家族写真
YUASHI版 ルリルリサーガ
こんにちは、 ホシノ・ルりです。 あたしは今回主役+ナレーターのようですが、 あまり気が乗りません。 2人二役って結構難しいのよね。 読んでると変になりそう。 まっいいけどね
・・・ !
「うっ! 痛いっ!」
ふと目が覚めて頭が痛いのに気付くあたし
キーン
何かの共鳴音と共にドンドン頭が痛くなる
「君はいらない事を覚えすぎたようだ。 さあ、 何もかも忘れてぐっすりお休み。 目が覚めたらそこは楽園だよ」
^誰っ? ・・ 痛い^
キーン
^・・・ ・・・^
それっきりあたしの意識は遠のいていく
「なんで俺が行かなくちゃいけないんだ?」
ブツブツブツ
文句を言っているテンカワさん。 理由はあたしがいつまで経っても起きてこない。 呼び掛けても返事がない。 という訳でユリカさんの命令=艦長命令で、 料理の下拵えをしていたテンカワさんが突然あたしを呼びに行く事になったから。 そりゃ誰でも怒るわよね
^・・・ ・・・^
ブツブツ文句を言いながらもあたしの部屋の前に来たテンカワさん。 なぜか入ろうとしないのよね。 なんでだろ?
^女の子の部屋に行くのって、 いつまで経っても緊張するな^
どうやらテンカワさんにも人並みの恥じらいはあるみたい
^よしっ!^
ピッ
決心した様子のテンカワさんは部屋のキーを押す。 どうやらロックはしてなかったよう。 結構不用心よね、 あたし
プシュッ「ルリちゃん、 どうしたの?」
自分の決心が鈍らないように部屋の中を確認する前に尋ね出るテンカワさん
・
・
返事が無い。 仕方なくテンカワさんはあたしの部屋に入る事にした
カツン ビクッ バッ
テンカワさんが部屋に足を一歩踏み入れた途端に、 あたしらしき人影が布団に包まったの
「誰 ・・ ですか?」
あたしの力の無い声がテンカワさんの耳に入ってくる
それに気付いたテンカワさんは何か見てはいけない事を見た気がしたみたい。 なんでそうなるのかなぁー、 やっぱしバカァー?
「あっ、 ごめん。 まだ寝てた? 邪魔しちゃったね」
そう言ってテンカワさんはあたしの部屋から出て行こうとする
「待って!」
そう言ってクルッと背を向けると、 あたしが急にテンカワさんを引き止める
「・・・ パパ? パパですね」
「へっ!?」
あたしの言葉の意味を理解出来ないテンカワさん。 とりあえずもう一度あたしのほうに向き直ったみたい。 チャンース
クルッ バッ タンッ
途端にあたしがテンカワさんに泣き付く
「ウワァーンッ、 恐かったよパパ。 あたしをこんな場所にほっといていくなんて、 バカッ!バカッ!バカァーー」
泣き声を押し殺そうともしないあたし。 まるで幼稚園児のように泣いている。 それに、 ずっと泣いていたのか目の周りが真っ赤っ々。 あたしじゃないみたい
一方テンカワさんはとゆうと、 あたしにいきなり胸に泣き付かれて頭混乱中。 とりあえず・バカ
^なんなんだっ、 なんなんだ! なんなんだよぉー ・・・ ・・・ とりあえずぅーー ・・・ なだめよう^
「あっあのあのっ、 ルっルリちゃん? どうしちゃったのかなーと思ったりなんかしちゃったりしてー ・・・ えーと」
ピタッ
テンカワさんの言葉を聞いて途端に泣き止むあたし。 顔はいつもの無表情に戻る
「大人っていつもそう言って誤魔化しますね。 パパだけは違うと思っていたのに ・・ もういいです。 あっち行ってください」
「・・・ あのー ・・」
いきなりのあたしの豹変にそれしか言葉が出ないテンカワさん。 頼りなさそ
ドンッ
「出てってっ言ってるのっ! パパなんか嫌いです」
今度はなぜか怒り出したあたし
プシュッ
押し出されるテンカワさん。 ポカーンとしながら口をパクパクしてる。 鯉のように
^なんだったんだあれは? 泣き出したと思ったら急に怒り出して追い出されてしまった ・・・ 俺が悪いんだろうか?^
「えぇーっ! ルリちゃんがアキトのこと、 パパだって言って抱きついてきたぁー。 なにそれぇー、 どうしてどうしてぇー」
さっきの命令を出した艦長の声がブリッジに響き渡る。 テンカワさんがあたしとの出来事を艦長に話している
「いやっ、 抱き着いてきたんじゃなくてさ、 泣き付いてきたんだってば」
毎度毎度、 艦長と話すと話が大きくなる。 それを必死に弁解するテンカワさん。 無理だって解ってるはずなのに
もちろん聞いていない艦長。 すでにちょっとした妄想モード。 もうダメね
「えーと、 アキトが18でルリちゃんが11才っ! だからぁー ・・・ ・・・18 - 11は ・・ ななぁっ! えぇえぇぇーーー!!! アキトって7才の時にあたしの知らない女の人を妊娠させてだんだっ!! ひっどーい」
泣き付いたが艦長に係れば7才の時に妊娠させた。 どうやったらそうなるんだか
「だから誤解だって」
無意味な抗議を続けるテンカワさん。 彼には学習機能が無いのだろうか? 相手にしなきゃいいに
「ユリカは心が広いから今回は何も言わないけど、 今度子供を造る時はあたしにしてね。 ねっアーキト」
小声になる艦長。 でももう遅い
「だ・か・らぁーっ!! 違うって言ってるだろが、 違うってぇー!」
いつもと同じく迫力のない怒り方。 やる気があるんだか無いんだか、 ねえ
「そんなに隠さなくたってユリカには解るんだよ。 ううん、 大丈夫。 誰にも言わない。 たから次はあたしだよっ! 約束(ハァト)」
何言ってるんだかこの2人は
^だからぁー、 違うんだってば。 それに誰にも言わない!って言ったって、 んな大声上げてブリッジで叫んでりゃあ。 誰にでも聞こえるだろがっ!!^
これがこの時のテンカワさんの感想。 なんかずれてる感じがするんだけど。 まっいいか
「アキトさんっ!!」
後ろで声がする。 メグミさんだ
「い"っ」
ウルウル
「信じてますから私。 アキトさんの事」
「ああ、 ありがとうメグミちゃんユリカの言う事なんか気にしなくていいからね」
「はいっ! 次は私だって信じて待ってますからっ」
ガクッ
思いっきりこけるテンカワさん。 ご愁傷様
^何時の間にかルリちゃんが俺の子供だって事、 決定事項になってないか^
同感です。 恐らくもう変わりませんね。 それって
「ユリカッ! そんなふしだらな男に近づいちゃ駄目だっ!! 触れただけでも妊娠しちゃうかもしれないぞ」
これは言い過ぎよね。 ジュン君罰金10円っ! なーんてね
「何て事言うのジュンっ!! アキトは子持ちだってあたしのフィアンセ、 運命の人なのよっ!」
「そうですっ! ユリカさんのじゃありませんが、 アキトさんはそんなふしだらな人じゃありませんっ!」
^うーん、 嬉しいような嬉しくないような^
勝手な事言ってテンカワさんを困らせる2人。 いつもの事だけど、 いい加減治んないのかな。 天然?
「えー、 オホン。 テンカワ、 俺はだなぁー、 そんなっ、 あのっ、 なんだ、 子供がどうだこうだって気にしないからなっ!! 絶対だぞっ!!」
あっ忘れてました。 この人が入って来てややこしくなるのよね、 途中から
「うっうん」
リョーコさんの勢いに押されるテンカワさん。 やっぱり頼り無さそー
^くぅー、 なんでテンカワだけあんなにもてるんだぁー。 よぉーしこうなったら^
ガサガサ
僻んで何かしてますね。 ウリバタケさん。 もてないのはその暑苦しい性格のせいだと思うんだけど、 あたしの勘違い?
ブーブー
非常用のベルが鳴ってます。 無意味無使用どーたらこーたら、 使われる日が来ましたね。 とりあえず拍手。 パチパチパチ
「艦内に異常事態発生ー! 原因はテンカワ・アキトォー、 おまえだぁー。 全女性クルーは妊娠する可能性があるから、 テンカワには絶っっっっ対っ!! 近づか無いようにぃー。 それから原因は医務室に隔離だぁー、 解ったカァー」
ゲホッ ゴホン ゴホン
^くっそぉー、 これもみんなテンカワのせいだぁー^
大声で演説したせいで喉を傷めたウリバタケさん。 年なのに無理するから、 でも全部テンカワさんのせいにするなんて結構やり手よね。 誰にでも取り柄はあるみたい
「テンカワ・アキト、 婦女暴行、 少女淫行、 スパイ活動、 さらに新種の病気持ちの罪状で、 一年間の医務室での隔離だっ! 神妙にいたせっ!!」
「なっにぃー! おいおい ・・」
無実の罪を被せられるテンカワさん。 バカもここまでいくと尊敬しちゃうな
「何だ? さらに殺人、 死体遺棄を罪状に追加っ! テンカワ・アキト自身の供述証拠により、 本当だと断定された」
「なに言ってんだっ!! 俺は何も言っちゃいないし、 何もしちゃいないっっ!!!」
抗議するテンカワさん。 まっ当たり前といえば当たり前だけど
「問答無用! 抵抗するようだ。 強制連行、 取り掛かれっ!!」
「わあ」
ドキッ グシャッ ドカッ
あんなに怒っていた割にはあっさり捕まるテンカワさん。 仕方が無いけど。 ホントバカばっか。 ところで、 ねっ、 みんな知ってる? 整備員の人達ってほとんど元警察。 あたしも聞いて吃驚しちゃったんだけど、 あの暑苦しい人達にはもってこいの仕事なのかもね
「ご協力、 感謝いたします」
「はぁ」
曖昧な答えを返す艦長。 艦長も整備員達の勢いには負けるよう。 上には上がいるって事ね
「でわ、これで」
ワッセ エッホ ワッセ
「・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・・ ふぅー」
ため息付くのはもちろんテンカワさん。 あそこって中から開かないのよね
^なんでこうなっちゃうんだぁー、 やっぱりユリカといるせいか? あいつは不幸を呼ぶ女(ハードラック・ウーマン)だからな ・・・ まあそんな事考えてもしょうがないっか。 はぁー、 これからどうなっちゃうんだろ俺^
ていうか、 テンカワさんの場合ナデシコに乗ってしまったってとこからもう不幸。 そのうちご苦労様って言われなきゃいいけど
ウィーン ガシャンッ ウィーン
扉が開いてまたまた閉まる
その音を聞いてテンカワさんは医者かなって思ったらしいけど、 残念あたし。 主役なんだからこれは当然? かもね
「ごめんなさい、 パパ。 あたしパパに酷い事言っちゃったみたい」
泣きながら謝るあたし。 たまには良いかもね、あたし、 少女だし
「うんっ! ごめん俺も悪かったよ」
なにが?
「パパって優しいんですね」
だから何?
「えっああ、 ところでルリちゃん。 どうやって入ってきたの? ここ」
肯いて話題を変えるテンカワさん
途端にまた機嫌が悪くなるあたし
「パパっ! ルリちゃんじゃなくて、 ルリっ! て呼んでください。 何か嫌です。 他人行儀みたいで」
「えっと、 じゃあルリ?」
言い直すテンカワさん。 ?がついてるのは恥ずかしいから?
「はいっ!」
嬉しそうに答えるあたし。 とっても幸せそう。 単純ね
「えっと、 何だっけ?」
ナイスぼけ、 いい味だしてます
「バカ」
久々ね。 別に言いたくて言ってる訳じゃないんだけど、 バカばっかなのよねこの艦(フネ)
プッ ハハハッ クスクス
笑い出す2人。 何笑ってるんだか
「あたしパパに会いたかったんです。 ごめんなさいしたかったから。 ずっと、 そしたらっ、 気が付いたらっ、 ここに来てたんです。 神様がパパに会わせてくれたのかもしれません」
臭いっ! このあたしって正真正銘のバカよね。 艦長に似てる
「どうやって入ってきたの?」
「さあ? 覚えていません」
何でもない話。 テンカワさんはガッカリしてるけど
ピッ プシュッ
「誰か一緒にいるの? お兄ちゃん」
扉が開くのと同時にイネスさんの声が聞こえる
プシュッ
あ〜あ、 閉まっちゃった
「あらルリルリも一緒なのね」
ギュッ
咄嗟にテンカワさんにしがみ付くあたし。 オーバーよね
「誰?」
「どうしたの? アキトくんと一緒にいて頭でもおかしくなった? 目が見えなくなってたりして?」
診察道具を運びながらあたしに話し掛けるイネスさん。 どうやら診察に来たよう
「・・・ ママ?」
「えっ!? 嬉しい事言ってくれるわね。 でも残念ね。 私はあなたの母親じゃない。 もちろん父親でもね」
そう言いながらも嬉しそうなイネスさん。 あたしに近づいてくる
^暖かーい。 口ではあんな事言ってるけど、 やっぱりママだ^
またまた、 言ってくれるわね
イネスさんが来る前に飛びついて、 腕を引っ張ってテンカワさんのところまで行くあたし
「あらあら」
苦笑しながらも抵抗しようとしないイネスさん
「エヘヘッ」
得意そうに笑うあたし
ピタッ
テンカワさんの前で止まる
「はい、 おーしまい。 気が済んだルリルリ?」
イネスさんは冗談だと思って、 そこで止めてしまう
「まだです。 パパとママが仲直りしてません」
「「仲直り?」」
声をハモらせて顔を見合わせる2人
「はいっ! そうです。 いつまでも喧嘩しないって約束してください。 あたしの前で」
笑ってはいるが強い意志が伺えるあたし。 熱い熱い、あたし
「どうすればいいの?」
おもしろそうに聞いてくるイネスさん。 まだまだ子供ね
「手と手を出して ・・・ ・・・ 握手っ!!」
テンカワさんとイネスさんの右手を取って、 あたしの前で繋ぎ合わせる
「なっ!?」
慌てててを手を放そうとするテンカワさん。 慌てない慌てない、 一呼吸一呼吸
グッ
「いてっ!」
「ほらもっと胸を張って! 私達は今から親子になったのよ」
遥か遠く、 見えない太陽に向かって宣言するイネスさん
「い"っ」
「ねーー、 ルぅリルリ」
「ねーーー」
首を傾けながら納得するあたし達。 カワイイかもね
^ウーン、 この2人は本当に親子じゃないのか?^
笑っているあたし達を見てテンカワさんが考える。 もちろんあたしはこんな危ない科学者の子供じゃありませんから、 そこんとこよろしくね
「パパ。 早く早くぅー」
大声で手を振りながらテンカワさんを呼ぶあたし
「だからぁー、 俺はルリちゃんのパパじゃ無いんだってば」
ブスッ
その声に反応してブスッって膨れて見せるあたし。 テンカワさんはまだまだダメね
「またルリちゃんって言いました。 今」
「あっ! ごめんごめんルリ」
勝手に怒ってるあたしだけど、 テンカワさんは気付いてなかったみたい。 ついでになぜか謝るテンカワさん
「はいっ! ・・・ 並んで並んで」
明るく返事するあたし。 両手でイネスさんとテンカワさんを引き寄せる
「フフフッ、 今度は2人で撮りましょうね。 あ・な・た」
意味ありげに笑うイネスさん。 今はあたしのお母さん、 そう割り切ってる
「い"っ、 だから ・・」
「良いのよ恥ずかしがらなくても」
顔を赤らめながら反論しようとするテンカワさん。 この2人満更でもないかも
「今はそんな事気にしないでください。 さあ、 笑って笑って。 パパもママも。 もうすぐですから ・・・ 3・2・1! ヴィッッ!!」
カシャッ
元気よくヴィサインをだすあたし。 イネスさんとテンカワさんの間に入って無邪気に笑ってる。 パパもママも。 いい写真。 でもこれがあたし達の最初で最後の家族写真
あたし、
こんな笑顔も作れるんだ。 ・・・
記憶が戻ってからの感想。 思兼に見せてもらったの、
「家族写真」
・・・ 家族が居たって言う証拠。
・・・ いつまでも残る。
・・・ 案外、 あたしが最初欲しかったのはこんなのかもしれない。
試験管の中で生まれた私。
・・・ 母からの愛情・大きな背中の父。
そんなものがある訳が無い。
でも ・・・ ・・・ ちょっと違う気もするけど、
・・・ 出来ました。
あたしの両親。
・
あたし ・・・ 親が恋しいなんてまだまだ子供ね。
・
・
・
でも ・・・
・
・
一時の思い出 ・・・ ありがとう
The End
episode of 家族写真
後書き
今回あまり暴走させませんでした。
(ルリの記憶喪失及び最後の終わり方=設定は充分暴走)
ルリにナレーターさせたので変
(マジで何やってんだか状態)
終わり方が変なのは話をルリ中心にしたからです。
(ルリルリサーガを書いてみたかったから。しかし実際そう呼べる物ではない)
だいぶ話を削りました
アニメ知ってる方はここでこんな事言わないとかいろいろあるでしょうが
何しろうろ覚えで書いた物。 気にせず気にせず
でぇわ でぇわ