Research | Character | Attribute

Press Release

2002/11/20

有限会社ラブレスワン

恋愛体験デーティングサービス「Lesson/One」開始のお知らせ

 loveless zero(代表: 秋風碧)は本日をもって(有)ラブレスワンを設立し、12月20日よりユニバーサル恋愛体験プライベートデーティングサービス「Lesson/One」を開始いたします。

 「Lesson/One」サービスでは、「全ての人に恋愛の楽しさを」を合言葉として、ビデオゲームや、従来の風俗店ではご満足できなかった方を含む全ての方に恋愛の楽しさを知って頂くことを目的としております。なお当初は男性向けサービスを提供しますが、ニーズ動向により、女性向けサービスの投入も検討中です。

 具体的には、Webサイトを通じて当店に登録されたスタッフからお客様にお好みの「パートナ」を選んで頂き、当店からご指定の時間、ご指定の場所に「パートナ」を派遣致します。彼(女)は「そのままのお客様を100%肯定」し、「初めからお客様のことが好き」であるように振る舞いますので、どんなにコミュニケーションが苦手な方や自分に自信のない方でも、安心して恋愛を体験して頂くことが可能になる訳です。また、オプションを選択して頂くことにより、「パートナ」に「妹」「幼馴染」など様々な属性を付加したり、シナリオをあらかじめ定義したりして頂くこともできます。一緒に映画を見る、美術館や水族館を訪れる、食事をする、飲む、散歩する、など1人ではなかなか行き辛い場所にご自由にご利用頂けます。ただし注意点として、あくまでも「恋愛体験」の提供であり、従来の風俗店のような「擬似性行為」ではないことがあります。なお、詳細な料金体系は現在検討中ですが、1コマ90分の基準ご利用料金としては、ターゲット層を考慮し、成人向けPCゲーム1本分の価格を目安に考えております。

 (有)ラブレスワンでは、「Lesson/One」サービスの提供により、初年度3000万円、3年間で2億円の売上を見込んでおります。詳細は以下をご覧下さい。

背景

 現代日本は、コミュニケーションがますます希薄になりつつある時代である、ということができます。同じマンションに住んでいるのに挨拶もない、場合によっては隣に住んでいる人の顔も分からない。そんな例が後を絶ちません。人と人とが真正面からぶつかり合う、そういった経験が圧倒的に不足しており、ひとりの方が気楽、そんな風潮さえ広まりつつあります。

 しかし一方で、恋愛ビジネスは留まるところを知らず、私たちは恋愛至上社会に洗脳されています。恋愛は、言うまでもなく、濃密なコミュニケーションが求められる人間関係の一形態です。ひとりの方が気楽。でもひとりは寂しい。そこに大きな齟齬が生じているのです。

現状分析

 恋愛至上社会にあって、恋愛競争の最底辺に属する恋愛障害者では、事態は深刻です。恋愛障害の原因は、一言で言えば彼(女)が「キモい(気持ち悪い)」訳ですが、その原因は色々考えられます。

  1. 顔の造形がヤバい。肥満。髪が薄い。(ただし、男性の場合は容姿が致命的な原因になることはほとんどない。むしろ、容姿が原因で周囲からいじめに遭ったり、自信を持てなかったりする方が問題。)
  2. 勘違い男(女)。相手は全くその気がないのに、少し親切にされただけで自分に気があるのではと思い込んでしまう。電波。ストーカー。
  3. 不潔。服装にこだわらなさ過ぎる。もしくは、こだわっているらしいのだが一般的なファッションセンスからズレ過ぎていて理解不能。眼鏡。
  4. マザコン。幼児的万能感。自己中心的。人の気持ちが分からない。分かろうとしない。
  5. オタク。特定の話題になると途端に饒舌になるが、他の話題には全く関心を示さない。その特定の話題を理解してくれる相手には「仲間」だと思って馴れ馴れしくなるが、そうでないと壁を作って閉じこもる。
  6. 対人恐怖症。コミュニケーション不全。引きこもり。仮にそうでなくとも、暗い。無口。話下手。自意識過剰。
  7. 童貞。性的魅力、あるいは、性的自信に欠ける。「下手」。「小さい」。
  8. 理屈っぽい。哲学かぶれ。プライド高過ぎ。(行動を起こすまでの)敷居高過ぎ。相手に対する理想高過ぎ。

 実際には、これが複合的に絡み合ってきます(逆に、上記のいずれかの要素を持っていても健常者であることもあります)。人数的には、日本全体で恋愛障害者が20万人、恋愛障害者予備軍を含めると100万人と私たちは見積もっています。

 このうち、1,2,3,4辺りであれば既存の風俗店で(あくまで性的欲求の解消という点では)対応可能ですし、5についても、話題が合う限りは特定のコスプレ風俗店などで対応が可能でしょう。しかし、6,7はそうは行きません。風俗店のサイトを見ればお分かりのように、風俗店のスタッフが好む客は、「話していて楽しい人」だったりする訳で、トークにまるで自信がないコミュニケーション不全者は、既存の風俗店には怖くて行くことができません。8についても、やはり風俗を蔑んでいるため、何だかんだと自分を正当化して、風俗に行くこともできませんし、童貞を捨てることもできません。

 「セックス」より「マスターベーション」の方が「キモチいい」時代。言うまでもなく、相手を意識する必要がないからです。これは自分からはモニタ内のキャラクタが見えるが、モニタ内のキャラクタからは自分は見えない、という常に一方向的である恋愛ビデオゲームと、奇妙な一致を示しています。

 そうでない比較的な恋愛健常者でも、コミュニケーションが希薄な現代日本社会では、都心部を中心に

と感じている人は結構多いと考えられます。この背景には価値観の多様化があります。現代化が進んだ日本社会では、自分にとって何が大事か、という価値観が人によって様々であり、かつ特に若者は小さい頃から何不自由なく育ってきたため、ガマンが効きません。一方で、「孤食(1人で食事を取ること)」の広がりや、携帯メールによる一方的な「コミュニケーション」に見られるように、他者と真正面からぶつかるという経験が不十分なまま大人になってしまっており、相手との距離感を上手く取ることが難しくなっているため、異なる価値観に遭遇した時に、相互理解を試みるなど上手く対話を持つことができず、理由なく嫌悪したり、無視したりしようとします。会社や学校、地域社会など、無関心による解決ができない場所では、必然的に人間関係が煩わしくなってしまう訳です。

 もちろん、こういった社会現象は憂慮すべきものですが、その一方でこれをビジネスに利用しない手はありません。多くの人は1人の方が気楽、と考えながらも恋愛至上社会には囚われている訳ですので、人間関係の煩わしささえなければ、1人はやはり寂しいのです。恋愛体験サービスというお金だけで解決できる、徹底的に割り切った擬似的な人間関係。私たちは、そこに大きなビジネスチャンスが存在していると考えています。

コンセプト

 本来、恋愛は楽しいものです。もちろん、ここで言う「楽しい」とは、想いが通じた時、好きな人と一緒にいる時の幸福感だけでなく、様々な葛藤や苦しみ、失恋の痛み、それらを全てひっくるめたものです。しかし、本サービスでは、そういった痛みにナーバスな方にも、「1st Lesson」として楽しんで頂けるサービスを目指します。恋愛の甘さだけを抽出した、という意味ではビデオゲームに通じるものがあります。その上、相手は依然としてリアルな人であるのです。

問題解決のために

 恋愛障害は、突き詰めれば「自分に自信がない」ということに尽きます。それゆえにあらゆる行動が悪い方悪い方に回っていってしまうのです。また、人間関係が煩わしい、と感じる人は異質なものとの出会いを嫌がります(この点では「オタク」に通じるところがあります。「オタク」と「非オタク」の違いは、その「同質」であるところの価値観対象が「メジャー」か「マイナー」であるかにあるということになります)。

 これに対応するためには、まさしく「100%ありのままの自分を受け入れてくれる」「100%ありのままの自分を愛してくれる」ことが大事ということになります。もちろん、現実にはそんなことはありえませんが、お金と引き換えに手に入れることができるのであれば、どうでしょうか。当然後腐れも何もないのです。

 また、「初めからお客様のことが好きであることを100%保証する」というのは、恋愛経験が不足している人は恋愛のステップをどう進めていけばいいのか、どう駆け引きを行えばいいのか、見当がつかないからです。彼らはこれまでの人生で、家族以外の人に十分に愛されているという経験に欠けているので、「振られる」ことを恐れます。恋愛ビデオゲームで「妹」や「幼馴染」の人気があるのは仲良くなるまでのステップがショートカットされるからです。そこで、あたかもビデオゲームのように、リスクが全くない恋愛を体験して頂くことをお約束することによって、安心してサービスをご利用頂くことが可能になります。

 恋愛はお金がかかるものですが、これまで恋愛に縁がなかった人はお金の使い道がありませんでした。それでいて風俗に行くこともできない人がいます。擬似的な恋愛体験サービスのニーズは今後もますます需要が高まるものと、私たちは考えています。また、サービス自体はあくまでも擬似的ですが、人間関係を構築する力、距離感を適切に取る力は、結局のところ、人と関わることでしか磨かれません。そういった一種のカウンセリング効果が期待できるという点でも、私たちのサービスは社会にとって有益であることを確信しています。

 私たちは、恋愛体験へのニーズ分析を積極的に行い、これをサービスに反映していくことで、お客様への魅力的な恋愛体験とささやかながら人間関係構築力の向上をサポートしてまいります。

FAQ

Q.「100%肯定する」とありますが、スタッフに、暴力行為やストーキング行為のような危険が迫ったとしても、あくまでも「100%肯定する」のでしょうか?

A.残念ながら、それはありません。恋愛とは1対1の対等な関係ですので、対等な関係が危機にさらされるような暴力や、ストーキングのような犯罪行為にはあらゆる法的手段を含む毅然とした対応を取らせて頂きます。これは当社のスタッフをそうした危険から守るためでもあります。

Q.エッチなことはできないのですか?

A.申し訳ありませんが、現在のところできません。ただし、ニーズ動向によっては、「プレミアムサービス」を検討するにやぶさかではありません。恋愛では重要な要素であるのですから。

Q.「初めから好きになってくれる」というのは、ある程度恋愛能力が高い人にとっては、駆け引きの要素がなく、つまらないのではないでしょうか?

A.おっしゃる通りです。恋愛障害者にとっては、「振られる」可能性こそが最も大きな恐怖となりますので、「初めから100%好きになる」ことを保証することで、安心して頂く訳ですが、健常者にはもしかしたら物足りないかもしれません。私たちは、そうした「駆け引き」の要素を含むより高いレベルのサービス(仮に「Lesson/Two」とします)の提供も、継続して検討してまいります。

Q.この手のサービスは、いかに魅力のあるスタッフを揃えられるかが大事だと思いますが、そんなに魅力がある「パートナ」やらを揃えることは可能なのですか?

A.はい、それは私たちも最大のリスクであると考えている点です。一般的な風俗店と比べるとどうしても高い料金を頂くことが難しいですし、コミュニケーション不全や引きこもり、オタク、勘違い男といった恋愛障害者と恋愛ごっこをするのは、スタッフにとっては風俗店で擬似性行為をするよりも遥かに苦痛であることが、容易に想像されるからです。

 私たちは、その問題をクリアするため、スタッフを全面的にサポートするカウンセリング体制を整えるとともに、売上のスタッフに対する還元率をできる限り大きくすることで、お客様満足に留まらずスタッフ満足度を高め、結果としてお客様にとって質の高いスタッフを揃えられるよう全力で努力してまいります。

Q.ぼくは1人で生きていけます。恋愛や結婚なんかにこれっぽっちも興味ありません。

A.大変結構なことだと思います。よく言われるような「人はひとりで生きていくことはできない」なんてのは嘘っぱちであって、依然として豊かな日本では、人間、ひとりで「生活する」ことは十分にできる訳です。でもそれは果たして「生きている」と言えるのでしょうか。

 恐らく、お客様はまだお若い方ではありませんか。30歳、35歳になっても胸を張って本心から同じことが言えるのなら、それは立派だと思います。是非ご自分の生き方を大事にしてあげて下さい。

Q.ぼくは10歳未満にしか興味がありません。10歳未満の「パートナ」も派遣して貰えるのでしょうか。

A.この…このロリコンめがっ! (ハッ)た、大変失礼致しました。残念ながら私たちの「Lesson/One」サービスは、「健全」をモットーとした恋愛体験サービスですので、10歳未満のスタッフを雇うことはできませんし、派遣することもできません。

 しかし、考えてもみて下さい。なぜ、お客様は10歳未満にしか興味が持てなくなってしまったのでしょうか? 恐らく様々な原因から恋歴社会からドロップアウトしてしまい、同年代の人と対等な関係を構築することができなくなってしまったからではないでしょうか? ご安心下さい。当「Lesson/One」サービスでは、「100%お客様を肯定」することを原則としておりますので、自信を持って対等な恋愛体験を味わって頂くことができます。「Lesson/One」サービスを利用して頂くことで、怖がらずに、一歩を踏み出して下さい。

Q.2次元(ビデオゲームやアニメ、漫画)の女の子にしか興味がありませんが何か。

A.もちろん構いません。上野千鶴子ならせいぜい「オナニーしながら死んでくれ」というところでしょう。誰も自分で壁作っているような人に興味はないですから。お客様の幸福観を邪魔する権利は誰にもございません。1点気になるとすれば「本当にそれで幸福なんですか」ということだけです。実際のところ、お客様は生まれた時から2次元にしか興味がなかったのでしょうか? 多分違うと思います。人生を歩む中で何らかの理由があって、そうなってしまったのだと考えます。2次元にしか興味がない、と思い込むことによって、自分は大丈夫だと思わなければ生きていけなかったからです。

 でもご安心下さい。「Lesson/One」サービスでは、私たちが派遣する「パートナ」は必ずお客様のことを好きになってくれます(正確には、そうであるかのように振舞ってくれます)ので、安心して恋愛「ごっこ」を楽しんで頂けるものと思います。そして、一旦リアルな人との触れ合いの楽しさ、暖かさに気づいてしまったが最後、ビデオゲームが提供してくれるらしいところの仮想恋愛体験がいかに味気なく、つまらないものであったかを、お客様には痛感して頂くことになると、私たちは確信しております。











Q.ていうか、そもそもこのプレスリリースってマジですか?

A.えぇ、ジョークに決まってるじゃないですか。

Research


このページの内容はいかがでしたか?
大変良い 良い まあまあ 改善の余地あり 不充分・不完全である

コメント(感想、意見、反論、今後扱って欲しいテーマ、etc./記入は必須ではありません):