『飲んでません・が酔ってます・から書いた』 -2000年09月-

■午後11時直前の・・・2000-09-15 (Fri)
自販機は修羅場だ。

最近はコンビニでも酒類、タバコ売ってますけどね。

ワタシみたいにマイナーな銘柄を吸うとか、「酒類在庫0と判明するとなんかあうあうなキモチで落ち着かない」人にとっては、自販機は正義の味方なわけで・・・。

別にマイナーといってもカプリのメンソール、あの赤木のリッちゃんも御用達と噂のアレですが、コンビニに無い。

在庫が1カートンを切りかけた事を確認すると(このあたりが小心者なんですが)、ダダダッと走る訳で。

雨の中自転車に傘さして行くと、「マイナー仲間」が列を作っていて。
みんな千円札を手に、もし自分の前で「売り切れランプ全灯」になったらどうしようと不安な顔を暗闇に浮かびあがらせる訳で・・・。

まさに「ニコ中ここに至り」という感じで、買い終わってほっとする表情は、禁断症状の裏返し、まさに鬼気迫る修羅の世界ですな。

禁煙したい人は、連日これを観察していると禁煙できるかも。

それから、今度はコンビニに無事売っているバドワイザーを買って、ついでにジンも買って、余裕で岡山の誇るオハヨー牧場の牛乳(割高だがウマい)を買って、背中に喜びを溢れさせて家に帰る自分の後ろ姿も、ニコ中アル中な姿であることよ、と思ったりするのです。

あぁ、おもしろかなしかな。

こういう弱点が誰にもあるものですが、あな悔しや、管理人さんのそれが判らない。

最近実家でイヂメラレ慣れてきて、「いぢめられっこ」化してきた話を管理人さんと電話でしてると、「じゃ、誰かをいぢめればいいのに」と言われたので、「いぢめられてくれる?」とシマリスくん風に聞くと「いぢめられるもんならいぢめてみぃ」と言われる始末。

うっ、いぢめるネタが無い。悔しいがスキを見せないヒトなので、ネタが無い。
あな悔しや悔し。

やはり、おもしろかなし身の上かな(とほほほほ)

■やはりこれだけは・・・2000-09-16 (Sat)
書いておくべきか。

JASRACの管理曲をHPに置く場合の料金が発表された。

ダウンロード可能状態で、年間10曲につき1万円、10曲を越える毎に1万円。

もしくは同一条件で月千円。

分かり難い部分もあると思いますが、11曲なら2万円もしくは月2千円、21曲なら3万円もしくは月3千円ということ。

ただし、HPに広告が入ると「営利的」とみなされ徴収金額は5倍から6倍になるらしい。

これは純粋に曲および歌詞の使用料金で、CDやその他の「演奏された媒体」をMP3化した場合、それ以外にレコード会社や演奏者に対する著作隣接権料は含まれていない。
多分両者の代理として「音楽出版社」で包括的に管理されているものと思われます。


しかも「曲」の概念がはっきりしない。
3分間以内の演奏を1曲とし、以下3分増加ごとに1曲と数えていく、慣例に従うと、3分1秒のデータは2曲、6分1秒の曲は3曲と捉えられる。


例えばフェードアウトして3分4秒の曲データをWavのエディター等で、2分59秒にフェードタイムを「改変」することが可能なのか、許可が必要なのかも明らかでない。



一番、個人的に望んでいない形になってしまった感があります。

MIDIデータは例外扱いにしておいて欲しかったんですけどね。

それを、「ゲームのなかの音楽」という文化を後進に伝えていく手段として置いておきたかった。


どうぞ、頑張って耳コピして下さい。ワタシは何か得るものがあるような曲を頑張って作りましょう。

え、耳コピに飽きた?じゃ、いままでの経験生かしてオリジナルに挑戦してみて下さいな。
出来たら聞かせてね。及ばずながら添削出来るとこがあればしますし、質問にも答えますよ。
そういう人達の中から、ゲームにも音楽にも詳しい次の世代の人が出ればいいな。

まぁ、そういう美しいコミュニティを夢見るもんは、世間で蹴落とされるんやけどね。


一度決まってしまうと、JASRACに属してなくても、「JASRACのガイドラインに準拠」という新たな基準が出来てしまう恐れがあって。それが怖いんですよね。

ワタシの理想なんて確かに身勝手な見解かもしれないけど、自分の理想を持ってそれを実行しようと、寄せられた質問に答え続けた、送ってこられたオリジナルの添削をやり続けた、その手間に免じて許して下さいな。


■偉いっ!2000-09-17 (Sun)
はぁ・・・「最低でも金、最高でも金」って言って、実行する。

偉いですわ。偉すぎるのにイヤ味じゃない。

凄いですわ。

とりあえず素直に感心しよう。

うん、良い現実見せてもらいました。

■楽器は・・・2000-09-17 (Sun)
奥が深いですわ。
特に電子楽器以外は、音が変る要素が多くて。

結局、最終的に自分の好き嫌いで、好きならシアワセ、キライならモガク、こうなちゃいます。

ワタシの尊敬するギターの製作者さんの話を書きます。

例えばネックの修理の依頼が来る。で質問するんですよ。
「音の方は気に入ってます?」
「はい」と答えれば、どんなにセオリーを無視した、ギター雑誌等で評論を書いている人なら、「君、それは間違ってます」というセッティングでも、絶対に変えません。
変えずに、ネックを修理してお客さんに返す。

もし、「ちょっと不満があって・・」と言えば、良く話を聞いて、できる限りの調整をする。

これが電気系統の断線の修理で、使われている抵抗なんかがどんなにチープなものでも、「音が気に入っている」限り、いじらない。

百科事典的な「こうすべし」とか「これが良い」とかそういう雑誌の特集みたいなものに対して、非常にラジカルな態度をとっておられます。

「だって気に入って弾いてるもんにチャチャ入れる必要なんかないやんか」という態度の潔さは気持ち良いぐらいです。
気に入ってないんやったら、とことん話をして解決しようとする。

ある時、とあるギター雑誌でアンケートがありました。
ネックの調整についての話。
大方の解答者が、「自分で触って、壊したらタイヘンだから専門家に持ち込みなさい」という回答だったんですが、その人だけ「壊れない範囲で、自分が納得するようにしてみたらえぇんとちゃいますか、但しネジつぶしたり、これ以上動かないのに無理矢理回したり無茶はせんように」という内容でした。

読んで笑った笑った。
次元がちゃうなと思いました。
無茶をしない範囲で自分で触って、調子が悪くなって修理に持ち込んだら、他の人は「何で勝手にさわったんですか!」って説教するんでしょう。

でも多分あの人は「判った見せてご覧」って言って修理する自信あるんでしょうね。

触っちゃいけない部分なら、ギターにネック調整用のレンチ、付属品で付けるはずありませんもん。


基本的に電子楽器じゃない楽器に対する態度としては、この人をお手本にしたいなぁと思って尊敬しています。

気に入ってるもんは触らない。気に入らないなら、色々考えてモガいてみる。それでも駄目やったら、専門家に相談する。

ことによったら、「それ10万円突っ込んで部品の交換するより、8万円のちゃうギター買うた方が早いで」という回答になるかもしれない。

まぁ、もともとの固有の音の傾向ってありますからね。

それでも、前人未到の大改造に挑むかどうかは、また個人の性格の問題で・・・。
無茶して人をビックリさせてみたいっていうのもアリですからね。


■もはや見境の無い・・・2000-09-18 (Mon)
レベルにまで来てるのかしらねぇ。


『自民党は道路整備などに充てる「道路特定財源」を見直す方針を固めた。』


揮発油税(ガソリンなんかの税金)、石油ガス税、自動車重量税等の「なんであるのか判らない税金」は道路整備等(橋等も含む)に優先的に使われている。

この税金の仕組みというかシステムを作ったのは「田中角栄」元首相を中心とするグループ。

「日本列島改造論」を頂点とする、「土木的よっしゃよっしゃの構図」は常に、この特定財源とあった。

これを奪い合って、ド僻地に通過する車の数より、タヌキの数が多いかもしれない、しかも料金の高い有料道路を作ったり、作ったり、作ったり、したわけですね。

で、これが公共事業のシェア固定の原因になってるので「『整備新幹線』などの財源確保が難しい状況になっているので」、この特定財源を転用したいと。

しかも、環境に配慮し、物流機能を自動車から鉄道にシフトする意味でも自動車関連の税収を鉄道に回すことは理解を得やすいとみている・・・らしいです。


『そこまで新幹線が欲しいか?』

その一言に尽きますね。

「環境に配慮し、物流機能を自動車から鉄道にシフト」

あなたはコンテナが一杯詰まった輸送列車を見たことがありますか?

ワタシは無いです。
よくあれで維持費が出るもんだというようなガラガラの列車ばっかり。

予算を増やさなくても空きはなんぼでもありますがな。

はっきり言って「環境=物流機能シフト」はムード優先の大タテマエ。

『予算不足で凍結された新幹線を整備するカネが欲しい』って見え見えじゃないですか。
ここまで見境の無い意見と言えば、戦後のドサクサの匂いを漂わせた、右翼系とかフィクサーが云々とか、明らかに「ちょっと後ろ暗そうな」政治家さん以外は口にしなかったのにねぇ。

やっぱり「森さん」以降、何かが逆行してるぞ。

で、特定財源というのは、ある程度人口と相関関係にあると思われます。

車が無いと暮らせない地域もあれば、車無しでもなんとか生きていける、いや、あっても維持費は掛かるし邪魔という地域もありますから。

それでも、圧倒的な人口差がありますので、特定財源自体も都会から地方へ地方へと流れているのは間違いない。

渋滞でとてもアクセルを踏み込めない「高速道路」の料金をどんどん上げられ、地方の観光道路の整備に回され、それで海を渡る大きな橋を作ったと思えば、都会で一日遊べる通行料を取られ・・・。

怒り狂った東京都や大阪府は自前の地方税を作ろうとして反乱寸前。

税金の還流システム自体が、破滅寸前で、表面上は必死にバラマキ行政の見直しをやってますが、その状態でも何かにすがりついて『新幹線』を作らないと、選挙区の有権者から見放されますか?

遷都論議も、やっと「必要無し」とまともな事をいう人が出てきました。

東京は、世界有数の都市です。コアの1つといっても良い。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン・・・並列出来る都市は両手に満たないです。今や、その間で激しい競争があり、ネットの進化によって、ソウル、シンガポール等の新しい都市がコアの座を目指しています。

その現実の中で、どっかに遷都しましょうとは亡国の議論だと思いますね。

住環境の問題があるなら、もうそこに住まなくても良い。本社とサーバとその維持要員と役員の居場所、それがあるだけでも良い。
それでも「コアに無ければどうしようもない」ものがあると思うんです。


同様に東海道新幹線の結ぶ地域次いで山陽新幹線の結ぶ地域は、世界でも有数の工業圏です。
世界で有数のものが、日本中に3つも4つもあるはずが無い。
だからこそ、新幹線が結んだんですよねぇ。

そして、新幹線が結んだことによって、世界でも有数の工業圏は、そのシンボルを持つことが出来た。

『整備新幹線』に掛けるお金があるなら、東海道・山陽新幹線を先にリニア化するべきだと思いますね。
それが「斜陽の国」のイメージを払拭するなら、他の国に先んじて、21世紀レベルの工業国のイメージを作り出し、それがさらに新しい産業モデルを産み出すんじゃないかと思います。

・・・みたいなぁ〜(←今日は固かったので、最後に力を抜いてもらおうと思っている)

■とりあえず、生きてる証拠・・・2000-09-20 (Wed)
みたいなぁ〜〜〜〜〜

なぜか、いつからか(笑)

ウチのBBSに頻発するようになった単語と言えばメイドであろう。

メイドさん、メイド服、等々。

ある一定の服装に対して執着を寄せる、その原因は何だろうか。

ある日突然、この国で共産主義革命が勃発し、メイド服が国民服になったら・・・。

それは嬉しいことなんだろうか。それとも悲しいことなんだろうか。

執着の原因として考えられやすいものとして、そのもの自体の価値が大きいということと、希少性ということの2つが考えられる。

もちろんこの2つは完全に可分のものではなく、希少だからこそ価値が大きいこともある。

例えば、海辺でほとんどヒモ状態のビキニを着た妙齢の美女を見た際の喜びは希少性とは関連性が薄いと思われる。

それは男性諸氏にとって、価値が大なものなのであろう。

同じ場所に、トラじまビキニにロングヘヤーの女性が現われたとする。

これに対して激しく反応を示す一群の男性が居た場合、それは「希少性」によって執着をもたらすと言えるのではないだろうか。


現実はさらに複雑な様相を呈している。

「セーラー服」に執着を寄せる人々がいる。

しかし、その人達には確実に「セーラー服」に囲まれていた時代が存在する。

その時代には執着しないで、過ぎ去ってから執着が増す。

これは価値観が変ったと言うべきなのか、それとも周囲から消え去ったが故に「希少性」を感じるのか。

このあたりは、見解が分かれるところであろう。

畑に蒔くほどあったのが無くなったせいでカズノコは高級食材になったのだろうか。
畑に蒔いていた時にはもっと高級な食材があった筈なのだ。

といいつつ、時間がもう無いので、続きは明日。



■ということで・・・2000-09-21 (Thu)
仕事の合間に書いてはみたものの、仕事+発熱でしかも記号論を思い出せなくて知恵熱が出るという悪循環。


「メイド服」「セーラー服」等、「制服」の範疇に入るものは記号として意味を持っている訳です。

記号はカタチと意味から成っているわけですが、カタチが一定の領域に収まっているのに対して、記号の意味は一意性があるわけではありません。

「メイド服」は少し特殊なので、先に「セーラー服」を見てみましょう。

「セーラー服」と聞いたとき、水兵さんの姿をパッと思い浮かべるのは、日本では普通ではありません。

大抵の場合は、女子学生用の制服を思い浮かべると思います。

夏服、冬服、ディテールの細かな違いこそあれ、一般の服装からみると、ごく狭い範囲の誤差でしか無いと思われます。


しかし、この服が、陳列されている場所が、××中学校指定のなんたら洋装店の場合と、深夜の繁華街で営業している某種類のお店の場合とで意味は随分違ってきますよね。

この服を着ている女性が、昼休みに××中学校図書室前の廊下に立っている場合と、風俗営業のお店の中に立っている場合で、その服を着ている事によって、着用者に付加される属性が明らかに違うと思います。

あぁ、熱が出てるのに漢字が多いと、さらに知恵熱が・・・。

この明らかに違う後者の属性イメージが、前者のイメージに対して敏感な教育関係者に危惧を抱かせた結果、制服がブレザーに代る学校がやたらに増えた理由ではないでしょうか。

ワタシの母校も、知らない間に灰色っぽいブレザーになっちゃいました。

私立ではなく公立の中学校が、わざわざ何十年も続いた制服を代える訳ですから、何か理由があったんでしょう。


「メイド服」という固定された服はありません。

生徒手帳に微にいり細にいり、なんやかんやと書かれている訳ではないです。

ただ、その筋のホームページを見る限り、共通の認識のようなものはあるようです。

とりあえず、服は白と黒。

といっても牛模様はメイドではないのです。

エプロンは白。アタマの上の髪留めというかなんというのでしょうか、あれも白。

スカート姿(含むワンピース)でスカート部分は必ず黒。

ツーピースになっている場合、ブラウス部分の色は白か黒。ただし反対の色のアクセントが必ず付いている。

こんなところでしょうか。

全体のデザインはヒラヒラ過剰ではあるが、ギャザーがとってあるとかそういう意味で、「贅沢なレースをふんだんに使い」というデザインではない。


さて、どうしてこの服の持っている記号的な意味はどんなものなんでしょうか。

実際にこういう服を着たメイドさんが日本に存在するんでしょうか?
「女中さん」という職業が、昔はあったようですが、そのような服を着ている事は無いように思います。

あえて歴史のなかで探すとすれば、大正〜昭和の「カフェ」の女給さんが近いようです。

その時代を知っている人なら、「カフェの女給の服」というのではないでしょうか。

さて、なぜカフェの女給の服が・・・というところで、熱に負けてきたので、続きは明日に。やっと寝られる(か??)

■前回までの・・・2000-09-21 (Thu)
あらすじ。

<<インドの山奥で修行をした風水嵯峨は一定期間に一定量以上の仕事をすると『ヨガの眠り』には行ってしまうのであった・・・>>
(↑それはまったくのウソ)

というわけで、具体的に「メイド服を着たメイドさん」という当たり前のような存在を「知ってる人」はほとんどいない訳です。

実際に、そういう服を見かけるのは、ワタシの記憶の中では、デパートの大食堂のウェイトレスさんがそれに近い格好をしていたと思うのですが、デパートの大食堂、お子様ランチというものは、デパートの食堂が専門店街化していく過程で無くなっていきました。

今、その手のサイトでそういう服装が見られるところと報告されている場所は「ケーキ屋さん」「手作りパン屋さん」あたりが筆頭になっています。

そういうお店は、デパートの大食堂が衰退するのとちょうど反対のカーブを描いて増えてきています。

昔はパン屋は「袋に入ったメーカー製のパンを売るお店」で店番はオバチャンでした。

ケーキ屋さんはどうやったんでしょうか。
関西人以外には判らないと思いますが、「モスクワの味」パルナス(というお菓子のチェーン店)はその手の民族衣装だったような記憶がありますし。

うーん・・・神戸発祥の洋菓子屋というのは、関西では老舗なんですが、そういうところで見かけたような記憶があるんですが。

『神戸から日本中に』ってユーハイムでしたっけ?

神戸>港町>在日外国人家庭>本格派洋菓子>メイドさん???

これが東京だと、横浜になるのかどうか、そのあたりは興味があるところですが、残念ながらワタシには判らないのです。

しかし、洋菓子屋のお姉ちゃんに特別な感情を抱くというのは理解の範疇を越えている訳で・・・。


やはり、「メイド服」のイメージは現実の生活とは離れたところに出発点があると考えるのが妥当かと思います。

となると、漫画、アニメ、ゲームあたりなんですが・・・。

少女漫画や、少女向けアニメの世界には、メイドさんというのは頻出していたように思います。

主人公のライバルなお嬢様の側にはメイドさんがいましたし、また、不遇な主人公が裕福な家のメイドになって、というお話もありました。

そこが出発点ではないかと思います。

注目すべきは、「メイド服」に対するイメージの男女差の激しさだと思います。

掲示板で冬月氏曰く「ひらひら中毒」というように、女性の視点から見た「メイド服」は「可愛い」イメージがあるんだと思います。多分「けなげ」とか「勤勉」とかも付随していると。

これが、フィクションの世界でのオリジナルの「意味」に近いのではないかと思います。


男性側の見方とすれば、「プロのおさんどん」という見方も無い訳ではありませんが、「メイド服」は「多少やぼったい」デザインで、メインイメージは「絶対服従」というものではないでしょうか。

これはやはり18禁ゲーム(特に調教育成)の中でのイメージに近いでしょうか。
いや、それ以前に「たまたまある館を訪れた主人公が・・・」インモラルな事件に巻き込まれていく「館限定猟奇系アドベンチャー」では、大抵の場合、「館で最も弱い立場」としてメイドキャラが登場しました。

ただ、「服の記号性」を鮮やかに示してみせたのは・・・えーっと(だだだだだだっ・・・)
(だだだだだだっ・・・)はぁ、はぁ、「殻の中の小鳥」を筆頭とする18禁調教育成ゲームでしょう。

館に入り、メイド服を着せられた瞬間から、少女達の自由は無くなり、「外の世界の人」とは違ってしまう。
メイド服を着るという行為が「自由を放棄する」行為とイコールになっている。

ここで「メイド服」=「服従」という風に記号に新たな意味が付加された訳です。


18禁ゲームの企画制作の現場を知っている立場から言えば、18禁ゲームの企画はキャラクターに対する規制と抜け道の発見の歴史なわけです。
特にソフ倫という団体が発生して、規制が文書化されてからは特にそうならざるを得ない。

そして、そのキャラクターは男性にとって都合の良いキャラクターでなければいけない。
「都合が良い」というのは主人公の行動が「悪意的に解釈されない」とほぼ同義で、これは18禁ゲームのみならず、ギャルゲーと言われる分野にとっては非常に大事な「お約束」です。

その上で普通は「悪意的に解釈せざるを得ない」アレな行動を「悪意的に解釈しない」為に・・・。

●「無知な少女を・・・」>「年齢規制により殲滅」>「亜人、ヒューマノイドに逃避」>「ネコ耳、イヌ耳、ロボなジャンル発生」

●「全面的に主人公を信頼する親族を・・・」>「近親相姦規制により殲滅」>「血の繋がっていない方向へ」>「義理の親族も規制」>「環境的に、擬似的に親族的な役割を」>「擬似的親族規制か?」>「お兄ちゃんジャンルの危機」

こういう動きの中で、「契約としての絶対服従」のプロとして「メイドさん」というキャラが「安全パイ」となっている面もあると思います。

本来、いくら契約と称しても、金銭的契約でなんでもアリなのは「売春規制により殲滅」な筈なんですが、「返しようの無い借金の代わりに」ということになると、「値段が付かない」ので「売ってはいない」と。


長々と書きましたが「制作側の都合」が「キャラクターの偏り」を招き、「受けて側の嗜好、文化に影響を与える」という構図が見えるんじゃないでしょうか。

ただ、キャラクターの偏りはやがて「飽き」を生み出す訳で、次が何なのか、懸命に考えている人がいるんですね。

非常に辛いと思います。特に抜け道を見つけて、企画に入って、制作開始したら規制が変ってアミに引っかかったら、泣くに泣けない状況だと思います。

さて、次は何なんでしょうか。

どこかに新鮮な「絶対安全パイ」が無いか、秋の夜長に考えて見るのも良いかもしれません。


■というわけで・・・2000-09-22 (Fri)
長い文章で漢字が多いと疲れるなぁ。
しかも、論理にアナだらけ。

普段の内容に戻そうっと(ころっ)

で、今日、死んだように寝ていた理由は、2日間で4曲書いて3曲打ち込みと言うペースで仕事して脳が疲れたんでしょう。

当然、それ以前に五線譜にメモ書きは作ってあるんですが。

その間でイチバン悩んだこと。

シンプルでハードなリフ中心のBGMを作ったんですが、自分の個性の中で日ごろ使わない部分なので凄く作っていて楽しかったんです。

使ってるch少ないし、もう少しお化粧した方が良いかな?と考えて、パート増やしてみたら「何を入れても蛇足」になっちゃう。

凄く悩んで凄く時間かけて・・・。

結局止めました。
音質を上げるためにchを使うことに決定。

・自分は作った曲の音符の数でお金を貰ってる訳ではない。
・曲自体と、それを作れるようになるに至った修行時代に対してお金を貰ってる。
・作ったリフは出来が良くて過不足の無い、自分でも凄く気に入ったものだ。

この3つを胸を張って言える・・・けど迷うんですねぇ。

一般の企業の人ってどうなんでしょうね。
凄く賢い設計の方法を思い付いて、部品数が今までの半分で済むようになった。
その時、自信をもって、今までと同じ値段で売れるんでしょか。

パソコン出現以前の一時期のIBMのコンピューターでタンスのような大きさだが、その一段だけにしか部品は入ってなくって、後は空だったという話を読んだことがあります。

IBMのコンピューターは、あるランクの製品の最高機種がその上のランクの製品の最低機種にキレイに繋がるようにラインナップが揃えてあるらしいです。

その製品が置かれているシリーズの位置故に、技術力で小さく出来たけど、小さな筐体に入れて売る訳にはいかなかったという話。

技術者は、小さな筐体に入れて、努力による劇的な技術の進歩を見せたかったんだろうなぁ。

シンプルで出来の良い曲を売るには度胸がいります。
削って削って削って・・・こうなりましたって言う。

悩んだ分、お金貰ってるんだと思えば良いのかもしれませんね。
そう。判断の数だけお金を貰っているとも言える。

うん。そういう考え方も出来るようにしようっと。

■少し・・・2000-09-22 (Fri)
職人芸って何やろね?って考える機会があったんですが。

ワタシもまぁ、職人のうちだと考えてますから。

職業の名称に「作曲家」というのしかないので、税務署とか役所とか、臆面も無く「作曲家」と書いていますが、全く抵抗が無いわけでは無いんですな。

職人の中で、努力と才能と勉強と・・・そんなんをし続けて、「なんたら家」になる。

建築家とか画家とか・・・。

まぁそれ以外にもあるんでしょうか。


しばらく、人の作ったものを監修する機会がありそうです。

でも自分に何が出来るかな?って考えると、うーん・・・って考え込んでしまうんですわ。

自分はどうやって物を教わったのかって。

出て来た結論ですけど、「やったらアカン事」を教えることによって「やってえぇ事」の範囲の見切りをつけるというか。

職人さんの「失敗したら怒鳴られて、後はよぅ見てて盗め」っていうのもよく似てるかな。

これカッコイイでぇ、というのを100覚えるよりも、1つのタブーを知る方が大事。

これは、100カッコイイ部分があっても、1つ致命的な間違いをしてたら、もう「音楽扱いされない」という音楽の特殊性もあるんですけど。


音楽で評判の良いソフトハウスの某ソフトがあるんですが、クライマックスの演出シーンに流れる音楽で和音1つ、致命的な間違いをしているのがあります。

もうこれで、ワタシにとってそのソフトの音楽は「無いも同然」なんですが。

ゲームプレイヤーの中では判らない人の方がはるかに多いらしく「音楽の良く出来たソフト」だねってやり取りをBBSなんかで良く読みます。

ただ、普通にアマチュアのバンドやってる人でも中級者クラスなら、聴いたら「ここ、おかしいでぇ」というミスなんで、「音楽仲間」ではやっぱりバレちゃうということですね。

そういうミス、実際結構あります。ゲームのBGMで。

それをもって「やっぱりオタクは音楽なんか・・・」って「音楽仲間」から言われるのもイヤなんですよねぇ。

その為に「ミスの無いBGM」を作る職人から始めようって感じかな。


まぁ、変な言い方になりますけど、芸大の作曲科なんかに行く人はミスしないんですよ。

でも、同じ年齢でも、ゲーム専門学校の、サウンドクリエーター科に行く人はミスをすることが多い。

これ、その人に問題があるんじゃなく、それまで聞いてきた音楽の中で、どれだけミスを許容してきたかっていう経験から来るもんだと思うんです。

ミスを許容しない音楽を聴いて、ミスの無い音楽の中で「弾き間違い」として自分や他人のミスを見てきた経験かな・・・と。

その経験を1年か2年で作ってあげないといけないから、専門学校の音楽って難しいんですよね。


だから、ミスの無いBGMを業界に満たすことから始めたいなぁ・・・なんて、大それた事は言えないですが、見える範囲でやったらアカン事をやりそうになってる人がいたら、「あきまへん」と言える人間になりたいなぁ。

そんな風に思います。

そんな強い人間になれるやろか?あんまり自身無いなぁ。


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