サントラに使用した楽器達(第六回)

SG-01k
(シンセサイザー:音源)

少し前の世代にはテープデッキのメーカーとして知られているAkaiの音源。

一般に独占に近い形にあるローランドの音源とあまりに音色が違うため、不人気な商品となり、一時期は新品が一万円を切る値段で売られていました。

・・・が、MIDIの再生専用機として考えるならともかく、音源として考えた場合、他のメーカーには有り得ない特徴があります。

それは「メーカー色」が無いということです。

ここで、最初に書いた部分を見直して頂きたいです。テープデッキメーカーからサンプラーへ、そして音源へ。
この流れは、メーカーの「我」というものが存在してはならない、いや、むしろ「我」が存在しないことを善しとする流れです。

この音源は、自らの出自を主張しません、ただ、丁寧にサンプリングされたものを、その通りに再生していく。
これは、他のメーカーには無い「美徳」だと思います。

メモリ容量の為か、ピアノ等、使えない音もありますが、ここ一番の為に容量を取ったと思われるオーケストラ系の楽器の中には、非常に水準が高い物があります。

特に個人的に気に入っているのがストリングスです。

予算的に50人編成は無理だけど、15人編成のものを丁寧に使おう(本当はどうか分からないけど)という姿勢には非常に好意を感じます。

経営的には決して「良好」という噂を聞きませんが、サンプリングという技術の存在する限り、残っていって欲しいメーカーではあります。

「あなたを求めて」のストリングスの奥行き、これなしでは出ません。

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