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スイスパラグライダー日記その5

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2000.06.19 (月)
今日のフライトエリアは、シルトホンエリアだ。今日のガイドは、猿マーティン。今日は、奥さんのターニャも連れて来た。ターニャはとても可愛い笑顔が素敵な美人だ。車で1時間位でシルトホンへのケーブルカー駅に着いた。ランディング標高は、900m、マーティンがランデイングアプローチの説明をして小滝さんが再度、説明した。通常は、スクェアアプローチは、左旋回だが、こだけは、右旋回だと言う。両側が高い垂直の壁だ。この中での高度処理だが、岩壁に近づくとサーマルが発生していてはじかれる事があるので近づかないこと。テイクオフからランディングは当然、見えない。ケーブルカーのケーブルがあるので近づかないこと。バレイウインドが強くなる事もあるので注意する。
ケーブルカーでミューレンで降りた。そこから歩いて登る。マーティンにどれ位歩くのか聞くと「10分」と答えた。ところが、10分たってもドンドン進んでいく。猿マーティンの時計は狂っているんじゃなかか。神吉さんと長谷川さんは、思い荷物に閉口している。マーティンは身軽にサッサと登って行った。途中で見失った。でも、ターニャ(僕達は、タニヤンと呼んでいたが)いるので彼女が場所を知っていると思っていたが、タニヤンは「知らない」とそっけない。僕は、行き止まりの所で待っていたらタニヤンがパラザックをふたつ担いで登って来た。呆れたお嬢さんだ。「ノープロブレム」だと。僕も正子に言われて長谷川さんの荷物を担いだ。僕のザックと比べたら軽い。マーティンが下って来て荷物を持って上がって行った。
やっとテイクオフポイントに着いた。長老おふたりはかなり参った様だ。マーティンは、テイクオフの説明をした。例によって僕が半分通訳した。全員がテイクオフするのをビデオカメラで撮影した。タニヤンが飛ぶのも撮った。マーティンは、僕の後に出たので撮れなかった。切り立った絶壁の間を飛ぶのは凄い迫力だ。小滝さんから「ヘリコプターが離陸するので注意して下さい。ヘリの責任者と話したら、ヘリのパイロットの方がパラのパイロットより腕がいいから心配するな、と言っていました」とレポートして来た。ヘリの爆音が谷間から聞こえていた。
右旋回のスクェアターンで高度処理してランディングした。風が殆ど無くて、かなりのびてしまい、着地と同時にバランスを崩して転倒してしまった。この瞬間をバッチリ、コブタンこと、水村さんにビデオ撮影されてしまった。あ〜あ…。降りたら下は、すごく暑い。
滝が見えるレストランに行き、小休止した。次のフライトまで時間があるかと長老が聞いた。小滝さんは、「ありますよ」と。では、と言う事でビールを注文した。これからまだフライトするのにビールなんて、と思っていたが、結局、僕も飲んでしまった。意志が弱い。(^_^;)
休憩後、グリンデルワルドに行く。駅近くのランディングを見る。バレイウインドがかなり強い。山の上では、数機のパラが上げている。もう、サーマルタイムでかなり荒れているそうだ。バンピーな状態で飛ぶのは、賢明ではない。朝の穏やかな状態に飛んだ方が良いと思うと答えた。マーティンは、「ザッツグッドアイディア」と言って誉めた。スイスまで来てリスクを負うフライトをする必要はない。
グリンデルワルドで昼食をする事にした。アイガーが見えるレストランで昼食をした。サラダとビール。こぶたんがお嬢さんのお土産に何を買ったら良いか悩んでいた。「アルプスの少女ハイジが着ている様な服はどう?」「私は、ハイジイジイ」と珍しく神吉さんが冗談を言って笑わせた。昼食後、14時半迄自由行動で、街の中を散策した。実は、グリンデルワルドは、妻の正子と30年前に新婚旅行で泊まったのだ。そのホテルがどうも記憶と実際がかみ合わない。僕が記憶しているのと正子が記憶しているのが違うのだ。でも、色々と思い出して、2軒のうちのどちらかと言う所まで絞り込まれた。もう、いい、2軒とも想い出のホテルとして、カメラに収めた。
街の中には、日本人観光客が大勢いた。ショッピングを楽しんでいた。
グリンデルワルドを後にして、一旦、ホテルに戻った。夕方、5時の電車でシェネガプラットに行く事になった。長谷川、神吉長老は、ホテルで休む事になり、こぶたん、広、正子、僕とマーティン、タニヤンが行く。今回は、ハインツと行った時とは違いひとつ前の駅で降りた。違う所に行くのだろうか。上へ上へと歩く。相変わらず猿マーティンは早い。タニヤンも早い。登って着いた所は、なあんだ、この前と同じ場所やんか。だったら終点の駅で降りて、下った方が楽やんか。どうも、猿マーティンとタニヤンは、登るのが好きな様だ。
実は、神吉さんから小型CCDカメラを借りて来たのだ。空中撮影を空撮と言うが、正しくは、飛ぶ撮影だから、飛撮と言うべきだと思う。飛撮仕事人、必殺仕事人なんてドラマがあったなあ…。
この前飛んでいるからルートも注意事項も分かっている。ただひとり広だけは、この前は、ハインツのタンデムに乗ったので、全然聞いていなかった。その為、今日は、真剣にマーティンに質問していた。マーティンは、「いい加減にしろ」といいたげに広の質問に答えていた。今日は、黒い雲が出ている。「左の方の黒い雲の下は、雨が降っていると思う。だから、出たら余り左に行くな。10分位でインタラーケンに雨が来るかも知れない」
いつもは、ビデオ撮影していて、最後にテイクオフしているが、今日は、最初にテイクオフした。CCDカメラのセットも出来た。出てすぐにサーマルにヒットしてセンタリングした。CCDカメラは、音声も入るので喋りながら飛んだ。途中でカメラを180度回転して自分の顔を撮影したりした。上手く撮れているかは、お楽しみ。こぶたんと正子が続いて出た。正子は大分上げていた。こぶたんは、すぐにホテルランディング方向へ向かった。その頃、広がテイクオフした。でも、山の方を飛んでいる。小滝さんから「前の方に出るように」と無線で指示されていた。風が強くなり、ランディングに届かなくなるかも知れないと言う思いがした。昨日、同じ場所を飛んだ時は、大きなシンクにはまってしまい、高度を失ったが今日は、高い所を飛んでいる。しかし、昨日と比べると風が強い。小山の上を高い高度で通過したが、その後、前に出なくなった。同時に沈下し始めた。このままだとホテル前公園にたどりつけないおそれがあった。思い切って、緊急ランディングに向かう事にした。こぶたんも早々と緊急ランの飛行場方向に向かっていた。使っていない飛行場がすぐ傍にあり、緊急ランディングに使用出 来る。上から見ると滑走路もあり、ランプもある。立派な飛行場だが、使用されていない。広い飛行場なので、どこに降りても良いのだが、回収の事を考えると道路の近くに降りたい。しかし、風が強くて前に出ない。垂直降下だ。荒れていないので、降下するだけであり、不安はない。CCDのカメラで滑走路も撮影した。こぶたんが降りたと無線で報告があった。そのすぐ後に、僕も着地した。下も強い風だ。
正子がこぶたんが降りた近くに垂直降下で降りているのが見えたので、ビデオカメラを出して撮影した。広も無事に降りたらしい。猿マーティンとタニヤンは、タンデムでホテル前公園に降りたそうだ。流石だ。こぶたん、正子、広は同じ場所に降りたが、僕は、1キロ以上離れた場所に降りた。そこからテクテクとパラザックを担いで誘導路を歩いた。誘導路をブレードスケートをしている高校生らしい女の子が凄いスピードで走っていた。「ハ〜イ」と言うと笑顔で「ハ〜イ」と答えてくれた。
ホテルで休んでいた神吉さんと長谷川さんは、他のグライダーを飛ぶのを見ていたらしい。まあ、今日も安全に楽しいフライトが出来た事を感謝したい。

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