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同級生〜運命の冬休み〜
−−第二話冬休みスタート−−
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俺の家から必死で走って、15分。なんとか遅刻せずに、校門をくぐる事ができた。
しかし、まだ油断はできない。なんてったって俺の担任は芹沢よしこ先生だ。
よしこ先生は、一言で言うと・・・真面目な先生だ。
それでいつもむちゃくちゃ早く教室に来るもんだから、チャイムが鳴ったら即遅刻なんだ。
そんなこと考えてるうちに、下駄箱のところにやってきた。
さ、早く靴を履き替えよっと。
「おい、卓郎っ!!」
靴を履き替えてる途中に、誰かが声をかけてきた。
誰だよ、俺は今忙しいんだ。
俺は、その声を無視した。
「どーこ見てんだよ!こっちだよ。こっち!!」
なおもうるさく声をかけてくる少女に、スリッパを掃き終えてから、仕方なく振り向いてやる。
「なんだ、美沙じゃないか」
そう声をかけると、美沙はちょっとムッとしたような表情になり。
「なんだじゃないだろ!卓郎、おまえ今日遅刻したら冬休み中ずっと補習なんだぞ!!
それわかってんのか?」
昨日から何度も聞いたその言葉に少々うんざりしながら、俺は
「わかってるよ。だからこんなに早く来たんだろ?」
そう言うと、さっさと教室に向かって走っていく。
さっきの女の名前は、田中美沙。
先負学園のバンビちゃんの名前でも有名な、俺のクラスメートだ。
顔はかわいいんだけど、性格が男みたいなんだ。
夏休みに河原で倒れていたのを保健室に連れて行ってやってから、
なにかと俺にかまってくる女の子だ。
そういえば保健室と言ったら、真子先生のいるところだ。
真子先生・・・斉藤真子先生は、近所の薬局のお姉さん兼先負学園の校医で、
かなり美人の先生なんだ。
思えばこの先生のせいで入学したときから、保健室にはずっとお世話になっている。
ちなみにその近所の薬局には、真子先生の妹の亜子さんがつとめている。
亜子さんは、真子先生とちがってかわいいって言葉がよく似合う人なんだ。
亜子さんは真子先生みたいに綺麗になりたかったらしいけどね。
「ちわっす!」
そう言って教室のドアを開けると、
「おはよ、卓郎。さすがに今日は遅刻せずに来たみたいね」
さとみがそう返してきた。
彼女の名前は黒川さとみ。
俺の中学時代からの知り合いだ。
彼女とはうまが合うって言うか、何でも言える中だ。
ちなみにコイツも、健二って言うろくでなしから救ってやって以来なにかと俺にかまってくる。
まったくなんでみんな俺にかまうんだろ?
よしこ先生も暴漢から救ってやってから、俺にかまってくるし・・・
おっと、よしこ先生が来たみたいだ。
「きりーつ、きょーつけ、れーい」
今ふと思ったんだけど、何で学校の号令ってみんな同じなんだろう?
よーし、今度俺が変えてやろう。
「みなさん、おはようございます。今日は卓郎君もちゃんと来ていますね。これからもそうするように」
−−こうして俺の冬休みは順調に幕を開けたのだった。
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第三話へ続く
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nasubi@purple.plala.or.jp
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<後書き>
どーもSHINです。今、風邪ひいてます。
結構辛いです。しかも今スランプ中・・・
さて、同級生〜運命の冬休み〜第二話いかがだったでしょうか?
よかったら感想書いてやって下さい。お願いします。
それでは、風邪ひき中のSHINでしたー。
SHIN