第8講 名前と感情移入度の関係を考える

98/05/03開講

1、恋愛ゲームに関するアンケートExtra1

すいません、昨年12月頃にアンケートを採らせていただいてから全然集計&編集に手をつけていませんでした。(^^;
アンケートに答えて下さった方、どうもありがとうございます。なお、今回の恋G学から恋G研の方でもスタイルシートを導入しています。

それでは、アンケートの結果を一気にいってみましょう。

問、恋愛ゲームをプレイする時、(デフォルトの名前があらかじめ表示されている場合)あなたはどんな名前でプレイしますか?
  1. いつも自分の名前(本名でなくてもハンドル等自分に一致する名前)に変更してプレイする
  2. ゲームやキャラによって自分の名前に変更してプレイすることもある
  3. 名前は変えるけれど自分の名前は入れない
  4. デフォルトの名前をそのまま使用する
  5. その他(問4の欄に書いて下さい)
1■■■■■■■■■■■■■■14(43.8%)
2■■■3(9.4%)
3■■■■■■■■■9(28.1%)
4■■■■■5(15.6%)
51(3.1%)

問、では、RPGなど非恋愛ゲームをプレイする時、(デフォルトの名前があらかじめ表示されている場合)あなたはどんな名前でプレイしますか?
  1. いつも自分の名前(本名でなくてもハンドル等自分に一致する名前)に変更してプレイする
  2. ゲームやキャラによって自分の名前に変更してプレイすることもある
  3. 名前は変えるけれど自分の名前は入れない
  4. デフォルトの名前をそのまま使用する
  5. その他(問4の欄に書いて下さい)
1■■■■■■■■■9(28.1%)
2■■■■■■■7(21.9%)
3■■■■■■■■■9(28.1%)
4■■■■■■6(18.8%)
51(3.1%)

問、今までで一番感情移入できた恋愛ゲームがありましたらお書き下さい。

5 point同級生2
2 point下級生、痕、雫、To Heart、TrueLove Story、
1 pointエターナル・メロディ、鬼畜王ランス、きゃんきゃんバニーエクストラ、くすり指の教科書、同窓会、ときめきメモリアル、虹色の青春、晴れのちときどき胸さわぎ


う〜ん。「自分の名前を入れると感情移入度が上がるんですよ〜。それは主人公に自分を重ねる形式を取ることの多い恋愛ゲームとお話を眺める感じのより第三者的立場でプレイするRPGとでこんな違いとなって現れてくるんですね〜。めでたしめでたし。」の予定だったんですけど(笑)、すっかり予定が狂ってしまいました。恋愛ゲームとRPGとであまり結果に違いがなかったんですね。(笑)

確かに恋愛ゲームではより自分の名前を入れる人が多いという傾向は見られています。この両者の違いがは果たして有意なのかどうか有意検定をすべきなのかもしれませんが(笑)、省略させて頂きます。実際、43.8%という数字は決して小さくないと思うのです。

「自分の名前を使う」というご意見では、例えば次のようなものがありました。 これらは自分の名前を使うことに対する積極的な意見ですね。
ちょっと消極的な意見ですね。(^^;;

しかし、全体的には、恋愛ゲームとRPGの違いよりもむしろ、名前入力における人によっての差異は、ゲーム全般に対する考え方・自らのスタンスの違いによるものであるという説明の方が分かりやすいのかもしれません。ちなみに、問1(恋愛ゲーム)と問2(RPG)とで同じ答えを選んだ方は78.1%、違う答えを選んだ方は21.9%でした。
また、「自分の名前を使わない」というご意見では、次のようなものがありました。 ゲーム中の人物の性格になったつもりで楽しむ遊び方もあるでしょうけど、当然あまりに自分とかけ離れている場合には感情移入どころではありませんよね。シナリオライターと波長が合わないとよくあるのですが、「俺はこんなことしない〜(言わない〜)!!」っていう魂の叫びは誰でも感じたことがあるのではないでしょうか?(笑)(「Pia2」のあずさシナリオの浜辺イベントとか〜。(笑))「自分の名前を入力する」という意見の中でも見られましたが、自分の名前を入れるから感情移入できる、ということの逆として、感情移入できるから自分の名前を入れる、というのもあるようです。感情移入できるゲームは自分の名前を入力する、あるいはお気に入りのキャラクタを狙う時は自分の名前を入れ、どうでもいいキャラクタ(笑)狙う時は入れない、といったように。(^^; なるほど、そういう考え方もありましたか。(笑)これは先の逃避願望うんぬんというご意見とは対照的ですね。ある意味これもビデオゲームに対するスタンスの違いだと言えるでしょう。(^^;

まとめると次のようになるでしょうか。
  1. ビデオゲームにおいて、どんな名前を入力するか(または、しないか)、ということはその人がビデオゲーム全般、あるいはそれぞれのゲームに対してどのようなスタンスをとっているか、ということを良く反映している。
  2. 特に恋愛ゲームにおいては、自分の名前を入力することで主人公=自分というスタンスを(特にお気に入りのキャラクタの場合は)できればとりたい、という考え方が確かに存在している。そしてそれは感情移入の度合いと少なからず関係している。

2、名前を入力させるメリット・デメリット

各人がどのように名前を入力している(または、していない)かに関わらず、ビデオゲームにおいて主人公などの名前を自由に設定できることは最もベーシックなカスタマイズであると言えるでしょう。はっきりとしたこれがメリット、と言えるものが生まれるかどうかは人によって違いますから別にしても、カスタマイズできるに越したことはありません。

ところが、テキストオンリーのゲームでは大して問題ではなかったこの名前のカスタマイズが、CD-ROMとともに普及した音声の登場によって頭を悩ませなければならない問題になりました。

なるほど、好きなキャラクタに自分の名前を呼んで貰えると嬉しいかもしれません。しかし、固定の名前と違い、自由入力できる名前ではそれを音声化することが基本的にはできません。
もちろん、現在の技術ならばあまり不自然ではないように自分の名前を音声を合成して呼んで貰うことも不可能ではないはずです。しかし実際にそれが実現しないのはやはり現実的な問題が残っているためでしょう。
#ゲーム名は失念してしまいましたが、確か過去には名前を入力できるゲームもあったんですよね。それでアレでナニな言葉を入れて遊ぶのが流行ったとか流行らないとか。(笑)

そこでメーカは色々と苦労することになります。テキスト上の名前を変えても音声はデフォルトの名前で呼んでしまう駄目駄目ちゃんなゲームもありますがそれは問題外。(笑)
名前のところを飛ばして喋る、というのがよくあるパターンでしょうか。ちょっと進化するとデフォルト名使用時は音声あり、名前を変更すると飛ばして喋るようになる、といった感じで。

しかし、名前を飛ばして喋っても繋がりがいいようにテキストを書くのは結構な苦労ですし、ユーザとしても興ざめでしょう。
仕方がないので「あなた」というように置き換えて喋るようにしたゲーム(「Project VC」の一部、など)もありますし、あるいは「あいたくて」のようにあだ名で呼ぶようにして全てのパターンを収録してしまおうというもの登場しました。
これも画期的な試みですが、どうせなら全ての名前を収録して欲しい…ってそれが現実的でないから苦労してるんですよね。(^^;

もし自由入力できる名前も音声化されれば、自分の名前を入力している人にとっては感情移入度がかなり上がるでしょう。しかし、それが現段階で困難である以上、メーカは頭を悩まし続けることになります。



しかし、1ついい方法があるんですよ。(笑)
ユーザに名前を入力させても、その名前で呼ばなければ主人公を呼ぶのに音声を入れることもできますよね。もちろん先述の「あいたくて」のようにあだ名を使うというのも手ではありますが、もっと単純で強力な(笑)な方法がありませんか?そうです、「お兄ちゃん」って呼んでくれればいいんですよ、えぇ。(爆)……え?何か?何も問題ないですよね?(笑)
#それじゃ全キャラが「お兄ちゃん」って呼ぶんかい!(爆笑)

落ちがついた所で今回はこれくらいで失礼します。(^^;)ではでは。
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