CD-ROMだけで動作するオリジナルLinuxを作ろう

 
  YAMAMORI Takenori ●yamamori

●CD-R作成

これでCD-Rに焼くための準備は整いました.あとは,現在のハードディスクの状態を CD-Rに焼いて完成です.この作業は,ハードディスクの別のパーティションなどに インストールされている通常のLinuxを起動して,もとのハードディスクを例えば /mnt/hda4にリードオンリーでマウントして行ないます. なお,CD-ROMの容量に十分余裕があるため,/aに分離したファイルも含めて ハードディスクの内容をそのままCD-Rに焼くことにします.

CD-RのISOイメージファイルは,次のようにmkisofsコマンドを使い, 「-b」オプションで/pre-boot/ash-cdrom.imgをEl Toritoのブートイメージに指定して 作成します.

# TZ=UTC mkisofs -R -J -b pre-boot/ash-cdrom.img -o /tmp/CD.iso /mnt/hda4 (※注)
※注
環境変数TZ=UTCの指定は,筆者の習慣によりタイムスタンプをUTCで記録するためで, 必ずしも必要ありません.また,「-J」オプションによるJoliet拡張は念のためで, なくても構いませんが,「-R」によるRockRidge拡張は必ず必要です.

ISOイメージファイルが作成できたら,次のようにcdrecordコマンドでCD-Rを焼きます.

# cdrecord -v dev=0,4,0 speed=6 -dao /tmp/CD.iso (※注)
※注
SCSI ID=4に書き込み6倍速のCD-Rドライブがつながっている場合の実行例です.

○作成したCD-Rで起動

これでCD-Rが焼けました.さっそくこのCD-Rでブートしてみてください. ハードディスクは電源を切っておいても構いません. CD-Rからの起動時には,当然ですが「boot:」へのオプションを指定する必要はなく, そのまま「root=/dev/hdc init=/pre-init」の状態で起動するはずです. うまくいけば,これまでのテストどおりtuxracerが起動し, そのままゲームで遊べるはずです.(下図) なお,起動後はCD-Rをドライブから取り出すことができます.

●図 CD-ROMで起動したtuxracerで実際に遊んでいるところ
tuxracer-s.gif


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このページは、技術評論社 Software Design 2002年12月号、『CD-ROMだけで動作するオリジナルLinuxを作ろう』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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