今日も晴れわたる空。
少し暑いくらいの陽光に、そよそよとそそぐ風が気持ちいい。
眩しい陽光の中に相変わらず木々の緑が映え、
木々の立てる音も耳に優しい。
ハディネア王国の大地は、今日も変わらず美しいままだ。
今日は少し前までなら、絶好の仕事日和になっていただろう・・・
そう、あいつに会う前なら−−−
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Take it easy
−−第二部第一話−−
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「あっつ〜い!暑い暑い暑〜い!!」
アスカはたまらずそう叫んだ。
それもそのはず、あれからシンジ達は東へ歩き続け、
今は「東の灼熱地獄」の二つ名で有名なエーゲ砂漠を渡る真っ最中なのだ。
うんざりする程の熱気で前の景色は歪んで見え、
辺り一面には砂しか無く、前後左右何処までも砂漠が続いている。
歩く度に景色がかわり、自分が先に進んでいるのがわかればまだいいのだが、
こう歩いても歩いても同じ景色が続くと、いい加減歩くのが嫌になってくる。
それにここはただでさえ、照り続ける日射しとこの熱気で体力を奪われ、
何処までも続くんじゃないかと思う程、広大に広がる砂漠に、
不安感と苛立ちを刺激され、方向感覚も麻痺させられると言われているエーゲ砂漠だ。
この砂漠を渡るのは女の子にはかなり困難だろう。
「何でアンタはそんなに平気な顔してるのよ?」
しかしシンジはもうすでに半日近く歩いているのに何でも無いような顔をしている。
普通は大人でも2時間歩けば今のアスカの様に疲れ果てると言われてるエーゲ砂漠でだ。
「ん?いや、僕は慣れてるからね」
シンジはケロッとした顔でアスカの方を見ながらニッコリ笑ってそう言った。
しかし、それを聴いたアスカはひどく驚いたような顔でシンジの方を一瞬見て、
疲れたように自分の足下に視線を落として呟いた。
「コイツ、ホントに何者なのかしら・・・」
アスカがそう思うのも無理はない。
ハディネア王国は北の国。
冬が一年の半分を占め、世界にある8大陸の中で春の訪れの一番遅い国である。
したがって夏でもさほど気温は上がらず。
急にこんな砂漠に来たら、すぐにアスカみたいになってしまうのだ。
確かに冬に強いのならわかる。
この国の冬の厳しさは、そこに住む者しかわからない。
たちこめる重い鉛色の雲、吹雪が何日も続き、国中が灰色で覆われ、
辺りは白く埋め尽くされる。
木々は凍り、毎年の様に凍死者が出る。
そんな冬の国にいたら確かに寒さには強くなる。
しかし、間違っても暑さに強くはならないはずなのだ。
『まったくホント、コイツって得体が知れないわね・・・』
そう思った後、アスカは自分の体の変化に気づいた。
あれ?何か暗くなっきてるような気がするわね。
それに周りがグルグル回ってる。
一体どうしたのかしら・・・
遠くからシンジの声が聞こえてくる。
「アスカ、どうしたの?ちょっとアスカ!?」
アスカの意識はそこで途絶えた。
「ん・・んん・・・」
アスカが目を覚ますと辺りはすでに暗くなっていた。
「痛っ・・・・」
頭がガンガンと痛み、昼間とは違い少し肌寒い。
しかし、昼間の暑さに比べたら、北の国で暮らしていたアスカにとっては、
寒さなんて其程気にはならなかった。
「あ、アスカ目が覚めたんだね」
アスカが声の方に振り向くと、そこにはシンジが立っていた。
今まで気づかなかったが、ここはオアシスらしい。
そこには気を失う前からすれば、異世界とも言うべき世界が広がっていた。
それとも楽園と言うべきか。
相変わらず辺りは一面砂だらけというのに緑が茂り、中央には湖まである。
シンジは空に広がる満天の星達をバックにそこに立っていたのだ。
その幻想的な姿にアスカは思わず言葉を失った。
「その様子だともう大丈夫なようだね。ここまで来ればこの砂漠も後少しだから、
明日の朝に出発しよう。テント立てといたからアスカは寝てきなよ」
シンジはアスカにそう言うと腰の剣に手をやりながら、焚き火の側に座り込んだ。
アスカは頭が痛いのと、たまった疲れをいやすためにとりあえず言われた通りにすることにした。
アスカがテントの中に入ってから暫くして、湖を嬉しそうに泳いでるペンペンにちらりと目を移し、
空いっぱいに広がる今にも落ちてきそうな星を見上げながら呟いた。
「アスカか・・・なんか元気で、あったかい娘だなぁ。あの娘と一緒なら僕の旅も楽しくなるかな」
第二話へ続く
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nasubi@purple.plala.or.jp
<後書き>
どーも、SHINです。
すいません〜〜!!(T−T)とてつもなく待たせた上に、
やっと書いたのが、こんな短い駄文(泣)
しかも次回も遅れそう・・・(汗)
お願い♪みんな見捨てないでやって下さいね〜〜
それでは、また。
SHIN