「長崎文献社の秘蔵資料」
-古地図、古写真、丸山遊女のことなど-

レポーター:堀 憲昭


長崎楽会2003年4月例会レジュメ ・報告者・堀 憲昭   2003年4月23日

テーマ;「長崎文献杜の秘蔵資料」一古地図、古写真、丸山遊女のことなど

<はじめに>
・長崎文献杜のホームページ>>(http://www.e-bunken.com)
・昭和40年(1965)設立、平成13年(2001)自己破産、平成14年新杜再建
・再建39株主は長崎を代表する企業(経済人)、文化人、ジャーナリストらが
・有形無形の文化・学術的資産の散逸、流出を危倶する有志が再建に出資した

1)「長崎学のすべて」を刊行
・古賀十二郎の著作物刊行が出発点>>手書き原稿は長崎県立図書館に所蔵(閲覧可)
 『長崎洋学史(3巻)』『丸山遊女と唐紅毛人(2巻)『外来語集覧』など
・歴史の宝庫・古書を復刻して限定出版で経営をささえる
 『長崎代官手代控』『長崎古今集覧名勝図絵』『長崎虫眼鏡』『長崎土産』など
・郷土史家を育てる出版
宮田安(唐通事)、中西啓(シーボルト)、丹羽漢吉(近代)、竹内光美(墓地研究)

2)古地図、古版画、古写真、観光ガイドブック
・『長崎への招待』は8刷りまで重ねたベストセラー>>『長崎ひとりあるき』へ
・長崎版画の復刻で美術出版>>出島図、複製版画セット刊行、絵葉書セットなど
・唐蘭館絵巻の復刻〉〉桐箱入り絹本巻物が大当たり〉石崎融思、川原慶賀もの
 実物再現の桐箱入りは定価50万円で完売(限定100セット)
 
3)丸山遊女に関するデータ
・明治末の古地図丸山図>〉花月庭園の大きさ、遊郭30軒余と検番、料理屋
・『丸山花街の図』の鳥瞰図(藤慶版)〉石畳、2重大門、物売り、外人(キッス)
・古賀十二郎の研究の凄さ>>色町の杜会学>>(統計、証言、考証と微細にわたる)
  (古賀原稿については後日再度報告)
  
4)今後、長埼文献杜になにができるか
・経営安定の出版活動の方針>>観光ガイドブックと連動、啓蒙書、入門書
・長崎学の本山としての文化財出版の原点に戻る
・販売ノレートの拡大>>書店だけでなく、直売ルート開発

                                   以上