EVA13

第五話

作・テンプラさま

 


「また晩餐会に出なきゃいけないなんて………!」

 

シンジのとなりでアスカがつぶやいた。

シンジ=イカリ王立宇宙軍少佐はちらっと妻のほうを見やったが、何も言わずにすぐ視線

を前方に戻した。

二人は王室主催の晩餐会の会場に車で向かっている最中だった。

シンジは昔よりもやや近代的なデザインになった宇宙軍の礼服を身に着け、アスカは袖の

ない濃紺のイブニングドレスを身に纏っていた。わりと露出度の高い格好なのだが清楚な

感じに着こなしていた。普段は後ろに垂らしている自慢の髪は、いまはきちんと結い上げ

られている。

 

「信じらんない………………!」

 

アスカはまたつぶやいた。

ドアに肘をかけ、頬杖をついている。

普段のアスカなら、こういうセリフを言うときはまるで子供のように頬を膨らませるのだ

が、この日は違った。

薄く化粧をほどこした美しい顔が硬い表情を浮かべている。

それがアスカが本気で怒っている証拠であることを、シンジはこれまでの彼女との生活か

らよく知っていた。

 

「……仕方ないよ、これも仕事なんだから」

 

これまでずっと同じセリフを繰り返すアスカに少々うんざりしていたが、声にそのことが

出ないよう気をつけながら、シンジは妻をなだめにかかった。

しかし、今回はそれが裏目に出てしまった。

 

「そんなことはわかってるわよ!」

 

アスカはやや語気を荒げてシンジのほうを見た。

 

「でも、あんたは毎日の訓練で忙しいのに。軍だって王室の連中だってそのことはわかっ

てるはずよ! それなのに、晩餐会に出席しろだなんて………!」

「まあ、軍の命令だから。命令された以上は仕方ないさ……」

 

軍はともかく王室の連中は宇宙飛行士たちの疲労のことなんか気にかけちゃいないよ、そ

う心の中でつぶやきながら、シンジは答えた。

晩餐会に出席するといっても、直接シンジたちのところに招待状がきたわけではない。

王室宮内庁から、3月某日の晩餐会に宇宙飛行士を数名出席させよ、と通達があり、さら

に『今度打ち上げを行うロケットの搭乗員が特に望ましい』という添え書きがあったので

ある。

これがどこぞの一企業や州総督府主催の晩餐会なら、宇宙軍もその注文を受託することは

なかったはずである。毎日の訓練で心身ともに疲れている宇宙飛行士にさらに鞭打つほど、

軍も鬼ではない。

だが、相手が王室となると話は別である。

そんなわけで"エヴァ 13"の搭乗員たちは、その晩『樽詰めの時間』に駆り出されることと

なったのだった。

トウジ=スズハラとケンスケ=アイダの両名も、シンジたちと同様に会場に向かっている

はずである。

アスカが自分の身体を気づかって本気で心配してくれていることは、シンジにもよくわか

っていた。

たしかに疲れている。

"エヴァ 13"打ち上げまですでにあと三週間をきっており、訓練も佳境に入っていた。

まして船長という立場にあるシンジがやらなくてはならないのは訓練だけではなかった。

ほかの二人の搭乗員に対する責任があったし、管制室や技術部、上層部などとの会議が連

日もたれていた。

その会議がときとして深夜まで及ぶこともある。最近は自宅に戻れず宇宙軍本部に泊まり

込むこともしばしばあった。

来週からは家を出て宇宙軍本部に缶詰になることになっているし、打ち上げの10日前か

らはセントラル=ドグマ発射場の宿舎に泊まることになっている。打ち上げを前に余計な

病原菌などを宇宙飛行士たちに感染させないためだ。

そのころには、打ち上げ当日まで宇宙飛行士たちの疲れが残らないよう訓練のペースも落

とすだろうし、軍によってきちんと衛生管理がされるだろう。今日のように『樽詰めの時

間』に駆り出されることも絶対にない。たとえ国王の勅令で呼び出されようとも。

アスカもそのことはよくわかっていた。

だが、それでもアスカはシンジのことが心配だった。

シンジの疲れが溜まって健康が損なわれることが、そのせいでシンジが飛べなくなってし

まうかもしれないことよりも、ずっと腹がたった。

二人はまた視線を前方に向けていた。

車内を沈黙が支配したまま、車は繁華街を走っていた。

夜の街の雑多な喧騒が、車のエンジン音とともに車内に響いている。

ときとしてけばけばしいほど煌びやかな光が、車の横を後方に向かって流れていった。

やがて郊外に入り、喧燥の街を後ろに見るようになったころ、硬い表情のままアスカが口

を開いた。

 

「来月なんだけど………」

「ん?」

「………かなり忙しくなりそうなの」

「来月が?」

「ハルカの学校行事よ。ほら、あそこの学校、春にいろいろと行事があるから……」

「ああ、そうだっけ?」

「ええ、そう。だから、あたし……………」

 

アスカはここで思いつめたかのような顔をして言葉を切った。

 

「あたし……今度の打ち上げはパスするわ」

「ふぅん…………………………………………エッ!?」

 

シンジは思わずアスカのほうを振り向いたが、自分が車の運転中であることを思い出して

あわてて前方に視線を戻した。だが、その後もチラッチラッとアスカに視線を走らせる。

 

「…パスするって……どうして………?」

 

そう尋ねる声に彼は狼狽を隠しきれなかった。

 

「ハルカのためにも家にいとかないと………」

 

諭すようにそう言いながらアスカはシンジを見る。

 

「アスカ……ハルカは前からいるだよ、一度目の打ち上げのときから、ずっと。いままで

君はいつも来ていたのに、なんで………?」

 

首を横に振りつつそう言うシンジの声には、少し非難じみた響きが滲み出ている。

 

「それにレイの具合だって………」

「なんでそこでレイが出てくるんだよ……?」

 

シンジの声のさらに硬くなり、平静さを保つのがさらに難しくなっていく。

だが心の一部では、アスカの様子がいつもと違っていることに気づいていた。普段のアス

カだったら、こんな言い訳をするはずはない。

 

「レイなら大丈夫だよ。医者もそう言ってたじゃないか……!」

「……それはわかってるわ」

 

アスカはシンジから視線を外すと前方に向き直った。だがその瞳は前を見ていなかった。

しばしのあいだ車内に沈黙が漂う。

 

「ね、シンジ、聞いて………」

 

やがてアスカはおもむろに身を乗り出すと、すがるような眼でシンジを見た。

 

「これまで打ち上げに3回もつきあった宇宙飛行士の妻はあたしだけよ、世界中を探して

もあたし一人なのよ………!」

 

しばらくのあいだ湧き上がる泉のように美しい蒼い瞳がじっとシンジを見つめた。

やがてそっと眼を伏せ、首を横に振る。

 

「……心臓に良くない経験だわ」

 

姿勢をもとに戻して座席に身を沈めてから、アスカはそっとため息をついてつぶやいた。

 

「…早くホッとしたいの………」

 

シンジは何も言えずただ黙っていた。

彼は妻の言葉にすっかり打ちのめされていた。

アスカの喜ぶ顔や励ましは、シンジが宇宙飛行士として任務を遂行するうえで重要な要素

だったし、シンジ自身にとって生きていくうえでの糧であった。

そんな彼にとって、自分のロケットの打ち上げをアスカが見に来ることは、まさに自分の

晴れ姿を妻に見せることを意味していた。

その打ち上げを見に行かないとアスカに言われて、シンジは母親に拒絶された子供のよう

な心境だった。

また同時に、アスカのそのセリフの裏にある彼女の不安の大きさと、それほど妻の不安が

大きいことに自分が気づいていなかったことに、愕然としていた。

夫がわざわざ危険を冒してまで宇宙に飛び立つことに諸手を挙げて喜ぶ妻などいない、夫

の生命保険や遺産が目当てでもないかぎりは。

そのことについては、シンジもわかっているつもりだった。

シンジが飛び立つたびに、アスカは喜んだり彼を励ましたりしてくれたが、心の奥底では

夫に危険なマネをしてほしくないと願っていることもシンジはわかっているはずだった。

自分の弱みをけっして他人に見せない彼女は、シンジにだけは本当に自分を見せてくれる

はずだから。

だが、宇宙計画に関してはそうではなかったのだ。

いや、ときとしてその不安を口にすることはあったが、それがどれだけ大きいかを表に出

すことはなかったし、シンジも飛ぶことに夢中で知ろうとはしなかった。

シンジは打ちひしがれていた。何も言えなかった。

 

「…………………楽しいショーなのにな……………」

 

やがて、かすれた声でやっと一言だけアスカに返した。

いまのシンジにそれが精一杯だった。眼に涙すら滲ませていた。

アスカはじっと前を向いたまま動かなかった。眼は前方に向けられてはいたが、その蒼い

瞳は何も映してはいなかった。それは外ではなく己の内側に向けられた眼だった。

白熱灯が二人を照らしては後ろへと流れていく。

やがて彼らを乗せた車は、晩餐会の会場となる建物のほうへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくつかのフラッシュが瞬き、並んで立っているシンジたちに眩しい光を投げかける。

フラッシュの型はさまざまで、昔ながらの額に取り付けるもの、カメラに直接取り付けら

れているもの、やや大型で専用のスタンドに載っているもの、などなど。

神暦1970年4月4日、"エヴァ 13"打ち上げ1週間前。

王立宇宙軍セントラル=ドグマ発射場第12号舎宇宙飛行士訓練所。

司令船やLEMなど各種訓練機が収まるこの巨大な空間の一角で、シンジ=イカリ少佐・

ケンスケ=アイダ大尉・トウジ=スズハラ大尉ら"エヴァ 13"正規搭乗員たちは、打ち

上げ前の記者会見に臨んでいた。

三人は左からシンジ・ケンスケ・トウジの順に並んで満面の笑顔で友好的雰囲気を振りま

いており、彼らの後ろには天体望遠カメラで撮影したらしい星雲のパネルが立てられてい

る。前には赤いビロードをかけた腰くらいの高さの机が置かれていて、その上左端には、

やや大きめの地球儀が載っている。

三人とも宇宙服を着てヘルメットを小脇に抱えていた。

彼らが着ている宇宙服、見た目にはかつてシロツグ=ラーザットが着ていたものとそれほ

ど違いはない。ボディが布で覆われたロボットといった風情である。左腕と左胸にはオネ

アミスの国旗と宇宙軍の記章があしらってある。

しかし、機能的にはいくつか改良された点がある。

たとえば、船内あるいは船外で宇宙服を着用して動き回ることを想定して、素材は薄くて

丈夫でかつ動きやすいものが使用されている。

それまで宇宙服を上半身と下半身の部分に分けて、両方をねじ込み式の金具でつないで密

封していたものを、かみ合わせ式とはめ込み式のジッパーを組み合わせて背中につけるこ

とによって、気密性を保ったまま宇宙服を上下つなぎの服にすることができるようになっ

た。これにより宇宙飛行士自信で宇宙服の脱着が可能になっている。

ヘルメットもスクリーン部分を大きくとって、かぶったままでも視界が広くなるように工

夫されている。

やがてフラッシュの瞬きが一段落すると、シンジたちはホッと息をつき、眼をシバシバさ

せたり顔をゆがめて笑顔のまま硬直した顔面の筋肉をほぐしたりした。

記者会見といっても報道陣は国営放送と共同通信の二組しかいない。あとほかにこの場に

いるのは軍広報官のリョウジ=カジのみである。

なんとも寂しい記者会見であるが、これはべつに今回だけがそうだというわけではない。

"エヴァ 11"のときもそうだったし"エヴァ 8"のときも同じだった。"アダム計画"

のころも"ヤシマ計画"のときも同様である。

というのは、軍広報部がこの時期の宇宙飛行士に対する取材をこの二組にしか許可しない

からである。

せっかく宇宙飛行士たちを世間から隔離して細菌に感染しないようにしておいても、そこ

に大挙して報道陣がなにがしかの病原菌を持ち込んでくれたら、隔離している意味がなく

なるからだ。

 

(もっとも規制をなくしても、どれくらい報道陣が集まるか疑問だがな………。)

 

カジは記者会見の様子を眺めながら、彼にしてはめずらしく冷笑的なことを考えていた。

ボサボサで長く伸ばして束ねた後ろ髪、あごにはポツポツと生えた無精髭、たれているの

で見た目には眠そうに見える眼。いちおうきちんと制服を着込んではいるものの、おおよ

そ軍を(宇宙飛行士を除いて)代表してマスコミなどの相手をする広報官に似つかわしく

ない容姿だ。

しかし、これでも王立宇宙軍の広報を一手に引き受ける広報部主任なのである。

だが、やり手の彼も最近はかなり苦労していた。

かつて"エヴァ計画"が始動してから"エヴァ 11"が月面に到達したころまでは順調だ

った。ほうっておいても向こうから取材に来るからだ。"エヴァ 11"のときは殺到する取

材攻勢をさばくのにかなり苦労したくらいである。

ところが最近では、こちらから申し入れないと取材の打診すらしてこなくなっている。

テレビ局や新聞・一般誌はもちろん科学専門誌ですらほとんど取材に来なくなった。

押し寄せる報道陣をさばくのに大わらわだった広報部が、今では取材に来てもらうのに必

死になっている。

原因は"エヴァ 11"の月面到達を境に宇宙計画、特に月開発に対する大衆の関心が薄れ

てしまっていることにあった。

以前に貴族院議員が言ったとおり、大衆の中には「宇宙計画はもう十分」という声が一部

挙がっていることも事実なのである。

そんな状況がカジを少々いらだたせていた。

すでに記者による宇宙飛行士たちへの質疑応答が始まっていた。

三人が同郷であることに話が及び、ケンスケとトウジが何か冗談をとばして記者たちを笑

わせた後、大衆の関心のことが話題になった。

 

「近ごろ大衆の月飛行への関心が薄れてきているようですが、そのことに関してはどうお

考えなのでしょうか?」

 

ったく、余計なこと聞いてくれる………

そう心の中でつぶやくと、カジはそっとため息をついてから、シンジたちのほうを見た。

こういう宇宙軍にとってあまりありがたくない質問をされたときに、軍のイメージを悪く

するような回答をしないよう宇宙飛行士たちに指導するのも広報官の仕事のひとつである。

記者会見が始まる前に当然そのことに関しては注意してある。

 

「え〜と、そうですね……」

 

記者の質問にシンジはちょっと困ったような笑顔を浮かべて口を開いた。

 

「それは今度の飛行がどれだけ重要かを、みなさんがおわかりになれば変わると思います」

 

端からはかなり落ち着いて話しているように見えるが、実際シンジはかなり堅くなってい

る。場数を踏んでいるとはいえ、あいかわらず人に注目されてしゃべるのは苦手である。

 

「まず今回の目標地点であるフラ=マウロ高地は、これまでのような平原とは違って、険

しい山麓や渓谷のある、着地するには非常にむずかしいところです。これまでとはまた違

う景色をみなさんにお見せできるでしょうし、またここは新たな鉱物資源の発見が非常に

期待されているところでもあります。月面探査もこれから本格化してきますし、これから

先、新たな発見もきっと多くあると思います」

 

本人はあまり自信がなかったが、シンジは友好的な笑顔を浮かべることにかなりのところ

成功していた。

 

「月旅行はいつでも驚きの連続です。特に………」

 

ここで彼はいったん言葉を切った。

まだ軍上層部はもちろん、カジにも宇宙飛行士仲間にも、家族にすらまだ言っていない重

大発表をいまここでやろうと彼は決めていた。

 

「……特に今回の飛行は、僕にとって宇宙飛行士として最後の任務になるわけですから、

非常に感慨深いものがあります」

 

シンジが"最後の任務"と言った瞬間、トウジとケンスケはびっくりして彼のほうを見た。

報道陣の後ろでカジが怪訝そうな顔をしているのが見える。

記者たちも突然の"引退表明"に驚いたようだ。

シンジの年齢は34歳。宇宙飛行士たちの中でも真ん中より少し上くらいである。まして

今回一緒に飛ぶトウジとケンスケも彼と同い年なのだ。年齢的には引退はまだ早いといえた。

 

「なぜ、今回が最後である、と……?」

 

記者のひとりが尋ねた。

それにシンジは答える。

 

「今回僕は船長として軍から最高の宇宙船とを与えられ、幼いころからの親友と一緒に、

光と陰の部分の温度差が200℃もあるところを歩くんです…………これ以上の花道は考え

られません」

 

それに、とつけくわえてシンジはケンスケたちのほうを見る。

 

「たとえば、こちらのアイダ大尉は今回で2回目、スズハラ大尉は今回が初の飛行になり

ますけど、彼らのほかにいまだに機会を与えられず、自分の順番が回ってくるのを待って

いる宇宙飛行士たちが、宇宙軍にはたくさんいるんです」

 

シンジは記者たちのほうに向き直った。

 

「僕はこれまでに3回飛び、そして今回で4回目になります……………僕はもう十分飛び

ました。これから先は彼らに譲るべきなんです」

 

そう言うとシンジは満足そうに一同を見回した。

 

「……僕はもう二度と飛ぶことはないでしょう」

 

それからいまだに驚いた顔をしている親友たちに、いいんだ、と言うふうにうなずいてみ

せた。

いまの彼はあの晩餐会の夜以来、ようやくすがすがしい気分になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカはかなり苦労しながら、新しく作った花壇のための土が入った袋を庭に運び出した。

袋を放り出すようにして下に置くと、額にうっすらと浮いた汗を左腕で拭う。

4月5日の昼下がり。

ハルカは今日が始業式のため学校に行っててまだ帰ってこず、家にはアスカしかいない。

まだ4月に入ったばかりだというのに、アスカは袖なしの肌着の上から半袖の薄物を羽織

っただけ、キュロットを履いて素足につっかけという格好だった。どう見ても夏の服装で

ある。

もっともこの時期のネルフで、肌着の上から春物のセーター、下はロングパンツか丈の長

いスカート、きちんと靴下も靴も履いて、おまけに上着まで羽織るというのは気ちがいの

沙汰というものである。

東南から吹く気流が常に熱帯からの暖かい空気をこの地方に運び込でいて、おまけに付近

の海に流れ込む暖流が相乗効果を挙げ、おかげでネルフは真冬の最も寒い時期でも、長袖

のシャツの上に薄手の上着を一枚羽織っておくくらいで事足りるほど、温暖な気候に恵ま

れていた。

だから春に近づくにつれて一気に気温が上昇し、4月に入る頃には初夏とよんでも差し支

えないくらい暑くなる。

街の東20レーン行けば海という地理のおかげで、内陸のように乾燥しないだけまだマシ

ではあるが、これからさらに季節が進むにつれてますます暑くなるだろう。

 

(日焼け止めを塗っといたほうがいいかな?)

 

ちょっと太陽を見上げてアスカは思った。

ネルフはそれほど緯度が低くないところにある都市だし、だからこの時期は日焼けを心配

するほど日差しは強烈ではないのだが、ついそう思わせるほどその日は暑かった。天気も

上々である。

降り注ぐ陽光に、アスカのなめらかできめ細かな白い肌がまぶしい。

暑いのでポニーテールにした髪も、陽光でみごとな黄金色に輝いている。

よく日差しの中に立つアスカを見てシンジが誉めたものである。

 

『アスカって、日差しの中に立つとキラキラと輝いて見えるね。なんていうか、その……

……き、きれいだよ』

 

いつもはにかみながらそう言うシンジの顔を思い出し、アスカはフフッと笑った。

が、ふいに笑顔を収めるとふぅっとため息をついた。

またシンジのことを考えてしまった………

しばらくシンジのことを頭の中から追い出したくて、こうして庭で一仕事片づける気にな

ったのに………

しばらくのあいだそれは成功していたのだ、土の入った袋を運んでいるあいだは。

アスカはそれを無視しようと決め込んで、にわかに彼女はは土の入った袋を持ち上げると、

このあいだ並べてからほったらかしになっていたブロックの枠の中に袋の中身を空けた。

その土をスコップでまんべんなくならしてしまうと、べつの袋の土を花壇に入れる。それ

もならしてしまうと、さらにべつの袋を空ける。

だが、いくら作業に没頭しようとしても、頭の中からシンジのことが離れなかった。

そうして思い出すのだ。

自分が打ち上げをパスすると言ったときのシンジの顔を。

 

『…………………楽しいショーなのにな……………』

 

そう言って眼に涙を滲ませたシンジの横顔を。

夕べのテレビのニュースで、アスカは夫が今度の飛行を最後に引退を表明したことを知っ

た。

以来ふと気がつくと、いつのまにかあの晩餐会の晩のことを思い出すようになっていた。

あのあと打ち上げについては一度も話し合うこともなく、シンジは打ち上げ準備の最終段

階に入るため家を出た。

もはやシンジが飛行を終えて帰ってくるまで彼と直接会うことはない。

打ち上げ前日にセントラル=ドグマに行かないかぎりは。

打ち上げ前夜に搭乗員は軍のはからいで、病原菌が感染しないよう50クローナ以上離れ

た位置で、打ち上げを見に来た家族と対面できるのである。

 

『君はいつも来ていたのに………』

『…………………楽しいショーなのにな……………』

 

あの晩のことが繰り返し頭の中に浮かんでくる。

その度にチクリと胸が痛む。

 

(あたしのせいだ………)

 

花壇の土をいじりながらアスカは思った。

……あたしのためにシンジは今度の飛行を最後にするつもりなのだ。

あの晩あたしが『早くホッとしたい』そう言ったから。

結婚以来かなりの時間を飛ぶことに費やしてきたシンジ。最初は水軍パイロットとして、

その後は宇宙飛行士として。それ以外の時間はあたしのために、ハルカが生まれてからは

あたしとハルカのために費やしてくれたけど。

シンジがなにか功績を上げたことにあたしが喜ぶたびに、とてもうれしそうな顔をしてた。

そんなときにシンジの笑顔があたしは好き。

 

『いつか僕も宇宙(そら)を飛びたいんだ………』

 

シンジはそう言うと、ちょっと照れくさそうにあたしに微笑んだ。

これはアスカとシンジが出会ってそれほど時間がたっていないころの話。まだアスカがシ

ンジに対して恋心すら抱いていなかったころの話だ。

……そのときのシンジの笑顔がなぜかあたしの心を強く惹きつけた。

それからいつのまにかあたしはシンジの笑顔を見るのが好きになった。

そう、シンジは空のことや宇宙のこと、そして飛ぶことを話すとき、とてもいい笑顔を見

せてくれる。

いつのまにかアスカの手は止まっていた。

だが、もはや無理に動かそうとはせず、自分の意識が思考にのめり込むにまかせていた。

……あたしは空のこともよく知らないし、飛ぶことにもそれほど興味もないけど、シンジ

の笑顔が見れるのがうれしくて、シンジがその話をしてくれるのが楽しみだった。

でも、シンジが実際に飛ぶようになってから、シンジとその話をするのがあたしは怖かっ

た………

楽しいけど怖かった………

なぜならシンジが飛ぶようになって初めて、それが危険だってことを肌身に感じるように

なったから。

シンジを失ってしまうかもしれないから………

あたしを見てくれる人が、生身のあたしを見てくれる人がいなくなってしまうかもしれな

いから………

ママもパパもあたしを見てくれなかった………

友達だって本当のあたしを見てはくれない………

でもシンジはちがう。

シンジはあたしのことを見てくれる。

本当のあたしを見てくれる。

世界でただひとり、あたしを見てくれる。

もしシンジがいなくなったら、あたしのことを見てくれる人は誰もいなくなる………

そんなのイヤ………!

そんなこと考えたくもない!!

この日の暑さにもかかわらず、アスカは胸の中に冷たいものを感じてブルッと身体を震わ

せた。

……シンジが宇宙飛行士として多くの人々からの尊敬を集めてることは誇りに思ってる、

それは本当………

でも………

でも、あたし、シンジにもう飛んで欲しくないとも思ってる………

危険な宇宙に飛んで欲しくないと思ってる。

シンジを失うのが怖いから………

ロケットの打ち上げ………シンジにとっては栄光のとき、でもあたしにとっては恐怖の時

間だ………

秒読みが始まって、エンジンに点火した瞬間にロケットが爆発するのではと、あたしは気

が気じゃない………

そしてエンジンに点火されてノズルから吹き出す爆炎がロケットを包み込む。一瞬ロケッ

トが爆発したような錯覚を覚える。初めて打ち上げを見に行ったとき、本当にそう思い込

んで泣き叫んだっけ………

しばらくのあいだは炎がロケットを包んだままになる。その爆炎がそのままロケットを燃

やし尽くしてしまうような気がする………

そしてロケットが上昇を始める。

空を昇っていくそれを眺めているうちに、それが途中でおかしなところから炎を吹き出し

たと思った瞬間に轟音をあげて爆発する場面が、何度もあたしの脳裏によぎる………

やがてロケットが見えなくなり、無事に軌道に乗ったというアナウンスを聞いて、ようや

くホッと胸をなでおろすのだ、ほんの束の間のことだけど。

シンジはあたしが不安に思っていることを知っている。

それくらいはシンジもわかってるはず。

シンジは鈍感だけど、けっして無神経な人間じゃないもの。

でも、あたしのその不安がどれほど大きいかまでは知らない。

あたしもそれだけはけっしてシンジに悟られないようにしてきた。

ほかのすべては見せても、その不安の大きさだけはシンジにも見せまいとしてきた。

シンジはやさしいから、知ればきっと飛ぶのをやめてしまう、たとえ中途半端で放り出す

ことになっても。

だからあたしは、自分の不安の大きさをシンジに悟られないようにしてきた、シンジの夢

の邪魔をしないように。

いつものとおりに明るく、いつものあたしらしく振る舞うようにしてきた。

そして今度も前と同じようにその不安に耐えるつもりだった。

でも………………。

以前ハルカの口から事故の話が出たのを聞いたとき、それはアスカの胸の奥底に不安を投

げかけていた。

以来ずっとその不安は波紋のように彼女の胸の中に広がっていき、時が経つにつれて消え

るどころか、さらに新たな不安の波を呼び起こしていた。

 

『………ね、パパ。これと同じロケットに乗ってて焼け死んじゃった人がいるんでしょ?

知ってる……?』

 

あのときのハルカの言葉がいまだアスカの胸の奥に横たわっている。

いくら振り払おうとしてもそれは消えてくれなかった。

それどころか、振り払おうとすればするほど、さらにそれは鮮明になっていくようだった。

そして思ったのだ。

このままシンジが飛ぶ現場に立ち会うことに自分は耐え切れないだろうと。

だから『今度の打ち上げはパスする』ことにしたのだった。

結果的にそれは、シンジに彼女の不安の大きさを伝えることになってしまった。

……今度の飛行を最後にシンジは引退する、あたしのせいで………

シンジが飛ぶのをやめる………

あたしのせいで………

これで最後………

あたしのせいで………

またチクリとアスカの胸が痛む。

 

「なぁ〜んだ、ママ、いたんだ」

 

ふいに後ろからかけられた可愛らしい声に、沈み込むアスカの意識は現実に引き戻された。

ハッとして振り返ると、そこにハルカが立っていた。

暑いのでこちらも袖なしのワンピースと夏の装いである。以前母親同様に伸ばしていた栗

色の髪も、いまは肩のところで切り揃えている。

父親と同じ鳶色の瞳がキョトンとアスカを見つめていた。

ちょうど帰ってきたところらしく、まだ背中に鞄を背負っている。

 

「あ、あら、おかえりなさい、ハルカ」

 

突然の娘の登場にちょっぴりたじろぎつつも、アスカは笑顔をつくった。

 

「お、遅かったわね」

「もぉっ、遅かったわねじゃないわよぉ〜」

 

ハルカ、少々おおげさに腕組みするとぶぅっと頬を膨らませる。

 

「何回もただいまって言ったのに、だぁ〜れも返事してくんないんだもん。留守かと思っ

ちゃったよぉ」

「あら、そうだったの。ごめんね」

 

言いながらアスカは立ち上がると、娘のほうに歩いていった。

元気な愛娘の姿を見て、さっきまで沈み込んでいた自分の意識が軽くなっていくのを彼女

は感じていた。

 

「それにしても遅かったじゃない、始業式は午前中だけだったんでしょ。どこ行ってたの?」

「うん、リーニィんとこ」

 

答えながら娘は母に抱きつき、母は娘の肩に手をまわすと、ふたりはそのまま家に向かっ

て歩き出した。

 

「じゃ、ご飯は?」

「ううん、まだ食べてないよ。ハルカ、もうお腹ぺこぺこぉ」

「ふ〜ん……でもね〜、もうママご飯食べちゃったからな〜、ハルカの分、なぁ〜んにも

残ってないわよ」

 

アスカ、ちょっとイジワルっぽく言ってみせる。

 

「え〜〜〜〜! そんなぁ!!」

 

ハルカ、アスカの顔を見上げて眼をウルウルさせている。

一方アスカは、イジワルそうに笑ってハルカを見下ろしている。

 

「だって、学校終わった後まっすぐ帰ってこないハルカが悪いんでしょ」

「ひっどぉ〜い、ハルカの分まで食べちゃうなんてぇ」

 

べつに二人とも本気で言っているわけではない。言葉でじゃれているだけなのだ。

こういうじゃれあいはこの母娘のあいだではよく行われることである。

 

「なんて母親をもったのかしら、ああ、あたしってば不幸……」

 

ハルカはおおげさに口元を押さえてへたりこんで、よよっと泣いているポーズをとってみ

せたりしている。

 

「ほぉ〜、あんた、ママにむかってそ〜ゆ〜こと言うわけ?」

 

アスカ、ジト目で娘を見下ろす。

 

「せっかくお腹をすかせたかわい〜娘のために何か作ってあげよっかな〜って思ってたけ

ど、そんなこと言うんだったら、もぉな?んも作ってやんない!」

 

ぷいっとそっぽをむくアスカ。もちろんその眼は笑っているが。

 

「ああ〜、ウソウソ、ウソです、お母様ぁ」

 

ハルカは頭をぶんぶんと横に振って、母親にすがりついた。これまた眼は笑っている。

 

「こぉんなにきれいでやさしいお母様がいて、ハルカ、幸せですわぁ」

「ホントにそう思ってる?」

「うんうん、ホントホント」

 

ハルカ、今度は縦にコクコクと首を振ってみせる。

 

「ホントぉ〜?」

「ホントに思ってるから、ご飯〜〜〜」

「う〜ん、どうしよっかな〜」

「ねぇ〜え、ねぇねぇ、ねぇったらぁ」

 

まるで飼い主の脚にじゃれつく猫のように、ハルカはアスカの腰に手をまわしたままスリ

スリと頬擦りをしている。

それがちょっぴりくすぐったいのか、アスカはくすくすと笑っていた。

 

「しょうがないわね〜、わかったわかった、何か作ってあげるわよ」

「ホント!? やたっ」

 

ハルカは母の身体にしがみついたままぴょんぴょんと飛び跳ねる。

 

「じゃ、今から用意するから、そのあいだに荷物を置いて、手を洗ってらっしゃい」

「はぁ〜い!」

 

元気良く返事をしてから、ハルカは階段を駆け上がっていった。

アスカはそんな愛娘の様子を愛しそうに見ていたが、ハルカの姿が視界から消えると台所

に向かった。

食事の用意をしながら、ハルカとのじゃれあいのおかげで、さっきよりもずっと心が軽く

なっているのを、アスカは感じていた。

そのせいであろうか、食事の用意を終えるころには決心がついていた。

さきほど悩んでいた様子からは想像もできないくらいあっさりとしていた。

あんまりにもあっさりと決心がついてしまったことに、自分でも驚いていた。

だが心の一部では、こういうのもあたしらしいのかもね、と思ってもいた。

一度決心がついてしまうと、さっきまで悩んでいたのがなんだかバカバカしく感じられた。

あと一回くらいなら………

今度で最後なのだったら………

そう、あと一回くらいなら、耐えられる。

シンジも言ってたじゃない、自分はもう十分に飛んだって。

シンジはもう10年以上も水軍や宇宙軍で国家のために尽くしきたわ。

そろそろあたしがシンジを独占してもいいころ。

あたしのシンジを返してもらってもいいころだわ。

本当にそうなるんなら、あと一回耐えることなんてたいしたことない。

まして夫の最後の花道を妻が見届けないてはないじゃない?

あと一回耐えるくらい………

そう、今回はハルカも一緒にっていうのいいかもね。

あと一回くらい…………………

 

 

アスカがシンジの"最後の花道"を見届ける決心をつけたころ、ここセントラル=ドグマ

では、その"最後の花道"にひとつケチがついていた。

 

「シンジ!」

 

シンジは、発射台の連中と食事を採りながら簡単な打ちあわせを済ませた後、一休みする

ために宿舎に向かっているところを呼び止められた。

この日シンジの午後の訓練は休みだった。6マール後に上層部との最終の打ち合わせが、

ネルフの宇宙軍本部で行われるためである。

シンジが振り返ると、シロツグ=ラーザット搭乗員業務部長とシロウ=トキタ航空医官が

彼のほうに向かって歩いてくるところだった。

二人の顔を見たとき、シンジはイヤな予感がした。

二人とも深刻な顔をしていたからというのもあるが、二人のうちの一人がトキタ航空医官

だったからである。

宇宙飛行士たちにとって航空医官のような医療班の連中は、軍の中でも特に好きになれな

い人種のひとつである。なぜなら彼らが飛べるかどうかを決める権限を航空医官が持って

いるからである。宇宙飛行士が飛行停止にされられるか否かは、すべて航空医官の胸先三

寸にかかっているのである。

トキタ航空医官は医療班の中でも宇宙飛行士たちから特に嫌われていた。彼はまるでそれ

が生きがいであるかのように(少なくとも宇宙飛行士たちの眼にはそう映っている)宇宙

飛行士を飛行停止に処するからだ。

実際彼は宇宙飛行士を飛行停止にできる権限を、自分の力と錯覚しているふしがあった。

トキタは今回"エヴァ 13"の管制チームで医療を担当することになっていた。

 

「なんでしょう?」

 

シンジはなるべく航空医官と目を合わせないようにして応えた(あまり人の好き嫌いをし

ない彼も、この男は嫌いだった)

 

「問題が起きた」

 

シロツグはシンジの前に来ると、開口一番そう言った。その声に普段の少々のんびりした

調子はみじんも感じられなかった。

 

「問題とは?」

 

シンジの中でイヤな予感がますます膨れあがる。

 

「……カルロ=ダルクが風疹にかかったんだよ」

「カルロが?」

 

カルロ=ダルクは予備搭乗チームのLEMパイロットである。

シンジは顔をこの信じられない知らせに、冷水をいきなり頭から浴びせられたようなショ

ックを受けた。

この大事な時期に宇宙飛行士が風疹!?

しかも予備とはいえ搭乗員の一人が!?

医療班はいったい全体何やってたんだ!?

 

「では……予備搭乗班を交代させる、と?」

 

シンジはトキタをチラッと見てからシロツグに聞いた。

だがシロツグがそれに答える前に、トキタが口を挟んだ。

 

「問題は予備チームだけではないんですよ、少佐」

 

どうもこの人の言い方って、なんとなく癇に障るんだよな……

シンジは内心こう思いながら、顔だけは神妙に聞いているふりをした。

 

「あなたたち正規搭乗班もダルク中尉と接触していますからね」

 

どうもこの男の物言いはこっちを小馬鹿にしているような気がして、シンジは内心ムッと

した。

だいたいカルロが風疹にかかったのは、そっちの手落ちじゃないか。

 

「風疹なら僕は免疫を持ってるから大丈夫ですよ」

 

シンジは内心の不快さを面に出さないよう努めたが、その声にはいくらか挑戦的な響きが

わずかにあった。

シンジの答えを聞いたトキタは眉間に皺を寄せて首を横に振った。

あからさまに『これだから素人は何もわかってない』と言いたげだな、とシンジは心の中

でつぶやいた。

 

「ええ、もちろんあなたは問題ありません、少佐。ですが、アイダ大尉には問題大ありな

んですよ」

 

シンジにはトキタが笑っているような気がして、胸の中のイヤな感じがさらに大きくなっ

た。

胸がむかつくのを抑えながら、彼はトキタに先をうながした。

そしてトキタ航空医官はケンスケ=アイダの死刑宣告の通知を出した。

 

「アイダ大尉は風疹の免疫を持っていないんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EVA 13 第五章 「不協和音」 END

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【あとがき】

どうも、テンプラですm(__)m

さて、4ヶ月ぶりにお送りした「EVA 13」第五章ですが、

あとで読み返してみて、なんかおかしいなっていう部分をいくつか見つけたので、

改訂版をアップしました。

特に最後の場面のシンジ・・・もう完全に別人って感じでかなり攻撃的になってたので、

いくらか修正を入れました。

 

あと、お断りしておかないことがひとつ。

この章でJAの時田シロウが宇宙軍の航空医官として登場しておりますが、

ハッキリ言って、僕はこの時田シロウがどういうキャラなのかぜんぜん知りません(^_^;)

本作中での彼のキャラクターはけっこう適当に書いております(笑)

本来の時田のキャラとはかなり違う部分もあるかと思いますが、その点はご容赦くださいm(__)m

 

あいかわらず未熟な作品ではありますが、

最後までお付き合いいただけると幸いであります。

では、今回はこの辺で。

 

テンプラでした。


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