行政あれこれ

< 目次 >
宮島の鹿問題に関する第4回協議会へのお願い、および返信(2009年5月28日掲載)
動物ジャーナル記事の抜粋 猫の殺処分−−この事実(2005年1月5日)
市長からの回答(2005年2月24日)
緊急情報
緊急情報に対する、神奈川県総務部人事課長からの回答および市からの回答
保健所への要望書
1.野良猫の現状を知ってください
2.野良猫も含めた動物愛護や適正飼育の普及啓発を図る
3.野良猫の不妊・去勢手術を普及するための助成金制度の確立
・猫問題の話し合いの経過概要
・所有者の不明な猫をお世話する方へ(案)
・第5回話し合いに関する抗議書の提出(区長、保健所長宛て)
・メンバーについて
・叩き台と称するガイドライン(案)の文章について
区長からの回答
猫トラブル防止対策検討委員会(仮称)への要望などについて(回答)
1.メンバーについて
2.ガイドライン(案)の文章について
3.検討委員会の名称について
市長への手紙 (2002年8月23日)高橋玲子 / 件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応について
  / 件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応について
市長への手紙 (2002年9月10日)高橋玲子 /件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応(その2)について
/件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応(その2)について
私共が要望していた3件の回答
市長への手紙 (2002年8月23日)新井正美
    / 件名:要望者不在の検討委員会(行政のあり方)について
市長への手紙
  / 件名:要望者、立案を考えた当事者を排除して作る検討委員会について(役人の体質について)
市長からの回答(2002年10月8日)
第一回会議で配布した資料(2003年1月27日)
猫に関する委員会議事録
保土ヶ谷区猫に関する委員会報告書(2003年12月)
保土ヶ谷区ねこのリーフレット発行(2004年3月)

はじめに 保健所への要望書

平成13年3月16日

保土ケ谷保健所所長 三宅 俊太様
このたびの話し合いに際して私が考えていること、行政への要望をまとめてみました。

野良猫の苦情の電話が保健所の方へ多く寄せられていると聞いております。
猫のフン害、エサをやる人への非難等トラブルが発生しているのは現実です。

保健所に苦情の電話してくる人たちは保健所に問題を解決してほしいからではないでしょうか?
保健所ではこのような野良猫の苦情の電話にどのように対応なされているのでしょうか?
保健所が対応されて問題が解決した例はありますでしょうか?

私は猫の捕獲に行く先々で「保健所の人ですか?」とよく聞かれます。
「私は個人でしていますが、たとえば保健所の人がこのような活動
(野良猫を捕獲して不妊・去勢手術をする)をしてもおかしくないですよね?」
と聞き返しますと、ほとんどの人からYESの答えが返ってきます。

この反応から野良猫対策に保健所の人が出かけてもおかしくないですし、
区民の理解は得られるのではないでしょうか?

猫の嫌いな人も不妊・去勢手術で猫の頭数が増えず、
周辺の環境の悪化が防げるならば、大いに歓迎されるはずです。
特に苦情の電話をかけてくる人には保健所が対応してくれて文句のでるはずはないと思います。

私は今後の保健所の動物愛護担当員に大いに期待をもっています。
平成12年12月より「動物愛護および管理に関する法律」が施行されました。

法律の主旨である「命あるものである動物と人との共生」を実現するために、
住民と口のきけない動物との間に立って活躍していただく場が多くなってほしいと思います。

次に行政への要望をいくつかまとめました。

1.野良猫の現状を知ってください

磯子区は全国に先駆けてホームレス猫対策を実施し、
「地域猫」が全国に知られるようになりました。
このシステムも一朝一夕に作られたものではなく、
区の獣医師の熱意があってこそできたのだと聞いております。
黒沢獣医師は2年間住民の中をまわり、野良猫の実態を自分の目で確かめ、
住民の話を聞かれたそうです。まず、保土ヶ谷保健所の担当の方が直接住民の声を
聞いてまわることから始めていただけないものでしょうか?

2.野良猫も含めた動物愛護や適正飼育の普及啓発を図る

現在住民の間ではフン害やエサやり、野良猫が増える等で混乱が起きています。
これは野良猫に対する区としての指導が明確にされていないからなのです。
この辺で人間の知性をもって問題解決に向けて積極的に取り組むべきではないでしょうか?
(例:磯子区の猫の飼育ガイドライン、栄区のホームレス猫のはなし)

3.野良猫の不妊・去勢手術を普及するための助成金制度の確立

野良猫の手術をしてやりたいが猫が捕まらないという方は多くおられます。
そんな時、保健所に問い合わせて捕獲のアドバイスや低料金の病院の紹介を
うけられたら自分で解決できる方も多いのではと思います。
相模原市では野良猫の不妊・去勢手術に助成金メス4000円、オス2800円が支給されています。

同じ税金を払っているのに区の職員の資質によって住民が行政から受けるサービスに差
があることが残念です。住民の意識の高さが行政を動かすのか行政の資質が先なのか
わかりませんが、住民の声を真摯に受け入れる行政であってほしいものです。
野良猫問題に関してはこれからもいろいろな方向から議論を重ね、
保土ケ谷区の実情に合った対策ができますように切望しております。

高橋玲子

猫問題の話し合いの経過概要

第1回 平成13年3月16日
堀井市会議員、住民6人、保健所長以下4人
*猫に関する行政対応等について説明
*野良猫をお世話している方の意見・要望
*野良猫からの被害防止について

主な保健所への意見・要望
・保健所職員が直接住民に動物愛護を働き掛けてほしい。
・野良猫の実態を知ってほしい。
・普及啓発事業を積極的に図ってほしい。
・不妊去勢手術の助成金制度を確立してほしい。

第2回 平成13年5月22日
堀井市会議員、住民7人、保健所長以下4人
*主に高橋さんからの意見・要望についての話し合い

主な保健所への意見・要望
・餌を与えている人に対する周囲の理解が足りないので協力してほしい。
・ホームレス猫の具体的な対応策を実施してほしい。
・お世話の仕方について、独自のマニュアルを作成してほしい。

第3回 平成13年7月9日
堀井市会議員、住民4人、動物愛護団体(猫防止会・動物たちの会)2人
磯子保健所食品衛生係長、元磯子保健所獣医師、保健所長以下5人
*磯子区での「地域猫」への取り組みについて
*動物愛護団体の取り組みについて説明
*保土ヶ谷区のガイドラインについて

所有者の不明な猫をお世話する方へ(案)

主な意見
・野良猫の不妊去勢手術は、行政責任で実施すべきだ。
・周囲に配慮した実践的な活動が組織化のベースとなる。

第4回 平成13年11月22日
堀井市会議員、住民7人、保健所長以下5人
*これまでの話し合いの経過及び猫に関する苦情と引取りの状況について
*所有者の不明な猫をお世話する方へ(案)について説明

意見・要望
・磯子区のマニュアルと同じではないか。
・文言をわかりやすくし地域の方に理解されることが必要。
・ガイドラインを配布して地域の方に実践して頂くことが重要。

次回は、高橋さんから提案して頂いた「飼い主のいない猫をお世話する方へ」
を完成して頂き再度検討しましょう。

第5回 平成14年7月5日
堀井市会議員、住民7人、保健所長以下4人、大久保獣医師
*これまでの話し合いの経過
*今後の対応について(検討委員会の設置)、マニュアル(案)の検討

(第5回会議、提示文書)
保土ヶ谷区の野良猫問題について、計4回の話し合いを重ねてまいりました。
目標としていた野良猫対策のガイドラインの作成も保土ケ谷区の今年度の事業計画に
加えていただき、実現に向かっています。行政による(案)が作成されておりますが、
残念ながら、私の求めていたものとは違っていることをお伝えいたします。

内容的には磯子区のものと同じですので、他の区の作られたものを批判するつもりはありません。
私自身、今までを振り返って反省する点が多々ありますが、ガイドラインという形のあるものを
作りたいという思いが先に立ち、肝心な点を曖昧にしてしまいました。

一つは行政の責任の問題です。ガイドラインに沿った政策を行うことで、
行政がどのような責任が取れるのかがわかる内容にしていただきたいのです。

例えば貧しい人が野良猫の世話をしていて不妊手術をしてやりたい時、
行政は何ができるのでしょうか。

財力のない子供が猫を拾ってしまった時、どうしてあげられますか。
行政の指導で、動物病院で殺処分をさせるのは子供の心を裏切ることになりませんか。

次はガイドラインの運用の問題です。行政は不妊・去勢手術の必要性は理解していても、
実践はしていません。これを善意の人にやらせるのですか。

このガイドラインに押しつけがましく書かれている野良猫の世話(不妊手術も)を、
皆さんが同じ立場に立たされた時、自ら、同じような行為を実践するつもりはあるのですか。

自分ができない事を人に押しつけるのは無理だと思いますが、
皆様はどのようにお考えになりますか。

今日の野良猫問題は、住民の無理解と行政の無作為(怠慢)が原因です。
ガイドラインを作成するにあたっては、この点を十分考慮していただいて
行政は運用にあたり、行政の責務について明らかにすべきではないでしょうか。

平成14年 7月5日 
高橋玲子

第5回話し合いに関する抗議書の提出(区長、保健所長宛て)

抗議と要望
ホームレス猫に関する話し合いの打切りと、ガイドライン作成メンバーに私達を入れな
いことは、一方的且つ意図的です。この決め方に抗議します。

今回(7/5)も内容の積み重ねという事で出席しましたが――運営委員会を作ること、
そのメンバーは行政で決め、私達は入れない(公聴会方式でお茶を濁す)、
この話し合いを打切る――こんな安易で一方的な決め方に私達は納得していません。

メンバーについて

町内会、連合会の方、民生委員・・・ノラ猫は迷惑千万という苦情を聞いていて、
ノラ猫の排除が予想されます。また、実際に現場で行動した人を見つけられるでしょうか?

1. 獣医・・・専門家とはいえ、営業面が強く、
  人間の作り上げた公害など理念を持っている人を探せるでしょうか?

2. 行政・・・現場に出てつぶさに調査(聞き取り)を行い、
  問題点を考えて解決するという過程を実践したことがありますか?
  行政主体で、ノラ猫の捕獲、餌やりの実際経験がない
  (動物観察の経験もない)のではないでしょうか? また、予算作りも行っていないのでは?

3. 身体をはって捕獲、運搬、手術を行って、ノラ猫を減らす努力をし、
  実績を持った人をなぜボイコットするのですか!!
  命は大切と考える貴重な人達を抜きにして良いのですか?
  不当な排除や格好の良い話し合いは絵に画いた餅になります。

叩き台と称するガイドライン(案)の文章について

目につくのは、苦情に対する機嫌取りだけ。命は猫も人も同じと、
手術、餌やりを実践しているのに、その人達にだけ、モラルを一方的に押しつけています。

1. 基本となる理念を掲げるべきではないか。
  動物との共生、人間が作り上げた公害の認識、社会教育の場であるということ。

2. 行政の責任とともに運用しなければ、意味がありません。
  捕獲(方法も含む)や、生かして減らすための手術代の予算を作ってから、
  ガイドラインを発行してもらいたい。
  また、この度どれだけ予算をとったのか公開していただきたい。

最後に、付け加えさせていただきます。私達は話を整然と相手に伝える事が不得手で、
7/5の集会ではただ唖然として一方的な役所側の話を聞いて帰ってきてしまいました。
ゆっくり考え直してみて、やはり「変だ」という思いがぬぐいされないので、
この抗議文を提出します。ご検討および対応の程、宜しくお願い申し上げます。
以上

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区長からの回答

平成14年8月9日
保土ヶ谷区長 大谷幸二郎

猫トラブル防止対策検討委員会(仮称)への要望などについて(回答)

お手紙を拝読いたしました。
猫につきましては、区民の方々から苦情や要望等も含め多数寄せられており、
区役所としても従来の動物に係る適正飼育等の普及啓発に加え、
猫について何らかの対応が必要と考えております。

また、平成13年3月から、野良猫に餌を与えるなどの世話をされている高橋様らと、
野良猫に関する話し合いを5回行い、意見交換や要望をお聞きしました。

その中では、野良猫の飼育ガイドラインについて作成要望もあり、
意見を交換した経緯もございます。(話し合いの経過につきましては別紙を参照願います。)

そこで、本年度から地域での猫に係るトラブル等を減らし、
より住み良い生活環境を確保するため、猫トラブル防止対策委員会を設置し、
猫の飼育方法や接し方等のルールづくりをすることといたしました。

この度お寄せ頂いたご意見・ご要望につきましては、次のように考えておりますので、
よろしくお願いします。

1.メンバーについて

検討委員会のメンバーにつきましては、
区民の理解と共感が得られるルールづくりを目指すことから、地域団体代表、
行政が日常生活のなかで保健衛生や地域生活に密接に関わり委嘱している委員等の協議会代表、
専門家である獣医師会代表及び行政代表で構成することといたしました。
なお、今までの経緯もあり、「仮称ノラ猫について考える会」を代表して高橋様から、
第1回委員会におきまして意見をお聞きする機会を設けたいと考えております。

2.ガイドライン(案)の文章について

ガイドライン(ルール)の内容につきましては、今後検討委員会で議論してまいります。

3.検討委員会の名称について

名称につきましては、現在は仮称であり第1回目の会議で決定してまいります。

(参考)
話し合いの経過等
第1回 平成13年3月16日
*野良猫の世話をされている方から意見、要望
*猫に関する行政の取り組みについて 他

第2回 平成13年5月22日
*野良猫の世話をされている方から意見、要望 他

第3回 平成13年7月9日
*磯子区及び動物愛護団体の取り組みについて
*野良猫の飼育ガイドラインについて 他

第4回 平成13年11月22日
*野良猫の飼育ガイドラインについて 他

第5回 平成14年7月5日
*話し合いの経過及び今後の対応について 他

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市長への手紙
2002年8月23日 高橋玲子
件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応について

平成13年3月より行政と区民の有志で、野良猫問題を5回話し合いを重ねてまいりました。
「屋外で生活する猫の飼育ガイドライン(案)」が作成され、内容を検討していくことになっていました。
ところが7月5日第5回の話し合いの席で行政より、今後の私達との話し合いはこれで打ち切りにする。
今後は「猫トラブル防止対策検討委員会」なるものを設置して、ガイドラインを検討していく旨の通告がありました。

メンバーは連合町内会長、獣医師、民生委員、保健推進委員、センター長等7名に決まっておりました。
当初から関わっていた私たちはメンバーから除外されました。

後日、抗議文を作成し、センター長と区長に届け、回答がありました。8月20日に臼井課長に電話を入れ、
この件の決着がつくまで委員会の開催は進めないでほしい旨、申し上げました。
もうすでに1回目の日程も決まり(9月26日)、各メンバーに通知を発送したとのことでした。
(今までの行政とは思えない速い対応にビックリです)。

行政としては委員会を中止するつもりはないと云われました。
私達は行政のこのような一方的な横暴なやり方に、断固抗議をしていきたいと思っております。

しかし、私達のような何の力も持たない一般市民は、このような場合どうしたらいいのでしょうか。
中田市長が情報公開を積極的に進められ、先日の新聞では「役所がやることは間違いないという
『お上意識』が日本の活力のなさにつながっている。

横浜から『お上意識』を払拭して閉塞感を打破して新しい時代を作っていくのが私の使命」
と述べられたとの記事を読んで、市民として大いに期待して見守りたいと思います。

私達の保土ヶ谷区長に対するささやかな要望、提案は次の通りです。
(1)「猫トラブル防止対策検討委員会」のメンバーは、一般区民からの公募にする。
(透明性があり、民主的であり、皆の意見を取り入れることができ、開かれた行政といえる)。

(2)獣医師が動物の専門家というなら、動物愛護の専門家として愛護団体より参加していただく。
(神奈川県が認可している団体が2つあります)。

(3)今回のガイドラインを作成するにあたって(運用も含む)予算はどれだけとっているのか、公開して下さい。
(前の質問の回答がありませんでした)。

以上の3つを要望しておりますが、実際には、どのように行動したらいいのでしょうか。
近日中に秘書課の方へご相談にお伺いするつもりです。どうか宜しくお願い申し上げます。

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市長への手紙
2002年9月10日 高橋玲子
件名:保土ヶ谷福祉保健センターの対応(その2)について

8月23日付市長への手紙の経過

9月5日(木)1:45〜2:15  大谷区長との面談、当方は市長への手紙の差出人3名
発起人がガイドライン検討メンバーに入れない理由

大谷区長:猫全般の飼育についてのガイドライン作成のため、野良猫だけに限定している
(関わっている)私共は不適切である。

発起人の反論:野良猫の元になっているのは飼い猫の不良飼育者であることは以前より
保健所にも認識を訴えている。

飼い主への飼育指導を同じ家に2回実施してくれるように動物愛護指導員である
大久保獣医師に依頼したが、何も代わらなかった。

その飼い猫は今も子猫を産み続けている。愛護法があっても運用されなければ、絵に描いた餅である。
ガイドラインも運用できるものを作ってほしいと望む思いは私共の方がもっと強い。

私共が要望していた3件の回答

(1)「猫トラブル防止対策検討委員会」のメンバーは一般区民からの公募にする。
(透明性があり民主的であり、皆の意見を取り入れることができ、開かれた行政といえる)。

大谷区長:9月26日の第一回目の検討会までもう公募している時間がない。但し、委員会は公開する。

発起人の反論:磯子区のガイドラインも8年くらいかけて作られたものである。
私達も1〜2年くらいかけて区民が運用できるものを作りたい。
14年度の事業計画に入っているからといって急いで作るべきではない。
9月26日に見切り発車だけはしないでいただきたい。公開しても、私達には意見が言えないので意味はない。

(2)獣医師が動物の専門家というなら、動物愛護の専門家として愛護団体より参加していただく。
(神奈川県が認可している団体が2つあります)。

大谷区長:保土ヶ谷区としてのガイドライン作成のため保土ヶ谷区民の参加にしたい。
保土ヶ谷区には愛護団体がないので参加はできない。

発起人の反論:神奈川県が認可している愛護団体は神奈川県全体が活動地域だと思います。
愛護団体にも大小いろいろありますが、広い意味では愛護活動をしている私達のグループも
動物愛護のグループといえるのではと思います。
区長のおっしゃっている愛護団体とはどのような基準の団体で具体的にどの団体をさすのでしょうか。

(3)今回のガイドラインを作成するにあたっての(運用も含む)予算はどれだけなのか。

大谷区長:20万円である。もし今期で使わなければ没になる。

発起人の意見:予算を消化するために急いで今期にガイドラインを作る必要はないと思う。
税金のムダ使いでもあるし、市民の血税であることを考えれば、有効に使っていただきたい。

以上、私達の要望に対する区長の回答です。
結果として、こちらの要望はすべて却下されてしまいました。

区長との会談で感じたことは、区長の区民の声を真摯に受けとめる姿勢が見られなかったこと、
住民の声を無視する行政側の強引なやり方、私達の活動に対する行政職員の認識の無さと資質の低さ、
公僕という立場を忘れた対応、ついでに公明党議員の無責任なやり方です。
これは行政のやり方の定番なのでしょうか。

ただの一市民である私が、今まで9年間、自分の時間と費用をかけて、野良猫の不妊手術をしてきた結果が
このようなものなのでしょうか。

一市民がこのような活動をしなければいけないのはおかしいのではと思いながら続けてきました。
私はもう何年も前から横浜市衛生局に対し、「野良猫問題では各区で対策がまちまちで
住民が混乱してトラブルになっている。

横浜市として、ガイドラインを作ってほしい」と訴えてきました。
対する衛生局の答えは、「衛生局は各区の上に立つものではないので、市で作って区に配布することは
できない」というものでした(当時は渡辺氏)。

それならば何とか区で作りたいと区と話し合ってきましたが、区は私達の意向を無視して、行政側に
都合のいいもの(責任と運用のあいまいなもの)を作ろうとしています。

ぜひ、市長にお願いします。
このような意識の低い区の担当者によって運用のできないガイドラインが作られることのないように、
横浜市として行政の責任と運用を盛り込んだ野良猫のガイドラインを作ることを検討していただけませんか。

その時には、どうか机上で愛護を語る人ではなく、実際に身体と時間と身銭をきって野良猫のために
活動している人の声を聞いて下さい。

以上
横浜市のら猫同盟宣言添付

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市長への手紙
2002年8月23日 新井正美
件名:要望者不在の検討委員会(行政のあり方)について

人間に見捨てられ、ゴミあさりを余儀なくされている野良猫の現状を痛み、
保土ヶ谷区役所で行われた野良猫に関する話し合い(第五回 平成14年7月5日)に参加しました。
今後の対応ということで、保健所側から「検討委員会を設置する」という提案がなされ、
その委員会の中で「野良猫に対するルールづくりをする」旨、説明を受けました。

しかし、そのメンバーは地域団体代表、民生委員、獣医師らに限られ、もともと本件の要望者であり
発起人でもあるボランティア(愛護運動を自主的に続けている一般市民)は、第一回検討会の意見発表
を許されたのみで、その後の会に出席することを拒まれてしまいました。

なぜ、当事者が検討委員会のメンバーに加えられず、参加も許されないのか、
抗議書を区長宛に提出しましたが、送られてきた回答は上記メンバーが市民の代表であるからという
趣旨だけで、到底納得できるものではなく、発起人であるボランティアを排除しようとする意図を、
より一層強く感じました。

なぜ、発起人不在の検討会でなければならないのか?
そのような検討会で何が変わるというのか?

このような不満を抱きながらも、密室で行われようとしている「机上の空論ともいえるルールづくり」に反論する
手立てがありません。市民に開かれた見通しのよい検討会の実施を心から要望しております。
今一度、区の運営という下部組織にも目を移し、行政のあり方を見直していただければ幸いです。
私という一市民の声が市長に届き、市民のための行政に反映されることを願ってやみません。

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市長への手紙
2002年8月26日 大谷とし子
件名:要望者、立案を考えた当事者を排除して作る検討委員会について(役人の体質について)

経過
野良猫は難民と同じです。その為に日々苦心して日常的に近隣と付き合い、
なんとかガイドラインを作ろうと区に働きかけて行政との集まりを持ってきました。
7/5に集った際、突然、次回よりは私達メンバーを排除(1回だけ公聴形式で1名だけは呼んで格好をつける)、
メンバーは行政が決める予算もとったという事。

問答無用。余りの暴挙に抗議をかねた質問状を区長宛に提出した。

しかし、的をはずした返事。相も変わらず、ぼやかす。責任は明らかにしない。予算も公開なし。
何も出てこない。既に日程、メンバーの人選も決まっているようだが解らない。
今の行政(保土ヶ谷保健所)が野良猫のトラブルが起きたとき(少なくとも2件〜3件と同じ場所で電話が入る筈)

*現地に入って身をもって調査したことがあるか?
*市民の中に入って何が問題か、自分の五感で物事を考えた事があるか?
*つまり、泥ンコになった事がない(電話で応対して解決したと思っている)。

そんな役人の感覚と頭で、今までやってきたやり方にはずれないようにメンバーを決める(つまり、シナリオ作り)。
また、このメンバーを調べると(オンブズマンも調査した)、行政依頼の仕事を市民に伝える役目をしている。

それに対して補助金が出される。しかし、私達市民はこの人達がどうやって決められた人たちかは、
あずかり知らない。このような遠い人達と会合すれば、ギクシャクはしない。格好よく早くまとまる。

もう一度、
(1)誰の為に、そして何の為に、野良猫対策をとるのか。メンバーは公募する。もっと謙虚になれば、役人主導のガイドライン作りなどやれない筈。

(2)その上で予算の内容を公開する。
以上、怠慢行政にあきあきした市民よりお願いします。

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市長からの回答(2002年10月8日)
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日ごろから、市政にご協力いただきありがとうございます。
お手紙をいただきました件について、別紙のとおりお答えします。
今後とも、市政にご理解とご協力をお願いします。

横浜市長 中田宏

(別紙)
昨年からの話し合いは、有志の方々と飼い主不明猫について意見交換等を行ってきたものです。
今回の委員会では、飼い主不明猫だけでなく、猫の飼育方法などを含めた全体的な事項を対象に話し合い、
快適な市民生活を目指して検討する機会と考えています。

委員会のメンバーについてですが、保土ヶ谷区内各種団体などから選出された委員に、公募による委員を加え
構成します。公募の方法などについては、広報よこはま ほどがや区版11月号により皆さんにお知らせします。

また、検討会は、皆さんが飼い主不明猫だけでなく、猫についてどのように考えられているかを知る機会
でもあると考えます。更に、委員会の意見や結果に基づくルールができ、普及啓発できれば意識の高揚や
変化が期待できると考えます。

 今後も、人と動物が共生できる街づくりに努めていきますので、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

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  緊急情報

神奈川県知事室 御中
横浜市長室 御中

神奈川新聞(2003年1月31日付)記事の抜粋
女性職員を停職一カ月(県処分)
――猫に餌の住民暴行
 県は三十日、近隣住民に暴行し、けがを負わせたとして、港北署に傷害容疑で逮捕された県総務部の女性職員(35)を停職一カ月の懲戒処分とした。
 県人事課によると、女性職員は昨年三月二十日夜、酒を飲んで帰宅途中、横浜市内の公園で野良猫に餌を与えていた近隣に住む六十歳代の女性の顔や背中をけり、二週間のけがを負わせたという。
 女性職員は、以前から女性が野良猫に餌を与えることをめぐって、女性といさかいが生じていたという。港北署からの出頭要請に応じなかったため同年十二月、傷害容疑で逮捕され、傷害罪により罰金二十万円の略式命令を受けた。
 女性職員は、出頭要請に応じなかった理由について「大きなことだと考えていなかった」と話しているという。

1月31日付の朝刊(朝日、神奈川新聞)の県職員の暴行事件に対する処分がわずか停職一カ月であるとの記事を読んで唖然としました。県の動物愛護の担当者及び一般職員の動物愛護思想の立ち遅れからこのような問題を引き起こした事であり、知事を含め職員自らの問題として受けとめるべきことではないでしょうか。県は弱い者に暴行する犯罪者が職員として通用する甘い体質なのですか。新聞報道によると警察の出頭要請にも八ヶ月の間応じなかった後の逮捕であることから、非常に悪質だと考えます。「大したことだと思わなかった」との本人の発言には反省の気持ちを感じることはできません。このような非道な人間を停職一カ月で職場に復帰させる県の体質はいかがなものでしょうか。県民として怒りを覚えます。

このような事件が起きるのはどうしてでしょうか。

県と市の動物愛護行政の立ち遅れが原因だと思います。今日まで、県と市は、人間側の都合だけで、毎年たくさんの犬や猫を殺してきました。しかも市民、県民の税金を使って。命を救うための対策は何もせず、横浜市は獣医師会に委託をして、県は動物保護センター(実体は殺処分センター)でひたすら殺してきました。命を粗末にする行政のもとでは、特に野良猫への風当たりは強く、「エサをやるな!」の言葉の暴力がエサを与えている人にぶつけられます。今回の事件もそのような延長線上で起きたことです。事実、この事件以外にもこのような恐い思いを体験している人たちがたくさんいます。今のままでは、また同じような事件が起きる可能性はいたる所にあります。それを未然に防ぐのが行政の責任ではないでしょうか。

お粗末な県政市政の犠牲になっているのは弱い立場の犬猫や心優しい人間という構図ができています。この県職員にたとえ一カ月でも野良猫のエサやりを体験させて下さい。動物愛護法も読ませて理解をさせて下さい。私の抗議の電話に対し、総務課の上司や人事課はひたすら謝罪するのみですが、そんなものは何の役にも立たないので不要です。

謝罪の気持ちがあるのなら、このような情けない事件が起きないように対策をする約束をしていただきたい。責任のある回答を下さるようにお願いいたします。

2003年2月1日

高橋玲子

新聞報道の記事の中で気がかりな事があります。被害者の方がエサを与えている公園の猫たちのことです。子どもが産まれないように不妊・去勢手術はしてあるのでしょうか。県は口先だけのお詫びを言うのでなく、この猫たちが未手術ならば、手術をしてあげた上で被害者の方が安心してエサやりができるように計らってあげてほしいと思います。それこそが本当の意味での謝罪になると思うのですが、この件に関しても結果を教えて下さるようにお願い申し上げます。

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  高橋 玲子様

 このたび、本県職員が起こした事件につきましては、県民の奉仕者である公務員として決して許されるものではなく、県といたしましても厳正な処分を行うとともに、職員本人に対しまして、自らの行為を深く反省し、二度とこのような事件を起こすことのないよう厳しく指導したところでございます。

 また、いわゆる野良猫への対応でございますが、猫につきましては、犬の場合と異なり、法令による係留や鑑札装着といった義務が課せられておらず、飼い猫との区別が困難なことから、行政がこれらを捕獲し、さらに不妊手術を実施することができない状況にございます。

 また、動物愛護の観点からは、野良猫へのエサやりを否定するものではございませんが、その一方で、フン公害や繁殖等の問題について近隣の住民の方々から苦情が寄せられていることも事実でございまして、県といたしましてもこの問題に対する抜本的な解決策が見出せないことから対応に苦慮しているところでございます。

 こうした中で、県といたしましては、「神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例」で「人と動物の調和のとれた共生」を目指し、動物が好きな方も苦手な方も、お互いの考え方を尊重できるよう、動物愛護フェスティバルの開催やリーフレットの作成、小学生を対象とした動物教室など、様々な事業を展開しているところでございます。

 今後ともこうした取組を職員に周知することなどを通じまして、動物愛護精神の普及に引き続き努めてまいりたいと考えております。

平成15年2月12日
神奈川県総務部人事課長   古尾谷 光男



 本市では、動物の愛護及び管理に関する法令に基づき、保護収容業務のほか、動物愛護のための市民向けリーフレットの配布や講習会の開催等を行い、動物と人とが共生できる社会を目指しています。

 その効果として、市民の間に不妊去勢手術の必要性の認識や終生飼育の大切さが広がってきています。

 また、飼い主不明の猫・犬、飼えなくなった猫・犬等については引取った後に新しい飼い主を捜し、譲渡するなど積極的に取り組んでいます。

 しかし、いまだに飼い主のモラルの欠如による苦情や、のら猫をめぐる地域におけるトラブルも多いのが現状です。

 横浜市としては引続き人と動物の共生を目指し、努力していきたいと考えていますのでご理解くださるようお願いします。


平成15年3月11日(火)
横浜市よりの回答

目次へ

第一回会議で配布した資料

保土ヶ谷区猫に関する委員会

猫を取り巻く現状を理解していただくための資料(本紙を含めて計10枚)

1.「猫に関する委員会の応募原稿」…高橋玲子および新井正美(計2枚)

2. 今回の話し合いを要望した意図、考え方を理解していただくための資料
  お集まりの方々に協力をお願いする骨子
  (猫トラブル連絡会サイトより抜粋、計3枚)

3. のら猫の世話をしている数名の有志による「ガイドライン」作成原稿および保健所サイド
  へのお願い(計4枚)

1. 猫についての意見

高橋玲子

 「猫がお好きなんですね」
不妊手術のためにのら猫を捕獲していると、ほとんどの方がこう言います。その度に「いいえ、猫が好きでやっているのではありません。のら猫の状況が憐れで、エサを与える人はいても、不妊手術をする人がいないからやっているのです」と答えています。

 また、猫の嫌いな人は猫のフンの害をひとしきりまくし立て、「あんた、そんなに猫が好きならこの猫をどこか(?)へ持って行ってくれ。ここへ戻さないでくれ」と勝手な事を言います。自分の所にさえ、猫がいなくなればいいという、身勝手な考えです。私が活動をしてきた9年間、のら猫に対する住民の意識、行政の意識はあまり変わっていないような気がします。

 「エサをやるから云々…」という考えが根強くあり、エサを与えている人を責めたり、トラブルになっています。

 委員会では、のら猫に対する住民の理解を求め、エサやりのルール作りをすることが必要だと思います。

 もう一つは、のら猫の発生源である飼い猫の不妊手術の徹底をはかる事が大切です。のら猫を増やしているのは猫の好きな人です。猫の嫌いな人は猫を飼いません。猫の好きな人が安易に猫を飼って、無責任に捨てるのです。捨てられた猫のほとんどは不妊手術をしていません。これがのら猫の発生の原因です。

 保土ヶ谷区で猫の話し合いがようやく持たれることになり、私も(飼い猫、のら猫を問わず)猫の代弁者として応募いたします。

 猫を捨てるのも、マナーを欠いたエサやりも、フンをするからと猫を排除しようとするのも、すべて人間が引き起こしていることです。猫問題は人間の問題というとらえ方をして、解決の道を見出していかねばならないと思います。

 中田市長は「正直な行政が民の活力を高め、市民のバックアップをしていく形が望ましい」と中期政策プラン策定の中で言われています。いろいろな立場の方が委員になられていますが、猫の委員会の共通の目的は殺処分で猫を排除するのではなく、不妊手術によって人道的に減らし、人間との共生をめざすものであってほしいと思います。

以上


 猫について

新井正美

 私は動物愛護の活動家ではない。ごく普通に、生きとし生けるものの命は大切にしたいと考えているだけである。何の手立ても施せず、裏口にやってきた雌猫が二度子どもを産むのを許してしまい、その子たちの面倒を見ている。今思えば、事故のようなものだった。どうしていいかわからず、困り果てた日々。その後、ボランティアの人との出会いで不妊・去勢手術も済ませ、野良猫に関する知識も関わる機会も増えた。ほっと安堵したいところだが、今も惑いは続いている。不幸な子猫を増やしたくないという気持ちから、見かけた野良猫の不妊手術をしてもらった。責任上、日に一回餌やりに行っている。最初は知らなかったことだが、野良猫に対する世間の目は冷たい。猫が糞をすることが許せず、「餌をやるなら、猫を全部家に連れていけ」と怒られた。「増やさないために不妊手術をして一代限りで終わりにさせましょう」などと説明しても聞く耳をもたない。あげくの果てには、猫を捨てて餌をあげていると濡れ衣まで着せられた。ボランティアの人が語る、理想的な「動物との共存」を受け入れる素地がないのである。一方、私以外にも餌をあげている人がいるらしいことがわかってきた。しかし、私と同じように怒られた結果だろう。皆こそこそ隠れるようにしていて、本人に出会うことはない。ひとりの人間の力、キャパシティには限度がある。できれば協力しあいたいと思っているのだが、この一年そのようなチャンスは巡ってこなかった。猫に餌をあげることがそんなに悪いことだろうか? どうして善意の人たちが非難の対象にならなければならないのか? こうした納得のいかない思いを胸に、私は今回、「区の話し合い」への参加を希望している。

 人間にかける税金もままならない不況の時代に、野良猫に公的資金を投入することはまず無理だろう。だからこそ、善意の人々を掘り起こし、活用していくシステムをつくってもらいたい。それによって、いくらかの猫たちが穏やかに暮らしていける可能性がある。保健所の許可があれば、住民の理解は得られると私は信じている。逆に、保健所の理解がなければ、永遠に住民に納得してもらうことはできないと思う。きちんと手術した野良猫の餌やりを許可し、腕章や許可証などを配布してほしい。また、手術をするための捕獲をしていて怒られた人もいると聞いた。こうした前向きに野良猫を少なくしていこうとする活動についても、住民の理解を得る行政指導者として積極的にバックアップしてもらいたい。

 ここ一ヶ月の間、いろいろな区の野良猫に対する取組みを調べてみた。磯子区の地域猫を初めとし、各区で協議会をつくるなどそれぞれ対策がとられている。中でも、港南区キャッツアイの代表、太田獣医師の話には説得力があった。あらゆる住民とのトラブルに、太田獣医師自らが出向いているとのことだった。ただ、動物愛護を唱えているだけでは一歩も進まない。ボランティアの人も主張するだけでなく、話し合いを建設的に進め、客観的に話し、文書化できるようにしなければならない。そうした経過の中で、保健所の方々にも、他の獣医師たちにも彼らの活動が徐々に理解してもらえるようになってきたという。獣医に集まる募金が、住民の猫に対する意識の高さを物語っているとも話してくれた。できれば、この太田獣医師のように、保土ヶ谷区で中心となってくれる方を見つけ、少しづつでも住民理解を得られる方向に進んでいけたらと思っている。この話し合いは、まさにそうした場であってほしいと希望している。最後に、捨て猫防止についても、チップ制を導入するなどの具体案を模索してほしい。この話し合いが実りあるものとなることを願っている。


2. 命に優しい・ねこトラブルの無い地域環境にしていきましょう。

私たち人間は、地球の限られた環境に、他の生物や自然環境と深いつながりを持ちながら生きる、生物のひとつです。私たちのすぐ隣にいる仲間に対しても、理解を深め、認め合うことが、真に豊かで、自由な21世紀を作っていくために、必要であると思います。(東京都衛生局発行資料1部引用)

未来を担う青少年たちの、「命の尊さを重んじる心、弱者をいたわり・他者を思いやる優しい心」が、豊かに育まれていく過程において、私たち人間よりも弱者の立場にある「動物の命」に対する、親や大人の姿勢・言葉・行動、地域社会の風潮なども、多大な諸影響を与えます。

私たちの貴重な税金が、根本解決に結びつく事もなく、動物の「命の殺処分」に繰り返し多額に使われ続け、遺棄・虐待・殺傷死され、事故死し、餓死する、悲惨な末路を辿る猫たちの「命」が、地域や社会の中で、繰り返し、作り出され、増やされています。

猫の知能は、人間の子供の4歳児並みと言われ、親子・兄弟や飼主への愛情、嬉しい悲しいなどの喜怒哀楽も人間の子供と同じ様にあります。人間は、長い歴史の中で、猫と共生をしてきた結果、野生の猫や自力で生きられるその環境は、私たち人間の社会にはもはや存在しません。

親や大人や地域社会の風潮が、子供たちの心に直接の影響を与え易い、私たち人間よりも弱者の立場にあり、人とのコミュニケーション能力にも優れ、私たちの最も身近に生きる「命」が、地域内の家なし猫(ノラ猫)では無いでしょうか? 
その家なし猫(ノラ猫)の「命」を、軽視し・無視する、思いやれず・優しくなれない、親や大人の心が、地域社会の風潮が、私たち人間の「命」に対しても、私たちの生きる未来の、地球・国家・社会・地域に対しても、どの様な影響や恩恵を、もたらしていくことになるのでしょうか?
既に、「私たち人間の命」 をも軽視した、様々な冷たい現実が、地球的・国家的・社会的な規模で、有形・無形と様々に姿や形を変えて、現れているのではないでしょうか?

地域社会の中で生きる家なし猫(ノラ猫)に、「繁殖を防止する為の、餌付け・避妊・去勢手術、を実施すること」 「継続した、猫数の徹底管理などの為の、餌やり・一代だけで寿命をまっとうさせていくこと」が、「数を確実に減らしていける」 「命や人の心にも優しい」 猫問題の根本的な解決方法です。

行政と地域社会は、猫問題の根本解決と家なし猫(ノラ猫)との共生にむけた、情報提供や環境整備に力を注ぎ、善意ある市民の1人1人は、家なし(ノラ)猫たちと共生をしていける為の、理知的な創意工夫と、日々の環境改善の為に自ら善意ある行動をはじめていくことが、未来を担う青少年の心や情操教育に対して、多大な素晴らしい効果を与えると期待出来るのみならず、地域内コミュニケーションを活発にし、他を思いやる優しい心、協力と助け合いの土壌、責任感ある健全な市民意識、健全な後世・地域社会・国家をも育んでいける道になると思います。

家なし猫(ノラ猫)に避妊・去勢手術をすれば

猫の数が、今以上に増えなくなります。発情期のうるさい鳴き声が無くなります。

オス猫が、方々に臭いおしっこをかける回数が減ります。(マーキング行為、スプレー行為)
発情期前のオス猫に、去勢手術をすれば、完全に防ぐ事が出来ます。

餌を与えても、満腹していれば、ゴミあさり、盗み食いが解消されます。

手術をすれば、猫は一代限りで確実に徐々に減り、数年で確実に徐々にいなくなります


手術費用

家なし猫への手術費用は、餌やり人にして貰いたい、
でも、 餌やり人は、一向に手術をしようとしない、という事があります。

一方、餌やり人の中には、金銭面や生活が苦しい人、限界のある人、周囲の目を怖がる人、
自分の猫では無いと思っている人・・・と色々いる事もあります。

また、餌やりをしていなくても、手術をしたい、でも自分1人では限界が大きい、
と思っている人もいる事があります。

その様な一部の人たちが、ご近所の全部の家なし猫に、避妊・去勢手術をする事を待っていては、その間にまた子猫が生まれ、数が増えてしまいます。



手術費用作り、一番の理想

地域住民の皆さんとで、避妊・去勢手術の費用を、協力して出し合う人が増えると、
1人1人の負担額が軽くなり、家なし猫への避妊・去勢手術を、すぐに始める事が出来る様になります。猫の数の増加も、すぐに食い止める事が可能となります。

また、町内会費、自治会費、資源回収関連費、バザー、などの方法で、家なし猫への手術費用作りをしている地域もあります。

生後半年を過ぎた、妊娠中のメス、メス、オス、の順に避妊・去勢手術を進めれば、
少ない予算でも、確実に手術が前進します。

自費、カンパ、バザー、募金、町内会費、などの方法で、家なし猫への手術費用を作るのが、一番の理想的な方法です。


避妊・去勢手術をすることが、一番の有効、且つ、命にも優しい、
飼い主のいない、家なし猫問題の、根本的な解決方法です!


地域内の家なし猫に、避妊・去勢手術をすれば、新たな子猫の出産防止、ご近所の猫数の増加防止、になります。
長い目で見れば、根本解決にもなり、命に優しい地域環境も維持出来ます。

不幸な命を、繰り返し、作り出さない!不幸な命を、繰り返し、増やさない!
猫が好きな方、猫がいて困る方、みんなで善意のお金を出し合って、猫に避妊・去勢手術をしましょう。


以上、ねこトラブルの連絡会サイトより抜粋(http://www7.plala.or.jp/neko-trouble/)


3. ガイドライン(草案)

*知っていますか? 2000年12月1日 動物愛護法が改正されました!
・命ある動物をむやみに殺したり、傷つけたり、苦しめてはいけません。
・人と動物が共に生きる為に、動物の事を良く勉強しきちんと(適正に)対応しなければなりません。
・動物をむやみに殺したり、傷つけた時には、懲役1年又は、100万円までの罰金になります。
・動物に餌や水をあげずに衰弱させるなど、虐待した時には、30万円までの罰金となります。
・動物を捨てた時にも30万円までの罰金となります。
・飼い主は飼いきれない動物を繁殖させないようにしなければいけません。
・各自治体で動物愛護推進員を任命し、適正飼育や虐待、過剰繁殖に対して指導も行います。――「動物の愛護及び管理に関する法律」より抜粋――

*人と猫が共に生きられる町をめざして

♪基本的な考え方
 突然庭に猫が入り込んで糞や尿で汚していったら、誰でも腹が立つでしょう。その猫は一体どこの家の猫なのか。まずは、そこを確かめてください。どこかの飼い猫であれば、飼い主さんにそのことを告げ、(不妊、去勢手術することを含めて)飼い方を改めてもらいましょう。しかし、その猫が帰る家のないホームレス猫であったら、どうぞ大目に見てあげてください。むやみに追い立てるだけでは迷惑のたらい回しを生むだけで、解決策にはなりません。動物の習性を考え、庭の一部に砂場を用意する、排泄しやすいように土を掘り起こしておく、など工夫してあげてください。どんな猫も、なりたくて野良猫になったのではありません。身勝手な飼い主に捨てられた猫たち、あるいは、そのような猫たちが次々と子猫を産んでいったのです。猫は国の法律で定められている保護動物です。虐待・虐殺は法律違反です。そのような現場を目撃した場合も、直ちに管轄の警察に通報してください。

 野良猫を少なくしようと努力している人たちがいることを知ってください。不幸な猫を見過ごしておけず、餌を与えながら不妊、去勢手術を受けさせて、猫の数をこれ以上増やさないように努力している人たちがいます。その人たちのおかげでゴミ置き場が荒らされなくなった例がいくつもあります。手術の済んだ猫は、たとえその周辺に居ついたとしても、5〜6年の寿命です。また、猫はあなたの知らないところで人間の役にも立っています。ネズミとりの名人として、ペスト菌から人間の命を守ってくれたのは他ならぬ猫たちなのですから。猫が1匹もいない地域ではネズミが増え続け、ネズミの被害が続出します。猫の住めない環境に、私たち人間が暮らせるはずはありません。責めるべきは、餌をあげる人たちではありません。不妊・去勢手術をせずに子猫を産ませて捨てた無責任な人、途中で飼い猫を捨てた身勝手な人たちなのです。そのような行為を目にした人は保健所に連絡して行政指導していただき、飼い主の義務を徹底してもらいましょう。監視の目厳しく、捨て猫を防止していきましょう。

 人と猫が共存できるような地域をつくることは、子どもたちに動物とのふれあいを教え、動物を愛しむ心を育てることにもなります。それにより命の尊さを学び、いじめや殺害などの事件防止にもつながるでしょう。猫の好きな人も嫌いな人も、猫と人間が共存できる環境づくりを目指して協力してください。かつて世の中には、そのような環境があったはずです。

♪猫を飼っている方へ
 あなたの飼い方は正しいですか? 飼い主としての責任とマナーを守っていますか?
糞便やマーキング、鳴き声で、近所に迷惑をかけていませんか? 不妊・去勢手術は済んでいますか? あなたの飼い方によって、猫嫌いな人をつくってしまう場合があるのです。

♪野良猫にあげる餌やりのマナー
 野良猫がなわばりとして暮らしている地域の人たちには、我慢していただくことが多々あります。そのことを踏まえた上で、餌を与える人も飼養者としての意識を持ちましょう。

動管法・第4条
所有者、占有者は適正飼養、保管(保護管理)、健康や安全を保持するように努める。
人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

犬及びねこの使用及び保管に関する基準
飼い主としての責任を果たすように努めなければならない。

公共の場所での餌やりは次の事項に留意して行いましょう。
・餌を与える場所・時間を考慮する。
・餌を与えた後、周囲の迷惑にならないよう元通りに片付ける。あげっぱなしにしない。
・餌はもちろん、周囲にある糞なども片付ける。清掃する。
・同じ地域で餌を与えている人がいる場合は連絡を取り合い、ルールマナーを普及させるとともに情報交換などして協力しあうようにする。

♪不妊・去勢手術のすすめ
 やさしい気持ちで餌を与えていても、繁殖制限手術を施さないでいたら、どうなるでしょう。猫は年に2〜3回は子を産み、周辺は猫だらけになります。また、十分に世話をしてもらえる環境にない子猫が大きな声で泣く哀れな光景を誰も目にしたくないはずです。野良猫にも不妊・去勢手術を行いましょう。それにより、発情期の鳴き声や独特な尿の臭いもなくなります。オス同士の喧嘩も少なくなり、不幸な子猫が産まれることはありません。慣れている猫なら、餌を与えている人がケージなどに餌を入れて捕まえることができます。また、捕まらない猫には安全な捕獲器を使う方法があります(*保健所の協力が必要)。低料金で野良猫の不妊・去勢手術をしてくださる獣医師がおりますので、紹介してもらいましょう。手術をしてもらったら、必ず耳にピアスなどのマーキングをしてもらい、手術の重複がないようにします。近隣住民に手術をしてある猫だからということをチラシなどで知らせ、協力を仰ぐことも大切です。地域住民で手術費集めのバザーなどを行う、カンパや募金箱の設置をするなど、協力の手を広げていきましょう。

♪私たち人間がしなければならないこと
私たちが今しなければならないことは、野良猫が一代限りで生涯を終えられるように繁殖制限手術を行い、猫が嫌われないように餌やりのマナーを向上し、猫嫌いの人への理解と協力を求め、捨て猫を防止するとともに虐待・殺処分のないように見張っていくことです。適正飼養・繁殖制限手術・終生飼養の3原則を守って、一人でも多くの人が猫と暮らせる町づくりを願って上記の通り実践してくださることをお願いします。


*保健所サイドにお願いしたいこと、あるいは提案
・野良猫関係窓口の設置、猫に愛情をもった担当職員の育成。
・猫の餌やり場の許可、あるいは餌やり許可の発行、看板の設置(餌やり者保護のために)。苦情者との仲介および指導、あるいは理解を求めるような働きかけ(保健所の指導があれば、我慢してくれる人も多いはずです)。
――たとえば、青葉区では、猫の餌やりを含め、地域猫を世話する人たちを「キャットメイト」として認定しています。同様に、保健所の窓口でそのような認定ができ、腕章などを配布していただければ、前向きな解決法になるのではないでしょうか?
・野良猫に不妊・去勢手術を行う際の捕獲器の貸し出し、捕獲の指導及び協力・実施、または人の紹介など。(ただし、悪用されると危険なので、捕獲器の貸し出しは厳重かつ慎重にする必要あり)。
・低料金で不妊・去勢手術を行ってくれる獣医師の紹介(市内外を問わず、公表してほしい)。または、低料金で手術を実施してくれる市内獣医師の新規開拓。
・野良猫の不妊・去勢手術の助成金を市民が直接活用できるようにすること(横浜市内の獣医師に限らなくてもいいようにしてほしい。足を運べ、低料金できちんとした手術をしてくれる獣医師が実際に存在するのだから)。
・各地区で野良猫基金などの設置、その推進を行うこと。



猫に関する委員会議事録



第1回保土ヶ谷区猫に関する委員会

2003年1月27日(月)


1 主催者あいさつ(センター長)
2 委員の紹介
胡口藤雄(区民生委員児童委員協議会) 委員長
稲村徳雄(区連合町内会長連絡会) 副委員長
宮地正之(区保健活動推進員会)
御調良子(区保健活動推進員会)
山口勝(区獣医師会)
藤井敏(区獣医師会)
新井正美(区公募)
高橋玲子(区公募)
土谷隆一(区福祉保健センター長)
石塚勝(区福祉保健センター担当部長)

事務局:生活衛生課
臼井進、金子増夫、大久保正也、亀田勝、守屋幹生

議事
1 保土ヶ谷区猫に関する委員会規約(案)について
2 委員長、副委員長選出
3 委員会の運営計画(案)について
4 猫の習性などについて
5 猫等に関する法令・基準
6 動物愛護に関する世論調査(抜粋)
7 横浜市衛生局等における取り組み状況
8 その他

資料
(1)委員名簿
(2)保土ヶ谷区猫に関する委員会規約(案)
(3)委員会の運営計画(案)について
(4)家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
(5)動物愛護に関する世論調査(抜粋)平成12年6月調査:内閣総理大臣官房広報室
(6)横浜市衛生局などにおける動物行政への取り組み状況等
(7)動物の愛護及び管理に関する法律
(8)横浜市動物の愛護及び管理に関する条例


第2回 保土ヶ谷区猫に関する委員会

2003年3月3日(月)


1 委員長あいさつ
2 議事
(1)飼い猫(室内、屋外飼育)のルールについて
(2)飼い主不明猫の問題
(3)その他

資料
(1)保土ヶ谷区猫に関する委員会規約(別添1)
(2)第1回保土ヶ谷区猫に関する委員会議事録要旨(別添2)
議事1 保土ヶ谷区猫に関する委員会規約(案)について
委員会規約(案)が承諾され、制定日は本日(2003年1月27日)と決定された。
また、委員会の議事録は公開の対象とすること及び傍聴は、若干名とし、事務局へ申し込みが必要とすることで了解された。
議事2 委員長、副委員長選出
事務局(案)が承諾され、委員長は区民生委員児童委員協議会―胡口委員に、副委員長には区連合町内会長連絡会―稲村委員と決定された。
議事3 委員会の運営計画(案)
運営計画(案)が承諾された。なお、開催回数を増やすことなどについては、委員会に諮り決定することとした。
議事4 猫の習性などについて
山口委員から資料に基づき説明。
議事5〜7 事務局が説明。
その他 愛護団体等の委員会への参加については、委員会で意見聴取や助言等が必要と決定されれば、別途依頼することとした。



第3回 保土ヶ谷区猫に関する委員会
2003年6月26日(木)


<委員および事務局員の移動>
石塚勝 => 大貫一幸(福祉保健センター担当部長)
金子増夫 => 市川英毅(食品衛生係長)

1 開会にあたって
2 各アドバイザーによる活動内容等の御紹介
・財団法人神奈川県動物愛護協会 会長 山田佐代子
・磯子区猫の飼育ガイドライン推進協議会 運営委員 米山由紀子
(当サイトの「猫に関する情報」ページにお話をまとめています)
3 意見交換
第3回委員会のテーマ「飼い主不明猫への関わり方 他」について
4 その他

資料
第2回「保土ヶ谷区猫に関する委員会」議事録要旨(別添)
(主な議事)飼い猫のルール、飼い主の不明猫の問題等を議事に、人と猫との関わり方等について各委員による意見交換が行われた。

委員からの主な意見(概要)

1飼い猫について
・嫌いな人もいるので、室内飼いが望ましい。
・室内で飼えば、事故に遭わない。
・糞尿等で地域に迷惑がかからなくなる等のメリットがある。
・室内で飼う場合は、糞尿のしつけが大切。
・飼い猫か飼い主不明猫(いわゆる野良猫)か区別がつきにくい場合が多い。鈴等を付ければ判別できる。
・飼い猫でも不妊去勢手術は必要。
・飼い猫でも、飼い主不明猫と同然の外生活をしている猫もいる。

2飼い主不明猫について
(1)餌やり
・与えることで近所に迷惑がかかる場合がある。
・与えた場合は、責任(飼い主として)がある。
・与える慈悲の心だけでは、「良いとこどり」である。
・与えることが、必ずしも正当化できない。
・本来、人には近づかないが、餌やりの場所では警戒心、恐怖心がなくなる。
・町内会で看板を出し、餌やりの時間や餌やりの人の名前、手術の有無等を掲示しているところもある。
・餌を与えることで延命できる。
・餌を与えることで非難されたことがある。
・与えている人は、増やさないためにも手術させている人が多い。

(2)糞尿等の被害
・糞の始末等でトラブルが多く発生している。
・猫が糞をするのは当たり前。
・糞や庭を荒らす等の苦情が多く寄せられている。
・車を傷つけられる。
・器物破損で警察から訴えられたことがある。
・苦情も我慢できる段階なら届出は来ない。許容限界を超えた時点で届けられる。

(3)不妊去勢手術
・増やさないためにも不妊去勢手術は必要。
・手術した後は、引き取って飼育することが根本ではないか。
・手術により猫が穏やかになる。猫にとっても良いこと。
・手術以外の何らかの方法(柵等)を取ることもできるのではないか。
・手術費用は、オスはメスに比べ2〜3倍安い。
・オスだけ去勢すれば良いのでは。
・保土ヶ谷独自で不妊去勢手術の助成金を出して欲しい。

(4)その他対応等
・野良猫は捕まえられない。
・シェルターで飼う方法。
・手術をするために捕獲して欲しいという依頼があれば、個人的にお手伝いする。
・野良猫に対していじめがある。
・行政での処分は止めてもらいたい。
・行政、地域でどのような対応ができるかを検討してほしい。
・対応方法は地域によることになる。どの様な方法がよいか検討が必要。

3 その他の意見
・負傷した子猫を治療してほしいと病院に連れてくる人がいるが、最後まで飼えればよいが、一時的な善意では意味がない。
・猫の飼い主で憤慨したことは、猫を捨てること。
・猫はエジプト時代から飼い慣らされた。野生動物ではない。
・猫は臆病なので、自分の命が奪われそうになると凶暴になることがある。
・猫が可哀想なだけでは問題だ。

4 次回委員会に向けて
6月下旬に第3回を開催予定。アドバイザーとして動物愛護団体の参加について要望があり、事務局側で調整を進めることで各委員に了解が得られる。

第4回 保土ヶ谷区猫に関する委員会
日時:2003年9月25日(木) 
1. 開会にあたって
2. 意見交換
第4回委員会のテーマ「地域、獣医師会、行政の関わり方 他」について
・「地域」の関わり方で望まれること
・「獣医師会」の関わり方で望まれること
・「行政」の関わり方で望まれること
3. その他

第3回 保土ヶ谷区猫に関する委員会議事録(別添)
日時:2003年6月26日(木) 14時〜16時
会場:保土ヶ谷区総合庁舎4階 401号会議室
議題:飼い主不明猫への関わり方について
アドバイザー:財団法人神奈川県動物愛護協会 山田氏
       磯子区猫の飼育ガイドライン推進協議会 米山氏

議事(要旨)
 アドバイザーの活動内容の紹介・助言等を交えながら、議題について意見交換等が行われた。

1 地域で上手に関わるための考え方について
・自分の住む地域を大切に思うことが大切。猫嫌いの人も含めて地域と上手くやっていく意識が大切。
・猫嫌いな人の気持ちになって考える。
・猫を好きな人も嫌いな人も、「減る」ことについては肯定している。(むごい方法ではなく)
・餌を与える人は、動物好きで一人一人が心優しい人が多い。可哀そうと思い餌を与えているので、追いつめないような工夫も大切。地域の中で孤立しないように、徐々に親しくなれるよう努力する。言葉をかけ、積極的にアプローチする。地域くるみで面倒をみる。
・餌を与える人は、不妊去勢手術をしていない場合が多い。「まずは不妊をしましょう。」と呼びかけする。餌を与えることと不妊去勢手術はセットで考えるべき。話の入り口はこの辺から入っていった方が良い。
・餌を与えるなら、増やさないようにしなければを、考えなければならない。

2 地域での関わり方の事例について
・磯子区の「地域ねこ」は、住み着いた猫の排除ではなく、共生をベースとした、不妊去勢手術を行いながら、時間をかけ徐々に減らしていく考え方。命と人間の生活を両立させていく。
・「地域ねこ」活動の4つの柱は、1)不妊去勢手術の実施、2)餌やりのルール化、3)排泄物等の清掃、4)活動内容の広報PR。自由な討論の場としてシンポジウム等を行い、ルールつくりに取り組んでいる。仲間意識をもつことが重要。
・「地域ねこ」では、不妊去勢手術の実施に際し獣医師会の協力があり、手術済みの猫は、識別の首輪を付けて捕獲した場所に戻す。手術費用確保のために、バザー、フリーマーケット等も実施。

3 その他の意見
(1)委員より
・最近、神戸でのら猫に餌をあげた人が裁判に負けた事例があった。のら猫問題だけでなく、人間関係の悪化が原因と言えるのでは。
・地域で何が一番問題なのかを優先して考えていく必要もある。例えば放置自転車問題等。
・のら猫も地域の問題として捉え、上手に減らしていくことが大切。増えて良いものではない。上手につきあっていく必要がある。

(2)アドバイザーより
・のら猫は、地域の問題として、解決していくことが大切です。行政だけに任せていく、という時代ではないと思う。
・のら猫が増えると確実に迷惑を受ける人が出てくる。問題になることは間違いない。
・周囲に迷惑をかけないための、「保土ヶ谷版」のルール化と普及を望む。
・安楽死処分の方法ではなく、不妊去勢手術をして命を大切にしながら減らしていく方向性が大切。


第5回「保土ヶ谷区猫に関する委員会」
日時:2003年11月27日(木)14:00〜16:00
会場:区役所本館4F 401会議室
1 開会にあたって
2 意見交換(第5回委員会のテーマ「保土ヶ谷区猫に関する委員会の報告書(素案)」について)
3 その他


別添資料:第4回保土ヶ谷区猫に関する委員会議事録
日時:2003年9月25日(木)14:00〜16:00
会場:保土ヶ谷区総合庁舎4F 405号会議室
議題:地域、獣医師会、行政の関わり方について
出席者:胡口委員長、稲村副委員長、宮地委員、山口委員、藤井委員、新井委員、高橋委員、土谷委員、大貫委員
事務局:保土ヶ谷福祉保健センター生活衛生課食品衛生係
傍聴者:なし
議事(要旨)

議題「地域、獣医師会、行政の関わり方等」について意見交換等が行われた。

1地域の係わり方について
・地域の問題は、地域の中で解決していくことが重要。
・地域で、ただ猫が嫌だと言っていても解決にならない。地域でやれることからやっていくきっかけとして、地域の集いを開き、地域へのアピールと意見交換を行う。
・自発的に地域の中で集まりを持ち地域で取り組んでいくことは良い。理想は町内会単位で。地域の声を盛り上げ、のら猫に関心を持つ人が増えるように話し合いを持っていってほしい。
・前回の「地域ねこ」の話の中で地域の大切さがわかったが、避妊去勢手術まで個人では限界がある。
・猫トラブル等で悩む地域があれば、どのような結果が出たのかを地域から発信できたら良い。事例報告ができたら良い。
・避妊手術の実施等、地域の方々などが行う活動内容は掲示板等でPRしたらどうか。
・エサやりだけでは地域で受け入れられない。理解が得られない。
・エサをあげる人は、避妊去勢手術の実施とフンの清掃を考慮すべきである。フン清掃は重要であるが難しい面もある。
・猫の侵入防御について、防止策ネットなどの整備は個人レベルでは難しい。
・町内会等で猫の苦情の有無をリサーチし、地域の中から苦情の声を挙げてもらうことが必要。そうした中で、行政や獣医師の立場で何ができるのかを考えていく。
・日常の人と人とのコミュニケーションが大切である。

2 獣医師会の係わり方について
・手術費用の低料金設定は、区獣医師会として現状では難しい。特に個人相手は不可。現状ボランティアなどへの補助もしていない。ガイドライン等ができて、地域活動の基盤のもとボランティアなどで活動する地域の方々などに対しては、条件が整えば今後の検討課題となり得る。


保土ヶ谷区猫に関する委員会報告書(2003年12月)

1 はじめに
犬や猫等の動物に関する相談や苦情、要望等については、区民の皆さんから数多くの内容が寄せられております。犬については、放し飼いの禁止や登録の義務など、飼い主に規制が課せられていますが、一方猫については、所有者に飼養等に関する基準はあるものの、一般的な猫の飼育形態から、飼い主が判明しているか否か、飼育場所が屋内か否かが不明確な状況にあり、区民生活や地域環境に様々な影響を及ぼしている状況にあります。
 猫に係る苦情に対しては、行政対応で解決の困難な事例が多く、地域全体の問題と捉えていただくと同時に、地域の方々に積極的に主体性をもって参加し、取り組んでいただくことが重要と考え、保土ヶ谷区では、平成14年度自主企画事業の「人と動物との共生推進事業」におきまして「保土ヶ谷区猫に関する委員会」を設置いたしました。


2 目的
 この「保土ヶ谷区猫に関する委員会」は、区内の地域団体代表や区民の方々、獣医師会、行政で構成し、猫に関する様々な視点から意見交換や検討を行い、人と動物とが共生したより住みよい生活環境の確保を目指し、検討結果を広く保土ヶ谷区民へ周知するなど啓発事業に資することを目的といたしました。
 この普及啓発の展開により区民の方々に浸透されることによって、区民の方々のさらなる動物愛護精神の高揚が促進され、地域、獣医師、行政の相互の連携協力が図られることが望まれます。


3 現状と課題
(1)猫の生態や習性等について
ア 平均寿命
 家の中で飼う猫は11〜12才前後、外で飼う猫は4〜5才前後。
イ 行動範囲
 犬と比べ狭い。家猫の場合は自宅周辺。
ウ 活動
 本質的に夜行性である。
エ 繁殖行動
 年2〜3回(春先1〜3月頃、春5〜6月頃、夏から秋8〜9月頃)
オ その他
 テリトリー意識をもち、擦り付け、爪とぎ、尿マーキング等の行動をとる。オスは縄張り意識が強く、メスの発情期には行動範囲も広がる。発情は、定期的なメスの発情の誘因によりオスが発情する。糞尿については、やわらかい土、砂を好んでする。オスは尿マーキングを行う。


(2)猫に関する関係法令、基準
 現在、法律については「動物愛護及び管理に関する法律」により、所有者の猫等の適正飼養等をはじめとした飼い主の責務が規定されています。また、横浜市においては「横浜市動物の愛護及び管理に関する条例」により、飼い主等の遵守事項として適正な飼育管理等が規定されており、遵守せず勧告等に従わない飼い主等に対しては罰則が適用される場合があります。
 その他、環境省からは、所有者等が猫等の家庭動物等に対する適正な飼養及び保管する際の守るべき基準として「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」が示されています。


(3)猫等に関する意識調査結果
総理府が平成12年6月に調査した「動物愛護に関する世論調査」の報告では、「ペットの飼育状況」、「ペット飼育に関する意識」、「ペット飼育の是非」、「動物愛護政策の推進」の各調査項目の結果が示されています。
 参考までに一例を紹介しますと、「ペット飼育の是非」の部分では、『ねこの飼い方』の設問に対し「他人の敷地内などに糞尿をする等の迷惑となるので屋内で飼うべき」との回答が全体の35.1%を示した他、『のら猫への餌やり』の設問に対しては60歳代、70歳代以上の高年齢層の人が「のら猫が増えるので与えない方がよい」と回答する傾向が見られています。
(詳細:「動物愛護に関する世論調査」http://www8.cao.go.jp/survey/h12/aigo/)


(4)猫に係る横浜市の現況
 横浜市では、前述の法律や条令の趣旨を踏まえ、飼育に関する相談や苦情の受付業務等を行っています。その他にも、飼い主や小さな子供等を対象にイベントや講習会、パンフレットの作成・配布等の普及啓発の展開とともに、不妊去勢手術の普及についても横浜市及び横浜市獣医師会により、年に一度手術費用の一部補助を行っております。
 また、飼い主不明猫に関する試みについては、磯子区における「地域ねこ」の考え方を推進するなど、各区で独自に取り組みが始まっています。


ア 衛生局の現況
(ア)犬・猫の不妊去勢手術推進事業
 昭和63年度から、飼い犬又は猫の2,000頭を対象に、不妊去勢手術の必要性の啓発を目的に、横浜市獣医師会と共同で毎年期間を定めて手術料金の一部(一頭につき5,000円)の補助を実施しています。
(イ)普及啓発の展開
 「飼い主の責任」、「不妊去勢手術のすすめ」等猫の適正飼育の普及啓発を目的に、パンフレット「おたくの猫はご近所からきらわれていませんか」等を作成し、各福祉保健センター窓口等で配布しています。
(ウ)飼えなくなった猫及び飼い主不明猫、負傷病猫の引き取り制度
 市民から猫の引き取りを求められた場合、その事情を詳しく聞くとともに助言等を行い、やむを得ない場合に限り、法令の根拠に基づき、横浜市獣医師会への委託による引き取りを行っています。


イ 保土ヶ谷区内での現況
(ア)猫の苦情の受付件数
 年度     総数     糞尿汚染等   収容相談   器物被害    その他  
12 463 233 203 25 2
13 345 116 195 15 19
14 346 108 184 8 46

(イ)取り組み状況
 平成11年以降、区民まつり会場にて区獣医師会の協力を得て「猫の飼育アドバイス」を実施するとともに、12年度は「ペットのマナー川柳事業」、保健活動推進員を対象とした「HOW TO講座」の開催、13年度には区内中学生を対象とした「動物愛護・適正飼育ポスター事業」等の普及啓発を行なっています。


4 検討項目
 
この委員会では、地域の方々が安心して暮らせる環境の確保と、人と猫との調和ある共生を目指して、検討を行ってきました。
(1)定義
ア 飼い猫とは
 「飼い主」が明確であり、「飼い主」から餌等をもらい、自宅等の特定された場所で飼養されている猫。
イ 飼い主不明猫(ホームレス猫)とは
 地域に住み着き、特定又は不特定の人から餌をもらって生活する猫。
ウ 飼い主とは
 自覚と責任を持ち、近隣等に迷惑をかけないように、自分の猫を飼育している人。
エ 飼い主不明猫(ホームレス猫)の世話をする人とは
 「飼い主」との明確な区別は難しいですが、「飼い主」としての認識の有無を問わず、これら猫に餌等を与えている人。


(2)飼い猫について
 飼い主は、法令を遵守し、自分の猫の行動に責任を持ち、周辺の人に迷惑をかけないように管理することが求められます。
 猫を好きな人も嫌いな人もいますので、なるべく室内で飼うことが望ましいと言えます。室内で飼えば、事故に遭ったりご近所に糞尿等で迷惑がかかることなども防げます。猫の嫌いな人にも理解してもらえるよう、飼い主としての細かな心配りも大切です。
@終生愛情を持って飼育すること。
猫も家族の一員です。健康管理にも注意してあげてください。飼い主の大切な心構えとして、捨てたり、いじめたり、増やしすぎないようにしてください。
A室内飼育に努めること。
猫の習性をよく理解した上でしつけをすれば、室内飼育は可能です。失跡や事故、感染症の心配がなくなり、近所への迷惑防止につながります。
B自己所有を明確化する。
飼い主として責任と自覚をもってください。飼い猫か飼い主不明猫の区別がつきにくい場合が多いので、首輪や鈴等を付けていれば自分の猫の判別もでき、失跡時等にも役立ちます。
Cトイレのしつけをする。
自宅内にトイレを用意して、自宅内で済ませるしつけをしましょう。ご近所への迷惑防止につながり、猫の日常の健康チェックもできます。
D不妊去勢手術を行う。
一般に猫は、年1〜3回、1度に3〜5頭を出産します。飼い主の責務として、飼養する見込みのない猫を増やさないように、不妊去勢手術を行うことが重要です。
また、発情期のオスの鳴き声がなくなり尿の臭いも抑えられるなど、ご近所への迷惑も低減されるメリットが期待されます。


(3)飼い主不明猫について
 一時的な善意心などから、猫に餌を与えることは決して悪いことではないと思います。しかし、よく考えてみましょう。餌を与えることで飼い主不明猫が集まってきて、その結果、増えてしまったり糞尿や庭荒らしをするなど、ご近所に迷惑をかけてしまう場合があります。行政へも飼い主不明猫で迷惑したとか不快に思ったという苦情も数多く寄せられている状況にあります。ただ餌を与えるだけでは「無責任」とか「自己満足」などと言われてしまいます。
 地域には猫を好きな人も嫌いな人もいます。飼い主不明猫の世話をする人は、ただ餌を与えるだけでなく、地域の中で理解を得られるように、餌を与える場を清潔に保ったり糞などの清掃をしたりといった、地域に迷惑のかかることのないような気配りと責任ある行動に努めてください。また、不妊去勢手術によりこれ以上増やさないようにすることが重要です。
 こうした猫たちが、地域で嫌われることなく、地域に受け入れられるように、飼い主不明猫の世話をする人は次のことを守っていただくことが大切です。
@地域の人の理解を得る努力を
 世話をする場合は、自分で適正に管理ができ、地域の中でも受け入れられる範囲の少ない頭数にしましょう。また、地域の皆さんに受入れてもらえるように、気配りと良いコミュニケーション環境をつくっていきましょう。
A置き餌をせず、餌場の清掃清潔の確保を
 えさ場は、自分で勝手に決めるのではなく、地域の協力を得て、なるべく住宅から離れた迷惑のかからない場所、時間を決めて与えましょう。そして、残り物の回収や清掃も必ず行いましょう。
Bフン等の清掃の実施を
 フンのしそうな場所等を見回り、毎日積極的に清掃を行いましょう。


※不妊去勢手術の実施について…
 また、地域の中で理解と協力を得ながら、いま以上に頭数が増えないように考えていくことが大切です。そのため、不妊去勢手術をすすめていきましょう。

※「地域ねこ」の考え方について
 第3回の委員会では、アドバイザーとして磯子区猫の飼育ガイドライン推進協議会の方をお招きし、磯子区における「地域ねこ」の考え方の紹介を受けました。
 「地域ねこ」の考え方は、地域の合意に基づいたルールに従い、地域の人たちが適切な飼育管理をすることで飼育責任の所在を明確にしながら、地域に住み着いた猫の排除ではなく、不妊去勢手術を行いながら徐々に減らしていき、猫と人間の生活を両立させていくというものでした。主な活動内容として、(1)不妊去勢手術の実施(2)餌やりのルール化(3)排泄物等の清掃(4)活動内容の広報PRなどを行い、地域の中のルールつくりにも取り組んでいるとのことでした。
 仲間意識をもちながら、手術費用確保のためにバザー等も実施するなど、グループでの活動を積極的にされ、今後の保土ヶ谷区のあり方を検討する上で非常に参考になるものでした。


(4)地域の係わり方で望まれること
ア 地域で合意が得られる「ルール」つくりを
 
人と猫とが共生できるように地域に受け入れられ、面倒が見られるような地域ぐるみの取り組み、「ルール」をつくることが理想です。例えば、不妊去勢手術の済んだ猫は首輪等により識別して、地域の中で受け入れてもらい適正に飼育管理していくといった方法等です。このような活動は、地域自治会などの理解とともに、地域の方々等の協力も不可欠であると考えられます。
イ 飼い主との接し方
 
感情的にならずに、飼い主の飼い方で困っていることや改善してほしいことを率直に伝えながら、お互いによく話し合ってみることから始めてみましょう。
ウ 飼い主不明猫に世話をする人との接し方
 餌やりの方法やトラブル事情等について、何でも話し合えるようなアプローチとともに、日常のコミュニケーションができる環境つくり(ご近所つきあい)が大切です。
 「エサを与えないで」という説明だけでは解決にはなかなかつながりません。感情的にならずに、困っていることや改善してほしいことを率直に伝えながら、お互いの合意点を見つけ「ルール」へとつなげていきましょう。

エ 飼い主不明猫が減ることについて
 
猫が好きな人も嫌いな人も、飼い主不明猫が減ることについては肯定しています。しかし、処分というだけの方法は多くの方々から理解を得ることはできません。
 不妊去勢手術の実施は、飼い主不明猫が終生を全うしながら自然に減らしていく方法といえます。手術費用については、猫の好きな人も嫌いな人もいる地域の中で理解と協力を得ながら、募金活動やバザーなどで資金収集を行う方法も有効な手段の一つと言えます。

オ 自己防衛手段も必要
 飼い主不明猫がすぐには減らない状況のなかで、少しでも被害を軽減するために地域の皆さんの自己防御策も一方では必要と言えます。例えば、庭侵入等に対しては網やネット等で侵入路を塞いだり、車の傷つけ防止にはボンネットカバーシートを使用したり、市販忌避剤やたばこの吸い殻水等の使用で猫にとって「不安・不快」な場所として認識させることも有効な手段です。

(5)獣医師の係わり方で望まれること
 獣医師として、専門的知識を活かした適正飼育の方法や猫の習性等に係る相談をはじめ、飼い主や世話人に対しての不妊去勢手術の勧奨や、苦情やトラブルを減少するための助言指導など、行政とは別の立場で、地域の中の相談役を担うことが期待されます。
 また、地域の中で飼い主不明猫が受け入れられるための一助として、地域で飼い主不明猫の面倒を見る諸条件を満たした地域の方々を対象に、不妊去勢手術費用の一部低料金設定の検討が望まれます。


(6)行政の係わり方で望まれること
 これまで以上に、動物愛護の理念のもと、生涯飼育の徹底など命を大切にした適正飼育方法の普及啓発を実施していくことが重要であります。飼い主や飼い主不明猫の世話する人に対しては、苦情やトラブルを減らすことを目指した創意工夫による取り組みが望まれます。さらには、不妊去勢手術の勧奨を行うなど、獣医師や地域の方々等の協力を得ながら、飼い主不明猫が地域に受け入れられるような働きかけを行うことも望まれます。
 また、地域の方々等が行う手術費用のためのバザー等の開催に際し、場所の提供や広報等を行うなどの協力も期待されます。


5 おわりに
 平成15年1月から始まった「保土ヶ谷区猫に関する委員会」は、人と動物とが共生したより住みよい生活環境の確保を目指し、区内の地域団体代表や区民の方々と、猫に関する様々な視点から意見交換や検討をするべく、計5回の開催を重ねてまいりました。
 これまでの検討の中で、『猫の習性や生態』『室内飼いのしつけ方等の「飼い猫のルール」』『糞尿等の被害事例等の「飼い主不明猫」の問題と係わり方』『地域・獣医師会・行政の役割』など、様々な地域における現状、諸問題、係わり方等について、委員の皆さんと活発な意見交換がなされ、今後の保土ヶ谷区における猫に関するあり方を考えていく上で非常に有意義であったと言えます。
 この委員会は、人と動物と共生できるまちづくりを推進するためのものであり、よりよい街づくりを考えたときに、やはりそこに住む人一人ひとりの意識の向上が必要であると言えます。
 動物の問題は、飼い主の責任はもちろんのことですが、法令の規制だけで全て解決できるものではないと言えます。飼い主や飼い主不明猫の世話をする人のモラルやマナーの向上や、猫の好きな人が猫の嫌いな人に配慮する心配りなどが不可欠なのではないでしょうか?
 そのためには、長期的な普及啓発を行っていくとともに、一人でも多くの人にこの問題について考えてもらい、お互いに話し合える場が必要と言えます。地域の皆さん、獣医師、行政が三者一体となって、今後もいろいろな立場からの意見を聞きながら、一方で「地域ねこ」の考え方も取り入れながら、より良い方法について皆で考え話し合い、共生に向けて前進して行きたいと考えています。

(以上、委員会関係はすべて保土ヶ谷福祉保健センターより配布された資料です)

2004年3月 保土ヶ谷区ねこのリーフレットが発行されました。
ニャンコも一緒におつきあい〜地域での係わり方を考えてみませんか〜
下記サイトにアクセスすると、PDFファイルかテキストファイルで見ることができます。
ご活用ください。

http://www.city.yokohama.jp/me/hodogaya/bunyabetu/cat/leaflet.html

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動物ジャーナルより抜粋

猫の殺処分――この事実
青島啓子


 横浜市在住の方から左(下)の新聞記事が送られてきました。図版は見難いと思うので内容を紹介します。

神奈川新聞二〇〇四年十月十七日付
(見出し)
西区の獣医師、飼い主不明の猫 殺処分に筋弛緩剤
苦痛伴い批判の声も
横浜市衛生局「安楽死徹底を」


 横浜市は、飼い主不明などの猫の殺処分を市獣医師会に委託している。その殺処分を実行する市内西区の男性獣医が、苦痛を伴う筋弛緩剤を用いていることが十六日に判明した。
 法律上「できる限り苦痛を伴わない方法」をと規定されており、市衛生局は獣医師会に対し<安楽死>徹底を要請した。
 関係者によると、七月下旬開催「猫に関する検討委員会」(西区役所主催)の席上、一委員が「安楽死は麻酔剤でやるんですよね」と質問したところ、委員の獣医師が「麻酔剤は高いので筋弛緩剤を使っている。他にもそういう医師がいる」と発言したという。
 本社(神奈川新聞)の取材に対しこの獣医は「麻酔を使う場合が多いが、暴れる猫に筋弛緩剤だけを使う」と認め、また「麻酔剤より筋弛緩剤が安いことは確かであり、安い方を選んだという意識は多少あった」とも打明けた。
 西区を通してこの獣医師の発言を知った市衛生局は「国の方針に基づき、安楽死処分方法の周知を。筋弛緩剤を使うなら麻酔薬併用を」と市獣医師会に求めた。
 国の指針では「できる限り苦痛を与えない方法を用い、意識の喪失状態にする」としている。筋弛緩剤には意識を喪失させる種類もあるが、この獣医師の使用したものはそうでない種類の薬剤だった。
 市獣医師会は「筋弛緩剤だけを用いることはあまりないと思う。投与した獣医師には麻酔剤を使用するよう注意した」とし、近く役員会を開き、指定獣医師らに周知徹底するとしている。
 環境省動物愛護管理室は「指針は具体的殺処分方法を規定していない。苦痛を与えないとは努力規定であり、筋弛緩剤投与が直ちに指針違反に当るとまでは言えない」との見解を示した。
 一方、横浜市内で猫の不妊手術を進めるボランティア団体関係者は「殺処分自体に反対しているのに苦痛を伴うやり方は以ての外」と憤慨している。
(古賀敬之 記者)

 記事は以上で、文末別項に「猫引取り業務委託」に関する解説があります。それによると、横浜市は一九七四年四月から市獣医師会に業務を委託、殺処分する「指定獣医師」は現在約八十人。03年度の処分数は四千二百七十二匹だった、とのことです。

 右(上)の情報を新聞記事以前に入手なさっていた「横浜市のら猫同盟」代表の高橋玲子氏は、許し難い重大な出来事として、その責を問う手紙を横浜市長あてに用意されました。当編集部はその草稿を、筆者高橋氏の了解を得て、ここに掲げることにしました。(表記の変更は一任していただきました。)

二〇〇四年十月十三日
横浜市長 中田宏 様
筋弛緩剤使用の件


横浜市は一九七四年から委託事業として横浜市獣医師会に猫(引き取り猫・不明猫)の殺処分を委託してきました。衛生局は安楽死の処分と言っております。

安楽死<広辞苑より>
助かる見込みのない病人を本人の希望に従って苦痛の少ない方法で人為的に死なせること

病気でもなく元気な猫を人為的に死に至らしめるのは安楽死の定義には入らないので、殺処分という言い方が正しいといえます。衛生局の笹野課長は、殺処分方法について「麻酔剤を多量に注射して、眠ったまま死に至らしめる方法をとっているので、苦痛はない」と言っておりました。
二〇〇三年度の西区の泉井さんの市長への手紙の回答にもそのように書かれています。
ところが、二〇〇四年七月に開かれた西区の「猫に関する話し合い」の席で指定獣医師が「殺処分をする時、麻酔剤は眠らせる時の三倍の量が必要である。経済性から筋弛緩剤を使っている。これは自分だけではなくて、他の先生もやっていることである」との発言があったと聞きました。
殺処分は病院という密室で行われていた為、内部告発でもなければ外部の人間には知り得なかったことです。誤解のないように申し上げておきますが、私自身は動物の殺処分には反対の立場をとっておりますので、筋弛緩剤ではなくて麻酔剤で殺処分して下さいと言っているのではありません。
この委託事業は強制ではありませんので、良心のある獣医師は今では引き受けていないので、なり手がすくなくなってきているのが現状です。一方でこの制度を最大限に利用して利益を上げている病院も有ります。
この委託事業では処分費として一頭につき約九千円〜一万円の税金が使われています。
生後三十一日以上の(まだおっぱいを飲んでいる)猫は成猫とみなされ(持ち込まれた猫の九十%は子猫ですから)、より多い収入に結びつくシステムになっています。
まさにこの委託事業は、横浜市衛生局から獣医師会への丸投げで行われていて、衛生局は事務作業だけをしています。これは市民の税金を使っている事業ですから、使われていない麻酔剤の金額を獣医師会に払っているのは税金が不正に使われていることになります。
この件を公正な立場の部署で、税金の流れ、委託契約すべてに関して調査をお願いいたします。
生後三十一日以上で成猫とされる根拠も説明して下さい。以前同じ質問を衛生局にした時は「条例です」との回答でした。今回の発言による筋弛緩剤の使用を、別紙総理府告示第40号愛がん動物の処分(致死)の十項目に照らしてどのようにとらえているのか回答をお願いします。このような問題が起きるのは、横浜市が安易に動物を殺処分していることと、その事業を営利を目的にする開業医に委託していることが原因だといえるのではないでしょうか。ご参考までに薬剤の致死量と価格をしるします。
◎麻酔剤ソムノペンチル 百ml=三千三百円
LD50(致死量)一ml(一kgあたり)
四kgの猫の致死量 四ml使用×三十三円=百三十二円
◎筋弛緩剤サクシン2% 五ml=百二十六円(致死量は不明)
 (住所・電話略)高橋玲子

右(上)書簡草稿では「麻酔剤で殺すのを建前にしながら筋弛緩剤を用いた事実」を追求しています。文末に両剤の値段と致死量が示されていますが、サクシンの致死量不明とのこと。当会でその筋の方に調べていただいたところ、猫の場合、体重一kg当り〇・〇六ml。五kgの猫で〇・三mlであり、価格は七・五六円となりました。十円に満たない価です。一ml使っても二十五円強、確かに麻酔剤の百三十二円は五倍も高いようです。
 この獣医師も認めた「経済性」は右(上)の通りです。

 次に、新聞記事にあった「暴れる猫」について。静脈注射ならば暴れる猫には打ちにくいと思いますが、麻酔剤も筋弛緩剤も筋肉注射での致死処分は可能だそうです。ゆえに、麻酔剤が使えないという言訳は成立せず、勘ぐれば、静脈注射の方が分量が少なくて済むので=安く済むので、大量の麻酔薬を筋肉注射するのは高くなる。つまりこれも経済性からの理由かと思われます。
 高橋氏同様、私も殺処分を容認する立場にはいませんので、右(上)の論議はあくまで容認人種社会でのことになります。

今回の神奈川新聞の記事で、最も問題と思った点は「飼い主不明の猫」殺処分でした。
飼い主不明の猫は誰がどこへ持ち込むのか?
「不明」と判定するのは誰なのか?
 動物の愛護及び管理に関する法律第十八条2項は「所有者不明の犬ねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた」場合、引取らねばならないとしていますが、これらの動物を持込む者に関してはいくらでも拡大解釈できる条文になっています。
 猫を邪魔として排除したいヒトが多い世の中、横浜市では、もし引取り時の判定を獣医師に任せられているならば、持込み者との「合意」はきわめて成立しやすいと懸念されます。この辺りの追求の厳格を求めたいところです。


市長からの回答


高橋玲子様
                                                      横浜市長 中田 宏

 日ごろから、市政にご協力いただきありがとうございます。
 お手紙をいただきました件について、担当する衛生局から別紙のとおりお答えします。
 これからも多くの市民の皆さんからご意見をいただき、
 安心して充実した生活ができるよう取り組んでいきます。
 横浜をより発展させていくために、今後とも、ご協力をお願いします。

平成17年2月14日

(市長への手紙 保土ヶ谷区 第16-7679 号)

(別紙)
 本市では、「動物の愛護及び管理に関する法律」第18条の規定に基づき、猫等の引取り業務に関して 社団法人 横浜獣医師会と委託契約を結んでおり、契約事項に関しては適正に執行されていると判断しています。また、本市監査事務局による定期監査も実施されています。

 成猫と子猫の区分については、引取りの際に担当獣医師が、猫の体格等の状態から「子猫」と判別できる日齢の目安として、生後31日以上を成猫と規定しています。

 収容した猫等について、引取りを担当した獣医師は、できる限り新しい飼い主を見つける努力を行っていますが、やむを得ず安楽死処分を実施する場合には、「動物の愛護及び管理に関する法律」及び「動物の処分に関する指針」に基づき、動物の状態に合わせた適切な方法による処置を行っています。

 ご投稿にありました筋弛緩剤の投与が直ちに上述の法律、指針に反するものとは考えていませんが、麻酔薬との併用等、安楽死処分方法のより適正な実施について、改めて 社団法人 横浜市獣医師会をとおして担当獣医師に周知しました。

 今後とも市政に対するご理解とご協力をよろしくお願いします。

(お問い合わせ先)
衛生局食品衛生課 電話:045-671-2467  FAX:045-641-6074
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宮島の鹿問題に関する第4回協議会へのお願い、および返信

第四回宮島地域鹿対策協議会について(2009年5月28日掲載)

日々のお仕事、ごくろうさまです。
インターネットで宮島の鹿についての記事を拝見し、上記協議会が開かれることを知りました。
遠方の部外者ではありますが、一国民としてひとつだけお願い申し上げます。

鹿問題につきましては、すっきり解決できる妙案などはありえないと思います。
ただひとつだけ言えることは、地域のことは地域の力で解決する必要があるということです。

奈良は、財団法人奈良の鹿愛護会というものが存在し、こちらが大きな役割を果たしていると推測致します。役所と民間とが協調することで、人道的かつ地道な活動によって改善の道が開かれたことは衆知の通りです。

どうぞ、宮島の鹿問題についても、「宮島の鹿を救う人道支援の輪」のような団体と協力し、あるいは彼らを横暴な民衆から守ることによって、少しずつ現状を脱却して良い方向に進めていただくことを希望致します。

世界各国で鹿の増加には頭を悩ませ、鹿公園などという対策も多く展開されています。タイのエレファントキャンプなども観光的には成功している一例でしょう。どうぞ、以前行われていた鹿せんべい販売などの廃止をやめ、鹿と触れ合える場所を観光的に配備するなど、森に返すという机上の空論のみでない対策を心より期待致しております。

日本中、いえ世界中の多くの人の目が協議会に向けられていることをご理解いただき、前向きな協議をお願いしたいと思います。

世界遺産としての宮島を憂慮するひとりの国民として。

3/29 廿日市市役所に送信

 * * *  * * *  * * *  * * *  * * * 

4/30 下記、着信

貴重なご意見をいただき有難うございます。
早速ですがご意見に対して回答させていただきます。

現在の取り組みは、シカを餓死に追い込むための餌やり禁止ではありません。
専門家の意見として「市街地における餌が減少しても、その場で餓死することを待つことはなく、新たな餌を求めて移動する可能性が高い。」といった意見をいただき、無秩序な餌やりの状態を変えようとするため、旧宮島町時代から取り組んでいた活動を引続き推進するものです。

無秩序な餌やりを行った結果として、本来野生動物であるシカが山間部から市街地へ移動し、市街地のシカの個体数増加により、異物の摂取による栄養不良、糞等による生活環境の悪化や、人への危害等により、シカにとっても人間にとっても環境が悪化している現状があります。

このまま放置することは、シカにとって最悪な状態となることが予想され、人間とシカの共生ができる最良の状態は何か、自然保護や環境保全の観点から専門家による協議会を設置し検討を行っております。
具体的には、広島県が平成19年度に実施した、宮島のニホンジカ生息状況調査結果並びに、宮島のシカに関する住民意識調査結果を基に、市としましても、平成20年度市街地の鹿の生息個体数や繁殖率などのモニタリング並びに、捕獲調査を行って基礎データを蓄積しました。

この調査結果により、地域住民、観光客の皆さんによる、餌やり禁止、ゴミ管理の徹底により市街地中心部のシカの数は減少し、山間部へ分散してきたことが、明らかになりました。今後も宮島地域のシカの生息形態を把握し、芝草地の造成を考慮し、宮島地域の実情に即した保護管理計画の策定により、総合的、計画的な保護管理対策を実施します。

最後になりましたが、ご意見にそぐわない回答かもしれませんが、これが現在の状況です。
また、宮島地域の鹿につきましては、廿日市市のホームページ(http://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp)に鹿対策の経緯等を掲載していますので、ご覧になってください。
今後も市行政に対するご意見、ご指導をよろしくお願いします。


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廿日市市 環境産業部 農林水産課
〒738-8501
広島県廿日市市下平良一丁目11−1
TEL:0829-20-0001 FAX:0829-32-1059
E-mail:norinsuisan@city.hatsukaichi.hiroshima.jp
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