明治日本の産業革命遺産(長崎の遺産を中心に)

 

   特徴;8エリアに遺産が分散しているが、幕末から明治にかけての日本の産業が進展。 
  ストーリー性を持っている。これまでの日本の世界遺産とは異なる視点。
  世界遺産の本場ヨーロッパでは、国をまたがるケースもある。その例として、
  「ローマ帝国の境界線」がある。これは、イギリスとドイツに分散。イギリスの
  「ハドリアヌスの長城」「アントニヌスの長城」ドイツの「リメス=防壁ドナウ川からライン川
  まで
550q」

     ローマ帝国の境界線の構成資産の一つが、ドイツの小都市=アーレンにある。
   ローマ帝国の駐屯地があったところで、観光客よりも、学生・生徒・児童への教育の場    

となっている。

      長崎が目指す世界遺産

   「明治日本の産業革命遺産」と「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」長崎市

 総務局に「世界遺産推進室」を設け、活動している。

     産業革命遺産を構成する資産 
   811市に分散 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県

   北九州市、大牟田市、中間市、佐賀市、荒尾市、宇城市、長崎市、鹿児島市、萩市、
   釜石市、
 伊豆の国市

    構成資産と時期

   試行錯誤期(蒸気機関以前);韮山反射炉、萩反射炉等

   西洋技術導入(蒸気機関);小菅そろばんドック、高島炭鉱、グラバー住宅

   産業成熟期(電力導入);長崎造船所、端島炭鉱、八幡製鉄所

      長崎造船所の資産

   第三ドック;現在も使用中(艦艇関係)
   ジャイアントカンチレバークレーン;使用中(ボイラー部品類の積み込み)
  旧木型場;現在は、史料館として活用。船のスクリューを作っていた。解体の可能性があった。
  占勝閣;造船所の迎賓館。曾禰達蔵の設計(海軍から三菱へ)丸の内地区の設計も担当。

     市内の資産

  小菅そろばんドック;三菱重工所有。現在では、管理を長崎市に委託している。

  グラバー住宅; 高島炭鉱;グラバーと佐賀鍋島藩が共同で掘削に着手。近くの伊王島、
  横島(現在は、岩礁と
なっている)にも、三菱鉱業の炭鉱、施設があった。
  高島には、グラバー  別邸跡が残っている。

  端島炭鉱;岩礁に手を加えて、最新式の海底炭鉱となった。
   軍艦島で働いていた人たちが、耐え切れずに、泳いで対岸に逃げたこともあった。
  
そのような人たちの墓が、対岸の南越の海岸にある。地元の人たちが丁寧に葬ってあげたそうです。  また、野母の海岸には、韓国人海難者を弔う社がある。
  野母崎地区には、昔から、密入国・密貿易を取り締まる監視所があった。
  野母崎高浜地区には
昭和30年代から40年代の始めまで、監視所があり、密入国者を取り締まってい  た。密入国は 冬場が多く、近隣の住民が、風呂を沸かしたり、食事を与えていた。
  その後、大村の収容所に移送。
  
一方、現在、香焼の南西700mに浮かぶ二つの岩礁がある。そこは、明治27年(1894)から明治35    (1902)の8年間、炭鉱、三菱合資会社の事務所があり、最盛期には、130戸、700人が住んでいた。    閉山後、石垣を撤去、土砂が流出し、昭和40年(1965頃から、沈下崩壊による水没が始まり、
  
現在は東西二つの岩礁が残るのみとなった。地元では、「潜水艦島」と親しみを込めて、呼んでいる。
  
軍艦島も、保存を上手にしないと、同じ道を辿る可能性大。

 

  長崎県では、二つ目の世界遺産候補として「キリスト教会群」がある。長崎市、佐世保市、南島原市、   平戸市、五島市、新上五島町、熊本県天草に構成資産がある。

 

  地元側の対応改善必要

     公共交通機関の丁寧・親切な案内;

     市民の親切な声掛け;旅行者とわかりながら、知らないふり。積極的に声を掛ける。

 ホテル・旅館の手際の悪さ改善;チェックイン時の対応悪い。繁忙時にやたらと値上げする無神経さ。

 電車内の市民のマナー改善;詰めて座らない。年寄りに譲らない。譲られた年寄りも座ろうとしない。
  県・市で観光客の不満吸い上げ改善(不満には、丁寧に回答)