こんばんは、嵯峨様。例の D/Aコンバータネタです。
「トラ技」って一瞬何のことか判らなかったのですが、TOTOROさん
のカキコを見て、そーいや「トランジスタ技術」って雑誌があった
っけ、とやっとこ理解しました。不勉強な人間です(笑)。
早速立ち読みしてきましたが、D/Aコンバータのカタログなどあり
まして、内心びっくりしています。買おうかな…
数年前から、マランツ CD-94がディスクを読み込まないという不調
であまり音を聴いていなかったのですが、最近ちょっと調子が良く
なったので新しいアンプとの組み合わせで ONKYO C-1E Ver.2と
聴き比べてみました。(アンプ:ONKYO A-1E Ver.2)
ちなみにこのアンプ、アルミ押し出しの筐体のせいか無謀に発熱
します。パワーアンプに入力セレクターを付けたような代物
(トーンどころかバランスさえついていない)なので、嵯峨様
言われるところの「根性入った」アンプで、20万円という値段
からは信じられないほどきっちり音が出ます。筐体自身がヒート
シンク兼用だったりして(笑)。小音量でも音に存在感がある
んですよね。
で、感じた印象ですが「音質のレベルは大差ない」という事!
アンプが、ブースト無しの低音をちゃんと出せるから判った事ですが、
具体的には…
『ONKYO C-1E Ver.2(1bit D/A:TDA-1547<DAC-7>×2)』定価 18万円
・解像度・ダイナミックレンジ・ステレオセパレーション共に広い
・くせのない素直な音作りである
・反面音の奥行きが浅く、平面的に聞こえる
・そのせいか比べると音の厚みがもの足りない(特に低音)
・レスポンスが良くエッジの効いた電子楽器に強い
『マランツ CD-94(16bits D/A:TDA-1541A)』定価 15万円
・多分ヨーロッパトーンと言われる、ふわっとした緻密な音作り
・解像度、ダイナミックレンジ等は比べると狭め
・楽器の奥行きの表現がきちんと聞こえる
・弦の低音やトライアングルの音の厚み・芯がしっかり感じられる
・という事で、アコースティック系に強い
トータルで言えば ONKYO C-1E Ver.2のほうが一般的に良い音ではあります。
それは縦(ダイナミックレンジ)・横(ステレオセパレーション)・
解像度・レスポンスに優ってる事から判りますが、どちらかと言えば
ポピュラーや激しい音楽に向いています。ですがソースによっては、
例えばクラシックとかバラードでは、マランツの方が雰囲気に合う事が
多いです。その辺を使い分けていたのですが。
ただ、楽器を演奏する人だと、文句無しにマランツを選ぶ様な気はします。
そこで「久遠の絆サントラ」は、電子音源主体なのに何故かマランツ
で聴く方が断然良かったりします。
何となくですが、1bit D/Aの方はまじめにデジタル信号の処理をして、
周波数としての音にただ変換している感じですが、16bits D/Aの方は
コンサートホールを再現しようという印象を受けます。これは、製品
開発の方向性かもしれませんが、少なくとも弦がこすれる時の音の厚み
と芯の再現や、トライアングルやベルの楽器の密度の高さを感じさせる
重みのある音は、D/Aコンバータに依存している音だと思います。
音の厚みがイマイチなのは、1bit D/A特有の癖なんですかねぇ?
なお、1bit D/Aの欠点とされている極微小音でのノイズは、両者とも
合格レベルでした。-60dB正弦波ソースでのノイズでチェック!
それにしても、14年も前の CDプレイヤーが、最新の(と言っても
5年位前ですが) CDプレイヤーにひけを取らないというのも、正直
言って驚きでした。CD-DAフォーマットは、その頃にはある意味では
完成されていたのですね…(その後はコストダウンの歴史かも(笑))
1bit D/Aでは「フィリップス DAC-7採用」と誇らしげにカタログに
うたわれるほどなので、TDA-1547<DAC-7>は多分世界最強の音楽用
1bit D/Aなのだと想像しますが、それですらある点では TDA-1541Aに
劣る部分があるという。実にデジタルテクノロジーは、不可解なもの
です。
ちなみに「トラ技」の話から、もしや? と思って TDA-1541Aで
検索かけてみると、結構出てくるので驚きました。だいたいは、
「16bits D/Aが逆に見直されている」とか「TDA-1541Aは正に銘器
だった」とか。まあ、わざわざけなす人もいないでしょうが。
マランツ CD-94は、その TDA-1541Aを積んだ初めての CDプレイヤー
なんです。その後、フィリップス/マランツの高級機種に必ずと
言っていいほど採用され、ソニーも超高級機で使った事があるよう
です。現在は、TDA-1547<DAC-7>ばかりですが… あと、CD-94は
マイクロ社の製品の母体として、徹底的に手を入れられて超高級機
として販売された実績もあります。型番は忘れたけど。
ちなみに TDA-1541Aには上位と言えるバージョンがありまして、
TDA-1541A S1(クラウン)とTDA-1541A S2(ダブルクラウン)とが
あり、後者になるに従って厳重な検査の元に精度の高いモノを選別
した高級品です。
CD-94で検索かけてみると、結構多くの方がこれや後継のリミテッド
モデルを、今でも愛用している事が判りました。
ホントに、自分の耳を信じて「こいつなら長く使える」と思って
購入したのは正しかった、のだと思います。CD-DAフォーマットが
世にある限り、修理してでも付き合っていきたいと思う次第です。
教訓:カタログスペックや店員の言葉は信用するな!
自分の耳で確めた事が全てだ! 何故なら、買った後聴く
人間は自分だけなのだから。
駄文にお付き合い下さり、ありがとうございました。
[
この記事にコメントを返信する ] [
原文引用 ]