ネルフの南70レーン、セントラル=ドグマ宇宙軍ロケット発射場。
その敷地内にあるロケット組立部門の工場内を、ラーザット搭乗員業務部長はエレベー
ターに向かって歩いていた。
シロツグ=ラーザット。
人類史上初の有人宇宙飛行を成し遂げた、王立宇宙軍最初の宇宙飛行士である。
すでに40歳を過ぎている彼は、もう宇宙飛行士としては第一線を退いている。
現在の彼の役職は搭乗員業務部長で、宇宙飛行士の選抜・運用・編成といった人事を任
されている、宇宙飛行士たちの直属の上司である。
工場では来年4月に打ち上げ予定の“エヴァ 13”の組み立てが行われていた。現在3
段目を積み上げる作業の入っている。
(いつ見てもばかデカいロケットだな・・・)
エレベーターへ向かいつつ、建造中のロケットを見てシロツグはそう心の中でつぶやく。
かつて彼が乗ったロケットも巨大だったが、いま眼にしているロケットはさらに大きい。
なにしろただ宇宙へ出て地球の周回軌道を回るのではなく、月へ行くために飛ばすロケ
ットである。3段目は地球の引力から脱出できるだけの推力を出せなければならない。そ
れだけの推力を出すために搭載されるエンジンも大きくなるし、その分機体も重量も大き
くなる。3段目が大きくなれば、それを大気圏の外に打ち上げる1段目・2段目も、それ
だけの推力が出せる巨大なものになっていく。
この“エヴァ 13”にはアラン=シエパードのチームが搭乗することになっていた。た
だし昨日の時点では、の話である。
やがてエレベーターの前にたどり着いた。
目標の人物はこの上のデッキで、視察に訪れた議員たちに説明と行っているはずである。
随伴している作業員とともに、シロツグはエレベーターに乗り込んだ。
そのままエレベーターは滑らかに昇り始めた。
(さて、この話を聞いたらどういう反応を示すことやら・・・)
「・・・我々宇宙軍はあらゆる部署で構成される巨大な組織で、宇宙飛行士から工場の掃
除係まで、皆それぞれの任務に誇りを持って取り組んでいます・・・」
この日シンジは、軍の広報担当のリョウジ=カジとともに、貴族院からの視察団にセン
トラル=ドグマの施設内を案内していた。
説明はほとんどシンジが行い、広報官のカジは口を差し挟まずに黙って随伴している。
もっともこれはべつにカジが仕事をサボッているわけではない。広報官よりも宇宙飛行
士が愛想を振りまいたほうが、案内される側の受けがいいからだ。
このように外部からの視察団の相手をしたり、あるいはなんらかのレセプションに招か
れて宇宙軍の代表として親善的な雰囲気をバラまいてくる、というような任務は宇宙飛行
士たちのあいだでは『樽詰めの時間』と称されている。
シンジはその人当たりの良さと宇宙飛行士としてのこれまでの実績から、『樽詰めの時
間』に駆り出される機会が多い。
「・・・現在建造中のこのロケットは“エヴァ 13”で、来年4月にアラン=シェパード
のチームを乗せて打ち上げられる予定です」
「君は次はいつ飛ぶのかね、イカリ少佐?」
議員のひとりが訊ねてきた。
シンジはそれに答えた。
「来年10月に“エヴァ 14”の船長として飛ぶ予定であります」
それを聞くと議員たちは、お互いの顔を見合わせて意味ありげな笑いを浮かべた。
「“14”? ほんとうに“エヴァ 14”を飛ばすのかね?」
「その予定です」
「・・・・・・少佐・・・」
意味ありげな笑みをそのままに先ほどの議員は続けた。
「・・・共和国側に勝って先に月への到達を果たしたのだから、宇宙計画をこれ以上進め
ても無意味だ、という声も挙がっているが・・・?」
このセリフにシンジは内心カチンときたが、それを表には出さずに、笑顔で議員に答え
る。
「そんなことありませんよ」
シンジは自分の声に友好的な響きを持たせるよう努めた。
「我々はただ月に行っているだけではありません。現地ではあらゆる観測・調査を行って
います。あたらしい鉱物資源の発見なども期待されていますし、第一、歴史的に見ても、
ひとりのパイオニアのあとには大勢の人間がそれに続いてきました。けっして無意味では
ないと僕は信じております」
そこまで言って、ふと議員たちの後ろに目をやると、かつて自分が宇宙を飛ぶことに
憧れるきっかけを作った人物が、エレベーターを降りてこちらに向かってくるのが目に
入った。
「ああ、ちょうどその人類のパイオニアのひとりが来ましたよ」
シンジはそう言って議員たちの注意をシロツグに向けてから、彼のそばに近づいた。
「こちらはシロツグ=ラーザット搭乗員業務部長。人類初の宇宙飛行士で、いまは我々宇
宙飛行士のボスです。そ・・・」
「・・・シンジ」
そのまま紹介を続けようとするシンジを遮るように、シロツグは口を開いた。
「話があるんだ」
シンジは一瞬とまどったがすぐに、わかりました、と答えた。
「じゃ、カジさん、後はお願いします」
そうカジに会釈して、シンジはシロツグとともにエレベーターに向かった。
「何かあったんですか?」
工場のブリーフィングルームに入ってドアを閉じるとシンジは口を開いた。
「ああ、“エヴァ 13”についてなんだが・・・」
テーブルにもたれかかるように腰掛けながらシロツグは言った。
「問題が起きた」
「問題・・・ですか?」
「知ってのとおり“13”にはアラン=シェパードのチームが搭乗することになっていたん
だがな、ここに来てそれが難しくなった」
「どうしてです?」
「アランが以前内耳の疾患で飛行停止になってたことがあるのは君も知ってるだろ?」
「はい・・・」
「それが再発したんだよ」
内耳には平衡感覚をつかさどる器官がある。三半規管・前庭といったものがそれである。
ここを疾患などでやられると、ヒトは身体のバランスを保てなくなってしまう。
「手術すればまた治るらしいが、もし手術してだな、それからアランの回復を待って、そ
の後訓練を再開してたんじゃあ、とてもじゃないが4月の打ち上げには間に合わん」
「・・・では予備チームとの交代ですか?」
それも考えたんだがね、とシロツグはため息交じりに言った。
「飛行停止を命じられて長年飛ぶのを我慢させられて、ようやく飛べるようになったらと
思ったら病気の再発、挙げ句の果てに予備チームと交代させられて計画から外される、な
んてことになったら、俺はやっこさんに1ヶ月くらい怒鳴り散らされることになるだろう
なぁ・・・・・・」
「はあ・・・・・・(^^;)」
シンジはその場面を想像して思わず苦笑する。
「だが今手術すれば、4月には間に合わんが10月には間に合うな・・・」
シロツグがそう言った瞬間、シンジの顔から苦笑が消えた。
「・・・そこでだ」
シロツグがシンジのほうを見る。
「アランのチームを“14”に回そうかと思うんだが・・・」
それを聞いてシンジはガッカリした。シェパードのチームが“14”に繰り下がるという
ことは、自分のチームもまた繰り下がって、自分たちが月へ行くのがさらに先に伸びるこ
とになる、そう思ったからだ。
だが次の瞬間、シンジには予想外の言葉がシロツグの口から飛び出した。
「それで“13”には君のチームに乗ってもらうことになる」
・・・・・・・・・・・・・・・へ?
気が沈んでいたため、シンジは一瞬シロツグの言ったことが理解できなかった。
「つまり・・・」
シロツグはシンジのほうを見たまま続けた。
「アランのチームと君のチームを入れ替える。君には6ヶ月早く月へ行ってもらうことに
なるんだが、どうだ、やるか?」
その日シンジは帰宅してすぐに、急遽行われることになったミーティングに行く支度を
整えながら、家族にどう話したものかと考えていた。
シロツグの申し出には特に異存はなかったので、あっさり承知した。どうせ乗るロケッ
トは同じである。違うといえば“13”と“14”の違いくらいだ。
もともと彼は月に行きたくてしょうがなかったのだ。べつに6ヶ月早まったところで問
題はなかった。
ただひとつだけ問題があった。それは、4月に家族でゲルマニアを旅行することになっ
ていたということだった。アスカは久しぶりに故国に帰れることを喜んでいたし、娘のハ
ルカもこの旅行をとても楽しみにしていた。
「どうしたの、シンジ?」
帰ってきて早々出かける準備をしている夫を不審に思ったのか、アスカはシンジのとこ
ろまでやってきて訊ねた。
すぐ後ろには夫婦の一粒種、ハルカもくっついてきていた。瞳の色がシンジと同じ鳶色
である以外、艶やかな栗色の髪も、極上のミルクのように白く滑らかな肌も、ミクロン単
位でつくられたのではないかと思われるほど整った顔立ちも、すべて母親譲りであった。
あと3〜4年経てば、少女時代の母親に勝るとも劣らない美少女になるだろうと、夫婦と
もに思っている、自慢の娘である。
「あ、・・・その・・・・・・」
いったん支度の手を休めて、シンジはしばらく困ったような顔をしていたが、やがて口
を開いた。
「あの、4月のゲルマニア旅行なんだけどさ・・・」
「うん?」
「ちょっと・・・行けなくなりそうなんだ」
「ええ〜! 行かないのぉ〜!?」
ハルカが素っ頓狂な声を挙げた。ずっと楽しみにしている旅行が取り止めになると言わ
れたのだから、当たり前ではあるが。
「ちょっと、行けないってどういうことよ・・・!」
ハルカよりは押さえてはいるが、アスカも明らかに不機嫌になる。
その様子に少したじろぐが、ともかくシンジは続ける。
「いや、その、ほかのところに行くことになったんだ・・・」
「ほかのところってどこよ?」
「その・・・・・・月・・・なんだ」
「・・・・・・・・・え?」
「だから、その・・・・・・」
そこでシンジは、かなり控えめに得意そうな顔をして繰り返した。
「月に行くことになったんだ。今度は周回軌道を回るだけじゃなくって、月に降りるんだ」
アスカとハルカがシンジの言ったことを完全に理解するまで数秒を要した。
次の瞬間、二人は歓声を上げてシンジに抱き着いた。
「パパ、すごーい!」
「でもシンジ、10月に飛ぶ予定だったんでしょ? どうして・・・?」
ようやく二人の喜んだ顔を見て、シンジは笑顔で答える。
「シェパードさんの耳の疾患が再発してね、僕のチームの順番が繰り上がったんだ」
いったん手を休めていたミーティングの支度を再開する。
「4月に僕らは“エヴァ 13”に搭乗して打ち上げられる。目的地は月のフラ=マウロ高
地。そこに2日間滞在して、そのあいだにあらゆる観測・実験を行うことになってる」
「・・・でも、6ヶ月も早まるんでしょ? それでちゃんと準備は整うの?」
「大丈夫だよ、僕とケンスケは一度“エヴァ”に乗ってるんだし。」
支度が整うと、用意した書類を小脇に抱える。
「じゃ、これからすぐミーティングだから。今夜は夕飯はいらないよ」
「え? 食べていかないの?」
「ゴメン。あんまりみんなを待たせるわけにいかないし・・・」
そこでアスカ、わざとすねたような口調になる。
「せっかく作ったのに、ね、ハルカ。ハルカも一生懸命お手伝いしてくれたもんねぇ」
「そぉ〜だよぉ、せぇっかくハルカもはんばーぐ作ったのにぃ〜」
ハルカはぶうっと頬を膨らませている。
シンジはそんな娘に優しく笑いかけた。
「ゴメンよ、ハルカ。でも、みんなパパを待ってるから」
「でもぉ〜」
「だったら、帰ってからハルカの作ったハンバーグ食べるよ。それでいい?」
「ほんと?」
ハルカは上目遣いにシンジを見上げる。その顔は、シンジに甘えるときのアスカそっく
りである。
シンジは、ほんとこの娘は母親似だな、そう思って微笑む。
「ああ、約束する」
ハルカの顔がパッと明るくなった。
「ほんとだね? 絶対だよ!」
そう言ってニコニコするハルカ。
アスカも、しょうがないわね、といった感じで肩をすくませる。
「いいわ、いってらっしゃい、シンジ」
シンジはアスカをちょっと見つめてから、微笑みつつも決意を込めた眼でこう言った。
「僕も月の上を歩くぞ・・・!」
「そうね、なんだか夢みたいだけど・・・」
アスカも微笑みながら応える。
そこへ、それまでニコニコしていたハルカが、急に心配そうな顔をして声をかけた。
「ねぇママ、ゲルマニアに行けなくなったって言ったら、レイおばさま、ガッカリするか
なあ・・・?」
ゲルマニアには、シンジの妹のレイも転地療養を兼ねて同行することになっていた。
レイは生まれつき虚弱体質で、そのせいで幼いころから病院やサナトリウムでの入院生
活を強いられいた。最近は体調がかなり良くなり、看護婦を随伴させるという条件付きで、
旅行に行くことを許可されていた。これまで病院の敷地の外に出たことがない彼女は、ア
スカやハルカ以上にこの旅行を楽しみにしていた。
「そうね・・・」
アスカはやさしく娘の頭をなでる。
「そうだ、ハルカ、今度の日曜日にレイおばさんのところにお見舞いに行こっか?」
「うん、行く!」
「シンジィ〜、あんたも行くのよ」
「わかったよ、たぶん都合つくと思うから・・・」
シンジは苦笑しつつそれに応えた。
「じゃ、行ってくるから」
「「いってらっしゃ〜い!」」
妻と娘の元気な声に送られて、シンジは宇宙軍本部へと向かった。
レイ=イカリは、サナトリウムの自室の窓際で車椅子に腰掛けて本を開いていた。
暦の上ではもう冬なのだが窓は開け放たれていた。が、寒くはない。むしろ窓を開けて
ちょうどいいくらい、入り込んでくる陽射しは暖かかった。小春日和である。
部屋の中の壁は白いが、壁には絵画やそのほかの装飾品が控えめだが飾られているし、
ベッド以外の家具も入っているので、病院の病室のように殺風景ではない。
淡い水色をした髪、色素を持たないために血の色がそのまま透けて紅く見える瞳、生命
感が感じられない白く透き通った肌。年齢のわりには幼い顔立ちをしており、さらにあま
り表情を面に出さないことも相俟って、彼女を人形のように見せる。
彼女はアルビノ―――白子と呼ばれる体質である。どの種のアルビノも体質虚弱である
場合が多い。
彼女もやはり幼いころから虚弱体質で入院生活を強いられており、病院の外に出たこと
はほとんどない。家族以外に彼女を訪ねてくる人がいないので、人との接触は極端に少な
く、だからレイは一日をほとんど本を読むことで費やしている。
ふいにコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
少し抑揚を押さえた声でレイは応える。
「レイおばさま!」
元気なかわいらしい声とともに、栗色の髪をした少女が飛び込んできた。
レイは本から手を離してその少女を抱きとめる。
それまでほとんど無表情だった彼女の顔に、かすかに笑みが浮かんでいる。
少女のあとから、少女と同じ栗色の髪を持つ女性が入ってきた。
「ハァイ、元気してた、レイ?」
アスカとハルカである。
アスカは部屋にあった椅子をひとつ取って、レイのそばに置いた。
レイはそれまでハルカの頭をなでていたが、アスカがそばまで来ると、彼女のほうに手
を差し出す。
アスカはやさしく微笑むとその手を握って椅子に腰掛けた。
レイは親しい者が彼女を訪ねたとき、必ず相手の手を握りたがる。まるで絆を自らの手
でつなぎとめようとしているかのようだ。
「今日は兄さんは来てないの・・・?」
声にあまり感情が感じられないが、先ほどの微笑みはそのままにレイはたずねた。
「ご心配なく、ちゃ〜んと連れてきたわ♪」
「パパは今先生とお話してる」
しばらくしてシンジも部屋に入ってきた。
「・・・あのさ、レイ」
他愛のない会話の後、シンジは話を切り出した。
「4月のゲルマニア旅行なんだけど・・・」
「どうしたの・・・?」
「・・・行けなくなったんだ」
シンジがそう言ったとたん、レイの顔から微笑が消えた。
「・・・どうして?」
「打ち上げの順番が繰り上がってね、それで予定よりも早く月へ行くことになって・・・」
「・・・そう」
レイは少し悲しげに眼を伏せた。
「ゴメンよ、レイ。せっかく楽しみにしてたのに・・・」
レイはふるふると首を横に振る。
「いいの、気にしないで・・・」
そうやって自分に気を遣うレイに、シンジは胸が痛んだ。
そこでそれまで黙って兄妹のやりとりを聞いていたアスカが口を開いた。
「旅行を中止するんじゃなくて、8月に延期するっていうのはどう?」
「8月に延期?」
妻の突然の提案にシンジは目を丸くする。
「そ。中止じゃなくて延期。8月に入ったらハルカは学校が休みになるし、シンジもその
ころには事後処理も終わっているでしょ?」
アスカはそこまで言うとレイのほうを見た。
レイもシンジ同様きょとんとしている。
「ね、それでいいでしょ、レイ? 楽しみが少し先に延びるだけよ」
「わたしはそれでかまわないわ・・・でも、いいの?」
と、レイはシンジを見る。
「う、うん、そういうことだったら多分都合つけられると思うよ」
「ハルカもそれでいい?」
「うん!」
「それじゃ決まりね」
アスカは満足そうにうなずいた。
「それじゃ、レイ・・・」
「なに・・・?」
レイの顔に先ほどの笑顔が戻っていた。
「何か欲しいものとかある? 4月に旅行に行けなくなったお詫びに・・・」
「気をつかなくてもいいわ・・・」
「いいから何でも言ってよ。本格的な訓練が始まったら、こんなふうに会いに来てあげら
れないし、普段だってレイに何もしてあげてないし・・・」
シンジはそう言って自嘲気味に笑った。
レイは黙ってそんなシンジを見つめていたが、しばらくして口を開いた。
「・・・月の石」
「月の?」
「・・・わたし、これまで病院の外に出たことないから。たぶんこれからも一生出ること
はないと思うから・・・」
レイはぽつりぽつりと言葉を紡ぎ出すように話す。
「・・・ときどき、自分が夜空を飛んでいる夢を見るの。星たちのあいだを漂って、最後
に月に触ろうとするけれど、いつも触れる直前で目が覚めるわ・・・・・・」
そこでレイはうつむく。
「その夢を見るたびに、思い知るの、わたしはずっとこのままなんだって・・・」
紅い瞳が再びシンジをとらえた。
「でも・・・ううん、だからこそ、一度でいいから月に触れてみたいの・・・」
シンジはこの妹の言葉に胸を締め付けられる思いがした。
いままで彼女はどんな思いで生きてきたのだろうか?
いままで彼女がどれほどの孤独を背負ってきたのだろうか?
いままで彼女が外の世界に対して、どれだけ切ない想いで胸を焦がしてきたのか?
どんな想いで、会うたびに自分たちの手を握ってくるのか?
シンジは妹に、これまでにない愛しさ、切なさ、哀しみを感じて泣きそうになっていた。
だが、彼は涙の代わりに精一杯の笑顔を妹に見せて言った。
「わかった、月の石だね・・・」
兄は妹の手を慈しみを込めて握る。
「かならず持って帰ってくるよ、レイ」
EVA 13 第二章「想い」 END
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[あとがき]
「EVA 13」第二章をお届けしました。
今回はいいわけを書く気力もないくらい疲れてます、ネムイです(=_=)
寝不足の状態で書いたから、おかしな文章になってるんだろうな〜(^_^;)
なんか途中から話が変わっちゃってるし・・・(^_^;)
レイちゃんの話は軽く流すつもりだったんですけどねぇ〜
GMのアラシ様。
ステキな名前をありがとうございます。
「はるか」ちゃん、採用させていただきました。
いちおうこんなんになりましたけど、いかがでしょうか?
いまマジで頭がボケボケ状態になってますので、
今回はこの辺で。
また第三章でお会いしましょう(^.^)/~~~
テンプラでした。