謎の回路で電子工作

 
 
YAMAMORI Takenori


ゲルマニウムダイオードがない場合のために、普通のシリコンダイオードで検波 できるようにしてみました。なんと、LED(発光ダイオード)でも検波できます。
●ダイオードの順方向電圧の違い

レフレックスラジオでは、 倍電圧検波のためにゲルマニウムダイオード2本を使いました。 ここでは、通常のシリコンダイオードは順方向電圧が高くて使えません。

しかし、現在ではゲルマニウムダイオードは一般的な部品では なくなってしまったため、通常のシリコンダイオードを使って レフレックスラジオを動作させる方法を考えてみました。


●直流バイアスで順方向電圧を解消

ダイオードの順方向電圧を打ち消すには、直流バイアス電流を流して ダイオードを順方向電圧ぎりぎりの状態にしてやればよいのです。 考えてみれば当然のことです。

もっとも、この方法が使えるのは あくまで電源のあるラジオの場合であり、無電源のゲルマニウムラジオならば やはりゲルマニウムダイオードが要ることになるでしょう。
(ショットキーバリアダイオードでの代用は未確認)

以前のレフレックスラジオの回路(PDF) の、倍電圧検波用ダイオードの向きを逆にし、ここに直流バイアスを流してやります。
(ダイオードの向きを逆にするのは、電源から電流を流すためです)

●シリコンダイオード(またはLED)で検波するレフレックスラジオ
radio-si.gif

シリコンダイオードには、1S1588 ほか、たいていのものが使えるでしょう。 バイアス用抵抗は、実験したところ 1MΩと高い抵抗の方が感度がよくなりました。 高抵抗のため、ダイオードには微小なバイアス電流しか流れず、 順方向電圧は通常の0.6〜0.7Vより低い約0.4Vで動作していました。 この状態を動作点として信号電圧が加わるため、シリコンダイオードでも ゲルマニウムダイオードとほぼ同じかむしろ高い感度で検波できるわけです。

バイアス電流を流せば順方向電圧が問題にならないのなら、 順方向電圧の高いLED(発光ダイオード)でも検波できるのではないか と考えてみました。 試しにダイオードを2本ともLEDに交換してみたところ、 LEDでもラジオはほぼ同様(やや低下)の感度で動作しました。 微小なバイアス電流のためLEDはほとんど点灯せず、 LEDの順方向電圧は通常の約2Vより低い約1.7Vで動作していました。


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