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八王子吉原遺跡(八王子市No.1030遺跡)


八王子市吉原遺跡 平成21年8月

 吉原遺跡(八王子市No.1030遺跡)は、平成20年度の試掘調査で新たに発見された遺跡で、八王子市北部を東西に伸びる加住丘陵に位置します。丘陵中央部を東流する谷地川に面したゆるやかな丘陵北斜面に広がる本遺跡周辺には、当センターが調査した丹木遺跡群(大町・南谷・南谷東)、明王下遺跡、鶴舞遺跡、椚谷遺跡、戸吹遺跡が連なり、縄文時代から近世までの連綿とした人々の生活の跡をうかがい知ることができます。また、谷地川対岸の丘陵北側には滝山城(国指定史跡)や高月城などの中世の城郭が存在しており、本遺跡とこれらとの関連も注目されます。

吉原遺跡近景
吉原遺跡近景
斜面に展開する陥穴
斜面に展開する陥穴

トピックス
 遺跡の調査は、新滝山街道の整備事業に伴って、平成21年5月下旬に着手しました。 遺跡は、加住南丘陵の北側斜面に位置し、標高135〜164mの高低差のある立地となっています。
 調査範囲は約7300平方メートルあり、調査区内は上下二段の平坦部と、斜面部分からなります。 最高所から標高155m付近の斜面部分は平均すると15〜16度の角度があり、その等高線に沿うように縄文時代の陥穴(おとしあな)土坑が点在しているのが確認されています。
 その下位の標高150〜155m付近の平坦面は、古代以降の土層の堆積が厚く、柱穴が集中する部分などが確認されているほか、その下層からは縄文時代の集石土坑(石蒸し料理の施設)が検出されています。
 標高140m付近の下位の平坦面は、北側の調査区外から続く段切り状の地形が認められる部分です。本格的な調査はこれからですが、調査前の試掘で板碑(石製の卒塔婆)や青白磁の小片が出土していることから、中世の遺構が展開していることが予想されます。 現時点では遺跡全体の遺構確認が終わっていないことから、遺跡の全体像を詳しく語ることはできませんが、今後の調査の進捗に伴って、吉原遺跡の様相がしだいに明らかになってくることが期待されます。

平成21年8月現在