スターオーシャン

■ラクア海岸の月光■

その2

作・ユーロさま


 

 

互いの温もりが心地よかった。

クロードはセリーヌと抱き合いながら、心臓を激しく高鳴らせていた。

(あのセリーヌさんが、僕の・・・腕の中にいるんだ・・・)

クロードの顔も熱くなってくる。彼の胸に顔を埋めた美女も同じだった。

セリーヌが動く。顔を上げ、じっとクロードを上目遣いで見つめる・・・。

頬が紅く染まり、瞳が潤んでいる。藤色の髪が、弱い風に震えていた。

「クロード・・・キスして」

そう言うとセリーヌは、形の良い唇を軽くすぼめた。

そして目を閉じると、ゆっくりとクロードの方へと顔を近づけていく。

クロードもそれに応じた。自らもゆっくりと顔を近づけ、自分の唇とセリーヌのそれを重ね合わせた。

無音・無言の世界。潮騒など、彼らの耳には届かない。

クロードはセリーヌを抱きしめる腕に、さらに力を込めた。セリーヌの温もりが、より熱く彼に伝えられる。

長い時が過ぎたように思えた。セリーヌはおもむろに唇をもぎ放し、ぼうっとした熱い表情で、唇から言葉を紡いだ。

「ああ・・・愛していますわ、クロード・・・」

囁きながら、頬を彼の胸に押しつける。自分の腕をクロードの背に回し、ぎゅっと力を込めた。

「好きです、セリーヌさん・・・」

クロードも彼女の言葉に答えた。

「クロード・・・クロード・・・もう一度、キスして下さいな・・・」

クロードはこくりとうなずくと、それに応じた。望むことなら、何だってしよう、僕の愛する人だから・・・

もう一度、二人は更新を重ね遭った。セリーヌは今度は、彼の背に回していた腕を

首の後ろにまで持っていった。文字通り、彼にしがみ付く形だ。

「んっ・・・」

長い口付けだ。息が持たない。セリーヌの呼吸が、わずかに荒くなったような気がした。

「・・・・・・!!」

クロードは驚愕を隠せなかった。

(なっ・・・・・・)

一瞬、呼吸を乱れさせたと思ったセリーヌの舌が、彼の唇を押し開き、口腔内に侵入し始めたのだ。

蠢くその物体は、クロードの歯茎を刺激し続けている。

たちまちのうちに、クロードは力が奪われていくような気がした。何とかこらえ、唇を

引き離そうとする・・・が、セリーヌの腕がそれを許さない。

首に腕を回したのは、まさか計画的なものだったのか・・・などと疑う余裕は、クロードには無論、ない。

セリーヌは我を忘れたかのように舌を蠢かせ・・・ついにクロードの舌に自分の舌を触れさせた。

「んん・・・・・・」

あまりのことに仰天させられたクロードだったが、一心に舌を絡めるセリーヌをとても愛しく感じた。

彼女の鼓動が、自分の胸にも伝わってきたからだ。

それは・・・言葉では言い表せぬほどに大きく激しく脈打っていた。

(ドキドキ、してるんだ・・・)

(クロード、分かりますの・・・?)

心で、そんな言葉を交わしたような気がした。

 

答えなければならなかった。

 

クロードは、その蠢く舌に、おずおずと自分の舌を絡ませる。

ビクッと、セリーヌの身体が一度だけ打ち震えた。

先ほどよりもずっと長く、情熱的なキス。

「んんっ・・・んっ・・・はん・・・っ・・・」

呼気を乱れさせながら、セリーヌは舌をクロードのものと睦み合わせた。

その時に漏れる吐息が、この上なくクロードの情を煽った。

セリーヌはクロードが舌を絡めてきたのを感じると、さらに舌の動きを微細なものに切り替えた。

そう、それまでのキスは誘いのキス。そしてこれからは燃え上がるための・・・。

クロードは力が抜けそうなほどの甘さに耐えながら、セリーヌの卓越した技巧を誇る舌に追いつこうとしていた。

 

艶めかしいキスに満足したのか、セリーヌはゆっくりと唇をはがした。

二人ははあっと息を吐く。口の間に唾液が糸を引いた。

クロードもセリーヌも、頬を上気させていた。彼女はクロードにまたも寄りかかった。

「なかなか素敵なキスですわね・・・クロード・・・」

「そうなん・・・ですか?」

セリーヌを抱き留めながら、クロードはしどろもどろになって言う。

セリーヌは彼の頬にキスすると、

「わたくし・・・力の抜けるキスなんて・・・」

ほう、と息を漏らしながらセリーヌはつぶやく。

「ねえ、クロード・・・」

一息つくと、セリーヌはとろんとした虚ろな目でクロードを見つめた。

頬をさらに紅潮させながら、鼻にかかった声でクロードに囁いた。

「クロード・・・クロード・・・わたくしを、好きなようにして構いませんわ・・・」

わたくしはあなたのものですから・・・心の中で、彼女はそう付け加えた。

「セリーヌさん・・・」

「ああ、クロード・・・・・・わたくし、とてもドキドキしているんですのよ・・・」

クロードも同じだった。

いや、セリーヌ以上かもしれない。

計り知れない緊張が、クロードを包んでいた。

クロードは、どうしたらいいのか分からなかった。

今、自分に抱き付いている女性を欲しているのは分かっている。しかし・・・

だが、助け船は意外な所からやってきた。

セリーヌだ。

彼女はクロードの頭を抱き寄せると、自分の豊かな乳房に埋めさせた。

「わっ・・・」

「クロード・・・分かりまして? わたくし、こんなにドキドキしてますの・・・」

クロードも感じていた。乳房の谷間に埋められた自分の顔に、彼女の心の鼓動と、

余りにも柔らかな女の肌の温もりが伝わってくるのを。

「好きよ、クロード・・・」

セリーヌは身にまとった薄絹を、焦らすように脱ぎ始めた・・・。

 

TO BE CONTINUED

 

 

 


(update 99/05/08)