記事No.782 へのコメントです。
>>本を読んでますか?>読んでます。>これにはムカってきました(初対面なだけに)>もうちょっと言葉を選んで頂きたかったのですが。 これは失礼。
ただ、ベ平連のアピールみたいなトーンの話をされてもなあ……というのが、あなたの書きこみを読んでの正直な感想でしたから。
5000名を越える人間が、日常を送っていたらいきなり攻撃されて死ぬ、という現実を前に、「攻撃された側が悪い」という趣旨の発言を(戦争状態でない状況で)言うのは、かなりの慎重さを要求されることなんですよ。あなたはそう書いたつもりはないのでしょうが、読みようによってはそうとれなくもないのです。
まあ、議員とか、知事その他にもそのへんをまったく判っていない、「困った大人」がゴロゴロしているのが日本ですし、あなたの発言などある意味問題にならない(要するにあなたの発言は趣旨や状況を考えれば判らなくもない)暴言を吐いている大人たちがけっこういますから。
ただ、その発言を「仕方ない」と、看過できるかというと……立場のある人の場合は、やはり看過できないのですよね。特に行政の長がそういう発言をした場合、国際問題になるケースも充分にあります。
一例を挙げれば「5000名が死んでざまあみろと思っている人間は世界中にたくさんいる」なんて意味のことを自分のホームページで書いた社民党の女性議員、なんてヒトがいますね。長野県の田中知事も、行政の長としての発言としてはあまりに軽率、かつ、外交問題になりかねない暴言を続けていますし。
要は、そういうこまったちゃんと間違えられかねない発言をするのはどうかねえ? ということなんですけどね。
テロに関する私の考えは、前々から書いていますが、とりあえずあなたの
「テロについて考えてない人は、テロに遭っても何も言ってもいけない」
という趣旨の発言は、「そりゃ、あまりに傲慢な考えでないか?」
と、眉をひそめさせて頂きます。
5000名以上の遺族に、あなたは自分のその考えを表明できますか?
まずは弔慰があって、それから「なぜこうなったのか?」を考えるのがスジでしょう。その過程において、アメリカのパレスチナ政策の成否その他の争点が出てくるのなら判りますが、イレギュラーな殺戮行為に対して「テロはテロ」という姿勢がないままでの「立ち止まろう」という考えには、反対です。それは単にテロリズムを助長させる行為でしかありません。
この点が仮にお判りにならないのでしたら、私とは幾ら話し合っても無駄でしょうから、返事はいりません。
ちなみにこの手の問題を「立ち止まって考えるのに」最低限必要な書籍を挙げておきます。なるべく入手しやすいものとしては
山崎雅弘「中東戦争全史」学研M文庫
「現代紛争史」 学研M文庫
の二冊が、大変よくまとまっていて内容的にも素晴らしいものがあります。
特に「現代紛争史」のあとがきは、本文を読む前に読むことをお薦めします。
国際関係について語りたければ、美名なアピールをする前に、基本的な事実関係をしっかり押えることが必要ですよ。それがない場合、その主張は「生活圏に戦争がやってきた人たち」にとって、空虚なアピールでしかない。
あなたは若いのですから、なにもベ平連の肩書きでメシを食っている困った大人を見習う必要はないのです。よく考えてください。
ちなみに、ベ平連でメシを食っている困った大人の代表例としては、小中陽太郎あたりが代表選手だろうね。こないだ、CSのパックインジャーナルという討論番組に出ていましたが「いいテロリズムもある」なんてことを言い出して、周りを唖然とさせていましたから。
結果が手段を正当化する という考えは、とても危険な考え方です。戦前の陸軍の暴走は、そうした考えから引き起こされたものですし、陸軍がテロで重臣たちを片っ端から殺したため、その恐怖が尾を引いて誰も陸軍にモノを言えない状況になった。その結果、太平洋戦争で日本は死者を300万出し、アジア全体では1000万にも達する「それまで平穏に生活を送っていた人たち」を殺したわけです。
その犠牲者に(特に日本人以外の人々に対して)「そういう問題を考えてない人は、怒る権利などない」などと、言えますか?
くり返しになるけど、アピールやる前に、基礎文献を読むところから始めましょう。これは、あらゆる問題について共通することですけど、印象でモノを言ってしまう人と、考えて喋る人の分岐ってそこから生じると思います。
幸いにもあなたは15歳で、「まだこれから」の人ですから、そのへんの勉強を充分にやる時間があります。これが30近いヒトとかだったら「ベ平連系列か。もう、あかんな」と、そもそもこんな長文レスは書きません。
くり返しになるけど「いいテロリズム」なんてものはないのよ。テロリストに対しては、徹底的に制圧するしかない。少なくともあなたが日本という「世界の中で豊かな生活を送るサイト」に居る限り、その論理で動くしかないのです。その上で、(制圧と平行しつつ)南北格差やパレスチナ問題を考える姿勢が必要なのです。
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