、赤城リツコの手にかかればこれくらいのものは朝飯前
よ。」
機嫌をよくするリツコさん。
でも、やっぱり、いつものごとく調子にのってる・・・・・・。
これさえなければ、リツコさんはいい人なんだけど。
リツコさんは、ミサトさんと同様に美人でスタイルがいい。
普段はいい人なのに、自意識過剰というか、そうゆう一面があるせいで、いつも、恋
人に恐がられ逃げられている。
どこか変人、だと僕は思っている。
リツコさんは普段からミサトさんにいじわるをしている。
おそらく、今回も。
ミサトさんのぶんの通信機を作らなかったのだろう。
「ところで、シンジくん。今、どこにいるの?」
「それは・・・。」
と、言いかけたときに、なにか鈍い音がした。
「ゴキ!!」
ただ事ではないその音。
さすがに僕も心配になった。まあ、だいたい予想はできるのだが・・・・。
「なにがあったんですか?リツコさん!!」
「な・・、なんでもないわよ。シンちゃん。」
今度はミサトさんの声。少しあせっているみたいだ。
リツコさんは完全に沈黙。
どうやら、ミサトさんがなにかでリツコさんを殴って気絶させたらしい。
「ミサトさん。後でリツコさんになにされてもしりませんからね。」
いつものこととはいえ・・・。
へたにミサトさんのことを庇うとリツコさんが恐い。
深いため息を僕はついた。
「そんな〜。シンちゃん〜。」
「嘘泣きしても駄目ですからね。」
ミサトさんに聞きたいことがあったのに、これじゃあ聞けないよ。
「シンジくん。どうだった?決めたかな。」
ミサトさんがいきなり真面目に話かけてきた。
(「ここをどうするのか、決めるのはあなたよ。シンジくん。」)
と言ったミサトさん。
「はい。ミサトさん。」
はっきりとした口調をきいたミサトさんはペンダントごしに安堵したようだった。
「そう、決めたのね。」
「これから帰ります。2人で。」
僕がミサトさんに聞こうか迷っていると、それを察したミサトさんが僕に聞いてきた。
「どうしたの?」
僕はおもいきってミサトさんにたずねてみた。
「あの・・、ミサトさんは知っていたんですか?
僕の夢の女の子のこと・・・。」
言った。やっと。
「え?なんのこと〜?。」
ミサトさんがとぼけているのだとわかった。
せっかく聞いたのに・・・。
「早く帰ってきなさい。レイもまってるわ、2人のこと。
そうそう、かわいいのはわかるけど、女の子なんだからすぐに手だしちゃだめよん。」
「ミサトさん!?」
ミサトさんは僕のことをからかうと回線を一方的に切ってしまった。
僕はまた、大声で叫んでしまう。
アスカが目を覚まさなかったかどうか確かめる。
アスカはすやすやと、まだ眠っている。
僕はアスカの安らかな眠りをじゃましなかったことに安堵した。
第5話書きました。
今回は大好きなアスカはおねむでした。(^○^)
かわいいかわいい、アスカの寝顔。
シンジが独り占め!(^_^;)
ついに、ミサトさん&リツコさんの登場です。
ミサトとリツコの漫才をみてるみたいだったな・・・。
仲がいいのか悪いのか。私にもわからないという・・・。
レイはもう少し後に出てきますんで。はやく、レイを出したい。
アスカも好きだけど、setuはレイの純粋なファン!
じゃあ、なぜLAS書いてるの?って、つっこまないでね。