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2005年08月27日

「萌え」という青い海

Business | Subculture

#「空気話」の続きを書けよ、という話もありそうですが、イタめのもあります、ということで軽く息抜きのエントリを。

DHBRに掲載された後、2ヶ月ほど前に書籍化された「ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する」を読んで、ふと、「萌え市場(萌え産業)」、というのはここでいう「ブルー・オーシャン(青い海)」だったのではないか、と思った。

本書では、競争自体を無意味にする未開拓の市場を「ブルー・オーシャン」と呼び、既存の市場「レッド・オーシャン」で低価格戦略や差別化戦略など、従来の競争戦略を駆使してまさに「血みどろの戦い」をくり広げるのではなく、「ブルー・オーシャン」の創造を主張している。直観的に、「ゲームのルールを変える」話に似ているような気がするし、それほど目新しさがある訳でもないが、ともあれ実践していくことこそが重要である。

特に中高生やF1層/M1層にとって、従来恋愛は消費社会日本を支える、消費牽引者の1つとなっている状況がある。ファッションやコスメ、エステといった投資はもちろんそうだし、クルマや、音楽、クラブ、サーフィン、スノボなどは趣味でもあるが出会いの場やツールとしての投資の意味合いもある。デートスポットやプレゼントを当て込んだブランド商品、貴金属などは直接的な「経費」である。また、少し観点を変えれば、キャバクラや風俗も恋愛関連市場と言えなくもない。

しかし、人口減少社会を控え、こういった年齢層がベースとして減ってきているのに加え、恋愛の2極化によって、マーケティング機能としての恋愛の神通力も絶対的なものではなくなっている。中高年層のスローラブや「自分へのプレゼント」型の代替消費も期待できるとは言え、今のままでは右肩上がりの市場は望みにくい。恋愛という効能の観点からは、前記のようなまさにあらゆる産業が同じ財布を取り合うことになるのだから、その競争は非常に厳しいものがある。一方、恋愛に縁のない人は風俗のような疑似恋愛市場で消費するのではないかという話もあるかもしれないが、本当に縁のない人は変に真面目だったりプライドが高かったりして、風俗に行く事もなかったりする。恋愛関連市場に、ほとんどカネを落としていない人たちがこれまで存在していたのである。

そのような中で、メイド喫茶のような萌えビジネスは「(ある種の)比類なき効用」「手に届きやすい価格(通常、キャバクラや風俗より安価。そうではないサービスも増えつつあるが)」「妥当なコスト(カフェの延長、限定的な設備投資)」「導入の障壁への対処(ヴェネチア・ビエンナーレ日本館や電車男のようなプチアキバ系の一般化)」といったブルー・オーシャン・アイデア(BOI)インデックス(同書p.186)を備えて登場し、従来恋愛関連市場にカネを落とす事になかった、「市場から最も距離のある未開拓の非顧客層」の一部の財布の紐を緩めることに成功した。もの珍しさも手伝って、一般の人々に来てもらうことに成功しているところもあるようだ。

ところで、消費者から見た「萌え市場」というのは、どのような意味を持っていたのか。精神科医の斉藤環氏が「萌え」とセクシュアリティの繋がりについて指摘していたが、「萌え」と恋愛や性愛には確かに関係がありそうである。恋愛の自由化によって、一部の勝者以外の中間層は、恋愛市場で厳しい競争を求められており、まさに恋愛の「レッド・オーシャン」というべき状況が発生している。そのような「レッド・オーシャン」に参加することができなかった層にとって、「萌え市場」が既存の恋愛市場に対する、「競争のない世界」「競争自体を無意味にする未開拓の市場」としての意味を持っていたことが想定される。まさに、多義的な意味で、「萌え」は「ブルー・オーシャン」だったのだ(図1)。

多義的な「ブルー・オーシャン」
図1 多義的な「ブルー・オーシャン」

ただ、この萌え市場ももはや(ビジネスとしては)競争が激化しており、すでに一部では撤退も始まっている。メイド喫茶は「メイド」(あるいは「コスプレ」)という属性だけに依存しているところに限界があり、参入障壁が低く模倣が容易だ。競争から抜け出すには新たなバリュー・イノベーションを伴うブルー・オーシャンの創造が求められつつあり、そしてそのヒントはよりコアなアキバ系コンテンツにありそうな気がしている。次回があれば、その辺りについて考えてみたい。

関連:
[subculture] 萌えるアキバが日本を変える メイド喫茶(4)
多分、「萌え」に関する最大の成功者は森永氏かと。経済アナリスト+「萌え」ということで、アナリストや評論家として全く競争のないユニークな立ち位置を築いてしまった訳で。

Posted by seraph : 14:48 | Comments

2005年08月26日

ニュースメモ(2005/8/21-2005/8/27)

News

【2005/08/26】
[society] 2025年に独り暮らし世帯の割合がトップに・厚労省推計
あくまで平均だけど、平均世帯人員1.98人ってのも凄い。

[society] あれ? 山田さん
「第2標準」? また興味深い言葉が出てきました。しかし「現代青年論の再考」の情報はぐぐっても全然出てこないな。

【2005/08/25】
[society] 今年、初の人口減の可能性・予測より2年早く
[society] 少子化加速、想定を超える・高齢化の負担増が経済の重荷に
例によって、人口問題研究所の低位推計に近いペースで進んでます。
関連: [society] 次世代育成支援で保険料はどうなる?
関連: [society] 子どもを産むためには「子どもがいても働きやすい職場を」

[partner style] “老いも若きも”やっぱり「モテたい」79%
yes or noの選択肢だったらそりゃそうだ。リソースを投資する際に他の選択肢と比較してどれほどの優先度かということじゃないと。

周囲の人から好感を持たれる、ということだとこれかな。
[book] 好かれる技術—好感度を高める、ボディランゲージの教科書。

【2005/08/23】
[society] 毎日新聞アンケ:女性出産意識、「子どもがいても働きやすい職場を」−−少子化調査
両立を求める声とのギャップ。
関連: [society] 少子化対策のマニフェスト

[society] シニアが地域を支える時代に、地域はシニアをどう支えるか (pdf)
NPOが重要な活躍の場に。

[society] セレブな気持ち
そういえば、「プチセレブ」なんて言葉もありました。単にマーケティングとして使われてる言葉でしょうね。

[business] 人口減少社会の経営戦略 (pdf)
縮む経済の中で。

[partner style] 流れぶった切ってスマソが、とても嬉しいことがあったので聞いて下さい。
ここぞとばかりに嬉しがるのもどうかと…ある意味で恋愛社会の被害者な訳ですし。人を呪わば穴ふたつという奴です。もちろん性病対策は万全に。

[communication] 情報は相手を想定して「発信志向」で読む
ビジネスコミュニケーションの場合。

Posted by seraph : 07:05 | Comments

2005年08月24日

空気の読める社会(1)

Communication | Society

以前、子どもたちの間では「空気が読めないこと」が最も嫌われる、という話があったが、これは、大人の間でも共通しているようである。価値観が多様化した、とされる社会では、「素直に」考えれば、ハイコンテクストな(共有する文化的・社会的背景や情報が多い)コミュニケーション空間からローコンテクストな(共有する文化的・社会的背景や情報が少ない)コミュニケーション空間へと変化するということであり、「コミュニケーション」の本来の意味である、(特に異なる価値観の人の間での)意思疎通のためにはより明確に言語化した対話が重要になると考えるのが一見自然である。

しかしその一方で、冒頭の「空気を読む」というのは、明確に言語化されたコミュニケーションの手法とは全く異なるようにも思われる。このねじれは、一体どういうことを意味しているのだろうか。今回のエントリでは「多様な価値観」「コンテクスト」という2つのキーワードについて触れ、次回のエントリで引き続き「コミュニケーションの種類」という観点からアプローチを試みたい。

まずは「多様な価値観」について。「価値観が多様化した」というのは何らかの説明をしたい時に、理由付けとしてなかなか使い勝手の良い文句であり、自分でも結構使ってしまったりしているのだが、1つにはそもそも本当に日本人の価値観は多様化しているのか、ということがある。どうも、今の日本では「多様な価値観」がマジックワード化しているように思える。図1は「コミュニケーション学 その展望と視点」から持ってきた「コンテクストの国別指標」(Samovar & Porter(1997)の又引き)だが、1997年の論文にして日本は最もハイコンテクストな文化の1つとして位置づけられており、感覚的にも今なお均質性の高い文化・社会であるという方がしっくりくる。

コンテクストの国別指標
図1 コンテクストの国別指標(出典: 「コミュニケーション学 その展望と視点」)

実際、家族(やや変わりつつあるとはいえ)、恋愛・結婚、仕事、カネといった主要な価値観は根強いままであり、依然として社会的圧力として機能しているのであって、十分に「多様」であるというにははなはだ心もとない。むしろ、多様化をしきりに強調するのは、マイノリティが社会に受け入れられることを要求するための方便であるとさえ言えなくもない(マジョリティはあえて多様化の必要性・重要性を強調する必要がない)。一般的に、ある種のマイノリティに属する人は常にマジョリティに属する人よりは、他の、自身とは異なる別のマイノリティにも寛容であると思われるが、自分の身に引き当てても、真にあらゆる多様な価値観に対して、フラットに対応できる(=相手を尊重できる)ほど、人間というものが強いとは期待しにくいところがある(※1)。

(※1)真にあらゆる価値観に対してフラットであるとすると、マイノリティを迫害、疎外することを肯定する価値観を持った人たちにもフラットでなければならないのか、という話もあるが。

とはいえ、共有可能な生き方モデルの喪失や、「趣味・嗜好」など、確かに実際多様化している部分もあり、異なる話題を持った人たちの話の噛み合なさは、もはや単に世代論で片付けられないところもあるから、ここでは「価値観は多様化しつつある」ということとする。

一方、ハイコンテクストとかローコンテクストとかいう時の、コミュニケーションにおける「コンテクスト」とはどのようなものを指しているのか。先の「コミュニケーション学 その展望と視点」からもう一度借りれば、

「できごとを取り巻く情報であり、そのできごとの意味と密接に結びついているものである」(Context is the information that surrounds an event; it is inextricably bound up with the meaning of that event.)

ということであり、加えて「静的な文化のコンテクスト」と「動的な状況のコンテクスト」の2つがあると同書ではまとめている。どうやら「空気」について考えるには、この辺りをもう少し掘り下げる必要がありそうである。具体的には、図2のように、コミュニケーションコンテクストは、時間の長さや空間の広さの違いによる多層構造を持っているもの、と考えられる(※2)。

(※2)多層とは言っても、完全に下層のコンテクストが上層のコンテクストの前提になる、ということではなく、「静的な文化のコンテクスト」と「動的な状況のコンテクスト」は並列して存在すると考えられる。

コンテクストの多層構造
図2 コンテクストの多層構造

このような多層構造で見てみると、「空気」は、「コンテクスト」が意味するところにかなり近いが、状況よりのコンテクストを主な対象としている。「多様な価値観」の参加者による「ローコンテクスト」なコミュニケーション空間と言っても、その多様さ・コンテクストが想定するレイヤと「空気」は必ずしも矛盾するものではない。

では、一体何故、今の日本では「空気を読む」ことがこれほど重視されるのか。1つには、昨今様々なハラスメントが話題になっているように、人の感情を害すること、気分を悪くする事を極端に避けようとすることがある。しばしば聞かれる「人に迷惑をかけなければ何をやってもいい」というのは、逆に言えば、「人に迷惑をかけることは避けたい」ということである。総じて、人間関係が脆くなっているということなのかもしれない。そのような中で、「価値観の多様化」ということになると、共有しているコンテクスト(比較的静的なコンテクスト)がだんだん減ってくる訳だから、会話の流れや相手の感情の変化を素早く読み取って臨機応変に対応していかなければ、まさに私たちが避けたがっている、人の感情を害する状況に、すぐに陥ってしまう。伝統的な「あうんの呼吸」はもはや死語なのかもしれないが、多くのコミュニケーションシーンでは依然として行間の大きい場合が多く、「静的な文化のコンテクスト」が相対的に小さくなった分、「動的な状況のコンテクスト」を読む力がより要求されてくるのである。

「空気を読む」力とはすなわち、価値観が多様化しつつある中で、あくまで人を不快にさせることなくスムースにコミュニケーションを行うためのコンピテンシーである、と言える。

関連:
[society] 博報堂生活総合研究所 10代男の子の意識調査 元調査?
[communication] 場の空気って何だろう? ファシリテーションの話。
[communication] 「空気を読む」ということ 異質なものへの対応の話。
[communication] 空気の読めない男を教育する
[communication] 脱! 空気の読めないオンナ
[book] 「場の空気」を読む技術

Posted by seraph : 08:11 | Comments

2005年08月22日

ベーシックアクノリッジメント(基本的承認)

Communication | Society

#どうも面白くならないのですが、いじっていても改善しなさそうなので(2ヶ月ぐらい寝かされているので旬を過ぎてますが)ポストしてしまいます。

グローバリゼーションや情報化が進む中、コミュニケーションコンピテンシーやヒューマンコンピテンシーがますます重要とされる現代において、以前に初等・中等学校における「コミュニケーション教育」の必要可能性について触れたことがあるが、「スクールカースト」やそれに言及されたブログ記事その他を眺めていると、どうやら本当に必要なのはそうではないのではないかという思いが強くなってくる。今回は、「ベーシックラブ」の続編として、「ベーシックアクノリッジメント(基本的承認)」とでも呼ぶべき概念について考える。

教育というのはどの層にターゲットを置くか、ということが重要である。例えば、最近「ゆとり教育」の是非が問われているが、「ゆとり教育」の意図は、エリート層(富裕層)に向けたハイレベルな教育とそれ以外への「非教育」であり、つまり、積極的に2極化を推進していこうということだろう。「ゆとり教育」が施された社会では一部の選抜されたエリートによるガバナンスが行われることになるが、その際、中途半端に賢い市民は素直に言う事を聞いてくれないので都合が悪いということであり、平均学力などというものは、落ちて頂いて良かった訳である。

冒頭のコミュニケーション教育ということを考えたときにも、B層(70%程度?)を主要な対象にするのか、C層(10%程度?)を主要な対象にするのかによって、適切なアプローチは全く異なるものになってくるだろう。以前に想定していたのは「(C層を含む)全体の底上げ」ということであった訳だが、その全体に対する教育がA,B層にしかワークしないとしたら、C層にとって助けにならない。

A,B層の場合、プレゼンテーションやスピーチ、ディベートなど話し言葉のスキルや表情・身体動作のような非言語コミュニケーションスキル、傾聴のような聞くスキル、また文章力のような書き言葉のスキルを身につけることは将来のビジネスコミュニケーションのために一定の効果が期待される。観察力や共感力も感情労働においては重要となる。特に感情労働系サービス業界においては今後労働力不足が予想されるため、労働力の供給という意味でも価値がある。

しかし、C層をターゲットとし「ボトムラインの底上げ」を実現するためには、コミュニケーションコンピテンシーを支える土台としての、「ベーシックアクノリッジメント」(基本的承認)とでもよぶべきものが最大の課題になってくるように思われる。「ベーシックインカム」から連想して格好つけた言い方になっているが、要は「ここにいてもいいという実感」であり、「(家族以外の他人に)受け入れられているという実感」である。

「承認」についての欲求は、マズローの欲求段階説を修正したアルダファーのE.R.G理論で言えば関係欲求に属するが、この承認欲求は、もう少し細かくブレイクダウンすると、家族による承認(ファミリーアクノリッジメント)、公的な個人としての承認(パブリックアクノリッジメント)、私的な個人としての承認(パーソナルアクノリッジメント)に分類されると考えられる(図1)。これらは階層化していると見ることもできるかもしれないが、他の承認が得られない時に別の承認で補填しようとする力が(個人の中で)働くことを考えると、やはりもとのアルダファーと同じようにフラットに近いものであると考えて良いだろう。

ERG理論と承認欲求
図1 ERG理論と承認欲求

そういった状況の中で、C層において特に欠けているものはパーソナルアクノリッジメントだろう。仮に学校の勉強ができれば、教師からそれなりに認められ、一定のパブリックアクノリッジメントを得られることになるが、そもそも、20代以下においては、公的な個人という感覚が弱くなっているため、パブリックアクノリッジメントだけでは、不完全という状況が発生する(*1)。その一方で、恋愛が多くの若い人たちにとって大切な理由の1つには、このパーソナルアクノリッジメントの大部分を一挙にカバーできるということにあると考えられる。

(*1)世代だけでなく、成長過程のそれぞれのフェーズでも、重要性の割合は変わってくると思われる。就学前はファミリーアクノリッジメントが中心、就学後はパーソナルアクノリッジメントが大きく、社会人になるとそれにパブリックアクノリッジメントが加わる。

そして、このパーソナルアクノリッジメントは、あくまで学校という場にこだわってこれを得られない人が何らかの対策により得られるようにすることが極めて困難なことが想像される。スクールカーストは閉塞した学校空間をある種の秩序を持って安定化させるのに避けられないシステムであるとさえ言えるからだ。そのため、ベーシックアクノリッジメントを実現するためのシステムは学校外に求めざるを得ない。近年、地域コミュニティの復権が訴えられており、この文脈でも、それは当てはまるが、住む場所はそう簡単に変えられる訳ではないから、やり直しが効きにくいという点で弱点を抱えていることは否めない(*2)。

(*2)高校では恋愛カースト以外のカーストは余りなかったので中学の頃を思い出し見ると、C層では引っ越していったり、ゲームやマンガにハマるといった傾向があったように思う(付け加えれば、C層に追いやられたほとんどの原因は容姿にあったと思われる)。確かに2次元は読者やプレーヤが感情移入するキャラクタが承認を得られるような話になっていることが多いので、セルフ(脳内)アクノリッジメントとして優秀ではある。

加えて、パーソナルアクノリッジメントはもはやC層だけの課題でもなくなってきている。A層やB層では表面的な付き合いは問題ないものの、本心で話せる相手がなかなか見つからないという状況が少なからずある。

移動や配分の容易なカネで解決する「ベーシックインカム」とは異なり、承認、特にパーソナルアクノリッジメントは個人対個人の話なので、単に実現方法のレベルでも容易でない。しかし、個人化のもとでのグローバルな競争が進み、承認感覚を得られない人が増えている中で、「ベーシックアクノリッジメント」は、「ベーシックインカム」の議論以上に切迫した課題になってくるのではないか。

【関連: 性的承認について】
[mental] 援助交際における性の商品化の様相 (pdf)
[mental] 2次元に魂をひかれて / その2 / その3

【関連: その他承認について】
[mental] 母の承認ということ
[mental] 心の思想 居場所とは何か?
[mental] 自己愛と対象愛によって満たされる私:健全な自己愛と病的な自己愛
[mental] 少子化社会の不確定なジェンダーと核家族の子育て:2
[mental] 自分が好き、という状態または技術によせて

【参考: 思考実験より】
[society] 群れで生きる裸のサル / 群れ、組織、集団という不思議な生き物を考える
[mental] マザー・テレサのいう“貧しい人”とは? / ペルソナとセルフイメージ
[mental] サイコロジカル・エンバイロンメントとセルフイメージとペルソナの関係について

Posted by seraph : 07:46 | Comments

2005年08月18日

ニュースメモ(2005/8/14-2005/8/20)

News

【2005/08/18】
[partner style] 若者は何故セックスレスに陥っているのか? (via 少子化を考える?(若者のセックスレス))
元気な女達の前で萎縮する男達、と。

[society] 働く女性眠れない! 若い世代に広がる——寝酒や薬多用も、残業でストレス
肌に悪い…どころではすまないかも。労働時間に差がなくなるのは雇用機会均等法上正しいですが、通常長い方に合う状況があります。

[society] この意味教えて
「郵政民営化をすれば、NEET・少子化といった問題も全て解決する」…??? 「〜→民にお金が流れて→雇用が改善し→〜」ということでしょうか。

[misc] 「大きな言葉」ではなく
そういえば、「ロジカル・プレゼンテーション」に似たような話がありました。「本当にそうなの?」と聞かれてしまう、縦の論理が繋がらない理由の1つとして「質の違うものを十把一絡げにしている」という奴。大き過ぎる括りで語るのは危険。

【2005/08/17】
間隔が空いているため、エントリを変えるのを忘れていました。

[society] 「寅さん」を憤慨しながら見る。
番組的に期待されるコメントをしたのだと思われますが、確かにがっかりかも?

[business] 売上げを伸ばす会社の〝成果主義〟
プロセス行動と結果のバランス。

[partner style] イギリスでは「恋愛の経費、一生涯で760万円余」?
月平均2,3万ってところでしょうか。しかし経費って、内訳が元記事見る限りデートとかプレゼントとか直接的な経費しかカウントされてませんが、服飾代や美容・コスメ費は含まれないのかな。この辺削るとそもそも機会が減りそうですし…ってま、それやるとスーツがビジネスパーソンの経費かとかそういう話になりますが。

【2005/08/15】
世間は夏期休暇なのか、余りないです。

[society] 政党選択の新たな意味
どこかでポリティカルコンパス的に再編して欲しいという話がありましたが、確かにそう思います。
参考: [misc] 特定郵便局 / Wikipedia

[society] 子育て費用1300万円、社会的支援を…国民生活白書
[society] 平成17年度 国民生活白書「子育て世代の意識と生活」 / 要旨
[society] 05年国民生活白書:子育て世代の意識と生活(要旨) (毎日新聞版)
非婚化、晩婚化に加え夫婦の出生行動の変化が大きく影響。

[society] 激変した若者の結婚行動 (pdf)
収入差の減少、子育ての負担感、フリーター・ニートの増加、パートナーを持たない人の増加、離婚の増加。

[communication] ヤマアラシ化
んートゲの長さの違いで、もともとヤマアラシではあったんですよね。

Posted by seraph : 07:45 | Comments

2005年08月11日

ニュースメモ(2005/8/7-2005/8/13)

News

【2005/08/11】
[society] 少子化対策と三歳児神話
7割って結構多いなと感じたんですが、そういうことですか。
関連: [society] 育休取得率、女性は7割 男性なお1%未満 厚労省調査

[society] 子育て中の母親の外出時等に関するアンケート調査結果(抜粋) (pdf)
[society] 子育て環境“最悪” 妊婦・母親の8割
取り上げ漏れ。個人主義化もあるでしょうし、それ以上に(一部を除き)社会全体が余裕がなくなってきていることがありそうです。意識改革も必要なんでしょうが、「他人は変えられない」ということから言えば、意識の問題にするのではなく、まずはできる限りシステムで解決できるところから対応していく方が現実的とも思われます。

[communication] 「話を聞かない男」には理由がある!
面白い説ですね。音楽を聴く時に歌詞は重視せず声を楽器として聴くところがあるんですが、それとは関係ない…かな。

楽器としての声と言えば、先月までNHKのみんなのうたで流れていた「アオゾラ」(吉本佳代)が最近の私的ヒットですね(イメージとしては平原綾香の高音版?)。

[partner style] ちょっとやばげだが…
取り上げ漏れ。経験の非対称性はこんなところから出てくるのかな。

[misc] 小泉さん、米国産アルファ・メイルにご注意
タイトルだけ見た時は、maleとすぐに繋がらなかったのでmailと思い込んで一瞬何のことだろうと。こういう自信はどうやって身につけるんだろう。そこが知りたいです。

[subculture] ゲームをやらずにゲームを非難するのは40歳以上
ファミコンが1983年発売ですが、今40歳だと1983年には18歳。確かに18歳からゲームはやらないよな。45歳なら23歳で社会人ですから更に。日本的な感覚でもかなりいい線行ってそうです。

【2005/08/10】
間接民主制って普段はお任せでラクな訳ですが、個別の法案にyes/noを示したいときは抱き合わせ感が強いですね。

[society] 家計負担の将来像 (pdf)

[society] 子供の方程式
景気回復と若年層の雇用対策が少子化対策としても有効か。

[society] 平成16年度コース別雇用管理制度の実施・指導等状況
まだまだ存在する格差。

[business] 感動と共感のお客さまサービスとは
より重要になる感情労働。

[partner style] やさしい男で何が悪いっ!
「やさしい」ってカバーする範囲が広いんですね。

【2005/08/08】
昨日は蒼井優を観に「星になった少年」を鑑賞(余り出番なかった)。動物たちは良いんだけど、話の掘り下げがもの足りないような。

[soicety] 少子化を取り巻くキビシー現実?
未婚男性が結婚できるような社会構造ってどんな構造かイマイチ想像がつかないな。外国人を多数受け入れる社会ということでしょうか。

[society] お金の話
目指せ、インターネッツで副業。

[society] 欧州の若年就労対策と日本の今後
日本は欧州の轍を踏もうとしているのでしょうか…?

[partner style] 男が恋したくなる瞬間
クリスマスシーズンの12月が圧倒的。8月は…海とかかな。

Posted by seraph : 07:28 | Comments

2005年08月06日

ニュースメモ(2005/7/31-2005/8/6)

News

【2005/08/06】
[society] 団塊世代の定年退職が労働市場に及ぼす影響を考える (pdf)
へぇ。定年がすでに定年になっていないので、マクロ的には影響が小さいらしい。

[society] テロリズムと日本人
無差別テロ発祥の地、日本。

[society] リストラに負けない!! 目標を直接狙う『飛び級』作戦とは
昨日の自殺の関連。男は「仕事」「金」「家族」の3基のエンジンで飛んでいるジェット機か…なるほど。マズローの5段階説は、以前にも書いたように実際はフラットだと考えられますので、第3,第4段階が満たされない人は直接第5段階を目指すようになるのは自然な反応ですし、また多分そうすべきでもあります。別の言い換えがゲームのルールを変えるの話。
関連: [society] サラリーマン襲うブルーマンデー症候群の恐怖とは…

[business] 成果主義の導入効果はどう見ればいいのか?(下)
昨日の成果主義の関連。

【2005/08/05】
終わりかけ(今日まで)の「HINOKIO」を昨日観てきました。かなり面白いと思うんですが凄い勢いで映画館ガラ空きですね。

[society] 長期停滞を超えて-日本資本主義改造試論 第7回 閉塞を打破する現代日本のニューパワー (pdf)
外国人、老人、女性、知識労働者。

[society] 俗流若者論ケースファイル43・奥田祥子&高畑基宏
わはは、「矛盾する大人の言葉『夢を持て』 持ったところで『現実を見ろ』」は確かに上手い。ただ、ちょっと違うかな。大人の言葉は矛盾してないと思う。大人の想像力が後退しているため、大人の価値観ベースで想定し、子どもに持ってくれることを期待する「夢」が始めから「現実」に沿って矮小化していて、子どもがしばしば持つ「夢」が大人にとっては想定外なため、慌てて「現実を見ろ」、という言葉に繋がるのでは。大人が想定している「夢」は持ってほしい訳です。

[society] 世界最高水準の自殺率の構造を探る (pdf)
50歳代の経済上の問題が大きい、と。

[business] 10年先にあるべき経営を自ら考えよう! 前編: 「成果主義」も、「ITマネジメント」も他人のモノマネでは役に立たない
上司に人を見る能力やコーチングスキルがあれば必ずしも失敗しないと思いますが…。

[work] 家事時給で平均926円専業主婦意識調査
時給1000円で家事時間1日4時間とすると、1ヶ月で1000x4x30=12万円。この辺りがメイドさんの相場ということにもなるのかな。もちろん、育児が入ると24時間になりますから6倍ですが。
参考: [society] 若年世帯のくらし研究~若年共働き世帯の生活時間帯と家事実態~ ってそもそも終電帰りが常態化している職場ではありえない生活時間帯モデル。
関連: [work] 私の主人はサラリーマンで平日は10時間以上働いています。
そういえば、こんな意見も。何だか「男子にとっては女の人が家事全部やってくれて、共働きするのが一番いい (中略) 女子にとっても男の人が家事も育児も半分手伝ってくれ、働かなくて済むというのがいい。」とはまるで違う世界の話です。

[work] キャリア開発の自己責任化と長期休暇

【2005/08/04】
[society] 人口減少社会日本、行動はストレートに脳が最大限に満足する方向に向かっている
えっと…ぱっと見「動物化」みたいなあれですが、もう少し時間のある時に読み直す必要があるかな。

[society] シンガポール 少子化で「メード費」控除
先日の「メイドさんの話」に繋がる話。プロ…じゃないのか。(via プリキュア様崇拝日記)

[partner style] 若い男性、年収少ないと結婚率低い 独立行政法人調べ
すでに散々指摘されていることではありますが…これの元資料が見つからない。豊かさはひとりひとりの中にある、ということにはまだなっていないみたいです。
関連: [work] お金のもたらすもの (2)

[partner style] フランス結婚崩壊と家族
そこまでして、一緒にいたいと思っていない…んですかね。

[partner style] 淘汰が始まった出会い系サイト――各社の戦略は?
米国の事情。目的別、ターゲット別に。至極もっともです。

【2005/08/03】
2日空けたので若干遅い反応もあります。

[society] 後期高齢社会への課題 (pdf)
前期、後期、超、なんていう分け方があるらしい。高齢社会は実は一瞬で解決する方法があって、75歳からを高齢者と再定義すればいい訳です。いや、高齢者も働かせろ、という偉い人みたいですが。
関連: [society] 60歳代前半層の働き方 (再掲)

[society] 一番重要なのは、団塊の世代が子供に金をやらないこと
仕事人間とかで、自分の趣味のない人の場合、子ども(孫)の成長ぐらいしか楽しみがなくなってしまったりするんでしょう。自分で稼いだカネは自分で使うということになってくると、確かに6ポケット狙いより引退した団塊向けサービスの方が期待できます。

[society] 子供のままの大人『ことな』に振り回されるな!
[society] 笑っちゃうね、TEET
[society] TEET予備軍宣言
元エントリと対照的な反応を2つ。「ネットによっていきなり世界統一ランキングに放り込まれると努力するモチベーションを持ちにくくなる」とも繋がってそう。情報過多な時代ですが、限られた見栄えのする職業の、かつトップレベルの話はいくらでも入ってきて目移りしがちな一方、そこまでの長い過程や、それ以前に他の地味な仕事に触れる機会がなかったりします。確信を持って続けられる若い人の方が少ないんじゃないかな。
関連: [society] TEETとマズローの5段階欲求の関係

[society] やめたい病
上のTEETと関係あるかな。名付けたもなにも、そのままやん。七五三とも。

[society] Work-Life Balance
社会的な「成功」の条件、の違い。日本はまだ「カネについてくる」国ですけど、帰属意識は、上の記事のようにもう30歳以下にはもうないでしょう。となると単に労働時間の話なのか…? つまり平均生産性が低い訳ですが、法律上、使えない人も抱えていなければならない状況があります。

[society] 次世代育成支援対策推進法 (pdf)
4月からは企業にも適用されています。産業によって、非婚率が高いところは、数値目標がなかなか難しいかも。ワークライフバランスの取り組みで進んでいることをアピールしている企業としては、スタッフ部門などで育児休暇の人数を稼ぎつつ、シングルの残業ならぬ「成果主義」でカバーしていくことになるんだろうな。割合や総人数で数値化する以上、抜け道はありそう。

[partner style] 共に「創造する」ことを楽しもう
今は何かと「出来合い」「インスタント」的? 昔の「お見合い」には、結婚から始まる、と言いますか、不幸な家庭を多数生んだ反面、一部には共創の側面もあったのかも。とはいえ懐古主義に陥っていても仕方がありません。そういえば、先週のAERAの「40歳からの出会い方」にも、見た目は不問、ってのがありました(後から教育すればいいから)。逆に言えば、いかにファッションで足切りされてるかってことですが。

[misc] 女性の美めぐり国民投票 メーカーがキャンペーン広告
[misc] リアルビューティ
美しさがひとりひとりの中にあるのだとしたら、選択肢が2択なのはどうなんだろう。超フラット、ですか。

【2005/07/31】
[society] 統計学の常識、やってTRY! 第4回&俗流若者論ケースファイル42・弘兼憲史
調査の背景に、あらかじめ想定されたストーリーが(ま、調査とはそういうものですが)。

[society] コミュニケーションの可視化が起こす問題
PCにしろネットにしろそんなところがありますね。昔は周囲から奇異の目で見られる一方で本人はそれなりに自尊心を保てていたのに、いつの間にかすっかりマジョリティの価値観の下に置かれている。

[partner style] 女のケモノ道
なんとなく、という大多数の無意識、か。なるほど。

[partner style] 結婚できない女性についての質問です。 (via finalventの日記)
何だろう、これは…結婚相談所でも開こうとしてるのかな。

[society] 少子化社会とロハス的生活
人口減少社会の個人のライフスタイルモデルはロハス?

[sub/culture] 暴論:ICC について
存亡の危機…そうなのか。ハコものなのは確かですが、ハコを生かしたインスタレーションとかも割と楽しいからなくなったらちょっと寂しいかな。

[misc] 想像力の磨耗
「答え」より「問い」を。今は安易に「分かりやすさ」に流れてしまうところがあります。

Posted by seraph : 17:49 | Comments