PC UNIXの起動と起動ファイルの解読 |
YAMAMORI Takenori ●yamamori |
OSのブートというのは,鍵箱の中に閉じ込められた鍵を取り出して 鍵箱を開けるという行為に似ています.
PCの電源投入時点で動作しているプログラムは, マザーボードのフラッシュROMなどに書き込まれたBIOSしかありません. これは,どんなOSをブートする場合でも同じです. OSをブートするには,このBIOSを手がかりにして次々に 鍵箱を開けて行かなければならないのです.
BIOSは,これからブートされるOSがどんなOSであるかについては全く知りません. ここでBIOSがすることは,ブート可能なメディア(起動ドライブ)の ブートセクタを読み込んで,そこに書かれたプログラム(通常はブートローダ)に 制御を移すことだけです. 起動ドライブはBIOSの設定画面で,優先順位をつけて設定できます. 通常は,フロッピーディスク→CD-ROM→ハードディスクの順に設定しておくと さまざまな場面に対応でき便利でしょう.(図(award60.gif))
●図 Award BIOS 6.0での起動ドライブの設定画面
なお,BIOSにもいくつかの種類やバージョンがありますが,
これらはPCのマザーボードに固有のもので,アップグレードは可能な場合があるものの,
BIOSの種類を変更したりすることはできません.
ハードディスクからブートする場合,BIOSによって最初に読み込まれるのは ハードディスクの一番最初のセクタであるMBR(Master Boot Record)です. MBRの中の最初の446バイトには何らかのブートローダが書き込まれており, ここからOSのブートが始まります.