「今月の駄目」


1998年8月号 メーカ憎んでゲーム憎まず from「DANCING BLADEかってに桃天使!」

98/08/13掲載

1、ギャルゲー戦略を問う

クソゲーを掴まされた場合、そのゲーム自体を恨むべきか、あるいはそのゲームを作ったメーカを恨むべきか、(はたまたそのゲームを選んだ自分を恨むべきか(笑))どちらが望ましいのだろうか。

ゲームを正当に評価するという事からすれば、ゲーム自体を批判すべきだろうし、私も基本的にはそうだと思う。

しかし、私の場合、2社だけ例外があり、それが今回のコナミとSCEなのだ。(笑)もっとも、それは同人(二次創作)や中古販売に対する態度、あるいは販売戦略そのものが私の考え方とは大きく食い違っていることがそのほとんどの理由なのだが(私はご存じの通り中古容認派であり、二次創作に至っては積極論者である)。話がそれるが、某藤崎詩織を模した18禁ビデオで訴えた件で、社長が「自分の娘の事の様に思ってますから…」と発言したという話を聞いたが、それは本気で言っているのだろうか。万が一本気で言っていたとしたら正気の沙汰ではないし、そうでなければそんな馬鹿を露呈するような真似はやめて欲しいものだ。

さて、いわゆるギャルゲーが溢れている今日、これだけギャルゲーシャワーを浴びさせられていると(もっとも半分は進んでだが(笑))、パッと見でそのゲームがアリ(ここでいうアリというのはイケているかどうかということだ)かナシかが(少なくとも個人的範囲内では)分かるようになる。その中で、コナミの「かってに桃天使!」は、別にクソゲーではないだろうと期待する(笑)が、もうかなりナシな部類に入るゲームだった。

まず、何が駄目と言って私は和風系のゲームは駄目だからだ。(笑)
「あやかし忍伝くの一番」「怪刀乱麻」ももちろんそうだったが、基本的にキャラが和服を来ているものはもう食指が動かない。(「サクラ大戦」も当然そうなるな…。)

まぁ、それは個人的な趣味だから仕方ないが、それを置いておいても、「かってに桃天使!」は果たして彼らの言うように新しいジャンルのゲームなのか。アニメAVG系としては、すでにもう一方のSCEのやるドラシリーズに先を越されているし、こちらの方が遙かにメジャーになっている気がする。どんなゲームだってそうだが、柳の下の2匹目のどじょうを狙うことがどういうことなのか、「ときめきメモリアル」でヒットさせた当のコナミが一番良く知っていることではなかったか。

そして、何より駄目なのが、いい加減しつこく言っているプロモーションだ。私の周りで、発売1ヶ月前まで誰もこのゲームの存在を知らなかったというのは驚きである。内容がないほどプロモーションで頑張らなければならない(笑)のに、これはどうしたことか。「みつめてナイト」の時にしてもそうだったが、ここら辺はユーザが買いたがるモノ作りの上手さもさることながら、CF等のイメージ戦略等見せ方・目の引き方が実に上手いSCEとは対照的だ。(もっとも、じゃあお前がやれと言われたとしてもこの「かってに桃天使!」では頭抱えるだろうな。プロモーション担当な人が可哀想だ。(笑))

まさか、いい加減駄目なものを出しておいてグッズで稼ごうという訳ではあるまい。それはすでにあの悪名高い「センチ」がやっているのだから。(笑)それともグッズやCDを出すのがプロモーションのつもりなのか。(笑)金儲けはもちろん構わないが、金を貢ぐ騙されやすいユーザだけが客ではないだろ。

こう考えてみると、経営の多角化を目指しているらしいが、一体コナミはどれぐらい真面目にギャルゲーを作るつもりがあるのか疑いたくなってくる。いや、末端のスタッフの方は当然好きでやっていると信じたいが(好きでもないスタッフが作ってロクなギャルゲーが出来るはずもないことは言うまでもない)、その上で、トップにギャルゲーを見る目、見抜く目がなければ駄目だ。真面目に作る気があるなら、ギャルゲー戦略というものを1から考え直すことを勧めたいし、そうでなければ一切手を出すのはやめて欲しいと老婆心ながら思う。(それと、恋愛ゲームはシナリオが命なんだからいい加減シナリオ専門スタッフ雇うべきだと思うぞ…。)

かってに桃天使!のホームページ

今月の駄目度:★★★★