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恋愛ゲームヒロイン学


第3講 たったひとりの大切な人

2000/02/07開講(2000/02/07初筆)

 第2講に続いて、恋愛ゲームヒロインに関するアンケート1(※1)に基づき、恋愛ゲームにおけるヒロインの人数について考えてみたい。

問、恋愛ゲームにおいて望ましいヒロインの人数というのは何人程度だと思いますか?

有効回答数:201

人数ポイント
1
8(4.0%)
2
3(1.5%)
3
9(4.5%)
4
6(3.0%)
5
37(18.4%)
6
41(20.4%)
7-8
49(24.9%)
9-10
19(9.5%)
11-12
12(6.0%)
13-15
3(1.5%)
16-
5(2.5%)
その他
9(4.5%)

その他
  • 何人でもかまわないと思います。ただし、それぞれの性格など設定がしっかりされているなら、という条件がつきますがけれど、人数はそのゲームの内容に対してバランスの良い数がもっとも好ましいでしょう。例えば、「ときメモ」のようにワンプレイ2〜3時間のものだと、一般的にワンプレイの時間*ヒロインの人数となるわけですから。
  • 人数はどれぐらいが良い、と決まっているモノではないと思う。R/X指定なのか、またストーリーにもよると思う。自分の場合、重要視するのは男女比率。やたらと女性キャラばかりでは狙い過ぎで、ハナシも薄っぺらくなりがち。かといって、男性キャラを増やし過ぎても当然つまらない。
  • 最適なヒロインの人数はゲームのシステムによって左右される気がします。例えば、メモ系のパラメータ重視系に分類されるゲームならある程度の人数が必要となると思います。逆に、ADV系のゲームの場合は、人数が少ない方が各人に対してシナリオを掘り下げ易く、その為よりヒロインを魅力的に描く事が出来るので、良いと思います。
  • ヒロインはそれぞれの魅力を十分に引き出すストーリーがあるのなら、何人いても構わないと思う。しかし、ゲームのバランスを考えると10人も出すと、一人一人の魅力的なストーリーに限界がくるのではないだろうか?もし作れたとしても、きっと主人公を操るプレイヤーの記憶容量を超えてしまい、恋愛ゲームとしては不完全なところができてしまう。したがって、3人〜7人ぐらいがプレイヤーの好き好みが適度にわかれ、なおかつそれぞれの魅力が記憶から薄れない程度の限界だと思う。
 回答形式として7人と8人を合わせて7〜8人としてしまったため、最もポイント(回答数)の多い正確なヒロインの人数が分からなくなってしまったのが残念だが、大体5〜8人のところに集中していると考えて良いだろう。これは5人いればほぼ全てのキャラクタパターンを網羅できるとした第2講をユーザの希望から裏付けることにもなっているし、制作側の経験則や受け手の慣れも含めて現在のような形に落ち着いたということで納得しやすい結果だと言えるだろう。

 もちろん、その他の意見にもあるように、人数が重要なのではないことは誰もが分かっていることである。更に言えば、キャラクタパターンを網羅することはやって悪いことはないが、それだけでは何の意味もなさないということだ。

 第1講の繰り返しになるが、かつて恋愛ゲームという言葉がなく、ナンパゲームだった時代には、極端な話をすれば「○人切り」の世界であって、キャラクタが多い程満足感が得られたのかもしれないが、これだけ恋愛ゲームとキャラクタが溢れている今では誰も満足しない。

 かくして、恋愛過程を重視するに至り、キャラクタの人数が減る代わりに1人1人の描写を深める方向に進んだというのは、制作側の作業量という面と、プレーヤのプレイ時間という面で自然な流れだが、人数を減らせば自動的に密度が高くなる訳でもないのであって、少々気になることとして人数だけ減って全然深くなってないゲームがないか?(笑)というのがあるのだが、そういったしきりに「薄い」と言われているようなゲームが今後は淘汰されていくことを祈る。ユーザとしては人数が多くてかつ深くても余り困らないのであるし。(笑)(※2)

 さて、人数ということからは少し離れるが、キャラクタを複数登場させる意義として、これは今後(とも)是非やって欲しいと強く言いたいのだが、キャラクタ同士を絡ませて(ヘンな意味ではない(笑))欲しいということ。必ずしもメインキャラだけとは限らないし、回答の中にもあったように、主人公以外の男性キャラもいないと生きてこない。もちろん、2人だけの愛というのを否定するつもりはないが、恋愛の社会的側面として、周りから受け入れられる(あるいはそこで軋轢を起こす)というのが大切ではないかと思うからである。

 極論すれば、そうでなければ複数人いる意味は見出しにくい。時に、再度アンケート集計に目を戻すと、望ましいヒロインの人数として、「1人」というのが必ずしも少なくない割合で存在するのが興味深い。恋愛ゲームはキャラクタの人数ではないのだということ、その自分にとっての「たったひとりの大切な人」とのより深い物語を楽しみたいという志向が端的に現れてると言えないだろうか。

 これは1,2年前から考えていたことだが、補講第15講のネットワーク恋愛ゲームとも関連して、ダウンロード(あるいはアプリケーションサービス)販売形式が仮に定着するとしたら、ゲームタイトル単位で購入するのではなく、キャラクタ単位で1人ずつ購入する(嫌な表現だ…)というスタイルが取れるのではないか、ということである。ビジネスになるのかというのはともかく、1つの可能性として提起しておきたい(※3)。

 追記として、その他の意見から少し変わったものを。
  • 何人でも問題ないと思います。極端な話、パーツごとにまで細かく分類して全ての組み合わせの大人数のヒロインたち選べるとか(それこそ「カスタムメイト」みたいに)。
 キャラクタのカスタマイズというのは面白いとは思っているのだが、それにどうやってシナリオ付けようかというのが頭の悩ませ所だったり。どんなキャラクタでも通じてしまう無難なストーリーを果たして楽しめるのかというのが。
  • 50人前後。
 ……いくら何でもそれは多過ぎ。(笑)「絶望」ですらその半分しかいないし。(笑)
※1、1998年10月〜1999年2月頃当ページにて実施。






















































































※2、何をもって「深い」というのかというのはあるが。現実の恋愛はもっと複雑だが、しかし同時に(矛盾するようだが)もっとシンプルなものではないか?だが、ユーザが求めているのは、あくまで恋愛物語だ。




















※3、ってオフライン(CDメディア)モノではすでに「ぽけかの」等があるか…もっともセットで購入すれば特典うんぬんってのはやめないか?未開封中古溢れてたよ?(笑)