補講第4講は、総論第6講の後編として、1度では語りつくせない問題を裏側から捉えようという試みです。長いです。(^_^;;
さて、アンケートでは、恋愛ゲーム学の本来の目的とは多少違うのですが、恋愛ゲーマーの趣向を尋ねてみました。
問、仮に性表現以外の他の条件が全く同じ恋愛ゲームがあったとしましょう。全く同じですよ。現在の規制のレベルで考えて、片方は18禁ゲーム(性表現/セックスの描写あり)、片方は一般(非18禁)ゲーム(性表現なし)であった場合、あなたならどちらを買いますか?(^_^;;;;
1 | ■■■■■■■■■■■■■■□ | 43(55.8%) |
---|---|---|
2 | ■■□ | 9(11.7%) |
3 | ■■■■■■■■□ | 25(32.5%) |
これは理屈抜きで純粋に18禁ゲームに対する抵抗感があるのかどうかを尋ねたものです。(^^;;;;;;;;
恋愛ゲーム研究会自体が(というより私が(爆))最近18禁ゲームに偏りがちなので、それが受け入れられる傾向なのかどうか気になったというのもあるかもしれません。(^^;;)しかしこの結果の限りでは18禁に対する抵抗感はあまりないようで、問題ありませんね。<ホントか?(^_^;;;
1を選んだ方の回答例としては、
など。非常に分かりやすいですね。(^^;
そして2を選んだ方の回答例としては、
など。
1、2を選んだ方は理由に言及された方はあまりいらっしゃいませんでした(3は具体的に回答を求めているので当然ですが)。ここら辺は感性の違いですから、本人にとってはそれが当たり前のことであるけれども、客観的にどちらかが正しいということではないのだと思います。
また、3を選んだ方では、
などに見られるように、ゲームの流れに自然にとけ込んでいるかどうかでどちらを買うか決まる、という人と
と、こちらも非常に分かりやすく(^^;;)答えて下さった方とに半々ぐらいに分かれました。
本論の方で、恋愛ゲームにえっちが本質的に必要であると答えた人の少なさから考えると、上のアンケート結果はどうせならあった方がいいな(^^;;)と考えている人の多さを伺えるものとなりました。(^^;;
やはり、それは性(さが)なのではないでしょうかね。(^^;;
(恋愛ゲームではないんですけど)EVEと言えばWin95移植版がR指定で、次のWin95移植のDESIREで何を思ったか18禁宣言。何だかなぁ…って感じですよね。もう、R指定にしたため思うように売れなかったと言ってるようなものじゃないですか。(笑)
では実際の所、18禁ゲームの方が売れるのでしょうか?
それには面白い答えが見えてきます。すなわち、
1はユーザの需要(^_^;)を考えても当然として、2はどうしてでしょうか。
まず、もちろんユーザの母体数が一般ゲームと18禁ゲームでは違うということがあります。生理的抵抗感を感じる人もいます。
それに加えて、一般ゲームでは「同人による補完(一体何を補完するんだか(笑))」がしやすいというのが大きいのではないかと考えます。(笑)
そういう同人活動をメーカーが嫌う場合も見られるのですが、はっきり言ってそれは危険だと思います。商売上も。
もともと恋愛ゲームというものはメーカーが作ったゲームが全てではありません。ユーザがそれを自己の中で消化し、自由に再解釈することによってのみ完成形となるものなのです。ですから、メーカーが世界観・キャライメージを無理に押しつけようとするのは自殺行為でしかありません。
#(逆にこれをうまく使っているのがLeafでしょうか。)
この「与え過ぎ=逆効果」が今回の性表現の問題でも起こります。
現在の18禁恋愛ゲームでは、どうしても「してしまったら終わり」的な感覚が制作サイドにもユーザサイドにもあるのではないでしょうか。最近は「えっち=攻略」の図式が崩れてきているものもあり、喜ばしい傾向ですが、それでも全くなくなっている訳ではありません。
自己解釈(妄想とも言う(爆))がしにくいということは、そのゲームを長続きする大ヒット作にするためには非常に不利なことだと思います。
結論1:自信があるなら初めから一般ゲームで作ってみろ!(笑)
また、先に挙げた18禁ゲームにおける「してしまったら終わり」的感覚はそれ自体好ましいものではありません。
セックスがあくまで恋愛の1つの具現化でしかないのですから、それが最終目的になってしまっていては駄目なのです。
最終到達点ではなく過程の1つとして。これが比較的実現されているものとしては「下級生」や「バーチャコール3」などがあるでしょうか。これらでもまだまだと言ったこところですが。
結論2:「到達点」ではなく、「過程の1つ」として性表現が取り込まれた時、恋愛ゲームは理想のカタチへと1歩近づく。
それでもえっちシーンが欲しい。(爆)
そう思う人が多いのは仕方のないことだと思います。(^^;;
そこで、筆者は常にカスタマイズの重要性を主張しているのですが、性表現にもそれを導入することを考えてみましょう。
一番一般的なものとして、えっちが攻略の必須条件ではなく、えっちシーンがあるシナリオとえっちシーンがないシナリオを両方作って、どちらでも話が良く通るようにする、という考え方があります。シナリオ上選択可能にするやり方です。
これは古くは「同級生2」にも一部導入されていますし、「Pia☆キャロットへようこそ!!2」も積極的に取り入れられています。
前章で書いたように、えっちが「過程の1つ」でしかないのですから、これは自然な考え方と言えるでしょう。
また、こんなやり方が意味あるのかどうかは分かりませんが、ヘアのあるなしをシステムメニューで選択できるのと同様に(笑)、えっちのあるなしをシステム上選択可能にするということもできるのではないでしょうか?(笑)
当然この場合もどちらでも話が通じなくてはならないので基本的には同じことなのですが、ただ見た目上一般ゲーム化できるという訳です。(^^;;
しかし、これらの方法では結局18禁ゲームとして売らなければならない訳ですから、より大きな市場の獲得としては余りにも弱すぎます。
そこでこのカスタマイズが究極的に進化したものとして、恋愛ゲーム学ではまだ書いたことはありませんが、筆者が前々から主張しているものが
18禁コンポーネント(笑)
という考え方なのです。
すなわち、一般ゲームとして成り立つシナリオを作って、そちらは一般ゲームとして売り、シナリオをえっちシーンがあるものへと追加・変更する18禁のプラグイン的パワーアップキットを組み込むことで対応しようというものです。
一般ゲームユーザも獲得でき(しかもこれはそのままコンシューマ市場へと出せる)、更に18禁ゲームユーザも満足できる。これは商売上も非常に好都合なのではないでしょうか?(笑)
#R指定コンポーネントを発売することも可能。(^^;)また、キャラごとに組み込めるとベター。(^^;;
もちろんそのえっちシーンがただオマケイベント的につけ加えられるだけでは全然意味がありませんので、全体的なシナリオから相当良く練りこまなくてはならないのですが(ただ付け加えるだけでなく全体的な変更も必要があると言うこと)。
移植の問題を避けるためにも初めから両対応するように作ることが求められているのです。
#(ひょっとしたら「同級生3」辺りがこれに近いもの狙ってくるのではないか、と睨んでいるのですが。)
ソフトハウスの皆さん、これからは「コンポーネントの時代」です。いや、本当に。(笑)
今回のアンケートも(筆者よりもずっと(^^;)しっかりと書いて下さった方がたくさんいらっいます。そこで最後にアンケートの自由欄に書いて下さったものの一部を紹介したいと思います(激しく長文多いです(^^;;)。何が正しいとは言いません。自分の考え方に固執せず、柔軟な姿勢で多くの人の考え方を知り、そしてもう一度自分で考え直していくことこそが大切だと思います。
ただしたまに筆者が突っ込みを入れているのもあります。(^^;;
例えばときメモなんて、ず〜っとデートしまくりで、エッチどころかキスもできない。最後に告白されるまで(っていうか、告白しても)えっちできないっていう所にリアリティを感じないんだよなぁ。
カプコンの虹色町の奇跡も(あれは仕方ない気がするけど)、あそこまで分かり合えて、気持ちが通じ合ってれば、や………やるんじゃないのかなぁ、と思うっす。
逆に、絶対にえっちしなきゃならないのもちょっと違う気がする。To Heartも、あそこまで「えっちがエンディング」にしなくても、えっちのないエンディングっていう「選択肢」もあっても良かったんじゃないかな、と思う(つまり「えっちありエンディング」と「えっちなしエンディング」の2種類のハッピーエンドを用意しても良かったのでは………と)。
で、上の様に「必然のえっち」っていうものを、リーフブランド並のシナリオ描写力でどん、と提出すれば、ゲームやってる人も「ああ、なるほど」と思うんじゃないか、と思う。
あくまで必然であって、「えっち目的ゲー」としなければ………って、それにはかなりのゲームぢからがいるザンスか?
簡単に言えば「18禁」付けてりゃいいんじゃないか、と。買ったり売ったりするのは、作る人の責任じゃないし。作る人は「これぞ自分の信じるギャルゲー」を作っていけば良いのではないか、と。
恋愛ゲームにおけるえっちならばPC-FXの18禁の範囲で過不足ないとも言えますね。
新しい表現方法と成り得る恋愛SLGに性表現が関わってくるのも当然のことでしょうし、切り放す必要はないと感じられます。逆に絶対性描写が必要であると訳でもなく、ゲーム(製作側)によって自由に・効果的に使用すればよいものと考えます。
18禁やコンシューマの表現レベルの問題ですが、コンシューマについては青年誌レベル(一番近いとすればFX?)がいいんじゃないかなぁ。R指定の問題が新たに出てくるケド。過激な描写があってこそ生きる表現もあるだろうし、逆に性を取り扱わなくても素晴らしい作品もあるだろうしケースバイケースでいいんじゃないかしら?
初めてセックスをした少年が、相手の顔に射精したと言う話があるが、大人の一趣向を誤解したものであり、誤った認識をする恐れのある、情報媒体を作成しているのはすべて規制を唱えている大人の側であり、歪んだ性的知識は結局、大人が与えた悪影響と考える。そもそも、性的表現に関してクローズな社会と言われてきた日本であるが、現在の目覚しい発展を遂げているメディアの中で、すでにその考え方は通用しない。
最近はサイクルの短さが言われていますよね。初デートで7%が、ですか。さすが渋谷センター街の高校生。(笑)いや、別にもちろん会ってその日その場で、って訳じゃないんですけど。(笑)
ただ、それでは恋愛に味が出ません。恋愛の形を考えた場合、肉体関係を持つことによって恋愛感情が生れたり、かえって不仲になったり (決っして下手だったからではない。そういうのも面白いけど) ずっと友達でいましょう宣言されたりと、色々なパターンが生れると思います。そういった恋愛の幅を広げるのに有効だと思います。しかし、全てのキャラとやれるというのは(同時にではない)やはり不自然です。少くとも肉体関係を持つのならそれなりの設定が必要です。もうちょっと本音を言うと、短期間でセックスする仲にまで発展するはずないと思うんですがね (初期状態にもよりますが)。 私としてはもうちょっと考えて行動して欲しいです、お嬢さん方(爆)。
このへんはレディースコミックを参考にするといいかも知れません。18禁じゃなくても結構ベッドシーンとかありますから。裸ぐらいはいいんじゃないかな。
いえ、どうみても小学生ぐらいの子供が18禁ゲームを山のように抱えて買っているのを見たこともあります。(笑)
ある規制が正しいのかはともかくとして、守られない規制なら全然意味がないですよね。その意味でも規制の運用方法を見直す必要があるでしょう。
かの有名な「同級生2」でさえ、私が自然であると感じたのは洋子とのセックス(結果赤ん坊ができたということで主人公と結婚)のみです。その他の女の子のシナリオは、よく考えてみると不自然さばかりが目立ちます(考えるまでもないものもありますが:例えば桜子とのセックスですが、長い間入院していた病み上がりの女の子といきなりセックス(=かなり激しい運動)をするバカがどこにいるっていうんでしょう)。結局「オカズ」としての役割を越えられていないというのが率直な感想です。
もし、自然な形でセックスへの過程が描ききれているのであれば、性描写も問題ないと思います。ただ、それが本当に可能なのか。結局恋愛ゲームというのは、どんなものであれ「お手軽な恋愛」ができるところに一つ重要な要素があると思います。実際の恋愛はシンドイですから。しかし、ことに恋愛ゲームに良くある年齢設定(高校生〜大学生程度)においては、お手軽な恋愛でセックスまでいってしまうのは「ナンパ」だけです。
私が「下級生」を希有な成功例として挙げたのは、あのゲームが恋愛における心の動きの積み重ねを丁寧に描写しきっている(まだ至らない部分もあるとは思いますが)からです。ところがご存じの通り、それをするために「下級生」はゲーム性をつぶしてしまいました。「お手軽な恋愛」と「セックス」が基本的に相反するのと同様に、「ゲーム性」と「丁寧な描写」は両立させるのが大変困難と言えるでしょう。
さて、コンシューマーなどでの規制というのはまた別の次元の問題でしょう。私は現在アメリカ在住なのですが、はっきり言って日本ではエロ系メディアが表に出すぎです。もちろんアメリカもポルノグラフィなどは盛んな国の一つと言っていいと思いますが、小さな子どもの目の触れるような場所にはそういったものはありません。
必要なのは棲み分けでしょう。私はポルノグラフィ(エロ系メディア)があることに反対ではありません。それどころか、むしろなくなったら非常に困ります(笑)。しかし、だからと言ってそれがやたらに街中にあふれていいものだとは決して思いません。
…でもゲームによる性教育は非常に難しいでしょうね。(^^;;
セックスについては、愛があればいいとか言うけど、そんな事だからまだ幼くても性に興味を持つのだとおもう。だからもっと性教育的に良い表現すればいいと思う。
あと、結婚(もしくは特定の恋人関係)が至上である。との作り手の考え。これはこれで気持ち悪い。
筆者も意味もなくえっちシーンのCGに埋め尽くされているエロゲー誌には辟易する1人です(第一ネタバレじゃないですか(^^;;)。もっともメーカーが雑誌社に渡すサンプルグラフィックに問題があるのだと思うのですが。ゲームのパッケージ(裏面とか)にしても同じこと。それしか売りがないのか?と言いたくもなります。
個人的にはプラットホームや規制の枠を越えた恋愛ゲーム専門誌を希望するんですが。(^_^;;;
恋愛ゲームは「種の保存/繁栄」とかそんな高尚なことは全然考えてないでしょうけど。(笑)
でも、僕個人としては、別になくてもいいと思う。ただ、普通好きな人がいて、その子とHできる状況(向こうも想っていたとかですよ、念のため)になったり、今現在恋人がいたりしたら、やっぱりするでしょう、男女問わず。僕が思うに、Hっていうのは本質的には子孫を残すための行為ではあるけど、人間である以上、動物とは別な感情のつながりとかがあるべきだと思うし、少なくとも僕はそういったつながりを大事にしています。
で、ゲームにおけるHっていうのは、
1.プレイヤーが主人公との一体感(?)を感じやすくするため
2.イベントとしてこれ以上強力なものはないから
3.Hがある事により、(不純な)購入者が増える事を見越して
っていうような理由であると思うんですけど、まぁ何にせよそれの存在の是非って決めなきゃならないってものではなくて、それこそ、ユーザや開発側の「良識ある対応」に任されるべきではないでしょうか。結局、もっとエグイH描写を求める人が増えれば、規制しても無駄だろうし、Hゲームを買う人がいなくなれば規制がなくてもHゲームは開発されなくなるってことだと思いますよ。だから、少なくとも僕らユーザがしっかりする事だと思います。
みるくぅ〜〜。(T_T)
今の18禁系の限界が「隠れキャラ的存在以外の普通の登場人物には必ずHがなくてはないらない」ことだと思うのでね(^^;
#結局一番言いたかったのはそれかい。(爆)
#(…ってPiaキャロ2やってない人には分からないですね。(^^;)