PXEを使ってPCもディスクレスにしよう

YAMAMORI Takenori ●yamamori

■コラム■「RTL8139のネットブートに挑戦」

RTL8139を使用した1,000円台の安価なNICがあります. これにはDIPのソケットが付いているものの,フラッシュROMは載っていません.

ところが,RTL8139用のPXEのブートコードを, NIC側ではなく,マザーボード上のフラッシュROMの空きエリアに書き込むことにより, 動作させることが可能だといいます. ただし,マザーボードのBIOSはAward BIOSである必要があります.

ブートROMイメージは,

http://www.realtek.com.tw/cn/driver/8139-driver.htm

より,pxe-rpl(210).exeというWinRAR自己解凍のファイルとして入手できます. この中にあるRTSROM_M.LOMというファイルがブートROMイメージです. 拡張子の“.LOM”は,LAN On Moterboardの略で, これは本来, マザーボードにオンボードで付いているネットワークアダプタのためのBIOSコードです. 拡張子の左側の“_M”はmonolithicの略で, 別途ベースコードを必要とせず,単体で動作可能なイメージということです. さらに,同Webページよりrset8139.exeというユーティリティも入手して下さい.

マザーボードのBIOSにRTSROM_M.LOMを組み込むには, cbrom.exeまたはcbrom6.exeという, Award BIOSの内容を部分差し替えするためのツールが必要です. これはインターネット上をサーチして,自分で見つける必要があります.

いずれにしても,マザーボードのBIOSの改造となるため, 安全のためバーテックスリンク(http://www.vertexlink.co.jp/)の 「RD1 ROM焼きだいじょうぶ!」の使用は必須でしょう.

筆者自身,ASUS P3B-Fに搭載のAward BIOS 6.0に, cbrom6.exeでRTSROM_M.LOMを組み込んでマザーボードのBIOSを書き換え, rset8139.exeでブートROMをEnableにしてサイズも設定したり, そのほかひと通りの設定は試してはみたのですが, RTL8139自体は認識されて正常に使用できるものの, 肝心のネットワークブートは残念ながらうまく行きませんでした. これについては賢明な皆さんのご健闘をお祈りしたいと思います.


参考文献
・「BIOS改造マニュアル」/『PC PARTS PRESS』2000年夏号Vol.8/技術評論社

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このページは、技術評論社 「パワーアップFreeBSD」および SoftwareDesign 2000年10月号、11月号『PXEによるネットワークブート設定術』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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