想い出の三角屋根:長崎駅舎
山下博幸


三角屋根と高架広場

sankakuyane_01.jpg

長崎へ帰省するたびに長崎駅舎の三角屋根を見ては「長崎に戻った」と実感していた。
駅ビル新築のためあの「三角屋根」が姿を消したのは今年の3月。
長崎市街の建物は長崎の歴史や文化と調和していないようだ。
長崎が観光で生きていくのならば あんなつまらないビルの乱立とはならなかったのでは。


稲佐山と三角屋根

sankakuyane_02.jpg

大半の人が 長崎の山といえば「稲佐山(稲佐岳)」をあげるだろう。
長崎にいた頃、毎日のように稲佐山が視界に入った。
実家(西琴平町)からは正面に三菱重工長崎造船所の船台があり、
視線を右へ移すと稲佐山がいつも穏やかな姿を。
最西端の駅、終着駅の長崎駅。
この駅舎は三角屋根が名物だったのに、その姿を消した。
青春時代の想い出の建物がまた一つ長崎の街からなくなった。


三角屋根

sankakuyane_03.jpg

最後に三角屋根を見たのは今年の2月中旬だった。
あの三角屋根を眺めるたびに心が和んだものだった。
故郷を離れて30年が経過し、ますます故郷の存在が大きくなっていく。


長崎駅舎のステンドグラス

sankakuyane_04.jpg

長崎駅舎正面にはステンドグラスが嵌められていたことを
知っていた人は多くないのでは。
高架広場から注視すれば気が付いたかも。
どんな模様かは残念ながら覚えていない。


さようなら 三角屋根

sankakuyane_05.jpg

さようなら、三角屋根!
お前は長崎をこよなく愛する人たちの
心の中で いつまでも その姿を映すのだ。

(写真提供:中島大輔氏)


戻る