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恋愛ゲームヒロイン学


第6講 恋愛ゲームヒロイン姓名ランキング

2001/07/14開講(2001/07/14初筆)

 明治生命が行っている姓名ランキング(※1)で、2000年に「さくら」が1位になったということで、一部では話題になったことが記憶に新しいが、一方恋愛ゲームではそれほど頻出しているという感じがしていなかった。恋愛ゲームヒロインの名前の傾向は日本のそれとはどのように一致し、あるいは異なっているのかを恋ZEROのデータベースから得られた結果(※2)と比較してみよう。

 幸い2000年からは名前の読みでも調査が行われているので、ここではより適切だと思われる名前の読みに注目することにする。同じ読みでも何通りもある名前はどうしても不利になってしまうからだ(実際、「女の子の名前辞書」によれば「さくら」と読む名前は16種類(しかもかなり偏りがあるだろう)なのに対して、「あやか」と読む名前は92種類あるという)。

 2000年日本の名前(読み)の順位とそれが恋愛ゲームヒロインの姓名ランキングのどこに位置付けられるか、およびその逆をを下表に示す。

【2000年日本】
順位日本   恋G
1あやか21
2ゆうか53
3ももか-
4はるか5
5あみ155
6まい21
7ななみ73
7ゆうな-
9みゆ110
10さき17
10さくら73
12ゆい155
13りな73
14しおり39
14なつみ53
16まゆ28
17あおい39
18なつき21
18みく155
20あいり-
20もえ241
22ちひろ53
22みさき28
22れいな241
25かな11
26さやか21
27あかり241
27あやの28
27なな110
27ゆき53
【恋愛ゲーム】
順位恋愛ゲーム日本
1かおり-
2やよい-
3めぐみ-
4みゆき-
5かすみ-
5はるか4
5みどり-
8みき-
9あきら-
9ようこ-
11あや-
11いずみ-
11かな25
11きょうこ-
11みずほ-
11ゆう-
17さき10
17さつき-
17しずか-
17まこと-
21あい-
21あやか1
21えみ-
21くみこ-
21さやか26
21なつき18
21まい6
28あやの27
28あゆみ-
28さなえ-
28のぞみ-
28まなみ-
28まゆ16
28みさき22
28ゆかり-
28ゆりか-
28りょうこ-
28れいこ-

※なお、恋愛ゲームヒロインの方の集計は明確に「名前」と判断されるものに対してしか行われていないことに注意されたい。例えば咲耶(シスプリ)のように姓(の設定)がなかったり、ソレッタ織姫(サクラ2)のように姓名が逆になっていると思われるヒロイン、ファンタジー系のカタカタ名などは計上されない。

 相互で30位以内に入っているものに色をつけているが、両方に含まれているものは10。これをよく一致しているとみるか傾向が違うとみるか。恋愛ゲームヒロインの1位の「かおり」や3位の「めぐみ」、現在は死滅している「ようこ」「くみこ」などの「〜こ」とつく名前にしても15〜20年ぐらい前に流行った名前であり、恋愛ゲームヒロインのランキングにはやや古さを感じさせるのだがどうだろうか。

 なるほど、恋愛ゲームのヒロインは主に15〜20歳がメインだから15〜20年前の流行の名前がつけられているのはちょうどぴったりではないかというのはどうも話がうま過ぎる。むしろ恋愛ゲームヒロインは18歳の設定なら「生まれた時から18歳である」というべきだ。(ついでに言えば「寿命も短い」。)「名は体を表す」というが、現実には「こんなはずじゃなかったのに」ということもあるかもしれない。しかし、初めからその年齢である創作キャラクタでは「体を表す」度がはるかに高いと考えられる。

 恐らく、名前のヒントを得るのに、作り手の身近なところから得ているからではないだろうか。昔好きだった人…とは言わないが、かつての同級生、身近な女性、あるいは身近な創作ヒロインから取っていると年代がその辺りになることは想像に難くない。その意味では、10年後、20年後に、(もし恋愛ゲームというものが残っているのであれば)どういった傾向になっているかが興味深いところだ。

 いやそもそも、名前の傾向を比べる以前に、恋愛ゲームの世界が「日本」であるかどうかから疑うべきだろうか。例えば「雫」という漢字は「常用漢字1945字+人名漢字284字」に含まれていないため、日本では法律上名前に使うことができないが、恋愛ゲームヒロインには平気で何人も見つけることができる。日本でなければ(そしてももちろん日本以外の国でもなければ)、そこはファンタジー世界と同じであって日本の法律に従う必要はないのだ。淫行条例なんてくそくら…おっと失礼。

 もちろん、名前を付けるということに関して言えば作り手が日本にいて日本向けに売り出している以上影響がないはずはない。だが赤ちゃんにしろ恋愛ゲームヒロインにしろ、流行がどうかというよりは、その名前にどれだけ愛情が込められているかが大事なのだと思う。作り手が恋愛ゲーム(に限らないが)ヒロインを生み出していく感覚は、親が娘を育てる感覚にも似ているという。しかし、恋愛ゲームヒロインは恐ろしく「消費」されるのが速いため次から次へと「生産」し続けなければならず、モチベーションを維持しつづけるのは相当大変だと思う。商売上様々なタイプのヒロインを入れなければならないとは言え、作り手に愛されていないヒロインはどうしてもそれが作品に滲み出てきて、結果的に受け手にも良い印象を与えない。

 願わくは全ての恋愛ゲームヒロインが愛されてこの世に生まれ落とされることを。
※1、参考文献リンク。
姓名ランキング(明治生命)
「女の子の名前辞書」計画
ノンノンのデジタル命名事典
2001年BABYのためのネーミングヒント

※2、2001/07/14までのデータを使用。なお、最新のレポートはRagna Reportから取得できる。