CD-ROMだけで動作するオリジナルLinuxを作ろう |
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YAMAMORI Takenori ●yamamori |
ハードディスクを一切使用せずに,CD-ROMだけで起動し, ログインせずにアプリケーションが立ち上がるようなLinuxを作ることができます. このような,CD-ROMだけで起動可能なLinuxとしては,KNOPPIXなどが知られていますが, 本稿ではそれとは別に,あくまで自分で,既存のディストリビューションをベースに, CD-ROMだけで動作するLinuxを作成する方法を解説します.
ここでは,ベースのディストリビューションにはRedHat Linux 7.3を使います. 目的のアプリケーションは,RedHat Linux 7.3にも付属している tuxracer-0.61(OpenGL+SDLのレースゲーム)とします. なお,ほかのディストリビューションでも,tmpfsやpivot_rootの使えるkernel 2.4系を 使用していれば,本稿とほとんど同じ手順で作成できるでしょう.
CD-ROMで動作可能なLinuxとしては,CD-ROM上に必要なファイルシステムを持ち, CD-ROMをマウントした状態のまま使用する「CD-ROMマウント方式」と, CD-ROMから起動後,必要なファイルシステムをRAMディスクの一種であるtmpfs上に 展開して動作する「tmpfs方式」が考えられます.
tmpfs方式では,少々メモリを消費するものの,Linuxが起動すればCD-ROMを ドライブから取り出すことができ,さらに別のCD-ROMを読むようなアプリケーションを 立ち上げることもできます.(※注)
さらに,CD-ROMマウント方式とは違ってファイルシステムがリードオンリーである という制約もなくなるため,製作が容易になります. そこで,本稿ではこのtmpfs方式を用いることにします.
なお,CD-ROMマウント方式については,kernel 2.2系での解説になりますが, 「Linux CD-ROM ゲームシステム」 を参考にしてください.