「今月の駄目」


1998年7月号 勘違いした・・・シーン from「お嬢様を狙え!!」「ゆうわくオフィス恋愛課」

98/07/28掲載

0、イントロダクション

「今月の駄目」シリーズは、毎月、そりゃ駄目だろ、というものを取り上げて悪意的に(笑)書き綴るものであり、主観や偏見に満ちている。ともすると気分を害される方を生み出しかねないので、予めご了承願いたい。ここで注意したいのは、他の恋愛ゲーム学シリーズでも勿論誇張していたり間違っていたりする部分もあると思うが、「今月の駄目」では意図的に(笑)誇張表現や嘘を書いている場合があるということである。よって、これを読む際には話半分というより、全部嘘、と思って読んで欲しい。ボロクソにけなしているほどべた褒めしているということだ。<ホントか?(笑)

1、はじめに

「今月の駄目」は本当は来月が創刊号だったのだが、たまたま気まぐれで今月からということになった。創刊準備号といった所か。

2、「お嬢様を狙え!!」

Win95で発売された「お嬢様を狙え!!」(Scoop)はたいして話題にもならなかった普通のエロゲーだ。それがサターンに移植されると聞いて喜んだ人が一体何人いたのだろうか。移植を決めたクリスタルビジョンの感覚には到底理解し難いものがある。

エロゲーというものは、それなりに絵が良くてそれなりに使えれば(何に?)もうオッケーなのだ。しかし、コンシューマゲームでそれ目的で買う人が本当にいるのか。コンシューマで期待されているものと、エロゲーで期待されているものはほとんど相容れない。エロゲーで通用したゲームがコンシューマゲームでは必ずしも通用する訳ではない。

それでいて声を当てているのはAV女優だと言うから更に理解に苦しむ。なるほど、そういう演技は上手いかもしれないが、それ目的で買っている訳ではないのだから、勘違いも甚だしいところだ。確かに有名声優・人気声優が所属しているプロダクションでは規則があってえっちシーンOKという声優はごく限られているが、それならば初めからサターンに移植など考えなければ良かったことだ。恋愛物語を期待して買ったユーザの引きまくる図が目に浮かぶ。

たまたま同時期に「お嬢様特急」があるのが笑えるが、正統に恋愛を描いている(と期待される)「お嬢様特急」と比べるとこちらは余りにも悲しい「お嬢様」だ。そんな「お嬢様」など認めたくないものだな。

3、「ゆうわくオフィス恋愛課」

「ゆうわくオフィス恋愛課」(タカラ)は職場の大人の恋愛を描いたコンシューマとしては異色の恋愛ゲームとして興味深い。しかし、キャッチコピーの1つである「プレイステーション初の・・・シーン」というのは一体何なのだろうか。また一体どんなつもりで書いているのだろうか。

初めに断っておくが、ベッドシーンならばすでに「ゼノギアス」というスクウェアのRPGで登場している。初めてではない。「PS初の・・・シーン」とは、一体どんなシーンのつもりだったのか、頭を抱え込まざるを得ない。

そもそも、サターンですらそうなのに、プレイステーションのゲームにそういう期待をして買う訳がないのは改めて書くまでもなく誰が考えても明らかなはずなのだ。「PS初の・・・シーン」とぶち上げてみた所で少なくともそれで買おうと思う人は1人もいない。それがプレイステーションの融通の利かなさでありまた利点でもあったからだ。

そんな意味のないキャッチコピーなど無用なのであって、アピールするならばもっと別な部分でやるべきだ。もしその「・・・シーン」というのが描きたかった「大人の恋愛」とやらであるならば寂し過ぎる。

ゆうわくオフィス恋愛課のホームページ

4、コンシューマという枠

しかし、こういったことは何もこの2作に限ったことではない。コンシューマゲームのいわゆるサービスシーンにはいい加減うんざりしている。規制の範囲内でこんなに頑張っているんだということはひしひしと伝わって来るが、そんな程度ではどうせこちらは全然満足できないのだから。(笑)今時ビデオゲームのコアユーザはもちろん小学生だってそうだろ?(笑)それにもしそれが目的であるならばエロゲーを買えば済むこと。というよりエロゲーの半分以上は「それしかない」のだから。(笑)(それはそれで問題だと思うが。)要は「やるならちゃんとやれ。やれないのならやるな。」と言うことだ。

恋G研のアンケートでも明らかになっているが、コンシューマ恋愛ゲームユーザが求めているものはそうではない。恋愛ゲームユーザはサービスシーンに感動する訳でもなく泣かせられる訳でもない。恋愛を描くのに必要な描写は構わないが、全く無関係のサービスシーンなどはっきり言ってもう必要ない。ただ見苦しいだけだ。

それとも、サービスではなく制作者の方が入れたがっているんだろうか?それならエロゲー業界行けば?やりたい放題だから。(笑)制作者だってそんな中途半端なサービスシーン作って満足してるはずはないだろうしな。(笑)
#もっとも、最近のエロゲーの過激化にはいつ手が入るんじゃなかろうかという危機感も感じているが。児童買春規制法案の件もあるし。優れた恋愛ゲームが巻き込まれることがないよう望む。

今月の駄目度:★★★★