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1998年04月23日木曜日
1999年05月03日:月曜日更新

ようこそ、「風の妖精のページ」へ
このページは、岩屋山のロールアウトの「若き姫」こと私、松阪美幸がつとめます。「みゆき」と呼んで下さい。

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「頑固じじいの愛米物語」 1998.06.25更新

グランドハンドリング養成(妖精)ギブス 1998.09.21作成

「利き酒」「利き風」1998.09.21作成

しらゆき姫と七人の小人(恋人)1998.11.24作成

妖精Family空を飛ぶ1999.05.03作成
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風の妖精になりたくて…美幸よーん
風の妖精になりたくて・・・前略。ただいま絶好調、当ロールアウト・パラグライダークラブのナンバーワン女性フライヤー、松阪美幸さんを紹介します。(PARA WORLD誌 1992年8月号より)

 空を飛ぶことは小さい頃からの夢。いつかは絶対空を飛ぶって心に決めていた。
去年の5月、ちょっとパラグライダーで遊んでやろうとスクールに入り、気がつけばすっかりパラに遊ばれていた。パラグライダーに魅せられて、ブラスαの楽しみに誘われて、休みと給料つぎこんで、貯金をはたいて婚期を逃し、女を捨てて、シコまで踏んだ。残ったものは借金とアペックスMR130(んっ!?)と呼ばれる大きな翼。そして、語り尽くせない多くの体験…。

壇持山の下で指をくわえて空を見上げてから1年。飛行機にも乗ったことのない私が、結構自由に空を飛んでいるのだから、やつぱりパラってスゴイと思う。ぶっ飛びオンリーの世界を抜け出して、ソアリングに味を占めた。見えない風をつかまえて雲まで上がり、見えない風につかまれてシンクに突入。まさに未知との遭遇ってやつ。雲海からのぞく朝日、キラキラ輝く真っ白な銀世界、緩やかな緩やかな、うすべにいろの夕空、自然の素晴らしさに涙を流し、その中を飛ぶ自分に酔いしれた。

 今は、怖いぐらい毎日が楽しい。地球は私を中心に回っていると真剣に思えてしまう。この素晴らしい世界を教えてくれたロールアウト・パラグライダークラブに同じ時を過ごし、ともに楽しんだみんなに心から感謝。これからも、ずっとずっとおもしろおかしく、もっともっと気持ちよく空を飛び続けていたい。
今日もまたきまぐれに風をつかまえに「どすこいっ」と声をかけて大空へTAKE OFF!

風を見よう!!
 空を飛ぶことが夢でした。パラで夢は実現し、飛ぶ魅力とプラス+αの魔力にとりつかれ、気が付けばスクールを手伝うまでに…。私自身やスクールでの体験をもとに、さらに魅力的な空の世界を提供したいと思います。パラという名のこの麻薬。一度経験すると、もう抜け出すことのできない無限の世界。さらなる深みへ、私と一緒にはまって下さい。ということで、栄えある第一回目は「風を見よう」と題してお送りします。

 我がスクール最年長を誇るK氏。あこがれの高々度フライトで、緊張のためか、誘導の無線が聞けず、地形が見れず、ランディングも見失い、頭真っ白のパニック状態に陥った。でも、そんなことではめげないK氏。その後もパイロットも飛ばない強風を前に「この風好きなんです」と準備を始めたり、色々と話題を提供してくれました。その後、我が身を振り返り「心ここにあらずば、見て見えず聞いて聞こえず」という言葉を私達に教えてくれました。意味は読んで字の如し。そして、会社の朝礼で、若い社員を前に「君達に風が見えるか? 世の中には、風の見える人がいる。君達も見ようとすれば、もっと市場が見える筈だ!!」と説いたそうです。今も「心ここに…」の言葉はスクールのヘルメットに大きく書かれています。

 実は、私も「心ここにない」スクール生でした。山頂へ向かう車中から始まったおしゃべりは、止まることを知らず、テイクオフでパワー全開。飛んでる間に小休止してランディングと同時に動き出す口。「うるさいっ。だまれっ!!」と叱られて、無口になること数秒間。「しっかり風を見ろ」と言われて「えーっ、見てるのに〜〜っ」と心の中で反論。そんなことを何度も繰り返し、少しずつ周囲の状況にも注意できる様になりました。そうなってやっと、自分が何も見ていなかったことに気が付きました。確かに、吹き流しも、他のグライダーも、私の目には映っていたんだけど、ただ、映っていただけ。それは何のメッセージも持たない、ただの風景でした。でも、注意して見ていると、ひとつ一つの風景が、風からのメッセージに変わりました。吹き流しや他のグライダーはもちろん、前を飛ぶ鳥、木や葉っぱの揺れ等々、私の周囲には、見えない風を見せてくれる材料がたくさんありました。「この木が揺れていたら飛ばない」とか、「この斜面に風が当たっていたら飛べない」等、判断出来ることも覚えました。ちょっと周囲を見回して、エリア独自の「風見の木」を見付けて見るのも面白いか も。
 その気になれば、もっともっと素敵なものも見えて来る。サーマルソアリングを始めた頃に、「サーマルで回していると、ラインに蜘蛛の糸が絡んでキラキラ輝いて綺麗だよ」と教えて貰いました。それからは、その蜘蛛の糸が見たくて、見たくて。でも、飛んでしまうと、そんな余裕はなくなって、他の子が「見えたでえっ」と言っているのを聞いては、くやし涙を流していました。そんなある日、私にも噂の蜘蛛の糸が見えた。すっごい感動。太陽の光を浴びて、キラキラ輝く蜘蛛の糸は、まるでダイヤモンドでした。他にも、自分の影が雲に映るブロッケン現象ってやつも、なかなかの感動ものです。これが嬉しくて、どんどん深みにはまっていくんですよね!!

 雲ひとつない快晴。山頂に上がる車の中で加藤さんが言いました。「松坂さん、今日、雲があったら、どこにできている?」「えーっ!そんなのわかんな〜い」と私は心の中で絶叫。雲を見て飛んでいたけれど(たぶん…)そんなこと考えたこともない。なんとかその場は得意の口先でごまかして逃げたけど、やっぱり気になる。気をつけて見てみると、確かに、似た条件の日には、雲も同じところにできている。さらに観察を続けて見ると、ブルーの日でも、いつも雲の出来てる場所で、上昇していたりなんかもする。同じ、場所に雲ができてのもすごいけど、それをちゃーんと見てた加藤さんもすごい! 心ここにあれば、目には見えないメッセージまで見えるようになるんですね。

 トライアルバイクのチャンピオンだった加藤さんに、トライアルの日本選手権を見に連れて行って貰った事があります。そのすごいテクニックを目の前で見て、感動で足が震えました。でも、もっと印象的だったのが、競技に入る前に、コースを何度も何度も歩く選手の姿でした。見えてるコースを走るバイクでも、こんなに見てるのに、道のない空を飛ぶ私は、もっともっと真剣に見ないとって、思いました。テイクオフする前に、風を見てフライトコースを考えて、フライト内容を組み立てて、しっかりイメージして飛べれば同じ1本飛んでも、内容は大きく違ってくる。テイクオフする前からフライトって始まってるんですよね。こんなの当たり前のことで、分かってはいるんだけど、なかなか実行できないのが世の常ってやつ。上手な人って、良く見て、しっかり考えられる人で、パラでもバイクでも、何の世界でも同じなんでしょうね。スクール生の時から、しっかり見て考える習慣を見につけておくことが大切かな!!
「心はおいてけぼりにせず、いつも一緒、そして、風からのメッセージをたくさん、たくさん受け止めて!」「心ここにあれば見えない風も見える!」

ニュージーランドツァー
 毎年恒例のROLLOUTニュージーランドツァー。今回が4回目の参加の私も、冬のニュージーランドツァーは、恒例化しつつある。私は、この3年間は、タンデムフライトオンリーで、このツァーを楽しんでいます。絨毯を敷いたような緑の草地、夕陽を浴びて黄金色に輝く大地、おもちゃ箱を覗いた様なカラフルで可愛い街並み。どこまでも、どこまでも続く、この素晴らしい大パノラマを空から見下ろし、その感動にどっぷり浸かって飛べるのがタンデム。前に座ってるだけで、映画のスクリーンの様に目の前を移り行く景色を楽しむことができる。私は、この究極の超「らくちん&感動」フライトで今年もNZを満喫出来ました。こんなフライトが楽しめるのも、席を提供してくれるパイロットがあればこそ。パイロットの加藤さんは、私ほどらくちんではなかったみたいだけど、お陰で、10時間のフライトが楽しめました。
 実は、この加藤さんには、フライト以外にもうひとつ、大きな目標がありました。それは去年の夏、スクール生から教わったコインの手品をNZで披露すること。手品を覚えたその日から、NZに向けての猛練習が始まった。スクール生相手に実践して、見破られて落ち込むこと数十回。自分の手法をビデオに撮影までして、研究と練習を繰り返し、NZに乗り込んだ。獲物を狙う鷹のようにチャンスを伺い、披露しては鼻を高くする加藤さんでした。1番にこの手品の餌食になったのが、NZ在住のおちゃめな日本人、Mr.KO。目をまんまる(本当にまんまるなんです)にして、「ひえ〜〜!!」と驚いたKOさん。でも、気持ちいいくらい自己中のKOさん、「私は手品は人を騙すから嫌いです。手品を見ると腹が立ってくるんです。」との発言に、真夏のNZは凍りつき、それまで鼻を高くして調子こいていた加藤さんもタジタジ。慌ててタネを教えるとNZの夏は復活。即、加藤さんよりも鼻を高くしてみんなにやって見せる可愛いKOさんでした。
 このKOさんもまた、根っからのパラ好き。空を愛して止まぬ一人です。私は、密かにKOさんを「NZの御老公」と名付けました。

その時々の条件で(かなり私的な要素が含まれるのだが)飛びに行くエリアを決定し、日本から来たフライヤーを引き連れて、移動するところは、まるで水戸黄門。黄門様が、お供を連れて、世直しと言う名目の自由気ままな旅をするのと同じに見えました。KOさんの一言で、お供の様に付いて行く私達も全然嫌じゃなくて、私達はすっかりお吟の気分でした。御老公が翼端を折って降ろし始めると、何かあるのかと、他の外人フライヤーも皆そろって降りて来る。それを見て、「ハッハッハッハッハッー」っと高笑いするKOさん。まさに黄門様そのもの。今日もまた、お供を引き連れて、自由奔放に飛ぶ御老公の高笑いが、どこかの国の空に鳴り響いていることでしょう。御老公との出会いは、今年のツァーの一番の収穫かな。来年もまた来たいと思う楽しみがひとつ増えました。

今年初めて参加した森田さん。今年1月に定年退職し、2年間思い続けた大地に降り立った。何を見ても、何を食べても「ホー」「ヘー」「フーン」と感心する。このROLLOUTの黄門様が、NZの黄門様を相手に「私は安全第一です」と啖呵を切った。ところがその舌の根も乾かないうちに、あの広いランディングを外し、しかも、たった1本しかない木(それもイバラ)に、狙ったかの様にランディング。この回収に来てくれたのが、NZの黄門様ただ一人。昨日の啖呵があっただけに、穴があったら入りたい森田さんでした。毎朝、(7時から2時間)の散歩と、NZの大空を満喫し、大満足の森田さんでした。

本来の目的「パラグライダー」を一番楽しんだのは、やっぱりGO君かな。自由の国NZも、ここコロネットピークのフライトエリアは制限がいっぱい。前後左右上と制限があるため、飛べる空域はほんの僅か。一度上げてしまうと、後は動くことも、それ以上、上げることも出来ず、まさしくかごの鳥。(GO君曰く「生殺し…」)そんな中でGO君が見付けた楽しみ、それは、ランディングから上げる事。ランディングにある10m程の丘で立ち上げして、そのままテイクオフ。そこからサーマルを拾ってセンタリング…あれよあれよと言う間にトップアウト。「オレ、下から上げるわ」の発言をみんな冗談混じりで聞いていたけど、その目の前でセンタリングして、いとも簡単に、遙か上空に行ってしまった。以来、私たちをテイクオフ(山頂)に送り届け、急いで上がって来る車を横目に、ランディングへ急ぐGO君。そして、またまた、本当にランディングから上げて来て、あっと言う間に、私達の上を飛んでいる。年間に数回こんなことがあると言ってたけど、それをたったの10日間で4回も(しかも、1日に3回も)やってのけたGO君は、やっぱり凄いわっ!!

 こんなふうに、それぞれがニュージーランドでの休日を思いっきり楽しみ、是非、また来ようと希望を胸に帰ってきました。来年はどんな感動と出会えるのかなあ?!
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