ぱ〜と2・分かれと夢
あらすじ
コンビニの帰り道、偶然にも捨て猫を拾い、仔猫との愛の一夜(笑)をすごしたのだが、朝起きると、仔猫はもう息をしていなかった。
「うぅ〜ん あぁ、いま9時ね」 僕は起きた。
「おはよ〜猫ちゃん 朝だよ」 僕はかる〜く撫でてみるがまったく反応がない。
「あれ? おかしいな」 ユサユサ。 ゆすってみる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」 ぜんぜん反応が無い。
「え...うそ、でしょ。まさかね」 だんだん『死んだのかも』という思いが頭をよぎる。
「ねぇねぇ、あさだよぉ、起きてぇ〜 (T_T)」 だんだん涙声になってくる。 しかし仔猫は何の反応も示さない。
「ね ぇ、・・て・・こち・・ん」(【ねぇ、おきてよ 猫ちゃん】といってるつもり) 半泣きでもう声になってない。
「ねぇ、おきてよぉ、ねぇおきてよぉ〜〜」 だんだん本泣きになりつつ仔猫をゆする手に力がこもっていく。
「ねぇ、ねぇ、うわ〜〜〜ん (>_<)」 ついに大泣き。 もうこうなるととまらない。
「あんなに、あんなに、仲がぁ、良かったのにぃ〜。 ずっとずっといっしょにいたかったのにぃ〜。」
一晩で、人間と同じ、いやそれ以上の親近感をもった僕としては、とてつもなく悲しく、つらい突然の別れだった。
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・・・・・・いったいどれくらいないていただろうか? 気がつくと、もう12時になっていた。え?なんですぐ12時だってわかったのかって? それは、たまたまテレビがついていて8Chのタ○リが出演してる長寿番組がちょうど始まるところだったから(笑) ってこれはおいといて
やっぱり仔猫はうごかない。そろそろ、諦めがついてくる。
「しょうがないねぇ、死んじゃったものはしょうがないかぁ。はぁ〜」 僕が小動物を飼いたくない理由のひとつがこれだ。飼っているときが充実して楽しい分、死んだときの悲しみ、辛さは大きくなる。
・・・・・・その後、親と相談したけっか。『家の前に埋めてあげよう』ということになった。そう、家の前は舗装されていないため埋めることが可能なのだ。しかし、もう夕方になっているため、明日。改めて行うことにした。
「ごめんねぇ、もう少し僕が起きるのがはやかったら、もしかしたら助けられたかもしれなかったのに」 こんなことをいっても始まらない。せめて「今日1日だけでもいっしょにいたい」。と思った僕は、ずっと仔猫を抱いたまま1日をすごした。 持ちろん風呂とトイレは一人だったが。
ふりかえってみると、今日1日はまるで僕自身気が抜けて人形みたいだった。こんなことは、15年生きてきて初めてだ。
そして、仔猫との最後の夜。僕はもう動かない仔猫をぎゅっと抱きしめこう言った
「本当はずっといっしょにいたいんだけど、明日でおわかれだね。また、いつかどこかで絶対に合おうね、たとえそれが逆の立場になっていても...」 そして、僕は熟睡した。
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しかし、また、夜中に起きてしまったようだ
「んんっ...猫ちゃん...」 半分(というかほとんど寝ぼけてる)俺は、これが最後とばかり、猫のあごのところを撫でようとした。まるで、それによって猫が起きるのではないかというように...
「あれぇ? どこにいるんだぁ?...まぁいいやぁ、しょうがないぃ」 しかし、仔猫はいなかった。しかし猫を触るより眠るのを優先していたので、対して気にも留めずそのまま眠ってしまった。
その後、なんというか、ふしぎな夢を見た。 あの仔猫が僕に話し掛けている夢である。【以下「」は仔猫、『』は僕の話していたこと】
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「ねぇ、そんなにボクといるのが楽しかった?」
『あったりまえだろ。っていうか、正直どっちかっていうと”嬉しかった”に近いかな』
「うれしぃ〜 ボクをそんな風におもってくれてたんだぁ〜」
『うん、でも、死んじゃったからこのままいっしょにいるわけにも...』
「なに?それじゃあ、もうさよならっていうこと? ねぇ、それでもいいの?」
『そんなわけないでしょ! 僕だって、できればずっとそばにいてほしいよ、』
「ねぇ それ、ほんと?」
『ほんともほんと。だって僕、君のことが好きだったんだもん。あ、愛してるっていうか...』
「う、そ。 人間のあなたが猫のボクを?」
『そんなの関係無いって、好きな人が好きな人に好きという。相手が動物だって僕はぜんぜんかまわないよ』
「う、うれしいぃ〜 そんな風にボク見てくれた人なんてあなたがはじめてだよ〜(^○^)」
『そりゃそうさ。ぼくだって、100%完全な動物を好きになったのはじめてだもん』
「え?...100%完全な動物って...いったいどういうこと?」
『こ、こんなことを言うのは、とっても恥ずかしいんだけど。僕、人間よりも、ね、ねこみみの女の娘−詳しくは猫性格の女の娘−のほうがすきなんだ...って君は「ねこみみ」っていう言葉のいみしらないから意味無いか』
「な〜にいってんのぉ、それくらいの意味知ってるよ」
『え!? なんで猫の君がそんなことしってんのぉ』
「そんな事、どうでもいいでしょ。 それにしても、ふぅ〜ん。そういう娘が好みだったんだぁ」
『そ、そんなふうに言うなよぉ〜 好きなものはすきなんだからぁ』
「よし! 決めた!」
『え、え? それってどう言う意味?』
「ふふふっ、そうだねぇ、わかりやすくいえば、これからもずっといっしょにいれるっていうことかな」
『それじゃあ、また、人間の僕と猫の君との愛の日々が過ごせるっていうことだね!』
「愛の日々って......まぁ、そうなのかもね、でも今までとはちょっとかってが違うよ」
『ほえ?それってどう言う意味?』
「そぉ〜んなに訳わかんない声だしてるんじゃないよぉ〜。 だから、もっと詳しく言うと......」
『詳しく言うと??』
「語尾に《にゃん・にゃ》とかがついたりぃ、それとかぁ......あ! もう時間が無いや。詳しくは明日起きたらわかるよ。あ、あと、いそいで起きようとしちゃだめだよ」
『え? え?』
「それじゃまた明日にゃ バイバイにゃん」
『え? あぁまたあしたね』
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「・・・・・ん、んんっ」 僕は目が覚めた。
「あれはいったいどういう意味だったんだろ、やっぱりただの夢だったのかな」
ぐーーーー また眠ってしまった僕。
「・て・・・に・・・ん・・にゃ・ん」 と不意に何かの声がする。
「うぅ〜ん なぁんだぁ〜いったいぃ〜」 僕は、横になったまま目をこすりながらもやっと半分目が覚めた(笑) すると、
「うわ〜い 起きた起きたぁ。はやくおきてぇ〜おにぃ〜ちゃ〜あん はやくぅ〜」と夢のなかと同じ声がする。
「なぁにぃ〜〜!!」 僕は飛び起きた。
そして、起きたとたん僕は信じられない光景を目にした。
(ぱ〜と3に続く)