恋愛ゲーム学補講


第9講、1998年上半期恋愛ゲーム回想録

98/08/27開講

1、1998年上半期ベスト恋愛ゲーム投票

恋愛ゲーム研究会では、本講義に先立ち、ホームページにて1998年上半期恋愛ゲームに関する投票を行いました。協力して下さった方、本当にありがとうございます。m(__)m
それでは、早速投票結果を見てみましょう。

問、コンシューマ・PCを通じて1998年前期(1月〜6月)に発売された恋愛/準恋愛ゲームで良かったゲーム名を順に3つまでお書き下さい。1位3point、2位2point、3位1pointとして計算します。なお、1位は必ず必要ですが、2位以下は必ずしも記入する必要はありません。

ONE〜輝く季節へ〜■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□65(19/3/2)
WHITE ALBUM■■■■■■■■■■■■■■■45(6/12/3)
サクラ大戦2■■■■■□16(2/3/4)
Natural〜身も心も〜■■■■■15(2/3/3)
みつめてナイト■■■■□13(1/4/2)
悠久幻想曲2nd Album■■■□11(1/4/0)
ダブルキャスト■■■□11(1/3/2)
ファーストKiss☆物語■■■□10(2/2/0)
続初恋物語■■□8(2/1/0)
臭作■■□7(1/2/0)
ラブ・エスカレーター■■6(1/1/1)
センチメンタル・グラフティ■■6(1/0/3)
下級生■□5(1/0/2)
Project VC■□4(1/0/1)
Pia☆キャロットへようこそ!!3(1/0/0)
ずっといっしょ3(1/0/0)
彩のラブソング3(1/0/0)
She'sn2(0/1/0)
Desire2(0/1/0)
放課後恋愛クラブ2(0/1/0)
メルティランサーRe-Inforced2(0/1/0)
デアボリカ2(0/0/2)
いまじねいしょんLOVE1(0/0/1)
キミにSteady1(0/0/1)
王道勇者1(0/0/1)
NOeL〜La neige〜1(0/0/1)
個人教授1(0/0/1)
ドキドキナイトメア1(0/0/1)

昨年(1997年)は1年で恋愛ゲーム/準恋愛ゲームが50本以上出るという氾濫状態でしたが、1998年上半期はそれを遙かに上回り、半年で50本も出るというとんでもないことになりました。ビッグタイトルこそありませんでしたが、恋愛ゲームに望まれる一定のレベルを越えている良作も多く、票もばらけるだろうというのが当初の予想でした。

ところが、蓋を開けてみるとTacticsの「ONE〜輝く季節へ〜」が独走。Leafの「WHITE ALBUM」がその後を追い、他を大きく離す結果になりました。もちろん、最近やったゲームの印象が強くなりがちであることや、本ホームページの特性が影響を与えることは十分に考えられます(例えば、サクラ大戦サイトで同じ質問をすれば結果はきっと変わるでしょう?)。しかし、今回の結果はそういった「ノイズ」を除外したとしてもこの2作の評価が揺るがないことを示していると言えます。

  • もう1位はONEできまりでしょう。初めてゲームで泣きました。すばらしいの一言です。
  • ストーリー、音楽、共に秀でていると思う。久々にゲームやって泣けた。
「ONE」を選んだ理由としては、泣けた、ということを挙げた人が圧倒的に多かったです。
  • MOON.以来Tacticsには期待していたが、期待した以上の出来でした。変にシステムに話を読ませるのに徹したシステムに好感が持てる。おかげで見た目には東鳩と区別が付かなくなってしまったが…。
    多少主人公が忘れられていく課程の書き込みが甘いが、それ以外は大満足。特にみさき先輩のクリスマス以降は、最高でした。
    この作品は、Leafで言うところの痕に当たると思う。次で一気にメジャー化するか?
そういえば、Tacticsの心に届くAVGって三部作とかいう話なかったでしたっけ。(「MOON.」が第1作、「ONE」が第2作。)スタッフごっそり抜けてどうするつもりだろ…。(笑)すでに十分メジャー化はしてると言っていいと思いますけど、中小ソフトハウスは辛いですね。(笑)

  • 「ホワイトアルバム」は初めて、恋愛の「負」の部分を全面に出した作品だと思います。今までの恋愛ゲームだと二股、三股当たり前ですいが、そのような行動を取ったら、どうなるかと言うのを知らせた作品だと思います。それが作品全体に重い雰囲気を出してますが、恋の辛さを教えてくれた評価に値する作品だと思います。
  • 単なる好き嫌いで投票する人も多いかもしれませんが、「恋愛」ということを考えたとき、最もこのテーマに踏み込んでいると思えるのはWhite Albumです。物理的に血が出たり、縛ったり叩いたり(笑)、という痛さではなく、心の痛さを示した点で選びました。
「ONE」さえなければトップになってた(笑)「WHITE ALBUM」ですが、「恋愛の痛み」を前面に出した所が受けているようです。この「痛み」ということでは現段階で98DOS版しか出ていないのが問題ですが、「ラブ・エスカレーター」も負けず劣らず痛いですから要チェックです。(笑)
  • シナリオだけなら1位にしてもいい出来なのだが、システム周りが最悪。その上シナリオのつじつまが合わない、バグが多い。もう一ヶ月発売をのばして、Ver2の状態で出荷して欲しかった。
    会社のスケジュールの都合もあるだろうが、Leafは、ユーザーの口コミで大きくなった会社だということを忘れないで欲しい。
そういえばこのゲームはバグが凄かったみたいですね。(^^;

1位、2位を含め、上位のゲームを見て気づくことは、ここに来てシナリオ重視型のゲームが受けているということです。これについては、次のことが言えるでしょう。すなわち、「ときめきメモリアル」に始まった育成系恋愛ゲームから、シナリオを楽しむことに集中できるアドベンチャー系恋愛ゲームへと形式の転換が行われていることです。これは、パラメータ操作が面倒なのはもういいやという部分もありますが、恋愛ゲーム全体の質が向上し、前提であるビジュアル面をクリアするゲームが増えたことでビジュアル重視型のゲームが目立ちにくくなったこと、そしてキャラクタが氾濫する中で没個性化し、キャラクタだけでは売れなくなったということではないでしょうか。

そして、このシナリオ重視型では、まだまだPC系の方が強いのが現状です。コンシューマ向けではどうしても一般受けする無難なものになりがちなこと(その中で「みつめてナイト」は健闘しています)、また、制約に縛られないため、より深いところまで突っ込んだ描写ができることがあります。「Natural」「ラブ・エスカレーター」はそれを効果的に利用した良い例でしょう。

この傾向はまだまだ続くと思います。今後の恋愛ゲーム制作では、いかにユーザを没入させるシナリオが作れるかが鍵になってきていると言えます。
その他のゲームを選んだ理由としては以下のようなものがありました。
  • 続初恋はあまり話題にならなかったようですけど私のツボにはまりまくりでした(笑)幼馴染の高瀬祐花ちゃんとのシチュエーションがたまらなかったですねぇ(^^;) (「続発恋物語」)
プレイ人口そのものが少なそうですが、ハマった人にはハマったようです。(^^;
  • ゲームの方はさんざんな言われ方だけど作りすぎて値崩れしたってのがよりいっそう印象を悪くしたってのがあるんじゃないかと思う。
    一週間で1,980じゃあクソゲーだと思われても仕方がないし・・・・
    確かに悪いところもいっぱいあったけど俺はセンチかなり好きな方に入るゲームです。
「センチ」はすっかりなりを潜めてしまいましたが(笑)、それなりに評価はされているようですね。まぁ、さすがに1980円ぐらいの価値はあるでしょう。(笑)

さて下半期ですが、とりあえずLeafのPS版「To Heart」の出来次第っていうか、そもそも今年中に出るの?ってところですね。(笑)あともちろん「With You〜みつめていたい〜」は本命でしょう。個人的には当然(フェアリーテール信奉者なので(笑))「PALLETE」ですが。(笑)F&C最近ヤバ気だけど……。それ以上に「Virtuacall4」作って欲しいなぁ…結局「Virtuacall3tb」出なかったし…。(笑)Keyは多分まだ今年中には間に合って来ないでしょうね。(^^;
#恋愛ゲームじゃなければ迷うことなく期待作として「EXODUS Guilty」を挙げますが。(笑)

2、1998年上半期恋愛ゲームキャラ人気投票

問、コンシューマ・PCを通じて1998年前期(1月〜6月)に発売された恋愛/準恋愛ゲームに登場したキャラクタの中でお気に入りのキャラクタ名を順に3つまでお書き下さい。1位3point、2位2point、3位1pointとして計算します。なお、1位は必ず必要ですが、2位以下は必ずしも記入する必要はありません。

川名みさき(ONE)■■■■■■■■□26(7/2/1)
里村茜(ONE)■■■■■■■■□25(5/5/0)
森川由綺(WHITE ALBUM)■■■□10(1/3/1)
緒方理奈(WHITE ALBUM)■■■□10(1/3/1)
高瀬祐花(続初恋物語)■■■9(3/0/0)
美澤千歳(Natural)■■■9(2/1/1)
澤倉美咲(WHITE ALBUM)■■■9(1/2/2)
綾崎若菜(センチ)■■□8(1/2/1)
長森瑞佳(ONE)■■□7(1/1/2)
赤坂志穂(ダブルキャスト)■■□7(1/1/2)
杉原真奈美(センチ)■■6(2/0/0)
高部絵里(臭作)■■6(1/1/1)
杉崎由希子(ファーストKiss)■□5(1/1/0)
河島はるか(WHITE ALBUM)■□5(1/0/2)
アン(みつめてナイト)■□5(0/2/1)
ローラ・ニューフィールド(悠久2nd)■□5(0/2/1)
ユーティ(ProjectVC)■□4(1/0/1)
ライズ・ハイマー(みつめてナイト)■□4(1/0/1)

以下3point
篠塚弥生(WHITE ALBUM;1/0/0)、河合理恵(ラブエスカ;1/0/0)、稲葉翔子(Pia;1/0/0)、橘香澄(ファーストKiss;1/0/0)、沢渡ほのか(センチ;1/0/0)、松岡千恵(センチ;1/0/0)、永倉えみる(センチ;1/0/0)、星野明日香(センチ;1/0/0)、ディアーナ・レイニー(悠久2nd;1/0/0)、国見洋子(ずっしょ;1/0/0)、片桐彩子(彩のラブソング;1/0/0)、観月マナ(WHITE ALBUM;0/1/1)、上月澪(ONE;0/1/1)、織倉真奈美(ファーストKiss;0/1/1)、安達妙子(センチ;0/1/1)

以下2point
聖彩乃(She'sn;0/1/0)、河合雛子(恋クラ;0/1/0)、神山みこ(下級生;0/1/0)、持田真歩子(下級生;0/1/0)、プリシラ・ドルファン(みつめてナイト;0/1/0)、神崎すみれ(サクラ2;0/1/0)、イヴ・ギャラがー(悠久2nd;0/1/0)、マリア(サクラ2;0/1/0)、江藤和代(ずっしょ;0/1/0)、森井夏穂(センチ;0/1/0)、七瀬留美(ONE;0/0/2)

以下1point
ファネル(王道勇者)、多上愛姫(Natural)、蒼月ひより(ファーストKiss)、美咲鈴音(彩のラブソング)、橘柚実(NoeL2)、千葉ちひろ(個人教授)、シルビア・ニムロッド(メルティR)、七瀬優(センチ)、ピーヒパイ(ドキナイ)


さすがにキャラの方ではばらけまくっていますが。(^^;
こちらも、ベスト恋愛ゲーム投票を反映するように「ONE」「WHITE ALBUM」のキャラクタが多数上位に入りました。

#この人気投票で1位になったキャラを記念にCG描こうかな〜とか思ってたけど、みさきは描けないよ〜。(^^;
#樋上いたるさんの絵はかなり個性強くて雰囲気出すの難しいですね(っていうか、ムリ)。