記事No.1039 へのコメントです。
> 聴いたところによると、日本のゲージは、イギリスがアフリカあたりの植民地で使っとるのと同じだとか( ..)b> カネも技術もない明治の日本には身の丈にあったものとイギリスの指導で採用したようですが……その後の影響ってけっこうデカイですね。
この辺はなかなか難しくて・・・
日本の在来線のレベルが国際的に見て低いのは、軌間の他に、カーブや勾配区間が多い、軸重制限が厳しい(重い車両を走らせられない)、運輸省(今は国土交通省)令の影響などがあります。
カーブや勾配区間が多いのは、言うまでもなく日本の国土の特徴から来ます。
昔はなるべくトンネルや橋梁をつくらないようにしたので、こうなりました。
また、日本は軟弱地盤が多いため、軸重制限も厳しくなっています。
結局、この辺は「お金」との相談になるわけですが。
さらに、昔は今日ほどスピードは重要視されていませんでした。
そういう意味でも、「身の丈にあった」と言えるのですが・・・・
蒸気機関車時代は、単純に軌間と機関車の出力が比例していました。
というのも、蒸気機関車の出力はカマ(ボイラー)の大きさ(直径)で決まるからです。
したがって、軌間が狭いと、車両のバランス上、大きな直径のボイラーが載せられないのです。
ディーゼル機関車だとこの影響はなくなりますが、今度は軸重制限が効いてきます。
ディーゼル機関車の場合、「変速機」の問題があって、国際的には大出力に対応できる「電気式」を採用しています。電気式というのは、エンジンで発電機を回し、その電気でモータを回すのです。
これだと、エンジンに加え、発電機、モータという重量物が加わるため、ますます機関車が重くなります。
日本では、最初から中出力に的を絞って「液体式変速機」を実用化しました。
電気機関車になると、エネルギーはすべて外から得るため、条件が楽になります。以前は今までの経緯から出力の小さい電気機関車が多かったのですが、JRになってからの新型機関車は、国際的な水準に達しています。
ただし、いろんな問題でその性能を十分に発揮していませんが。
スピードの問題を考えるとき、今日では狭軌だからといってそれほど影響は受けないのです。長い直線で、軌道をがっちり固めれば、200km/hくらい出すのは技術的に難しいことではありません。
軸重の制限も、日本では「電車方式」を多用して緩和してきましたし。
残っている問題は運輸省令で、「最高スピードから緊急制動をかけて600m以内に停止しなければいけない」があります。
これも日本の特徴として、鉄道が人口密集地帯を走っていること、踏切が非常に多いことから来ています。
従来は、出力の問題ではなくて、止まるのが難しかったために、在来線の最高速度が長いこと120km/hに止まっていました。
近年、車で言うところのABSを採用して、130km/hになりました。
あと、特例が認められる場合があります。
青函トンネルでは、全線トンネルのため、140km/hが認められています。
はじめから高速路線として作られた北越急行(越後湯沢-屑潟)では、近々160km/h運転が始まります。
あと、計画が中断していますが、湖西線と北陸トンネルでも160km/hの予定があって、今ここを走っている特急サンダーバード用の初期車両は、160km/hで走る性能を備えています。
・・・・・・って、なんかずいぶん書いちゃったな。(汗)
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