Evirgin(Eバージン)−−第二話始動−−
『 「ねえ、キミ誰?」・・・!?
え?、ええぇぇ〜〜??コイツ、いったいなに言ってんの!?
今、コイツ確かに「ねえ、キミ誰?」って言ったわよねぇ?
誰に向かって言ったのかしら?』
そう思って、アスカは周りを見渡してみる。
・・・しかし、部屋にはシンジとアスカ以外、誰もいない。
『おかしいわねぇ、誰もいないわ、コイツ誰に向かっていったんだろ?
シンジのじゃないわよね、いくら何でも自分に向かって誰かは訊かないわよねぇ・・・
・・・もしかして、アタシ?』
そう考えれば確かにつじつまが合う。しかし考えれば考えるほど腹が立ってくる。
・・・それと同時に悲しみも心に染みわたってきた。
そして、シンジの部屋に心地よい朝の音が響きわたった。
パチーン
しかしアスカの口からでた言葉は、いつもとはちがうものだった。
「シンジの・・シンジの・・・シンジのバカァッ!!」
アスカはそう言うと、部屋から走って出てしまった。
それと同時にシンジの頭に何かが流れ込んでくる。
『う・・頭が痛い、何だこれ・・・そうか記憶だ、この世界での俺の記憶だ。
悲しいかった事・・苦しかった事・・嬉しかったこと・・、そしてこれはアスカへの想い・・・・
姉さん、俺やるよ、俺は必ずあの子をモノにしてみせる!!』
そう誓ったシンジは、アスカが部屋をでていったときのことを思い出した。
『思い出したのはよかったんだけど、さっきはやっぱまずいことしちゃったよなあ、いきなり「ねえ、キミ誰?」だもんなあ、これから大丈夫かなあ?そういや・・・部屋でるとき目元が光ってたような・・・まさか涙?やべー早く追いかけてさっきのフォローいれとかなきゃ』
そう考えるやいなや、シンジは部屋から出ていった。
「シンジさっきアスカちゃんが走ってでていったけど、ケンカでもしたの?」
玄関でそう声をかけてきたユイにシンジはこう言って、急いで家から飛び出した。
「大丈夫、心配はいらないよ。それと、母さん・・・今日は俺・・・帰らないから・・・」
その言葉にユイは呆然とその場に立ちつくした。
ゲンドウは顔を隠すかのようにして読んでいた新聞をおろし、ニヤッと笑ってこういった。
「フッ、問題ない」
その言葉にユイは正気に返り、暴走した初号機のようにゲンドウにつかみかかる。
そしてにっこり笑ってこう言った。
「あ〜な〜た〜、なにが問題ないんですか〜?」
そのユイの剣幕にさすがのゲンドウもたじろぎながら、
「問題ないシナリオどうり・・・」
ジロリ
いつもの言葉を言う途中でユイの一睨みでだまらされる。
「それじゃああなた、どんなシナリオかゆっくり訊かしてもらいましょうかぁ〜!?」
そういったユイの瞳には、確かに殺気が宿っていた・・・
−−−−それが生まれ変わった俺の最初の一日の始まりだった・・・
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第3話へ続く
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<後書き>
はぁ〜、つかれたやっぱり妙な伏線なんて張るんじゃなかった。
さて、Eバージン第二話いかがだったでしょうか?
いろんな意見がおありでしょうが、なにか掲示板にお書きになっていただけたら幸いです。
(読んでいただけてるか不安なんですよ〜)
それでは、また。
SHIN