記事No.886 へのコメントです。
にはまず基本から。(?)音を防ぐ方法として、「遮音」と「吸音」があります。部屋の残響を減らすのは「吸音」の方ですね。
吸音の仕組みは、要するに空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換することです。吸音材としてよくあるグラスウールは、細かい繊維で空気を細かく包み込んでいて、この空間を空気が移動するときの摩擦でエネルギーを変換します。
グラスウールはまるで断熱材のようです(断熱材としても使われます)が、断熱材と吸音材は最適な構造が違います。断熱材は空気が移動しないように細かい部屋が幕で仕切られている方がいいのですが、これでは吸音できません。したがって、発泡スチロールはあまり吸音しません。
毛布はそういう意味で吸音材になり得ますね。
ただ、吸音材は適当に配置すればよいというモノではありません。
四角い部屋では、その長さの整数分の1の波長で音が共振します。部屋の反射が良い場合は共鳴したりします。
共振しているときの音波は、振幅(速度)が最大になるポイントと、圧力が最大になるポイントが交互に現れます。(部屋の長さと波長が同じ時は、波は1個)
ここで、速度が最大になるポイントに吸音材を配置しないと、エネルギーを熱に変換できません。
周波数が低く(波長が長く)なるにしたがって、波の個数は減っていき、速度が最大になる領域も広くなります。そのため、吸音材も厚くしなければいけません。低い周波数を吸音するのはかなり大変です。
(波が1個のときは、速度が最大になるポイントは部屋の真ん中になります)
高級スピーカボックス(密閉型)の内部が、ほとんど吸音材で埋め尽くされているのはこういう理由です。
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