CD-ROMだけで動作するオリジナルLinuxを作ろう |
||
YAMAMORI Takenori ●yamamori |
それでは,CD-ROMだけで動作するオリジナルLinuxの製作を始めましょう. まず,ハードディスクの空きパーティションに,動かしたいアプリケーションが 動作するために必要な最小限のLinuxをインストールします.
RedHat Linux 7.3のインストーラを起動し,インストールの種類では「カスタム」を 選択し,スワップ・パーティションは作成せずに進めてください.(※注)
rootのパスワードには適当なパスワードを仮入力し,MD5やシャドウパスワードの使用の チェックははずしておきます.rootのパスワードは,あとで/etc/passwd のパスワード欄を消去してパスワードなしにします.
パッケージグループとしては「X Window System」と「マルチメディア」のみを 選択します.さらに個別のパッケージの選択で,目的のゲームであるtuxracerを選択し, そのほかの依存関係については,インストーラでの自動解決に任せます. 開発環境やカーネルソースなどはインストールしません.
さらに,Xの解像度や色数などについても,目的のアプリケーションに合わせて 適切に設定します.そのほか,サウンドやジョイスティックについても設定と確認を 行なってください.
CD-ROMからのブートには,El Torito方式の1.44Mバイト フロッピーエミュレーションモードを用います. これには,通常のLinuxの起動ディスクのイメージをベースとして利用します. 起動ディスクは,後述の パッケージの削除 を行なったあとでは作成できなくなる可能性があるため,この時点で mkbootdiskスクリプトで起動ディスクを作成しておいてください.
なお,この起動ディスクの中にはinitrd.img(初期RAMディスク)が入っている必要が あります.SCSIを使用しない,IDEのみのシステムで,かつネットワークカードも 使用していない場合,mkbootdiskでinitrd.imgを使用しないブートディスクができる 場合があります.その際には,
# mkbootdisk --mkinitrdargs --with=ide-cd `uname -r`
のように,最低限何かのモジュールを指定して,起動ディスク内部にinitrd.imgが 作成されるようにしてください. OSのインストール時にすでに起動ディスクを作成している場合は, 内部にinitrd.imgが入っているか再度確認してください.
ちなみに,この起動ディスクはext2フォーマットではなく,mkbootdiskスクリプトの 中から呼び出されるmkdosfsやsyslinuxコマンドによって作成されるFATフォーマットの ディスクです. この起動ディスクはあとでddコマンドでイメージを吸い出して加工します.