「ジョバンニ・バチスタ・シドッチの墓と推定した経緯と根拠について」
 
はじめに
東京都文京区小日向一丁目に所在する「切支丹屋敷」 跡(文京区小日向一丁目東遺跡)の
発掘調査において169、170、172遺構という3基の埋葬遺骨が出土した。
埋葬遺構からはそれぞれ1体づつ計3体の人骨が検出された。「切支丹屋敷」とは、江戸時代、
幕府が小日向に設置したキリシタンや棄教者らの収容施設であるが、『小日向志』によれば、
イタリア人宣教師ジョバンニ・バディスタ・シドッチや長助・はる夫婦の墓が「切支丹屋敷」内に
あったという記述がある。今回の調査において、ミトコンドリアDNA分析を実施した結果、169
号遺構出土の人骨がヨーロッパ人の人骨であることが判明し、本人骨がシドッチである可能性
が高まったことから、次世代シークエンサを用いたDNA分析を行うと共に、文献史学、人類学、
考古学、による総合的検討を行うこととなった。その結果、埋葬遺構である169号遺構は
シドッチの墓であると判断されるに至った。
 
以下、
 @経緯
 A江戸時代の当該地周辺の沿革
 B「切支丹屋敷」の変遷
  C人骨の自然科学分析
  D「切支丹屋敷に収容されたイタリア人」
   等々画像を交え講演して頂きました。
 
1700年代の徳川幕府による禁教の時代に起きた一つの事象ですが、ときの幕府の重鎮の
新井白石がシドッチの尋問に当たったこととか、何らかの形で長崎も絡んでいたこととか...
実際調査に文京区の担当者として、この事業に携わられた池田さんの、生のお話が臨場感を
もって聞くことが出来て、興味津々の講演会となりました。