LUCKY STRIKE!

第三話

作・SHINさま

 


クラウドは一人外を眺めていた。

 

仲間の中ではリーダー的な役割の立場上、

 

どうしても弱気な所を見せることの出来ないクラウドも、

 

実は不安なのだ。

 

ピカッ!

 

さっきから窓の外が雷で何度も光る。

 

その光を気にも留めず、クラウドは外を見つめ続ける。

 

ドンドン・・・

 

その時クラウドの部屋が誰かにノックされる。

 

 

−−まったく・・誰だ?こんな夜中に

 

 

「クラウド・・起きてる?」

 

外からユフィの呼ぶ声聞こえる。

 

 

−−ユフィか・・・

 

 

振り向くとユフィはもうすでにドアを開け、こっちに向かっていた。

 

「どうしたんだ?」

 

さっきまでの事は少しも出さずに、ユフィに尋ねる。

 

「ちょっ、ちょっとアタシに付き合ってくれよ」

 

ユフィは後ろに手を組み、少し俯き加減でそう言った。

 

その言葉と態度のアンバランスさを少し不思議に想いながらも、

 

クラウドは聞き返した。

 

「付き合うって何処へ?」

 

するとユフィはクラウドの後ろに回り込み、

 

「いいからいいから」

 

クラウドを押したまま進んでいく、

 

ホールに出ると従業員らしい人間の言葉が耳に入った。

 

「さあ、今夜はマジカルナイト!全てのアトラクションは無料になってるよ!」

 

従業員はこっちに向かって話しかけてきた。

 

「あっ、どうです?そこのお客さん。

 

 今から、こちらイベントスクェアで楽しいショーが始まりますよ?」

 

「クラウド、あそこに行こうぜ」

 

クラウドも仕方なく付いていく。

 

イベントスクェアに入るといきなり声が響いた。

 

「おめでとうございます!あなた方が本日100番目のカップルです!!」

 

「従ってあなた方はこれから始まるショーの主人公に選ばれました!!」

 

「・・・はぁ?」

 

クラウドはいったい何を言ってるんだ?と言う感じで声を出す。

 

「難しい事はありませんあなたは好きにしてくだされば、

 

 後はショーのプロが話をまとめますので」

 

「ささ、こちらへ」

 

「お、おい・・・」

 

「なんだかわかんないけど、行こうよクラウド」

 

またもやクラウドはユフィに引っ張られていく。

 

 

 

そして劇は終わり、再びホール。

 

「なんだか、よくわかんなかったなぁ。クラウド、次はゴンドラに乗ろうよ」

 

ユフィはクラウドの手を引いてゴンドラ乗り場まで連れていく。

 

「二人で乗るよ」

 

ユフィは係員に話しかけた。

 

「はい、お二人様ですね」

 

「では、ゴールドソーサーの夜景をお楽しみ下さい」

 

 

ゴトン、ゴトン

 

 

「ああっ」

 

ユフィは外を眺めながら声を上げる。

 

「わあっ」

 

ゴンドラはゴールドソーサーの真上を通り、そこら中から花火が上がる。

 

ユフィは暫くその夜景に見とれながらクルリと回ってイスに座る。

 

「クラウド・・・」

 

ユフィはクラウドをの名前を呼び、二人の視線が暫く重なる。

 

「「・・・・・」」

 

そして、唇が一瞬重なった。

 

暫くの間、唇が重なりそして離れる。

 

「・・・そう言うフンイキかなって思ったワケよ」

 

ユフィは俯きながら小さくそう呟く。

 

「・・・・・」

 

クラウドは何も答えない。

 

「ん、そんだけ♪」

 

ユフィはそのまま首を何回か振り、横を向く。

 

「・・・・・」

 

クラウドは何も言わずにユフィの側まで行きユフィの名前を呼ぶ。

 

「・・ユフィ」

 

「ん、何?」

 

そしてユフィが振り向いた瞬間ユフィの唇に自分の唇を重ねる。

 

ユフィは一瞬驚くが、そのまま瞳を閉じる。

 

そのまま暫く時間が過ぎ、唇が離れクラウドは横を向きながら呟く。

 

「・・・そう言う雰囲気かなって思ったんだよ」

 

 

 

 

 

−−それから二人がゴンドラを降りるまでの間、ゴンドラの中は静寂は静寂に包まれ続けた。

 


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