『飲んでません・が酔ってます・から書いた』 -2004年10月-

■大きな地震が・・・2004-10-24 (Sun)
・・・新潟で起きたみたいやね。

お亡くなりになった方の冥福と被災地域の一刻も早い復興をお祈りします。


色んなページ見ましたけど、同様の書き込みを見なかったので一言だけ。

もし、被災地へ行ってポランティア活動をしようと思ってる人が居るなら「食料と水」だけは自給自足する用意をして人助けに行って下さいな。

被災地では「水と食料」は何よりも貴重なモンで、外から来た人に分けるだけ無い事が多いんですわ。

もし可能なら、「自給自足以上」用意できたら、それに越したことは無い。

多分日本全国から支援物資が送られると思うんですが、実はそういうモンが一番行き渡らないのが、「支援物資を配る役所の人」であるのが盲点。

買いモンに行く時間は無い、かといって「支援物資」を自分達で消費するんも「偏向報道」を招く恐れがある。

事実、阪神大震災の時も、一番飲まず食わずやったんは役所の人でした。

「自給自足」の用意をしてないポランティアの人が居たなら、役所の人は自分の食べるモンをその人達に回すことになる。

列に並んで支援物資を貰う人よりも、その支援物資を整理して、積み込んで、運ぶ人の方が消費するカロリーは大きいんですわ。

もし、ポランティアに行こうという志がある人で、これを読んでる人がおるなら、「復興支援の死角」におる人も助けよう・・・そう思うてもらえたら、望外の喜びです。


判ったような口を聞いて申し訳無いですが、自分の経験から少しだけ意見を書かせてもらいました。

■何とか何かに・・・2004-10-28 (Thu)
なりたい症候群・・・とでも言いましょか。

またイラクで青年が人質になりましたな。

現地に詳しい人々の制止を「だいじょうぶですよ」「何とかなりますよ」で振り切ってイラクに入国して、何を得たいのか、判断に苦しむ。

最初の3人の人質事件については、「サイコドクターあばれ旅」というサイトの「私家版・精神医学用語辞典」の「押しかけ厨」の項を読んでいただきたい。

ページ中ほどに中塚尚子(香山リカ)の「『借り』を返したい――「ひきこもり」のささやかな治療論」(こころの臨床ア・ラ・カルト20巻2号,2001年)からの引用があります。

そこに注目。

あぁこの通りやなぁ・・・と思っていたんやけど。


今回は「スナフキンがいきなり内戦状態の国に入る」というイメージが消えない。

「ボクサーになりたい」と高校を中退して通信高校へ入る。

これはそれに打ち込むなら、悪い事や無いですわ。

必死に練習に打ち込んだ末に、挫折する人の方が遥かに多いんやけど、鍛えたカラダと体力は資本になります。

その後ニュージーランドへ「ワーキングホリデー」で行って、語学を学んで、次にイスラエル、ヨルダン、そしてイラク・・・。

「イラクで何が起こってるか見たい」という理由でイラクへ行ったそうですが、「イラクを見た人」は「何か特別な人」でしょか?

そら「百聞は一見にしかず」という言葉はありますけど、生命の危険を冒してまで「一見」するもんやないよ。

多分「イラクを自分の目で見た人」は「何か特別」という意識があったんやないかと思います。

短絡思考すれば、「イラクの事を報告できたらジャーナリスト」とかね。

それは「逆」。

百戦錬磨のジャーナリストがイラクに滞在しているのであって、イラクに滞在してるからジャーナリスト・・・なんでは無い。

その「百戦錬磨」は数多い失敗や危険をくぐり抜けて身に付けた「生き残る能力」なんやね。

そういう「苦い鍛錬」無しに、一挙に「自分は何々」と定義付けたい、一定のスキルを持った人達の人間関係に帰属したいという人が増えてると思いますわ。

それをワタシは「何とか何かになりたい症候群」と呼びたいと思います。

その人が天才であるか、それとも「何にならなくとも人は生きていける」事を知るか、そのどちらか以外の場合は「目標に向かう険しい道」しか無いと考えるのがフツーでしょ。

まぁ、イラクへ行くという考えを持つ人は、ここを見てないと思いますが、もう一度繰り返します。

「百戦錬磨のツワモノが戦地に行く」のであって「戦地へ行ったから百戦錬磨に『急になる』」んでは無いという事・・・くれぐれも知ってくださいな。

「近道は 命を落とす 穴だらけ」

フザケているんじゃなくって、マジメな言葉として受け止めてほしいです。

■ようやく一つの仕事が・・・2004-10-31 (Sun)
・・・終わりを迎えようとしている。

今回はハードやったわ。

連日徹夜やもんなぁ。


他の人と一緒に仕事して初めて判った事があった。

それはワタシの経歴が、今の仕事をしてる人間としては「極めて珍しい」という事。

具体的に言えば、録音スタジオでアシスタントミキサーからチーフミキサーまでやって、それからゲーム業界に入る人は極めて稀なんやなぁ・・・って事。

ワタシ、実はドラムパートを作る時、最低3つは音源使います。

なぜかと言えば、少なくとも、バスドラム、スネアドラム、ハイハットとシンバル類は別の種類のマイクで録音するから。

だから、シンセとは言え、イコライザーのセッティングを分ける必要があるからそうしてる。

でも、そんな経験がある人って・・・ほとんど居ないのを初めて知りました。


後、ワタシがリバーブやエコーの類を山程使うのが当たり前で無いのも初めて知った。

そんなん、音源に内蔵してるやん、って甘い甘い。

生楽器って、「それ自身」が共鳴して、残響が残るもん。

ウソだと思ったら、アコースティックギター弾いて、いきなり止めて、ソッと耳を近づけると判ると思う。

音源内蔵の残響なんてそんなモンと割り切る。

それに音が鳴ってる部屋自体の残響が加わる。

これがエフェクター。

さらにそれをマイクで拾って以降にスタジオで残響をコントロールするんやから、残響系のエフェクターはあってもありすぎる事は無いよ。

でも、それを突き詰めてから、ゲーム業界に入る人間もヘンなんかもしれんね。


どうやら同業者の中で、ワタシが「希少種」という事が判ってきたんやけど、これを誰に伝えて、ワタシは引退の日を迎えればえぇんやろうか。

「絶滅種」にしたく無いんやけどね。


ちなみに、「ローマの休日」見ました。

音楽も良かったけど脚本が「イキ」やねぇ。

間に入ったCMが「マヌケの産物」に見えた。

オードリー・ヘップバーンと、あの脚本・・・無敵やわ。

あんなイキなもん作りたいなぁ。

思えば「カサブランカ」もイキやった。

ゲーム屋もハリウッドのCGや特撮学ぶよりも学ぶモンがあるのを気付かなアカンね。

まぁ、そう思った次第。

■仕事を終えて・・・2004-10-31 (Sun)
・・・帰ってきてみれば、イラクの人質についての最悪な結果のニュース。

まったく世間とは離れていた1日やったんで、「お気に入り」の「NEWS」で情報を読みまくりました。

無くなられた香田さんの冥福をお祈りいたします。

・・・で、ある方の日記サイトに香田さんの「イスラエルで長期滞在」「イスラエルからヨルダンに入国」「ヨルダンからイラク入り」という旅程をアラブ人の視点から見ると、イスラエルのスパイという疑いを掛けられる可能性が高い・・・。

そういう事が書いてありました。

ヨルダン滞在時からスパイの可能性がある人物として監視を受けていたのではないか・・・と。

この辺りはイスラエルという国の建国、そして現在に至るアラブ諸国との数多い戦争の経緯と現在のイスラエル政権の外交的態度を知らんと判りにくいんですが、「荒唐無稽」な考えでは無いです。


この事については、詳しく書くと長くなるので、「そういう考え方もあるで」という事だけにしときます。


それよりも、「あまりに簡単に外国へ行けてしまう」という事について、ちょっと考え込みました。

多分、ほんの30年ぐらい前まで「外国を旅行する」という事は、経験が豊かなツアーコンダクターに付き添われて、「絶対安全な場所だけを見る」がほとんどやったと思うんやね。

残りのごくわずかが、「国内で調べられる事は調べ尽くして、国外に出てからも出会う人から情報を集めて」貧乏旅行をした若者・・・まぁある種の「冒険」やわな。

つまり「カネはあるけど情報は人任せ」多数派と「カネが無いので情報でなんとかする」少数派やったと思うんよ。

ところが、日本が豊かになったんか、「カネはホドホド、あるのは勇気と思い切りとマゴコロ」という人が出てきた。

こういう人は現地の人に優しくマゴコロを持って接すれば相手もそれに応える、と思ってる。

さらにその上に「カネはどっさり、そやけどツアーはもう飽きた、どっか穴場はないか」という人まで出てきた。

主に、若い頃「冒険者達」が書いた旅行記を読んでいて、何度もツアーで旅行をして「そろそろ自分等も外国には慣れた(に違いない)、そやから「若き日に憧れたスリルよもう一度」・・・という、ある程度年齢のいってる人ですわ。

こういう人は現地の人にカネを渡せば、相手も珍しくてちょっとしたスリルが味わえて「しかも安全」なところに案内してくれる、と思ってます。


とーこーろーがー。

マゴコロは裏切られた時にクリティカルな事が多く、しかも「裏切られた事のないマゴコロ」なんかありませんわ。

と、いう事は「裏切られてもクリティカルにならへん準備」をしてない場合、「片道切符」になってしまう。

ちょっとしたスリルが味わえてしかも「絶対安全」な場所、そこのオッチャン、そうそうアンタやアンタや・・・えぇとこありまっせぇ・・・現地人にとってはね。

ワタシがそういう場所に通勤してたんやから間違いない。

終電直前の夜中でも安心ということは管理人さんが保証しま

「・・・・・・!」

あややや、管理人さん、久しぶりなないの。

「・・・。」

え?守秘義務、って??

こくこく。

そんなん、もう会社も無いし開発室も無いんやからえぇがな。

そら雑居ビルの壁にプログラムのソースコード刻み付けてあるならともか

「&〜*{‘*+O=〜)=I(’T#E”*?!!!!」

え?それ以前に雑居ビルが取り壊しに鳴った記憶が・・・って??

こくこく。

そう言えば、そんな記憶もあったような・・・。

そやから、開発室の裏のビジネスホテルではヒトリで泊まってる客の部屋を夜中に派手なオネーチャンがノックして回るというウワサとか、夜7時頃になったら電柱の影にオネーチャンが何人もヒソんでるとか・・・そんな事を書いてもえぇんよ。

「・・・。」

やろ?

・・・・こくり。

管理人さんが徹夜で仕事をしてたら夜中の3時頃になるとベトナム語を喋る女の子の一群がキャイキャイと窓の下を通

バシュ!!

残業中に一階でボヤが出て、外に避難してたら、何故かそこからスケスケの服を来たオネーサンが

ゾバン!ゲシッ!!

ああああああ・・・危ないがな。

「・・・・・・・!!」

え?別に毎日やった訳や無い、って?

こくこく。

そやけど、午前3時のキャイキャイは毎日やったと、連日泊り込みの時に教えてくれたんは・・・誰やったかなぁ?

「・・・。」

なぁ、誰やったか覚えてへん??

「・・。」

いやぁ・・・度忘れはアカンなぁ

「|〜=)Y(&$#$#”!I*‘〜+L=)!!!」

え?それは新社屋に移った後の事、って??

こくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこくこく。

『事実であると認めた』と記録。

「!!!!!!!!!!」

え?ワナ??汚い???引っ掛け問題や、って???

こっくん。

そやけど怪しい場所やったという事実は変わらへんやん。


つーまーりー。

ワタシや管理人さんにとっては日常の場所で、スリルにも飽きてきて、ワタシがちょっと遅刻して10時過ぎてから会社に行く途中に「青い口紅を塗った一見ショッカーの改造人間でもやっていけそうなオネーサン(ちょっとサバよみ)」が、「兄ちゃん、どうや?今日の朝一番。」って言うても、まいどの事。

「そやから今から仕事やし、ワタシビンボーやっていっつも言うてるやん」と言い返して「ほんならボーナスもうたら一回・・・・」という声を背中で聞きながら・・・ボーナスねぇ(滝涙)・・・と思い。

遅刻しても会えへんかったら、あややや病気でもしたんかいなぁ、と思う。

そーんーなー・・・ある人に取っては日常な場所でも、全くその町を知らない人間が紛れ込んだら時と場合によったら「ちょっとしたスリルで絶対安全」では済まないような場所もある訳やと。

これ、マジメにそう思うんやよ。


実際、あまり旅行者がいない某国に行った某人が、「ちょっと面白いところに案内して」と空港で出会った現地の人にオカネを握らせたら、その国と日本の金銭感覚があまりに違うんで相手は仰天して、その人の家に連れて行かれて、出来る限りのご馳走までしてもらった上に(以下中略)って、それはアンマリなんで遠慮すると、自分の顔を潰すのかと凄まれて、その状態ではいくらなんでも(以下略)

そんな話も聞いた。

(略)になってる部分について詳しく知りたい人は、マリノフスキーの著作でも読んで下さいな、「最上級のもてなし」について書いてありますわ。

それは今となっては「知り合いの間だけの笑い話」で済むけど、ちょっと転がる方向が違ったら、やっぱりアウトかもしれん。


地続きの国境で常に「異国」と接していない日本人は、海外に行くのについては、情報収集はきっちりして、現地でも安全に対する情報は聞き逃さない・・・それでえぇんやと思う。

慣れたフリして「思い切りでやぁー」は、見た目はカッコ良いけど、人生を踏みしめる足元の確かさに欠けると思う。

そら、同じ島国でも「7つの海を制覇したイギリス人」とは決定的に違うがな。

イギリス人は、世界中の植民地で「イギリス国内そのままの流儀」で暮らした。

ニュージーランドが釣りの穴場になってるんやけど、あれも魚なり卵なりを運んだ結果やよ。

イギリス人の好きな「トラウト(河に住むマス)」は元々おれへんかった筈や。

単にイギリスにおるときと同じように釣りをしたい・・・それだけの理由で生態系に異物を持ち込んだ、あの根性。

あんさん、フランスの一流レストランで「漆塗りの箸箱から金箔の細工の入った漆塗りの箸」出して食べる勇気というか意志ありますか?

そんなレストランで使ってる食器は全て銀製で相当な値段がするモンですけど、さらにその食器のヒトケタ上の値段の箸持ち歩いて、「安物では食べ物を口に運ばない事にしております」って言えますか?

多分、向うのサービスの人はいぶかしがるやろうけど、その箸の値段と価値をアナタが説明できたなら、「そういう生き方もアリ」って敬意をはらってくれるやろう。

けど、その勇気と、「工芸品」の域に達した箸と箸箱、ついでに爪楊枝まで買う根性ありますか?

その箸に使われんと、優雅に使いこなす事は出来ますか?

それだけの「日本流」を海外で貫いたら、当然チップは「その紙だけでチップに相当する値段の」祝儀袋に普通の倍は入れるべきやと思うけど、それ、出来ますか?

イキにやりたいなら徹底的に、無難を選ぶなら見栄から脱却して。

宙ぶらりんの海外旅行より、そっちがえぇような気がします。

え?ワタシですか??

無理して海外旅行行くのはゴメンです。

箸箱とセットで10万円越えるような箸を持ち歩いて、外国に行って「特別に」キノコ類抜きの食事を作らせて、それだけで小さなフォトフレームに入れて飾っておきたいような祝儀袋持ち歩ける・・・そんな旅をしてみたいですな。

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