第5講 1997年恋愛ゲーム回想録<前編>

98/01/15開講

1、1997年の恋愛ゲームを振り返る

1997年の恋愛ゲームを一言で言い表せばこうなるでしょう。

「もう、出過ぎだよ(笑)」

リストアップしていてびっくりしたのですが、1997年に発売された恋愛ゲーム・準恋愛ゲームは思いついただけでも50本以上。漏れがあるでしょうから、実際はもっと多いはずです。
平均すると週1本以上。これを多いと見るか少ないと見るか、って明らかに多すぎでしょう。(^^;)
1ゲーム平均登場キャラクタ7.5人としても1日1キャラの攻略では到底追いつきません。もう、モテモテ状態です。(苦笑)
筆者は「恋愛ゲーム万歳!」というよりは恋愛ゲームをある意味「必要悪」(笑)として扱う立場を取っていますので、多すぎるというのは必ずしも好ましいことではありません。もちろん優れたゲームばかりならさほど問題はないのですが…。

1996年までは何とか全恋愛ゲームをカバーしようと努力していた筆者も、この氾濫状況には全ゲームへの対応を放棄せざるを得なくなりました。それで勢いPCゲームのみになってしまったのですが。(汗)
色々なメーカーが我こそは、と思うのは結構ですが、それに見合うだけの物を出してくれなければ何にもなりません。

それでどれくらいが適正か、ということになるのですが、コンシューマ:10ゲーム、18禁:10ゲームぐらいなのではないでしょうか。恋愛ゲームの消費期間が1〜3ヶ月ぐらいであることを考えても、良作ばかりならそれぐらいがちょうどいいはずなのですから。1998年はひょっとしたら更に増えるのではないか、という危惧があるのですが、第4世代へと移行していく次世代恋愛ゲームを満足するそれぞれの素材のクオリティは非常に高くなるので、メーカーとしては厳しくなると思います。作るとしてもそれを覚悟の上で、ということです。

具体的なゲームで考えると、1997年は、

センチメンタル・グラフティ

に尽きるでしょう。ゲーム本編の発売こそ1998年にズレ込んでしまったものの、本質的なヒット時期は明らかに1997年が中心となります。これについては詳しくは後の補講に回すとして、ときめきメモリアルの消化(=自分の中で完成され完結すること、それはすなわちそのゲームの終わりを意味する)以来ぽっかり空いた恋愛ゲーマーの心を埋めた(笑)功績は大きいでしょう。

え?ToHeartじゃないのか、ですか?
PCゲームでは大ヒットしたToHeartも実際の販売数は6万本程度。増産されても全然足りてない〜と言われているセンチメンタル・グラフティ1st Windowと同じくらいなんですよねぇ…。(笑)いかにコンシューマとPCでは市場規模が違うかと言うことが分かります。

その他コンシューマ恋愛ゲームでは、下級生・同級生2の移植というトピックスやリフレインラブ、悠久幻想曲、虹色の青春、ネクストキングなどの佳作が多く見られましたが、これぞ、という大きな流れを作ることはできなかったようです。市場規模が違うだけに、目立ちにくい所があるんですよね。

特に同級生2などは完全にタイミングを逃した格好となったのが気になります。もちろん同級生3もタイミングを逃しているのですが。筆者は移植の限度は前作の発売から1年、続編の限度は1年半と考えます。それを過ぎると前作の影響力が薄くなってしまい、ユーザが離れてしまうからです。ゲームの開発期間が長くなったのは辛いところですが、ゲームの消費期間もますます短くなっています。タイミングを逸することは即そのゲームの死を意味しますから、くれぐれもチャンスを逃さないようにして欲しいものです。

もちろん、PCゲームでは(客観的には)間違いなくToHeartが一番でしょう。恋愛ゲームではシナリオが最重要であることを証明してくれました。一部のコンシューマ恋愛ゲーマーをも取り込んだことでも重要な意味を持っています。

放課後恋愛クラブ/マニア倶楽部もヒットしたゲームの1つ。広告の出し方など、ユーザを引き込むプロモーションには優れたものがありました。女の子との日常会話に的を絞った所がポイント。もっとも、マニア倶楽部の方がたくさん売れているという所に何か歪みを感じざるを得ませんが。(笑)それでもそれぞれ3万本オーダー。

F&Cはコンシューマを圧倒するグラフィックの完成度の高さで脚光を浴びました。未完成の傑作(笑)バーチャコール3や最もコンシューマゲームに近い18禁恋愛ゲームであるPia☆キャロットようこそ!!2は(きゃんきゃんバニーPRIMOは実質2年前のゲームなので含まれませんが(^^;;)、次世代に求められる標準レベルをいち早くクリアした恋愛ゲームたちと言えるのではないでしょうか。

PCゲームではそれなりに健闘しているものの、粗製濫造も目立ちます。その氾濫状況が1つの恋愛ゲームの消費期間を短くしてしまう訳ですから、これは全く良いことではありません。ユーザはしっかりとした選択眼を持つ必要があるでしょう。

1997年は質的な向上は見られたものの、新鮮さという点ではパッとしない1年だったと思います。
1998年のキーワードは月並みですがやはり「ネットワーク」と「コンポーネント」。(笑)そろそろ全く新しい次の恋愛ゲームのカタチが出てきてもいい気がします。1998年は果たして恋愛ゲームにとってどんな1年となるのでしょうか。

2、第1回オールスター恋愛ゲーム(笑)

とうとう始まりました、オールスター恋愛ゲーム。え、何それって?
要はこのメンバーで恋愛ゲームを作ったらもうとんでもないものができるだろうな〜(笑)という、実績を考慮に入れつつ独断と偏見によるまさにオールスターな恋愛ゲーム制作スタッフ選考ミーハー企画なのです。(笑)1997年はスタークリエイターが次々と生まれましたからね〜。(^^;;)まぁ、俺ならこうだ、というのはあると思いますが、ジョークだと思って深く突っ込まないで下さい。(^^;;

決定、第1回オールスター恋愛ゲーム制作スタッフ!!(笑)
※今回の選考は完全に独断です。(^^;)もし次回があったら人気投票などしても面白そうですが……。(^^;

企画・プロデューサー金杉はじめさん
同窓会などの純愛ゲームからバーチャコールシリーズなどのナンパゲームまで(もちろんPia2にも参加)、数々の恋愛ゲームを生み出された恋愛ゲームの神様。(笑)F&Cの恋愛ゲームと言ったらこの方でしょう。そして、恋愛ゲームと言ったらF&Cですから(独断(笑))、当然の選考。(^^;)次点は蛭田昌人さん。
ディレクター坂井正明さん
別名Mr.バーチャコールだそうです。バーチャコールの生みの親なのでしょうか。(^^;;)ほんとかどうか知りませんが、「なぁ、お前ナンパしたことあるか?」「コンピュータに向かうのはもういいから実際にナンパやテレクラの練習をしてくれ!」(VC3より)はまさに名言。(笑)現代恋愛ゲームの最大の弱点を見事に突いていると言えます。…ってことはこのオールスター恋愛ゲームはナンパゲームってこと?(笑)
シナリオ高橋龍也さん
雫・痕はもちろんToHeartのマルチやあかりなど、泣かせる話を書かせたらこの世界では右に出る人はいないでしょう。これまた必然の選考。…ってナンパゲームと決まったはずじゃ?(笑)何か矛盾してるんですが、まぁ、それがオールスターということで。(笑)
キャラクターデザイン・原画水谷とおるさん
1997年のスター原画マンと言ったらこの方でしょう。(^^;)その絵でセンチを大ヒットゲームへと導いたことで選考対象に。ヒロイン及びボーイッシュキャラ担当。(笑)
 甘露樹さん
Pia2など、この1年で実力、人気ともに急上昇。語らずともコミケの行列が全てを物語っていますが。(^^;)今最も目が離せない(というか今後の活動が気になります(^^;;)作家さんでしょう。ロリ系お兄ちゃんキャラを切望。いやマジで。(爆)
 みつみ美里さん
これまたプル2、Pia2などで人気急上昇の作家さん。女性らしい視点が魅力です〜。え?ショタキャラ担当?それはちょっと…。(^^;;;;;)次点としては門井亜矢さんも迷う所でしたけどね〜。
CG監修CHARMさん
同じくプル2、Pia2など。原画の方に入れようかと迷ったのですが、CG監修の方での選考としました。デザインセンスに憧れます〜。
CG着色ばんろっほさん他F&Cグラフィックメンバー
恋愛ゲームを初めとして、グラフィックのクオリティの高さでは圧倒的にAlicesoftとF&Cなのですが、後は個人的な趣味です。というか、グラフィック周りもうガチガチに固まってますね。(^^;;
音楽中上和英さん・DOZAさん・下川直哉さん
PCゲームの音楽も近年レベルが向上していますが、その中でもビジュアルノベルシリーズで圧倒的なレベルの高さを誇るのがLeafのスタッフの皆さん。シナリオに絶妙なタイミングでかかるBGMにはもう涙を止めることができません。(^^;)次点としてはShadeさんというのも悩んだのですが…。
 折戸伸治さん他Unison Sound Team
Leafと仲がいい(?)みたいなTacticsの音楽スタッフ。こちらも負けてはいません。筆者はテクノ系が結構好きですから…ってそれは恋愛ゲームには合わない気がしないでもないですが。(^^;;
CV國府田マリ子さん・丹下桜さん他
これはもう幾らでも実力&人気が伴った人がたくさんいらっしゃるのでどなたでも問題ないでしょう。(^^;)オールスターらしく、1キャラに複数の声優さんから選択できるとベストですね〜。(<無茶苦茶言ってる(笑))ただ甘露さんキャラデザのロリキャラは是非桜さんを希望。(爆)売り上げを伸ばすならうさぎ組の皆さんを入れるといいかもしれませんねぇ〜。(笑)
プログラム任意(WAOさん辺りかな…)
表に表れないのがプログラマーの悲しい所ですよね(筆者もそうなのですが(笑))。やはり完成度の高さと遊び安さではAlicesoftでしょうか。F&Cもそこそこ評価できるとは思うのですがADMはちょっと。(笑)

何かコンシューマゲームのクリエイターさんは名前を知らないのでPCゲームばっかりになってしまいましたね。(^_^;(というか、F&C/Alicesoft/Leaf/Tacticsしかないとも言う…。(^^;;)


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