第4講 本音で語る(笑)「恋愛ゲームにえっちは必要か?」

〜恋愛ゲーム学総論第6講補講〜
97/11/30開講

1、恋愛ゲームに関するアンケート4(後編)

補講第4講は、総論第6講の後編として、1度では語りつくせない問題を裏側から捉えようという試みです。長いです。(^_^;;

さて、アンケートでは、恋愛ゲーム学の本来の目的とは多少違うのですが、恋愛ゲーマーの趣向を尋ねてみました。

問、仮に性表現以外の他の条件が全く同じ恋愛ゲームがあったとしましょう。全く同じですよ。現在の規制のレベルで考えて、片方は18禁ゲーム(性表現/セックスの描写あり)、片方は一般(非18禁)ゲーム(性表現なし)であった場合、あなたならどちらを買いますか?(^_^;;;;

  1. 18禁の方
  2. 一般の方
  3. その他

1■■■■■■■■■■■■■■□43(55.8%)
2■■□9(11.7%)
3■■■■■■■■□25(32.5%)

これは理屈抜きで純粋に18禁ゲームに対する抵抗感があるのかどうかを尋ねたものです。(^^;;;;;;;;
恋愛ゲーム研究会自体が(というより私が(爆))最近18禁ゲームに偏りがちなので、それが受け入れられる傾向なのかどうか気になったというのもあるかもしれません。(^^;;)しかしこの結果の限りでは18禁に対する抵抗感はあまりないようで、問題ありませんね。<ホントか?(^_^;;;

1を選んだ方の回答例としては、

など。非常に分かりやすいですね。(^^;
そして2を選んだ方の回答例としては、 など。

1、2を選んだ方は理由に言及された方はあまりいらっしゃいませんでした(3は具体的に回答を求めているので当然ですが)。ここら辺は感性の違いですから、本人にとってはそれが当たり前のことであるけれども、客観的にどちらかが正しいということではないのだと思います。

また、3を選んだ方では、

などに見られるように、ゲームの流れに自然にとけ込んでいるかどうかでどちらを買うか決まる、という人と と、こちらも非常に分かりやすく(^^;;)答えて下さった方とに半々ぐらいに分かれました。

2、だからえっちは必要?(笑)

本論の方で、恋愛ゲームにえっちが本質的に必要であると答えた人の少なさから考えると、上のアンケート結果はどうせならあった方がいいな(^^;;)と考えている人の多さを伺えるものとなりました。(^^;;

やはり、それは性(さが)なのではないでしょうかね。(^^;;

(恋愛ゲームではないんですけど)EVEと言えばWin95移植版がR指定で、次のWin95移植のDESIREで何を思ったか18禁宣言。何だかなぁ…って感じですよね。もう、R指定にしたため思うように売れなかったと言ってるようなものじゃないですか。(笑)

では実際の所、18禁ゲームの方が売れるのでしょうか?
それには面白い答えが見えてきます。すなわち、

  1. 一般的には18禁にした方が(簡単に)売れる。駄目なゲームになるほどその傾向が強くなる。
  2. ただし、20万本、30万本行く大ヒットゲームにするためには一般でなくては不可能。
ということです。

1はユーザの需要(^_^;)を考えても当然として、2はどうしてでしょうか。

まず、もちろんユーザの母体数が一般ゲームと18禁ゲームでは違うということがあります。生理的抵抗感を感じる人もいます。

それに加えて、一般ゲームでは「同人による補完(一体何を補完するんだか(笑))」がしやすいというのが大きいのではないかと考えます。(笑)

そういう同人活動をメーカーが嫌う場合も見られるのですが、はっきり言ってそれは危険だと思います。商売上も。
もともと恋愛ゲームというものはメーカーが作ったゲームが全てではありません。ユーザがそれを自己の中で消化し、自由に再解釈することによってのみ完成形となるものなのです。ですから、メーカーが世界観・キャライメージを無理に押しつけようとするのは自殺行為でしかありません。

#(逆にこれをうまく使っているのがLeafでしょうか。)

この「与え過ぎ=逆効果」が今回の性表現の問題でも起こります。
現在の18禁恋愛ゲームでは、どうしても「してしまったら終わり」的な感覚が制作サイドにもユーザサイドにもあるのではないでしょうか。最近は「えっち=攻略」の図式が崩れてきているものもあり、喜ばしい傾向ですが、それでも全くなくなっている訳ではありません。

自己解釈(妄想とも言う(爆))がしにくいということは、そのゲームを長続きする大ヒット作にするためには非常に不利なことだと思います。

結論1:自信があるなら初めから一般ゲームで作ってみろ!(笑)

また、先に挙げた18禁ゲームにおける「してしまったら終わり」的感覚はそれ自体好ましいものではありません。
セックスがあくまで恋愛の1つの具現化でしかないのですから、それが最終目的になってしまっていては駄目なのです。

最終到達点ではなく過程の1つとして。これが比較的実現されているものとしては「下級生」や「バーチャコール3」などがあるでしょうか。これらでもまだまだと言ったこところですが。

結論2:「到達点」ではなく、「過程の1つ」として性表現が取り込まれた時、恋愛ゲームは理想のカタチへと1歩近づく。

3、フルカスタマイズを目指して

それでもえっちシーンが欲しい。(爆)

そう思う人が多いのは仕方のないことだと思います。(^^;;
そこで、筆者は常にカスタマイズの重要性を主張しているのですが、性表現にもそれを導入することを考えてみましょう。

一番一般的なものとして、えっちが攻略の必須条件ではなく、えっちシーンがあるシナリオとえっちシーンがないシナリオを両方作って、どちらでも話が良く通るようにする、という考え方があります。シナリオ上選択可能にするやり方です。
これは古くは「同級生2」にも一部導入されていますし、「Pia☆キャロットへようこそ!!2」も積極的に取り入れられています。

前章で書いたように、えっちが「過程の1つ」でしかないのですから、これは自然な考え方と言えるでしょう。

また、こんなやり方が意味あるのかどうかは分かりませんが、ヘアのあるなしをシステムメニューで選択できるのと同様に(笑)、えっちのあるなしをシステム上選択可能にするということもできるのではないでしょうか?(笑)
当然この場合もどちらでも話が通じなくてはならないので基本的には同じことなのですが、ただ見た目上一般ゲーム化できるという訳です。(^^;;

しかし、これらの方法では結局18禁ゲームとして売らなければならない訳ですから、より大きな市場の獲得としては余りにも弱すぎます。
そこでこのカスタマイズが究極的に進化したものとして、恋愛ゲーム学ではまだ書いたことはありませんが、筆者が前々から主張しているものが

18禁コンポーネント(笑)

という考え方なのです。

すなわち、一般ゲームとして成り立つシナリオを作って、そちらは一般ゲームとして売り、シナリオをえっちシーンがあるものへと追加・変更する18禁のプラグイン的パワーアップキットを組み込むことで対応しようというものです。
一般ゲームユーザも獲得でき(しかもこれはそのままコンシューマ市場へと出せる)、更に18禁ゲームユーザも満足できる。これは商売上も非常に好都合なのではないでしょうか?(笑)
#R指定コンポーネントを発売することも可能。(^^;)また、キャラごとに組み込めるとベター。(^^;;

もちろんそのえっちシーンがただオマケイベント的につけ加えられるだけでは全然意味がありませんので、全体的なシナリオから相当良く練りこまなくてはならないのですが(ただ付け加えるだけでなく全体的な変更も必要があると言うこと)。
移植の問題を避けるためにも初めから両対応するように作ることが求められているのです。

#(ひょっとしたら「同級生3」辺りがこれに近いもの狙ってくるのではないか、と睨んでいるのですが。)

ソフトハウスの皆さん、これからは「コンポーネントの時代」です。いや、本当に。(笑)

4、アンケート回答紹介

今回のアンケートも(筆者よりもずっと(^^;)しっかりと書いて下さった方がたくさんいらっいます。そこで最後にアンケートの自由欄に書いて下さったものの一部を紹介したいと思います(激しく長文多いです(^^;;)。何が正しいとは言いません。自分の考え方に固執せず、柔軟な姿勢で多くの人の考え方を知り、そしてもう一度自分で考え直していくことこそが大切だと思います。
ただしたまに筆者が突っ込みを入れているのもあります。(^^;;

恋愛ゲームにおけるえっちならばPC-FXの18禁の範囲で過不足ないとも言えますね。

最近はサイクルの短さが言われていますよね。初デートで7%が、ですか。さすが渋谷センター街の高校生。(笑)いや、別にもちろん会ってその日その場で、って訳じゃないんですけど。(笑)

いえ、どうみても小学生ぐらいの子供が18禁ゲームを山のように抱えて買っているのを見たこともあります。(笑)
ある規制が正しいのかはともかくとして、守られない規制なら全然意味がないですよね。その意味でも規制の運用方法を見直す必要があるでしょう。

…でもゲームによる性教育は非常に難しいでしょうね。(^^;;

筆者も意味もなくえっちシーンのCGに埋め尽くされているエロゲー誌には辟易する1人です(第一ネタバレじゃないですか(^^;;)。もっともメーカーが雑誌社に渡すサンプルグラフィックに問題があるのだと思うのですが。ゲームのパッケージ(裏面とか)にしても同じこと。それしか売りがないのか?と言いたくもなります。
個人的にはプラットホームや規制の枠を越えた恋愛ゲーム専門誌を希望するんですが。(^_^;;;

恋愛ゲームは「種の保存/繁栄」とかそんな高尚なことは全然考えてないでしょうけど。(笑)

みるくぅ〜〜。(T_T)
#結局一番言いたかったのはそれかい。(爆)
#(…ってPiaキャロ2やってない人には分からないですね。(^^;)


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